真・恋姫†無双 妄想伝   作:コイル

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第22話  それぞれの責務

 今という時を鮮やかに写す場所がある。四季折々、多種多様の草木を育む本殿中庭だ。

 そこは月日の移ろいを生命の循環で色彩豊かに表現する。

 例えば、春に芽吹き、夏に葉盛り、秋に花咲き、冬に枯れ散る。こんな木々の変遷を辿れば、本来は不可視な時の流れを視認することが可能だろう。

 無論、それは日輪の影を追い、月の満ち欠けを数えても同じなのだが、

 ――無粋ね。それでは文字通り"花"がないじゃない。

 同効果をもたらすなら、より美しく。より気高く。より優雅に。

 頂上には未だ昇りきらぬ太陽の下、中座で軍議を終えた華琳はひとり回廊を行く。

 ――一度きりの人生だもの。今一時に拘りを持たなくてどうするのよ?

 彼女がこの場所を気に入っているのも、今ここにいるのもそういった理由からだった。

 華琳は思う。

 遊歩回廊から望むこの景色、今を精一杯寿ぐ草木が愛おしい、と。

 愛でる。

 ありのままを見て、感じ、触れて、詠み、謳い、残す。

 それは渾身の今を心に切り取り、永遠のモノとするためだ。

 意味合い的には先日体験した"しゃめ"と近く、

 

「……そうよ。"しゃめ"してみるのも面白しろそうね。決めた。今度"けいたいでんわ"の扱い方を洗いざらい説明させましょう」

 

 と、そう思った時だ。

 華琳はある光景に目を引かれ、ふと、歩く足を止める。

 見つめるは池の畔。

 映るは吾亦紅(われもこう)の群生。

 そこには赤とも紫とも言えぬ楕円の穂花が、幾つも連なり咲き誇り、

 

「……美しい」

 

 無意識に賞賛が漏れていた。

 魅せられる。

 一見地味でも可憐な美に。今を謳歌する曇りなき輝きに。見事だ。

 しかし、残念ながらすべてがそうであるとも限らない。群の中には咲き遅れたものだってあり、それはまるで、

 ――凪たちのようね……。

 華琳は三つ並びの蕾にそんな感情を重ね眺めていた。

 

「…………」

 

 そして思い返す。先程の軍議のことを。

 あれは酷かった、と。

 あれを凪はどう纏めるつもりだったのか。逆に興味が沸いてくるほど酷かった。大袈裟でもなんでもなく、使い物にならない代物だった。

 だが軍議の時とは異なり、

 

「ふふ、らしくはあったわ」

 

 華琳の態度に苛辣さはなく、むしろ、口元には笑みも浮かべていて。

 激しい叱咤はあくまで期待の裏返しだ。本当に不要な人間なら苦言など送りはしない。

 それは彼女たちならもっとやれる、もっと輝ける、あの吾亦紅にも負けない満開の花を咲かせられる。そう信じているからこそで。

 

「吾亦紅とは"我もこうありたい"という願いを籠めて名付けられた花……。なら、あの場に自らの意志で立った三人も負けていない」

 

 振り返る記憶は半月ほど前のこと。

 私たちに出来ることはありませんか? と、そう彼女たちが言い出したのは、濮陽組の合流からしばらくしてだった。

 これまでは与えられる任務をこなすだけだった彼女たちが、突然、自発的に開化を求めた。

 その切っ掛けは……、などと野暮なことを言うつもりはない。

 どんな理由にしろ向上心は好ましい。

 ゆえに華琳は三人に"何が出来るか"ではなく、"何がしたいか"を問うた。

 受動的な羨望ではなく、能動的な渇望を抱いて欲しい、と。

 だが、

 

「そうしたらあの娘たち、いきなり秋蘭や桂花のようにって。もっと私の役に立ちたいと言い出して……」

 

 それじゃ駄目、とは、つい言えなかった。

 嬉しくて。

 未熟でも無垢な真心をもう少しだけ見守っていたくて。

 おかげで次回の軍議までに、と先延ばしにしてしまい、

 

「でも、やはり駄目ね。あれでは足らない。(まつりごと)とはそうじゃないの」

 

 果たして、この思いは伝わったのだろうか。彼女たちは感じ取ってくれただろうか。

 そんな思いが胸を過ぎり、けれど、それだけの言葉を華琳は置いてきたつもりだ。あれくらいでへこたれる三人じゃないとも信じている。ならば、

 

「ええ。きっと大丈夫。あの娘たちなら。だって吾亦紅の花言葉は"変化"なのだから」

 

 と、華琳は視線を蕾から隣に流した。

 あるのだ。そこにはもうひとつの根拠が。

 思い返すのは軍議にて期待外れと告げた直後のこと。

 いたのだ。そこには三人を庇い、口を挟もうとしていた馬鹿が。

 あの時は睨みを効かせて阻止したが、その目はおそらくこう言っていた。

 

