終末後シェルターはいつも不足していた。
そもそもガイア連合関係者達を入れる想定で作られている為、
多くのシェルターで一般人はそもそもそこまで収容する予定ではなかったからだ。
しかし実際に終末が起きると押し寄せてくる難民を無下に跳ねのける事の出来る
人間は多くなかった。
人類文明を維持するのに人数が必要なこともあり、
困りながらもどうにかやりくりしていくのだが。
外様神・多神連合の経営破綻シェルター、流れの転移屋、時の翁
難民のお代わりを放り込んでいく者たちがいるせいで、
終末前に作っていたシェルターだけでは収容できない事態になっていく。
ゆえに危険な結界外に足を踏み入れて追加のシェルターを作らなければならないのだが。
「なんで終末前に苦労して金稼いで身内分のシェルター枠取ったのに、
タダで赤の他人のためにシェルターを作らなきゃならないんだ」
まあ不満の出ることと言ったらない。
そんなこんなで必要なことは分かっても遅々と進まないシェルター建設、
それでもごく一部は新造されているのだが。
廃墟となったビジネスホテルは今大規模な一反木綿式紙達による
改装工事をされていた。
外壁はコンクリートと漆喰を塗られた後、*1
摩利支天の梵字が刻まれたタイルで張り巡らされ、
人間にとって安全な空気になるよう祓戸大神のフォルマ入りの空気清浄機を四つ設置、
ホテル内部は太陽神の加護が籠められた電球に入れ替えられ、
貯水槽は滾々と内部から水を生成し続ける岩*2が放り込まれる。
「後は食料確保と最低限の仕事が出来るように一階に大型機械持ち込んで、
サブ発電用に人力発電用自転車とソーラーパネルとバッテリーを持ってきて」
後は買い物用にターミナル付き自販機と、
閲覧できるサイトにフィルターかけたオカルト防御付の共有用パソコンを幾つか。
めんどくさい
ここは突発的に終末が起きた時のことを想定し、
シェルターへ運送できる救助隊が来るまでの一次避難所として
結界設備等の籠城の準備を事前にしてあったからよい物の
他の場所では地鎮から始め、地脈を整えなければいけない。
建物の再利用さえもできない場合は悪魔がはこびる土地に
建材を運んでこなきゃいけない。
もちろん悪魔たちの力があればそこまでではないが。
例1
支部長の黒札
「新たな大規模放置農場予定地が水源遠くて不便なんだよな
よし、水神の権能パワー全開して地下水を誘導して近くに湖を作るぞ、
ついでに魚を放って食料の種類も増やせ増やせ」
例2
大和の神
「ここ交通不便でせっかく売り物作ってもターミナルの運送代がかかるんだよなー
せや地下にトンネル掘って近くの集落に直で行けるようにしよ、
これで大規模交易できるぞ」
例3
多神連合
「近くの山のせいで日照量が少ねーなーこれで増築したソーラーパネルの
発電量が伸ばせねー
大物の神が居座ってるわけでもない見たいだから
ちょっくら
ショタオジのターミナル術、シェルターの設備と防護には地脈龍脈の力を借りたものが
ベースだが、それ故周辺地形が弄られすぎると。
「すみませんすみませんなんかシェルターの結界が穴あきに」
「ちょっとなんか悪魔がシェルター内に発生するようになったんだが」
「ターミナルがなんか転送した物が数割どっかいちゃうんだけど弁償しろ」
とりあえず最後の奴は罰金としてレベル一になるまで悪魔カード量産用の材料の刑にして
龍脈ニキはにっこりと*4
ショタオジ製のシェルターの仕様を懇切丁寧に、
管理者なら必修の知識を説明しなおす。
そして
「自力で全部直すのと罰金と手間賃払うのどっちがいい?」
仕事を増やす厄介者たちにそう尋ねた。
その後人里近くで大規模な異能や権能を使って土木工事するときは
ガイア連合本部に申請する慣例が出来ました。
無視しても良いけど不具合でてもなんの保証もしないからなby地脈管理部一同
申請すれば問題なく通るとわかってはいても、
事務手続きって申請時間がかかるのが困りものね。
申請待ってるくらいなら式紙達で権能等使わない物理的な手法でシェルターに
リホームしていった方が時間も手間もかからない。
悪魔のスペックなら異能を使わずとも
僅かな時間で小型シェルターなら作れてしまう。
⦅魔界の自然災害や悪魔からの発見を考えると地下街シェルターを作りたいけど、
イザナミの荒魂を鎮められずにいるからな⦆
地の底の国である根の国の女神ゆえに
結界の質が甘いと干渉される。
根の国に権限のある他の神
スサノオ・オオクニヌシが此方側だが国津神側だし、
何より神話的にはイザナミ有きの権能なのだ。*5
「すいやせん、内装を持って来やした」
派遣されてきた力自慢たちがトラックとクレーンで運ぶような大型機械を
肩掛けで持ってきた、
式紙が怪力で便利でも細かい人間的機微を必要とする作業には
人の手が必要なのである。
「ありがと、こっちよ」
床が抜けないよう一階に置かれる機械、上層から騒音トラブルが来るかもしれないが
そこまでは面倒を見れない。
最低限の文化的な生活は最初に与えてもそれを維持する努力をできなければ
あっという間にスラム化する、
そんな塩梅。
「各支部から報告されてる難民の数を想定すると予算が全然足りない、
今はまだオカルト対策された宿泊施設の流用で予算抑えてるけど、
何故か後から追加で増える難民と、
流用できる施設の残り件数を考えると近々破綻するな」
各地から届けられる要請書は事務員が纏め、
山梨で整理されガイア運営班達に報告されるが
そんなものなくても現場に顔出せば肌で感じられる。
⦅ただ与えてるだけではガイア連合のお荷物を増やしていくだけ、
溜まっていく黒札仲間の不満が爆発する恐れもあるし
メシア教の保護政策と同じ失敗するわけにもいかん⦆
管理できなくなるしヘイト貰うからやりたくなかったんだけど
お世話になってるガイア連合の負担を軽くしないといけないからね。
ギャルネキは自分の会社の工場支部を各地に建築していくことを選ぶのであった。
ギャルネキが大量生産系の工場を多数持ってる理由。
結界や運送の効率とか考えると一か所に集中して工場を建てた方がいいが、
そもそも一般人に自立して生きて欲しいので、
未覚醒でも魔界で最終的に独立して生きていけるようにすることを目標に、
魔界各地に小規模のシェルターがあちこち建てられている。
扱ってる金銭的には十分富豪ニキ達の仲間なのだが、
各地の支部の売り上げで新しいシェルターを新設してるのと、
小規模シェルターを製造して回って一般人の面倒見て働かせる手間と時間を
他の事に使った方が大金稼げるくらいにはレベルはある。