【概説】ゴールデンバウム朝銀河帝国史:第2巻「拡大期~強堅帝ジギスムント1世」   作:旧王朝史編纂所教授

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第4節 拡大戦役の推移

 本節では、ジギスムントが遂行した拡大戦役について、ルドルフ治世下で行われた平定戦役と比較しつつ、その推移と戦争目的を解説する。

 

 まず、拡大戦役の推移を分かりやすくするため、代表的な事柄を抽出した年表を以下に掲げる(暦年は全て帝国暦)。

 

 42年

 シリウス・攻守連合の支援を受けた共和主義者の叛乱(革命運動)が勃発。だが、主要勢力内に潜伏させていた工作員の働きにより、大部分は蜂起の前に鎮圧される。なお、蜂起に成功した共和主義勢力が拠点としていた惑星名から、この共和主義者による一連の騒乱について、旧帝国では「マザンダラーンの叛乱事件」、同盟では「マザンダラーンの革命運動」と称している。

 共和主義勢力の叛乱を支援するため、攻守連合の主力艦隊が帝国領に侵攻。皇帝ジギスムントは、ノイエ・シュタウフェン公ヨアヒムを総司令官、ノイマン侯アルベルトを副司令官とする迎撃軍を編成し、ムスペルヘイム軍管区で攻守連合軍を撃破。余勢を駆って、攻守連合の領域内に侵攻、アルヴィース星系を占領する。同星系に遠征軍の策源地となる軍事基地の建設を開始、同44年に竣工している。

 

 43年

 攻守連合軍に遅れて、シリウス軍も帝国領内への侵攻を開始したが、アルフヘイム軍管区駐屯の地方艦隊司令官・ヴィンクラー中将によって撃退される。

 

 45年

 帝国政府はカストル・ポルックス攻守連合に宣戦布告。ノイエ・シュタウフェン公ヨアヒムを総司令官、ノイマン侯アルベルトを副司令官とする遠征軍を編成し、攻守連合に侵攻。同国首都ペイジン及びルーシアを陥落させ、攻守連合が滅亡。カストル軍政府総統ディビット・スーは逃亡、残存兵力を率いて、後世、イゼルローン回廊と称される宙域に潜伏、反帝国ゲリラ活動を続ける。

 

 46年

 帝国政府はシリウス民主共和国に宣戦布告。ノイエ・シュタウフェン公ヨアヒムを総司令官とする遠征軍を編成し、シリウスに侵攻。同国領内のカノープス星系政府を降伏させ、皇帝直轄領に編入、シリウス侵攻の橋頭堡として確保する。あわせて、帝国領内のヴェガ星系に大規模な軍事基地を建設、シリウス・経済共同体両国の交通を遮断する。

 

 47~50年

 ヴェガ及びカノープス星系を策源地として、帝国軍は連年、シリウス領に侵攻。同国傘下の星系政府を次々と降伏させる。この時期、経済共同体所属の企業や軍事会社(傭兵集団)が帝国に降伏する事例が相次ぐ。

 

 51年

 ノイエ・シュタウフェン公ヨアヒムを総司令官とする遠征軍がシリウスに侵攻。同国首都ロンドリーナを陥落させ、シリウスは滅亡。最後の同国大統領ジョルジュ・ラヴァルは帝国に降伏、ジギスムント1世の勅命により、ペクニッツ公爵に封じられ、一族と共に帝都オーディンへの移住を命じられる。

 同年3月、経済共同体最後の総裁マクシミリアン・カストロプが同国首都ヴェネーディヒを脱出、ロンドリーナに駐屯する帝国遠征軍に出頭し、帝国に単独降伏する。マクシミリアンは、ジギスムント1世の勅命により、カストロプ公爵に封じられ、共同体首都ヴェネーディヒを中心とする星系を領地として与えられる。

 

 52年

 ジギスムント1世は戦勝記念式典を挙行。全宇宙は銀河帝国の領土であり、全人類社会を正当に統治する国家は銀河帝国のみである事を宣言した。また、一連の戦役による論功行賞が行われ、帝国宰相ノイエ・シュタウフェン公ヨアヒムを勲功第一として、帝国元帥に叙し、元帥府の開設を認めた。旧帝国史上、生者に元帥仗が与えられたのは、ノイエ・シュタウフェン公を嚆矢とする。

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