「……可哀相だからもうやめろ、と」

 

 そして何の偶然か、今も視線の先にはその状況が見て取れる。

 吾亦紅の脇。ひっそりと並ぶのはまだ蕾も宿さぬか細き一茎。遠慮がちに葉を広げるリンドウだ。

 さすがに少々話が出来すぎだと華琳は思うも、

 

「その花言葉は"あなたの悲しみに付き添う"。お人好しの馬鹿にはぴったりの――」

 

 だが――。

 華琳にとって"リンドウ"とはまったく別の()()()()()()()も持っていて――。

 

「っ」

 

 その瞬間、かすかな歪が心に鳴った。

 分厚い鋼に劣化の亀裂が走るような、短く鋭利な音が。小さくとも確かな傷が入る。

 そして穿たれた傷は瞬く間に侵食を始め、封印した筈の、しかし、決して忘れてはいけない記憶と感情が内側から不意に溢れ――、

 

「――駄目ッ!」

 

 華琳は塞ぐ。

 物憂げな瞳をそっと閉じる。

 小さな手で胸をきつく抑える。

 開きかけた扉に堅く錠をかけ直し、思い出すべき記憶を呼び起こす。

 強く思う。今は違う、と。

 振り払う。違うの、と。

 拭い去る。ごめんなさい、と。

 首を振る。悪いのは()()じゃない、と。

 そうだ。今、この花に重ねるべき人物は――、

 

「――おっ、華琳いた!」

「遅いのよ、……ばか一刀」

 

 

***

 

 

 一刀は華琳の前に起立する。

 午後へと近づく柔らかな風を頬に感じながら、正面。見下げる瞳に色んな意味で気後れが生じていた。

 そりゃ登場一秒で馬鹿呼ばわりだ。完全に出鼻は挫かれた。しかも、今いるここは中庭を囲む回廊ではない。

 なんと登場三秒でついて来いとだけ言われ、それきり何の説明もなしでやってきたのは宮城を囲む内城壁の上。落ちたらいい感じで全身粉砕骨折しそうな高さにいる。

 おまけに見張りの衛兵も人払いされ二人きりとくれば、

 ――さ、さすがにないよね? 桂花じゃあるまいしさ。その、いきなり飛べ的な? 獅子は我が子を千尋の谷へ的な? そんな鬼畜イベント華琳はおっぱじめたりしないよね? ねっ!?

 一刀は怖かった。

 こうしていくら自問しても、肯定的な答えがちっとも得られないことに。

 ただ気後れの理由がそれだけかと言われるとそうじゃない。他にもある。というより、こちらが本題で、

 ――たぶん、華琳は待ってたんだよな。あそこで俺が来るのを。

 だから彼女は自室ではなく回廊にいたのだろう。

 何故ここを選んだのかはわかないが、その目的ならわかる気がする。

 なぜなら、一刀もそのために華琳を探したのだから。

 胸にはしっかりとある。

 "今は黙っていろ"と、そう感じた彼女の瞳に一度は遮られた言葉が。

 あのまま一顧だにせず、ひとり評議の間を去った華琳に対して言ってやりたいことがある。

 そして、それはきっと華琳も同じ筈で、

 

「それで、何か私に話があるのでしょう?」

「ああ」

 

 頷きに決心を込め、一刀は始めた。

 

「落ち込んでたぞ、あの三人」

「そう」

「……あのなぁ、華琳はさっさと出てちゃったから知らないだろうけど、あの後、部屋ん中とんでもない空気だったんだぞ? 三人とも俯いたまま全然動かないし、どん底色した何かこう、どよーんとしたのを撒き散らしてるしで、気まずい通り越してこっちまで動けなくてだな」

「あら、それは災難だったわね」

「さ、災難って……。何だよそれ? 何でさっきからそんな平然と他人事なたいに話してんだよ!」

「他人事?」

 

 何故? と華琳は首を傾げ疑問を作った。

 

「何を言っているの? どう考えても他人事でしょ? その話のどこに私が関係あるの?」

「――なっ」

「あぁ、もしかして解散を告げなかったから? それで退席の機会逸したとでも?」

「はあ!? そうじゃなくて、だから――!」

「だったら。まさか彼女たちを叱ったのが悪いと? 指摘すべきことを雰囲気に考慮してやめろとでも言うつもり? 馬鹿馬鹿しい」

「っ」

 

 言下に一刀は堪らず声を荒げた。

 

「――んなわけないだろ!!」

 

 白々しい態度にはムカつくがそうじゃない、と。

 一刀もわかっている。

 あの叱咤にはちゃんと理由があって、きっと正しい判断なのだろうと。

 それくらいには華琳のことを信頼も尊敬もしている。

 だからあの時、一刀が気に入らなかったことは、華琳がとった態度にではなく、

 

「なら、何かしら?」

「なんで……、なんであんなことまで言ったんだよ?」

「あんなこと?」

 

