なろう系な俺たち   作:ねこinu

195 / 209
ペットブリーダーや調教師の終末後にはどうなるか、
海外は食料不足で全滅か?

大和ではどうだろう。


恐怖のワンワンシェルター

 

 

 

動物大好き俺たちは沢山いる。

 

そんな俺達が終末で動物たちが死に絶えるのを受け入れられるか?

否である。

 

そんなわけであちこちにシェルターを建設するのだが、

人間の町の外の野生動物の生息地は神様にお任せしたり、

動物系の悪魔を有りか無しかで揉めたり、

各動物のペット論争で派閥が出来たり、

種族でまとまったと思ったら、

血統書付きの純潔オンリーと雑種OKでまた分裂したりと

所属人数の割に大きなシェルターができないのが困りごと

それでも30越えの修羅なら単独でシェルターを複数抱えることも可能なのが、

レベル格差の怖いところなのだが。

 

ガイア連合事務所属の監査員は緊張しながらその町に着いた。

 

⦅レベル持ちの人にやっぱりついてもらえばよかった⦆

 

監査員通称Dクラスは内心泣きながらこの町の大ターミナル施設から

この町の主人の居住地に歩みを進めた。

 

⦅結界展開型シェルターを複数購入そのシェルターは終末後にペット関係の

 一般人保護のために使われているとの話だけど⦆

 

この監査は所謂タレコミとガイア連合で把握している商業記録からの疑惑で来たものだ。

 

いわく

 

「ペットを虐待している飼い主たちを魔獣にして悪魔たちの生贄にしている・・・か」

 

ここの黒札は終末前からペットシェルターを運営しており、

とある神様の加護でなれるようになった雷様の姿で戦闘班として活躍している。

 

⦅いざとなったら簡易式紙が本部にSOS送るらしいけど⦆

 

修羅勢の中では社交的で常識的な人だが怒らせると怖い、

以前とあるガイア連合主催の交流会で大神様が戦力として爆弾犬を話題に出したとき

即拳での説法を開始した程に。

 

その後気に入られて加護貰ったのは笑い話にしていいことなのか。

 

中心にある黒札の在宅にゆっくりと歩いて近づきながら、

周囲の様子を観察する。

 

道をすれ違うのは終末後の世界では珍しく穏やかで落ち着いた表情の人たち。

 

犬の散歩や放し飼いにされてる猫たちが多いのはこの町がペットと離れたくない人向けに

解放されているからだろう。

 

特記事項に町の結界ギミックに生類憐みの計が付いていると書かれているが、

ペット愛好家達には好評のようだ。

 

そんなところも、

終末前からペットシェルター、対終末の物でなく、飼育放棄されたペットたちを引き取り

お世話するNGO団体を経営していた黒札らしいシェルターだ。

 

外からでも聞こえる複数の犬たちの鳴き声が聞こえる建物

 

黒札の住家は個人の家というより医療関係の施設といった様相で、

純白のコンクリートの建物は清潔さと、無機質な近寄りづらさを感じた。

 

外から訪問の知らせを伝えようとしたが、

正面玄関にはインターホンはなかった。

 

「すみません連絡していた山梨支部の監察員です」

 

玄関前で大声で中の住人に聞こえるように呼び掛ける。

 

ばたばたと生き物が動く音がするも返事がない。  だれだだれだ

 

「お留守でしょうか?」   パパは変な実験してる

 

ドアにカギは掛かっていない。

 

「流石に無断で入るのは不味いですよね」   お客さんは大歓迎だよ

 

出直そうかと悩んでいると

 

ドン ガタガタガタ と大きな音がする。   またぱぱ失敗した

 

通常より甲高い犬の鳴き声が響き始め

ガタガタと暴れるような音が断続的に発生する。

 

⦅犬が事故起こした? 家主が留守のお宅に入るのは、でも⦆  どうぞ

 

このシェルターのギミックを思い浮かべる

 

⦅助ず無視したら罰が下るかも⦆

 

もうすこし結界の詳細も確認しとくんだったと後悔しながら

 

「お邪魔しまーす」   みんなーお客さんだよ

 

家の中に入っていった。

 

玄関に入ってすぐは病院の待合室のようであった、

暖色の敷物が敷かれ広い空間に柔らかい素材でできたソファーがあちこちに置いてある。  

 

こんにちは 

 

壁際に置かれたテーブルには急患の場合押してくださいと呼び鈴が置いてあった。

 

