あれよあれよと自分の着ていた襤褸は不衛生で工場巡るのに不適切と
シャワーを浴びせられ、清潔な衣服に着替えさせられる。
見学者のバッチを胸元に付けさせられ工場内を巡る事に。
「まず説明するけどあたしの支部シェルターは殆ど建物単独のシェルター*1で
外に出たらすぐ悪魔に襲われると思って」
一般に核シェルターとイメージされるような密室の循環式
建物内にゆったりと流れる音楽に飲まれないしっかりした声で説明すちょっと待て
「このBGMなんか洗脳効果ないか?」
なんか以前遠くで聞いた天使どもの讃美歌のような気配が・・・
「あら覚醒しかけてるのね、大丈夫未覚醒でも悪影響無い位薄めた呪歌だから」
閉鎖空間だからストレス対策は重要なのよ。
出だしから躓きながら進む
「はい、ここが材料調達用の異界と接続してる中規模ターミナル*2よ」
「良いんですか生命線ですよねターミナル」
「別に此処だけじゃないしターミナル以外の移動手段位用意してるわよ」
交易やってんだからトラブル対策必須だし。
「このシェルターでは鉱山異界の残土を格安で譲っていただいてねそれを材料に色々作ってるの」
採掘して邪魔になった土を袋に詰める仕事、袋を分離機まで運ぶ仕事
分離機から分類ごとに選り分け成型機に運ぶ仕事、各機械を動かす仕事
「なんだかガイア連合の商品は高級品のイメージがあったけどここはなんか*3」
「雇用対策よ働いて外貨稼ぐこと忘れると人は一気に堕ちるわよ」
「あたしの会社はガイア連合所属だけどあたし個人の会社だし
方針として最低限の品質保証*4の製品を大量生産だからね*5」
コンプかターミナルさえあれば低所得層*6でも買えることがコンセプトね。
「個人購入想定は生活必需品にビギナー覚醒者や未覚醒者用オカルトアイテム
赤ちゃんと女性用アニメティー需要の尽きない物を薄利多売*7」
儲けはあんまりだけど赤字にならない水準をキープ*8
「なあ何で機械のフレームデザインが有機的だったり
側面に絵が描いてあったりしてるのは何故?
というか外装がモロ人のもあるんだが」
「協力してもらってる悪魔の為よ」
外観が壺を抱えしゃがみ込む女性の巨大な石像*9を男が見ていると
抱えた壺の蓋が開きソコから溶けた材料が流れ出し
溶岩の様に赤く光ながら型に入っていく*10。
美しい物・巨大な物には自然と信仰マグが、
式紙入りマシンの本霊や
製造物に加護を付与してる術式の力の源の神もこれにはニッコリ。
「初心者用のオカルトアイテムって何を作ってるんだ?」
「ここの支部は残土を材料にしてるから、
黒曜石のナイフ・トンボ玉・七宝焼き・セメント・シリカゲル/オパール・
釉薬・粘土・石清水・水晶etc
って感じね異界の土は概念物質なんで魔法で無理やり性質とかも変えれるからの
無茶ね」
玻璃、ガラス、水晶まあ雑に纏めて火山大国日本なら簡単に山で手に入る珪砂。
「古くから使われてる分色々応用聞くし、人工宝石にしたり七宝*11にして
悪魔への手軽な献上品にもできるし、
壁にセメントを塗りたくって只の建物を霊的防御を最低限備えた建物にしたり*12
人類文明の原初の加工道具の黒曜石や粘土でハンドメイドオカルト製品製造に挑戦もできる、
ガラス玉で霊視や占いの補助で危険を避けたりね」
サンプルの黒曜石のナイフを見せる木に滑らかにした黒曜石の刃、
根元に小さな水晶*13が付いてるのがアクセントか。
「ここは鉱山系の神様と商売相手というか半ば協力関係でやってるけど、
別のシェルターではまた別の神様だし、
さあどうする?
「戦闘班はいないのか?」
「機械部品やデモニカやコンプももちろん製造してるわよ
ただスタンダードタイプだから対して強くないわよ?*14」
事故防止のため異界作業の人員には装備義務あるけど、
そもそも悪魔と遭遇するような未整備異界にはいかせないし
「訓練してる部門もあるけど一般人にはきついわ*15」
いざとなったら命がけになる警備やもしもの時の防衛班はリタイアが多い
「それでもいい、もう無力に絶望するのは嫌だ」
黒札より金札の方が英雄資質が高いのは、
この世界を故郷と見なしているか否かなのだろうか
「まあやりたいなら止めないわ頑張りなさい」
こうして教導役の式紙に*16末期シェルター時代が天国と思えるシゴキを受けながら
また新たな世界の希望となる英雄が生まれたのでした。