エピソード11
女神を地母らせる方法
①知人からのアルバイト依頼
なんか知り合いから手伝ってと呼びかけ来たので、
地上の物が流行ってるって聞いたし、
地上の物を買うためにも小遣い稼ぎに行きます。
「まさか、怪物でなく女神として来れるとは」
「しかもこんな低位分霊で」
勢力争いに敗れ魔性と貶められた女神は
かつての姿で地上に降りられたことに驚きを隠せなかった。
しかし、仕事というのが砂を石に変えろとは、
大地の地母神系の女神なら普通にできたんでは?
まあ、霊格が落ちたせいで、意識して見ないと石にできない
レベルまで落ちたのでかえってやりやすいですが。
≪ペトラアイ≫石化の権能というよりスキルまで小規模になった
悪魔としての力をふるい、
透明なケースに入れられた砂を一塊の岩に変える、
新しい砂入りケースと交換に岩入りとなったケースを運ぶのは石人形達
建材が足りないから、作った分は全部買い取るといわれた。
「まあ、小遣い稼ぎが楽なのはいいんですけどね」
居心地もいいですし。
地母神の聖地となっている異界にて、
漠然と流れ込んでくる信仰マグに気持ちよさを感じながら
作業を進める。
・・・休憩中・・・
自分専用の小屋/小神殿にて休息中、
ファッションに興味があるならと
渡された沢山の服の精密な絵が描かれた本、
このどれもが早ければ一日で手に入ると聞き、
人の子の成長に感心する女神。
(ちょっと遊びに来るだけと思ってましたが、
終末までのんびりしていてもいいですね)
今後の過ごし方を考えてた女神に、
「女神様お飲み物をお持ちしました」
自分付きの人間が外から声をかけてきた
入室を許可すると一人ではなく小さな影がもう一つあった。
それは幼い少女であった
「女神さまにご紹介します、
新たに巫女になることが決まりました娘でございます、
至らぬところもあるでしょうが
どうか将来性をみて頂けないでしょうか」
ご不快でしたら次から連れてきませんので。
そう伝える御付きを無視し
「ねえ、お洋服は好き?」
可愛らしい少女に目線を合わせて尋ねるのであった。
それからは小遣いを稼いでは洋服を買い、
少女を着せ替え人形にしていく女神であった。
・・・時間経過・・・
「石化で変わる石を宝石にできないか?ですか」
一寸趣味の資金が足りなくなってきたので、
もうちょっと収入増えないか尋ねた結果がこんな答え。
「ちょっと、難しいですね錬金術とかそっちになりますし、
蛇つながりで引っ張るのも限度がありますし
見かけだけの魔力も概念もない色石ではだめでしょ?」
鉱山系の神、財方神に頼んだ方がいいでしょうね
そう答える女神に、
つまり繋がりが深くなればいいんだね、
錬金術スキルを持てればイケるんだね
そう言葉が返された。
・・・準備中・・・
「みんなー楽しいオカルト化学が始まるよー」
どこか、国営テレビの教育番組臭がする演出と共に、
女神を主演にした錬金術の実践が始まる、
その正面には孤児院の子供達が行儀よく座って見学している。
女神は解説している毛むくじゃらの獣人?の説明に沿って
砂とマッカを容器に入れ錬金術(作成系魔法)を発動する
ゆっくりと融解し混ざってゆくそれを背後に
「この砂はね、コランダムというアルミの一種と酸化クロムというものを
混ぜてあるんだ、このクロムがあると真っ赤なルビーになるんだ」
他にもいれる物を鉄やチタンに変えるとサファイアになるんだよ、
エメラルドを作りたいときは・・
説明している途中で融合しきったため、蛇か巻き付いた杖を女神は容器に入れ
石化の権能を発動する。
石、結晶化した物質は化学法則と錬金術の概念作用によって見事に
握りこぶし程の研磨した後のようなルビーへと変わる。
「おお、大成功だね、女神さまが持ってる杖は超自然的な力を象徴してるんだ、
蛇さんは昔から知恵や神通力の象徴、
もちろん錬金術にも通じていているんだよ」
女神さまも蛇さんの力を宿してるから、こうしてスッゴイ錬金術が使えるんだ。
(いや確かに蛇の属性同士で相性がいいのは確かですが、
この杖普通の覚醒者なら最低限錬金術発動できるオカルトアイテムですよ)
そう心の中で突っ込みを入れるが、子供達のキラキラした尊敬の目線と共に来る
信仰マグに何も言わなかった。
・・・錬金術のスキルが生えたしばらく後・・・
短期アルバイトのはずなのに長々拘束して悪かったわね、
一段落着いたから帰りたかったら帰っていいわよ?
誘ってきた知り合いがそう声を掛けるが
「いや、帰りませんよ」
巫女以外の女の子も自分の周りに集め、複数コーデや小物に拘りだしている女神は
「ここまで、居心地のいい環境自分から捨てる神はいないでしょ」
すっかり馴染んでいた。
「でも、もうすぐ終末だから今まで見たいにゆっくりできないわよ?
面倒に巻き込まれる前に帰った方がいいんじゃない?」
その返しに呆れ顔の女神は
「自分を慕ってくれてる氏子位、神として守ります、
最初からそれが狙いで私を招いたでしょ」
女神として信仰を取り戻した私ならアイギスの盾も使えるようになるでしょうし。
「今の状態だと石を産み出す創物神としての信仰ばかりなので、
戦女神としての信仰も広げる必要はありますが」
どう広めようかと悩む女神に
「大丈夫、今の地上には動画放送という手軽に布教が出来る手段があるから」
にっこりと、いいイベントあるんだととある黒札主催の企画を見せに行った。
運命の格ゲーが始まる