「アポリオンキラーの数を減らすとはどういうことだ」
ダンと黒札より報告を受けたインドの破壊神は数ある腕の一つを振い
拳をテーブルに叩きつける。
「まあまあアバドンも終末状態解除して弱体化したし
そこまで必要ないでしょ」
イナゴ自体は弱体してるし、固有悪魔としてリポップ固定したみたいだけど。
「畑近くに狙って現れるのだ、あいつ等」
「しかも相変異の特性が強く只の蝗まで近くにいれば変異させていく」
正直手が回らん。
「作ってあげたいのは山々なんですが」
健気にも細やかな罅で耐えた机の上にオドオドした少年が
羊のぬいぐるみを置いた。
「アポロン様です」
破壊神は一瞥し
「何を冗談を、いや微かに太陽の霊基片が」
「過労死です」
どうにもアバドンが弱体した影響で、
同一視されているアポロンも弱体化が波及し、
それなのに今まで道理の作業量で業務をこなしてたらしく。
「ゾンビの様に脳死作業し続けそのまま儚くなったらしく、蘇生不可でした」
ああ悲しきかなブラック労働、残念悪魔には労基が存在しない。
「なら、再度召喚なりなんなり、いや別の分霊も降臨してただろう」
「それが」
食料・薬品生産担当
「いいのー?せっかく魔界環境でも育てられるよう変異したカビの繁殖ストップしちゃうよ?」
未覚醒者達で生産できる抗生物質(微オカルト)欲しかったんじゃないの?
それにとキノコの自分が管理している無数の原木を示して
キノコの量産研究と儀式と祭りで無理やり権能の方向性をキノコ生産の方に歪めた個体が言う
「蝗を今の僕が倒すなら疫病神の側面を強化するけどそうしちゃうとキノコ、
未覚醒の子達が食べられないくらいの毒キノコになっちゃうけどいいの?」
メープ〇ストーリーのキノコのヌイグルミ式紙に入れられた白カビの神は
既に高級キノコとして食い気に走った黒札と料理人黒札を味方につけて
奈落の底に落ちることを拒絶した。
医療担当
「俺が抜けると皆死んじゃう (ガチ)」
緊急医療や長期治療、経過観察にリハビリと医師は大忙し
「正直こっちに人材か召喚枠増やしてほしい位なんだ」
「むろんフル活動すれば俺の抜けた穴は塞げるかもしれないが」
止めて 医療スタッフ一同
「その場合患者の容体が急変した時、
すぐ処置できないリスクが無視できないくらい跳ね上がる」
さすがに医の神として看過できん。
命を預かる神として拒否させていただく。
「今いる分霊たちは重要な地位についていて、
担当を抜けられないくらい忙しくて」
馬車馬のようにこき使ってます。
それに分霊としての側面的にも不適切だから
今まで道理のペースで作るの無理って。
「で、新たに召喚しようとしたんですが」
少し力を籠め
「本霊逃げやがった」
・・・魔界のどこか・・・
「自由への逃亡」
4頭立ての馬車を爆走させて魔界の座標をあちこち移動してる、
地上ではアポロン神の名で活動する分霊たちの本霊は
背後を追いかける狼を自らと縁のある領域に誘い込み
時に同じ太陽神に擦り付け、
時に月の神の近くで存在を消し、
時に冥府で番犬とかちあわせ喧嘩させ、
死に物狂いで逃げていく、もうブラック企業に就職する気はないのだ。
・・・場面終了・・・
「しかし、強引に召喚も可能だろう」
「それも考えてやったんですが」
・・・アポロン神の聖地・・・
「異界作成完了、アポロン神はここにありけり」
「異界内に俺自身を括り付け終了
英雄神の権能完全ロード完了、
現世の筆頭化身化完了、
アポロンに向けられた呪術は魔界に向かわずこちらに向かう、
召喚術誘導成功、俺は土地に括り付けられてるため召喚確定失敗、
英雄神の神格を現世のこの個体が占有し悪魔合体対策完了*1、
英雄神アポロンは新たに出現不可に、
召喚対策完了、引っ張り出される前に間に合ってよかった」
怒れる親父や女神に黒札達が異界攻略を開始したのを察知しながら。