 精一杯、一刀は華琳を睨みつけて言った。言わせてもらう。

 

「期待外れって、値しないってだよ! いるかそれ? そりゃ遊びじゃないんだから駄目なら駄目って厳しく言うのもわかるけど、でも、もう十分反省してたろ? 伝わってたろ? 不必要だろどう考えたって! なのにあんな言い方して可哀相だと思わないのかよ!?」

 

 しかし、そう叫びながらも一刀はこうも思っていた。

 いや、華琳にはわからない、と。

 何でも嫌味なくらい完璧にこなす華琳には、出来ない者の気持ちなんかわかる筈がない。わかって堪るか、と。

 対して一刀には馴染みの感情だ。

 とりわけここ最近は考えさせられることが多い。だからだろう。

 いつしか一刀はそこに己の姿もだぶらせ、

 

「華琳は何だって出来て、いつだって正しくて、きっと失敗なんかしたこともなくて……! それが当たり前だとか思ってんだろ? 出来て当然とか考えてんだろ? けどな普通は誰だって間違えもするし、上手くいかないことだらけなんだよ! まして彼女たちは初めてだったんだろ? だったら少しくらいの失敗が何だよ? それの何が悪いんだよ!」

 

 まるで日頃の嫉みや僻みをぶちまけるように。

 ありったけ。胸の奥底の感情まで出し切った。おかげで、

 

「…………」

 

 華琳は静観。ただ無の表情でこちらを見ている。つまり、

 ――あっ……ああああ!?

 やっちゃった! とか、今更思っても、もうどうしよもない。

 だいたいこれを言うために一刀はここにいるのだ。覚悟は出来ている。ここは潔く開き直って――、

 

「……な、なんちゃってぇ?」

 

 とは、いかなかった。

 ――いやいやいや無理無理無理っ! そんなん不可能だから! だって華琳さんまさかの無言っすよ? 何これ? なんか吐きそうなくらい怖いんですけど!?

 始まる沈黙をいざ目の前にすると、これほどおっかないものもない。

 それも恐怖感は時間経過と共に青天井で増し、なけなしの覚悟など指ピンの如しで軽く吹き飛んだ。

 そら李典もあれだけ取り乱すわけだ、と超納得。

 すると、既に半泣きべそ状態のこちらに華琳は呆れを吐息。そのまま城壁の縁へゆっくり近づき、

 ――って、ちょおお!! やっぱダイブオチなの!? オチは落ちとか雑すぎなんですけど! 嫌なんですけど!!

 青ざめる一刀に示す。

 

「見なさい」

 

 何もない空域に右手を突き立て、華琳は言った。

 

「ここからこの街の景色を見て、あなたは何を思う?」

「は……?」

「いいから答えなさい。思った端から。変にまとめようとしなくていいから」

「い、いや、ちょっと待てって。何言ってんだよ? 先に質問したのはこっちだろ?」

「ええ、いいわ。そのまま。続けて」

 

 そしてそれきり。華琳は街を見つめたまま動きを止めた。

 どうやら譲る気はないらしい。

 何のつもりなのかはわからないが、その横顔に微塵も後ろめたさを見せていないことだけはわかる。

 ただ真っ直ぐ。意図の読めない問いを残し、有無を言わさず待っている。

 ――くそ……。

 一刀は渋々と華琳に並び、視線を合わせた。

 見下ろす。

 視界に広がる光景を。宮城の城門から一直線の大通りが中心の眺望を。

 そこには建物がひしめき合うように並び、様々な賑わいが見て取れる。

 繁盛店の前では往来の人だかり。

 鍛冶工房からは燻る薄黒い煙が幾本も空に吹かれて尾を作り、民家の集積地では、あれは主婦たちによる井戸端会議だろうか?

 他にも、流れ作業で積荷の搬入作業が続く商舗もあれば、すぐ脇を元気に駆け抜ける子供たちの姿もあり、

 

「……いい街だよ」

 

 華琳は凄い、と改めて思わされた。

 この景色こそ華琳の実績そのものと言っていいのだろう。

 何千、何万という人々の暮らしを華琳が導いている証明なのだろう。

 一刀にとってそれは偉業以外の何物でもなく、多少の人間性など帳消しにするには十分すぎて。

 ――ずるいよなぁ……。

 とそう思いつつ、素直な感想が口をついた。

 

「なんつーか街が生きてるってかさ。明るくて、活気があって、生き生きしてて、明日に向かって頑張ろう! って感じでさ。だから、うん。いい街だよ」

 

 そして、一刀は視線を隣へ戻す。

 問いには答えた。なら次は華琳が答える番だ、と。

 しかし、既にこちらを向く華琳の瞳は一転、冷ややかなもので、

 

