怪我で気を失った男は自分を包む柔らかい感覚にとうとう死んだと思った。
⦅悪魔だらけでも死後位神様が回収してくれるんだな⦆
饐えた様なにおい臭いに満ちたあのシェルターと違い、
清潔なリネンと石鹸の香り
⦅天国って雲とかじゃないんだな?⦆
だんだん体の感覚が戻ってくると今の状況に疑問が生じてくる
「あら、お目覚めね」
その言葉でぼんやりとしていた男は完全に覚醒した。
目を開き焦点のあったその視線の先には社会人になったばかりの様に見える
日に焼けた肌の女がいた。
「女たちはどうなった?」
こんな発言で理解できるわけないと後悔しながら一番気になった事を尋ねた。
「恐山のシェルターはガイア連合支部の中でも上位の女性庇護制度が出来てるわよ
いい判断だったわ」
その言葉に男は涙を浮かべ
「よかった」
安堵した
「あなたも一緒に逃げればよかったのに」
「来てくれた転移屋の人数限界が女たちでやっとだったんだ、
それにあの暴君とその奴隷たちの目を誤魔化す必要があった」
暴君の疑心暗鬼で密告制度なんて馬鹿な事を始め
僅かな報酬を求めて冤罪事件が横行していたシェルターで
不審な行動をするには派手な陽動が必要だ。
「そのおかげでシェルター追放されてあたしに発見されるとは
あなたの運が高いのか運命の作成者達の注目を多少なりとも引いたのか・・」
少し微妙な顔をしながら男を見る
「でどうする?」
今後の事を男に尋ねる
「命がけで助けた女たちと一緒に居たいていうなら恐山に送るわ」
「いや無事ならそれでいい」
「今ならヒーローでハーレム作れるけど?」
⦅女余りの傾向あるしこいつなら引く手数多だろうしな⦆
英雄傾向有り、潜在能力野生の天才級とアナライズ用に作った式紙*1が告げていた。
「だからこそだ、負い目で縛りたくない
せっかく地獄から逃れられたんだそのまま幸せになってほしい」
⦅これだからライトロウは⦆
⦅メシア教に捕まっても面倒だし当初の予定のまま⦆
「ならうちで働きなさい、仕事は選べるくらいあるから
一通り見学して社風があなたに合わなかったら
知り合いのシェルターの幾つか見繕うくらいならしてあげるから」
「なんでそんなに、それに社風って?」
「まあ仲間になれなかった孤独な同胞への感傷を子孫に返そうかと」
その高い霊的才能の因の根元を辿ろうとしても
占術の過去視はここではない見通せない何処かで途切れてしまい*2、
そして黒札チェッカーに微かに反応する*3この世界ではない四文字の残滓
一人で生き抜いて果てただろう同胞のへの感情の吐き出し口に
子孫に多少スパチャするくらいわけない
完全に?を頭に浮かべてる男に
「分かんなくていいわ完全に個人的な理由だから
社風って言ったのわここが自分の会社の支部だからよ」
「会社?支部って」
女はにっこり笑い高レベル特有のカリスマを発揮して
「ガイア連合シェルター建設(株)代表取締兼社長の黒札 通称ギャルネキよろしく」
戦後すぐから転生者は生まれてる
いま生きてる転生者はガイア連合所属して黒札家族は金札
これから導き出される答えは
親が亡くなってる可能性が高い中高年に
ガイア連合に拾われていない
転生者の子供・孫世代の割合が高い(他世代比)
しかも戦後から高度経済成長期の団塊世代位まで子供は多く生むことも多かったので
倍率ドン、
知らずに転生者の子孫どうしが結婚してることがあるだろうから
霊能才能の低下が思ったより進行してない可能性もある。
高い霊的才能故に覚醒した者は知らず知らずのうちに恐山に引き取られただろうし
そういう意味では恐山陣営って俺たちの子孫だらけなんだろうな、
ショタオジが贔屓するのもわかる。