「託宣の権能全開この異界が攻略されるまで一番時間が掛かる行動を検索、
俺が馬車馬にならずとも何とかなるまで引きこもって時間稼ぎじゃ」
自分が馬車馬にならない未来が見えなかったことを考えないようにし
自身が作った異界に高速でギミックを構築し始めるのであった。
・・・場面終了・・・
「魔界と地上両方で妨害されてて、悪魔合体でも上手くいかなくて」
寧ろ他の分霊にこれだけやって影響与えなかったのがまさに神業
「アポロン神に頼れないならどうする」
「一応対案は用意しました」
すっと鶏を召喚する
「養鶏の加護持ちの鶏に孔雀明王の
動物? 鶏 LV0,8
「女神はすでに協力しているぞ」
孔雀明王の源流は古代インドの女神さま何で当然協力している。
「でもこんな眷属はいませんよね」
正確には戦乱の中で戦闘特化の眷属以外増やしている余裕がなかったでしょうが。
「アバドン戦で役に立つとは思えんな、眷属でさえ象ほどの大きさの個体も発見されているのに*2」
そういいつつこの鶏の運用パターンを高速で脳裏で想定し始める。
「ぶっちゃけアバドン倒すだけならアポリオンキラーいりませんよね、
終末ギミックも終了してますし」
今は只の災厄系悪魔であり、問題はその数、
そして権能。
「戦闘力ある蝗は悪魔と覚醒者達で弱点等共有ですから寧ろ鴨」
単一種族が多いのは耐性ゲーの世界のメガテンでは経験値稼ぎに有用なのだ。
「だが問題は」
「蝗害の概念で増大していく軍勢と食害、そして毒と荒廃を撒き散らす死骸だ」
眷属も含め毒と災厄を纏った
草木の生えぬ土地に汚染していく。
「だからこそアポリオンキラーを終末後にも求めた、
治癒と豊穣そして退魔の光の力を」
その力を効率よく伝えるにはアバドンと同一視されてるアポロンが最適であっただけ。
「逆に死骸を処理出来て、食糧問題の解決し、眷属も消えてくれれば問題ない」
そんな都合の良いことができるのが孔雀明王。
「害虫・毒ある生き物、厄災を食らう力まさにアバドン特攻」
「本来の孔雀で十分だろ」
「繁殖力の差ですよ」
孔雀は繁殖期にしか卵を産まず年間10も生まない。
「鶏は年中卵を産む、蝗の数に対抗するためにこちらも数が必要
養鶏の加護でもちろん産卵数も増えています」
弱い蝗ならそのまま放し飼いで食べてもらうのも良いでしょう
「そしてその卵には孔雀明王の功徳が詰まっている、
アバドンの毒に襲われてしまった人々にとっての特効薬になるでしょうね」
「それで何をこちらに求める」
「鶏肉の食料工場の建設許可」
「願ってもいないことだ」
「そしてスタッフに
「それは」
「ほかに汚れた
飼料として粉砕くらいはしないといけないのに」
「何も言わないだけだ」
目を閉じる破壊神
「ありがとうございます、大陸中で育てるなら、鳴き声で
なにせ育てる数が違う、中には悪魔化する者も出るだろうが、
「
その太陽への縁より
どちらにせよ聖獣や神獣よりの存在になるだろう。
「でも来てくれるなら嬉しいでしょ
孔雀明王は雨乞いの呪術にも使われる、
凄いな雨と太陽が来た、荒廃した大地に緑を取り戻すものが、
未覚醒者でも育てられる家畜一匹で」
わざとらしく驚く
「そして大和の者に親しきものがこの地で有力者になると」
「いや、アウェーの土地で話しやすい方が一柱いらっしゃると楽という話なだけですよ」
大和の神は今は守りに入っていますから。
「最下民層という巨大勢力を丸ごと氏子にし、食糧を握らんとしてるのにか?」
「もとより切り捨てられていた場所、仏教/密教経由で
お話合いするのに有効なカードはもちろん確保しておかないと。
「具体的なプランを詰め始めようか」
「ええ、実り多き話し合いにね」
黒札の本音 食糧自給率上げてくれホント。
電脳世界で効率の悪い肉類は特に。
孔雀明王様こんなにあなた様の信仰に多大な貢献した大和の味方ですよね?
恩を蔑ろにしませんよね?(逃がさねえよ便利な権能)