「……成程。あなたにはこの景色がそう見えるのね。道理でズレた発言ばかりなわけよ。明るく、活気、生き生き、明日に向かって? ……ふざけるのも大概にして」

「なっ、何がだよ? それを言うなら華琳の方こそ、さっきから何が言いたいのかわけわかんねえよ!」

 

 わかない? と華琳は好戦的な視線を向け、

 

「なら、さっきの"なんで他人事なんだよ"って言葉、そっくりそのまま返すわ。あなたこそ自分が何者なのか本当にわかっているの?」

 

 ただそれは、言われるまでもないことで。

 

「……はあ?」

 

 己が何者であるかなど腐るほど考えてきた。わかりきっている。

 だから深く考えもせず、その必要すらないと即断し、一刀は目を逸らさずに、

 

「そんなことわかって、――っ!?」

 

 が、そこまでだった。

 突如として一刀は声を失う。奪われる。反射的に口を噤む。

 

「……いいえ。あなたは、何もわかってない」

 

 刈り取られていたのだ。

 拒絶の声と共に首へ押し当てられる、大鎌・絶によって。

 

 

***

 

 

 首裏から掛かる絶を前にゆっくり引かれ、一刀は前のめりに腰を折る。

 従うしかない。

 少しでも逆らえば、触れる冷たい刃は容易く肉を抉ることだろう。

 必然的に華琳の顔との距離は近づく。そして、目線も同じ高さまで下がると、

 

「もう一度、よく見なさい」

 

 華琳は街を指してこう言った。

 

「いい一刀? あなたがどれだけお人好しの甘ったれでも構いはしないわ。好きに馬鹿やってなさい。いくらでも蹴り飛ばしてあげるから。けれど、この街を他人事のように物見気分で語るのだけは止しなさい」

 

 なぜなら、

 

「あなたは曹猛徳配下の将。たとえそれが不本意だろうと、迷いがあろうと関係ない。既にあなたはそういう者で、いい加減、それくらいの自覚は持ったらどう?」

「自覚……?」

「ええ。あなたはもう、あちら側の人間じゃないのだから」

 

 そう言って華琳が指さすのは陳留の街。つまり、

 

「あなたも私も国に住まう者じゃない。守り、育み、導く者。そして民によって生かされている者なの。食事ひとつを取ってみてもそうでしょう? 毎食を当たり前のように食べられているのは誰のおかげ? すべてを私の私財で養っているとでも思っていた?」

 

 華琳は言葉と絶に力をこめる。

 

「違うわ」

「――っ」

 

 と同時、わずかに皮膚が裂かれる感触を一刀は得た。

 痛みが赤の雫となり白刃の曲線に沿って下へと伝う。

 そのまま切っ先に溜まる血の赤は一滴、二滴と堪えきれずに流れ落ち、足元に斑点を作る。

 そして、零れる三滴目を華琳は掌に優しく掬うと、

 

「痛い? なら、二度と忘れぬよう心に刻みなさい」

 

 それを静かに握り締めてこう言った。

 

「私たちはこの血を喰らって生きているのだと。民は死に物狂いでわが身を削り血税を納めているのだと。そのおかげで私たちは寝食を得て、天下に挑むがこと出来るのだと。それを――、あたかも他人事のように、あんな軽口で語るなど言語道断! 今を懸命に生きる民の血潮こそ、我らの礎だと知りなさいッ!」

「――――」

 

 青天の空に響く想い。

 それは立場の違いを痛烈に明示するものだった。

 単に青空と言っても、この空の青が決して一色だけではないのと同じように。

 民と統治者。住まう者と生かされる者。眼下に映る街並みと己の居場所。

 単に陳留で生きる者として見れば同じでも、それは紛れもなく別の色だった。

 ――全然わかってないじゃん俺……。 

 無論、知識としては一刀も持ち合わせていた。

 納税とは現代にも続く統治機構だ。知らないわけがない。

 ただ、そこには実感も自覚もなく、一刀は今になって痛感した。

 己の言葉がいかに軽率なものだったのかを。

 意識した。

 己は今、どちら側の人間なのかを。

 一刀は見た。

 

「…………」

 

 もう一度、見渡す限りの陳留を。

 問い直す。この意味を。

 ――そういえば、平原の時もそうだったよなぁ……。

 思い返せばあの時も、大火の爪跡はそこかしこに残っていたにもかかわらず、管輅に話を聞くまでは気づきもしなかった。

 どうしよもない悪癖だ。

 関心外の事柄や、都合の悪そうな事象は見ようともしない。

 もっとも、その原因は現世で染みついた事なかれ主義の一面と言えなくもない。が、そうしたくないと一刀は思った。

 変わらなければならないのは世界ではなく、己自身だと食い縛る。

 たったそれだけの変化で新たに見えてくるものもあり、

 

「……俺は、もうこの国の一部なんだ」

 

 それは平原に抱いた感情とは似ているようで、しかし、違う。

 一員ではなく、あくまで一部だと一刀は感じた。

 両者の間に明確な境界線が引かれていた。

 