⦅病院のようではなくホントに医者変わりもしているのか⦆

 

回復系の魔法を覚えた覚醒者は下手な藪医者以上の治療も可能だ。

 

声の方へと奥へと足を進めていると、

ばたばた足音を立てて近づいてきた犬たちがDクラスの足元に纏わりつき、

遊んでとじゃれてくる。 こらお行儀よくしなさい

人に警戒しない人慣れしている犬たちだ、  悪い人の匂いはしないね

番犬ではなくこの家の中で不特定多数のお客さんにマスコットとして可愛がられているのだろう。

 

軽く撫でて後でねとDは進む 僕もなでなで 遊んで お八つ頂戴

 

犬が出入りしやすいようにか部屋毎の扉が無いものが多く、 たすけて

代わりに上部から薄布を垂れかけて先がよく見えないようになっていた。 こっちきて気づいてよ

黙れしゃべるな

 

布を捲り奥へ奥へと廊下を進んでいく、  こっちだよ

幾つかの部屋を通り過ぎ角部屋まで着くと

ごとんごとん 布一枚先から物音がする。  

布を捲った

 

「何をしてるんですか?雷様」

 

白い目で見ているDクラスの視線の先には

四つん這いで犬の玩具をガジガジしている成人男性の姿が。

 

 

「いやすまんすまん、術式の調整実験をしていたんだが」

 

話しかけても犬語でしか返事をしないのでSOSを事務所あてに送り、

オカルト事故のリカバリーができるヒーラーが派遣され、

治療してもらった後、

迷惑かけたDクラスにそう雷様は謝った。  お父さん怒られてる

 

「犬の気持ちが分かる結界を構築して、自宅に設置しようとしてたんだか

 犬の価値観を理解するための精神操作で犬側に近づけすぎてしまったな」 そのまま一緒でよかったのに

 

はははと笑うが、筋骨隆々の大男が犬の物まねしているのはだいぶキツカッタです。

 

「人のが犬の声で鳴いていると報告があったのは・・・」

 

「動物会話スキルの調整の時の事かな?」 こっち

 

「悪魔に元人間の獣を売っていると」 私よ

 

「悪魔達にもペットが欲しいと要求された場合は審査の後地球の動物や

 獣系悪魔を譲り渡しているが、人間は売っていないな

 引き取り手を探さないとここで無限に飼えるわけではないからな」 

 

「ペットを虐待してる飼い主に対しての制裁は」 犬ころじゃない私お助けなさ ギャー

「そもそもここは自分以外の生き物を大切にしないなら罰則有りで入って貰ってるから

 勝手に自滅する人はいるぞ」  俺たちはお前が勝手に何かすることを許していないぞ

 

簡易式紙の嘘感知に反応なし

 

「はい有難うございました」

 

「こんなのでいいのか?」

 

「もともとシェルターの運営方法は管理者に一任されていますし、

 今回はさすがに怪しい噂が頻発してたため

 事実確認とガイア連合の悪評につながる行いをしていたなら

 改善指導位はしますけどね」 あああああ 今すぐ牢にぶち込んで

 

正直手が回りませんし。

 

「もしも人売りをしてたら流石に幹部まで議題が上がるかもしれませんが、

 入居時に示したルールの違反者を罰しているくらいで

 こちらも文句は言えませんよ」 この男は悪魔よ悪魔なのよ

 

それではとDクラスは玄関に向かう

 

「ご足労痛み入ります」 おとうさん ご主人をいじめたらわかってるな小僧

貴方に仏の加護がありますように

 

背中に言葉を受けながらDクラスは振り返らず玄関を開けて出ていった、

半覚醒者の自分にすら感じられる無数の動物霊と、

苦痛と恐怖のマグに満ちた空間から一刻も早く逃げ出したくて。

 

「確認しなければいけないことは確認した・・・仕事はまっとうした」

 

それに

 

「仏法に殉じる生き方を誓った人が何かする相手ならそういう相手なんだろうしね」

 

因果応報因果応報

 

「さっさと帰って報告書書いて酒飲んで全部忘れよう」 やだやだやだやだ見捨てないで

 

バタンと行儀悪く開けっ放しにした玄関のドアが今更思い出したかのように閉まった。

 

さようなら次あうときも良き付き合いでありましょうお互いのために




ドラッグ

R18に補足モドキ近日中に置くかもしれません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。