「一刀、覚えておきなさい」

 

 そして華琳は絶を下げ、こう告げた。

 

「あなたはこの国のために生き、この国のために死んでいくわ。覚悟なさい。その身が滅びようとも、受けた民の血と汗に対して、必ず報いなければならないと」

 

 つまりは主観の差だ。

 個が生きるために国へ拠るのか、国が生きるために個を担ぐのかの違い。

 前者が民で後者が統治者だ。

 それゆえ両者は相互依存の関係であっても前提がまるで異なり、後者には結果のみで務めを果たす義務があると華琳は言う。

 それはどれだけ努力を注ごうと成果が出なければ無意味。

 それはどれだけ献身を示しても実利がなければ無価値。

 それはどれだけ勤勉に励み、どれだけ鋭意に満ちていても評価とは無関係。

 求められるのは常に結果のみ。失敗は許されないのだ、と。

 さらに言えば、時は乱世。

 それこそ明日への保証なんてどこにもなく、結果の基準が安穏とした現世とは大きく異なっている。

 だというのに、

 

「あなた言ったわね? "初めてなんだから"と」

 

 ああ、言った。

 

「それが一体なんだというの? 素人だろうと玄人だろうと、不出来は不出来。そんな事情は民からしてみれば微塵も関係ないことでしょう? 国を担う者に問われるのは経験でもなければ人柄でもないの。たとえ人心に厚く、英知に富み、清廉潔白な才人が出来うる限りの最善を尽くそうとも、たった少し。これっぽちでも他国に及ばければ愚者の烙印を押されてしまう。ここは、そういう世界なの」

 

 ああ、その通りだ。いい加減、魂から理解すべきだ。

 

「――違うのよ。あなたの生まれた天の国とは、ね」

 

 

***

 

 

 視線は落ち、すっかり塞ぐ一刀を前にして、華琳にも思うことはある。

 そうは言っても仕方のないことなのでしょうね、と。

 生まれも育ちもまったく別の環境で半年そこそこの期間。

 この条件下で全に順応しろと言うのはさすがに酷だ。加えて、

 ――天の国とは、よほど平穏な国なのでしょうね。

 一刀の平和ボケ具合を見ていれば嫌でもわかる。

 彼は戦と無縁の生活をしていたのだろう。それも政とは遠いところ、市井の民のひとりとして、だ。

 そんな男に国を担う者としての心構えを説くのは、些か拙速にも思える。が、だからと言って、見過ごすわけにもいかなった。

 これは一刀自身が己の意志を以て踏み込んできたことなのだから。

 ――そう。あの娘たちと同様に、ね。

 凪、真桜、沙和。きっとまだ落ち込んでいるだろう彼女たちと同じくだ。だからおそらくは、

 ――いい機会……、なのでしょうね。

 これも何かの縁なのだろう、と華琳は思う。

 というのも、彼女たちと一刀の間には幾つかの共通点があり、そのひとつが出自にある。

 異世界とまではいかないが、彼女たちも政とは程遠い市井の出なのだ。

 その出会いは、華琳がまだ黄巾討伐で各地を転戦していた頃まで遡り、とある村が賊軍の襲撃を受けた時のこと。

 救援に駆けつけた戦地で華琳は見た。

 時を稼ぐため賊徒相手に決死の大立ち回りを繰り広げていた彼女たちを。

 ――と言っても、気弾連射の凪がほぼひとり主役で、沙和と真桜は声だし担当だったけれど……。

 ともあれ、華琳はそのまま三人を登用し、以後の戦場を共に経て将官へと抜擢。

 そして今日では武将としてだけではなく、為政者としての一歩を彼女たちは自ら踏み出し、

 ――で、何故かこの馬鹿も後を追って……、いえ、つられたと言った方が正しいのかしら?

 しかし、一刀も新たな一歩を確かに踏んだのだ。

 無自覚で、稚拙で、的外れな口説であったとしても、一刀は政を口にしたのだ。

 ならば、

 ――王として応えましょう。それが私の責務。

 伝えよう。彼に必要な言葉を。

 与えよう。昨日までの彼にはなかった責務を。

 信じよう。彼ならきっと果たせる筈だと。

 

「一刀、顔を上げなさい」

 

 後悔の滲む男に華琳は言った。

 

「気落ちしている暇があるのなら、まず前を見なさい。省みるなとは言わないけれど、俯くだけの者には何も掴めはしない。だから過ちからは目を逸らさず正面から向き合いなさい。後退りでも構わないから先へ進なさい」

 

 そして、

 

「そして、その後悔に感謝なさい」

 

 

***

 

 

「後悔に、感謝……?」

 

 問い返したのは聞き違えとしか思えなかったからだ。

 俄かに理解することが一刀には出来なかった。

 後悔に続く言葉がどうして感謝なのか。

 わからない。

 ただそれでも、真意を求める視線は自ずと上向き、その途中。

 

「――――」

 

 喉元へ再び突きつけられた絶に、もう一度視線を落とせば跳ね上げるぞと脅され息を飲む。

 さらには、華琳の姿が先程までとどこか違って見えるのだ。否、

 ――変わったのは俺の方、か? 違って見えるのはたぶん、そう意識したから……?

 絶を視線で手繰り、斜めに見下ろす先。そこにはいる。

 凛とした佇まいで大鎌を構え、頭の天辺から足の爪先まで一分の隙もなく威厳を纏うひとりの少女が。

 本来なら繊細と言うべき細身の肢体を、重厚で壮大にすら感じさせる偉大な王が。

 その巨大な圧に一刀は思わず、

 ――これが、覇王……!

 

「……っ」

 

 背筋がぞくりと震えた。

 畏怖からではない。興奮や感動とも少し違う。

 一刀はただ目を奪われていた。

 秋風に流れ輝く金色(こんじき)の髪に。

 こちらを覗く深淵の瞳に。

 (ことわり)を紡ぐ瑞々しい唇に。

 頬寄せたいなめらかな首筋に。

 小振りでも均整のとれた胸に。

 指先まで一切の穢れを許さぬ初雪の(かいな)に。

 清楚の中にも艶を併せ持つ魅惑の脚に。

 一刀は釘づけだった。

 触れた王の片鱗に。

 王を形成するすべてに。

 ――華琳って、こんなに綺麗だったっけ……?

 そして一刀がそう思った時だ。

 華琳は悠然と絶を手元に振り戻し、

 

「だって、そうでしょう?」

 

 諭す口調で言葉を進めた。

 

「後悔するということは、まだそれだけの余地が残されているということ。言い換えれば、失意の中にも次を望むだけの余力があり、現実に抗うだけの意志が残っている。でなければ、わざわざ過ちを振り返り、己の愚かさを嘆いたりする整合性がないわ。自らの不幸に浸り、酔うのが好きな変わり種なら知らないけれど」

 

 つまり、 

 

「つまり、それは過ちではあっても決定的な過失ではないの。重傷であってもまだ致命傷には至っていない。そして致命傷に至ったならば、人は後悔などしない」

 

 ならばその時、人は何を思うというのか。

 ――後悔じゃないとするなら、一体……。

 浮かぶ疑問に、華琳はこう答えた。

 そこにあるのは、と寸刻の躊躇と、風に遊ぶ前髪をかきあげながら、

 

「……ただの絶望よ。無へと繋がる膨大な、ね」

「絶望……?」

 

 と、一刀の脳裏にはある記憶が過ぎる。

 平原での、己の身勝手な行動により招いてしまった悪夢の記憶だ。それをこう仮定する。

 もしもあの時。意識を失う間際に管輅の助けはなく、もし、椿の身に最悪の事態が起きていたなら――。

 

「――――」

 

 トクンと、胸が不吉な和音を挙げた。

 確かにそうだった。

 想像ですら心を襲う感情は後悔なんて生ぬるいモノじゃない。

 それは後悔を怨嗟で徹底的に煮詰めた黒の遺恨。もしくは、自責の底に溜まった汚泥の如き怨恨。あるいは、およそ正常な精神状態ではいられない激しい自己憎悪の走狗。

 いずれにしろ絶望と呼ぶに相応しい闇だと、一刀は華琳の言に強く共感を覚えた。

 そう――。この時一刀は"納得"ではなく、"共感"してしまったのだ。

 気づいてしまう。

 ――え、それって……いや、違う。華琳に限ってそんなことあるかよ!

 否定は先に立つが、それでも加速する思考は止まらない。

 感じているからだ。

 共感を。

 華琳の言葉には己と同じ実体験から想起された感情があるのを。

 すなわちそれは、完全無欠な覇王にも挫折の過去が存在するかもしれないという意味で――。

 

「……っ」

 

 しかし、一刀がその真相を追及することはなかった。

 ほとんど確信に近い感覚を得ながらも、やはり信じられないという感情が拭いきれない。

 そう思えば思うほど、何故か、これは華琳を覇王たらしめる重要なことだと強い躊躇が生まれる。

 これ以上は絶対に踏み込むべきでないと警告する己がいるのだ。

 だから一刀は二の句なく、ただじっと華琳を窺う。

 また逃げるのか? とも思いながら。

 すると、不意に華琳は潜心の眼差しを街へと向け、見せつけられるのは強烈な信念と強固な意志。

 

「認めないわ。この地に私がいる限り。何人たりとも。絶望をもたらす存在は悉く許さない。それこそが、我が覇道の原点よ」

 

 敢然たる王の息吹だった。なのに、それでも一刀には、

 ――だったらなんで……、なんでそんな辛そうに拳握ってんだよ……?

 なんてことはない。

 目の前にいるのは、ただの健気な女の子にも思えて。

 知るはずのない幼き日の華琳を勝手に想像し、その姿をそこに重ねて。

 華琳が理想的な王であればあるほど、逆に何故か言い知れぬ違和感を覚えていて。

 ただそれも、ほんの一瞬のことで。

 まばたきする間にその面影は露と消えて――。

 

「いい? 一刀」

 

 狭間の胸壁に華琳は手を添え、王としての言葉を綴った。

 

「私は必要とあらば、いかな犠牲も厭わないわ。それこそ、国を前にすればあなたの命なんて碁石も同然。喜んで布石にも捨石にもしましょう」

 

 非情。それが己の責務だと。

 国に殉じるが一刀の責務なら、華琳の責務はその判断を冷徹に下すことだと。

 

「けれど、そこにはもうひとつ、忘れてはならないことがある。なんだかわかる?」

「え、……その、いや」

 

 わからない。一刀は首を横に振る。

 すると、目の前には解いた左手がすっと差し出され、

 

「これよ」

「? これって、さっきの俺の……」

 

 血だ。

 すっかり乾き、くすんだ血の赤がある。

 

「言ったわよね? これは民の血潮と同じだと。私たちはこれを喰らって生きているのだと。だから、忘れないで。ここに秘められた幾多の願いを」

「願い……?」

 

 ええ、と華琳は頷き、

 

「それは既に殉じた者も含め、この国に携わるすべて者が寄せる夢よ。そこには十人十色、千差万別、様々な想いがある。民はそうして未来への希望を私たちに託しているの。そして、それはまた、すべての将兵にも言えること。一刀、あなたにもあるのでしょう? 叶えたい未来が」

「お、俺? いやまあ、その一応は」

「そう。なら、その夢、私に託しなさい。私がまとめて叶えてあげるから。その夢を実現させられるかもしれない未来を、ね」

「なっ――」

 

 続く声は言葉となる前に噛み潰した。

 聞くまでもない。

 華琳ははっきりと告げていた。

 つまり、連なる者すべての夢を糧にし、それを己が覇道とすると。

 ――っ、……じょ、冗談じゃない。正気かよ!?

 一刀は心底震えた。

 その意味に。その双肩にかかるあまりの重さに。

 かつてその重圧を忌避することしか出来なかった一刀とは違い、華琳は真っ向から挑んでいる事実に。

 そして華琳はこう宣言する。陳留の空へ改めて誓うように、

 

「だから私は何だってするわ。落ち込む? 可哀相? その答えなら、寝惚けるな、よ。文句ある?」

 

 ある筈がなかった。華琳が抱える重責を知った今、何が言えようか。

 

「華琳、その、俺は……」

「――却下」

「え?」

 

 が、一刀は謝罪も許されなかった。それどころか、

 

「駄目よ一刀。一度吐いた言葉には最後まで責任を持ちなさい。今更撤回なんて、遅すぎるのよ」

 

 なぜなら、と華琳の指はこちらの胸を押し込み、

 

「あなたはどんなに粗末だろうと私の前で政を語ったのだから」

「は、はい!? いやいや、ちょいたんま! 俺がいつそんな大それたこと言ったよ!」

「だから、自覚しろと言っているでしょう? いい一刀? あなたは私の将なの。その者が主の施策に異議を唱えたのなら、それはもう立派な政治的発言でしょう? なら、精々示してご覧なさい。本当にあなたの甘えた考えで皆の願いが果たせることを。そして、そうである以上、あなたは賭けなければならないものがある筈よね?」

「んなっ! い、いくらなんでも無茶苦茶すぎんだろ! あれのどこが"施策に異議"なんだよ!? しかも、それで死ねってか!? 何、やっぱ飛ぶの俺? 結局ダイブかよチクショウ! つか、俺だって今はもう」

「――却下」

「何でだぁ!?」

 

 慌てる一刀を尻目に、華琳はピクリと右の眉を反応させ、じっとり半目、

 

「あのねぇ、撤回は認めないと今言ったばかりでしょう? それに、誰がそんなショボくれた命をよこせだなんて言ったのよ! まったく、桂花の苦労が少しわかったわ」

「……え? じゃあ俺、飛ばなくていいの……?」

「別に飛びたいのなら止めないわよ。けど、あなたが負うべき覚悟はそうじゃない。主君に対し苦言を呈するのであるならば、身命を賭してでも押し通すくらいの気概を持ちなさい」

 

 つまり、総合するとこうなるのだろう。

 

「っていうと……あの、もしかして、その、華琳は俺に自分の意見がいかに正しいかを死ぬ気で示せと?」

「ええ」

「間違いだったって、もう反省してるのに?」

「ええ」

「でも失敗は許されないんだよね?」

「ええ」

「……華琳、結構怒ってる?」

「ええ」

「――ひぃい!?」

 

 そして一刀は聞く。

 いつもの不敵な笑みを浮かべる華琳がこう告げるのを。

 

「よって陳留太守・曹猛徳がここに命じます。北郷一刀、あなたをこれより凪、真桜、沙和、以上三名の補佐とします」

「――なっ、お、俺が補佐ぁ!?」

「あら、もっと泣いて喜んでいいのに。だって凪たちを不憫に思い噛みついてきたんだものね? よかったじゃない。これでお得意のお人好しで存分に彼女たちを助けられるわよ?」

 

 だから、と華琳は軽い口調で付け足した。

 

「だから、あなた以外の助力は一切を禁じさせてもらうわ」

「――ちょ!? んなことしたら、むしろ、恨まれる未来しか見えなくて涙出そうなんだけど!?」

「知らないわよ。まぁ、そうなりたくないなら死ぬ気で頑張ることね?」

「いや、け、けど! 俺にはそんな……!」

「――はい却下」

「何がよ!?」

「はぁ~、もういい加減にしてくれる? 何度言ったらわかるのよ。力が足りないから? 不安だから? 自信がないから? で、何? そんな理屈、民にはまったく関係のないことでしょう?」

「そ、それは……」

 

 その通りだ、と一刀は思った。

 確かに、いつまでもウダウダ悩んだところで何かが変わるわけじゃない。だったらそれは何もしないと同じだ。考えているフリをして自己防衛してるにすぎない。そんな暇があるなら、

 ――挑戦してみりゃいいんだ……。

 自信などなくとも、まずやってみればいい。

 己の未熟を知り、それを理由に一歩を踏み出せずにいたら一生そのままだろう。

 だから恐れず飛び込んでみればいい。

 格好つけて十全など狙わず、一でいいじゃないか。仮にコンマの貢献にしかならなくても、ないよりはマシだ。

 ――今、できることを。

 そして、もし駄目だったら。その時は華琳に甘えてしまえばいい。

 彼女ならきっと全部お見通しで、予め対応策を講じている筈だ。

 無論それは、失敗の穴埋めを期待しているわけではない。まして、責任を押し付けるつもりもない。

 ただ、

 ――失敗の責任を取れるだけの道を、さ。

 華琳なら、絶対の過失にだけはしないでくれると、そう信頼しようというだけの話だ。

 ゆえに、今、為すべきことはひとつしかない。

 

「どうしたの? わかったのなら、早く返事をなさい」

 

 濮陽でもあったなこれ、と思いながら一刀は頷く。

 あの日と同じく、大きく三歩後退り、片膝をつき、拳を掌で打ち鳴らし、低頭の額に掲げ、しかし、心は違う。

 ――さすがに自覚しちゃったからな。俺はもう華琳の将で、華琳は俺の――王だって!

 一刀は腹から声を挙げた。 

 

「か、――畏まりまりました!」

「……ばか。"まり"が一個多い」

「あ」

 

 たとえ噛み噛みでも。相変わらずここ一番で抜けていても。

 未来については未定で。ややもすれば、平行線の結末を迎えるかもしれなくても。

 しかし、それでも袂を別つその瞬間まで全力を尽くそう。死ぬ気で喰らいついて行こう。

 そう思える少女を一刀はもう見つけてしまった。

 価値観を超え。世界を超え。時空を超えて。

 ほんの半年前まで月並みな高校生活を送っていた男が、三国志の世で仰ぐべき君を得る。

 その奇跡に、えも言われぬ高揚感に一刀は身を震わせた。

 それは一刀が初めて見せる正真正銘の臣下の礼だった。

 そんなぎこちない忠節に華琳は、

 

「まぁでも、あの時よりはマシかしら」

 

 とそう呆れつつも、こちらへとゆっくり歩を進める。

 コツ、コツ、コツと。

 心臓の鼓動と同期するように。版築の城壁上に変革の靴音が旋律を刻む。

 そして、すぐに二人の距離は無くなり交差の時。

 

「ふふ」

 

 不意打ちだった。

 すれ違いざま、一刀は髪を梳くように優しく撫でられ、

 

「――!!」

 

 途端、脈拍と体温は急上昇。慌てて上半身は王を追う。

 しかし、華琳は足を止めない。振り返りもしない。ただ、一度だけ手指をひらりと舞わせ、

 

「励みなさい一刀」

「……は、ははは、はいい――!」

 

 奏でる胸の音色は秋空にも負けないくらい澄み渡っていた。




22話読んでいただきありがとうございます。

えっと、2話同時とか言っといてあれなんですが、元はこれ1話だったのを分割しただけっていう……。
いや、だって三万字超えた時点で文字数制限にひっかかるんじゃないかと恐怖し始め、なら2話に分けてって、はいどうでもいいですね。すいません。

さて、本編は21話にしてようやく大陸の情勢が見え、今回一刀の中にも大きな変化が。
そしてこれより乱世がいよいよ動き出します。メンマ大好きなあの娘も登場です。早く書きます!

それでは感想、ご意見お待ちしてます。
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