プロセカ 希望と絶望を歌に乗せて   作:神風カイ

2 / 3
第2話

「あ来た来た!おーい燎〜」

 

昨日の瑞希に伝えられた予定通り、13時にいつものファミレスに向かうとファミレスの出入り口の近くにポツンと立っていた瑞希が居た。声をかけようと口を開いた時には瑞希から声をかけられた。

 

「こんにちわ瑞希。」

 

「やっほ〜!それじゃ入ろ!」

 

瑞希が先行してファミレスの中に入っていく。店員さんに案内されると思ったがどうやら先に瑞希の連れがいるみたいだった。杏かな?それとも瑞希のお姉さんかな?

 

「おまたせ〜」

 

ドリンクバーの近くの四人用テーブルに向かうとそこには初対面の女の子達3人が座っていた。さて…気まずい。3人から「誰だろうこの人?」みたいな視線が…

 

「えっと…瑞希?」

 

「紹介するよ!この人がボクが話してた狼谷燎!歌がとても上手いんだよ!」

 

俺の紹介の前にこの3人の紹介をして欲しいんですけど…それに初対面の人には少し苦手なんだよな。だって俺めちゃくちゃコミュ障ですよ?重度のコミュ障発動して喋れなくなるんだけど。

 

「ふぅ…どうも紹介にあがりました、神山高校一年の狼谷燎です。歌う事が好きで良くんカラオケで歌ってます。」

 

俺は初対面の人と話す時は大体仮面をかぶる。素の俺を出すことはなんも問題ないんだけど、緊張とか第一印象を良くするために敬語に話すのをスタンダードにしている。人間の第一印象って大切だよ?

 

「自己紹介ありがとう。私は宮益坂女子学園の2年生の朝比奈まゆふです。部活は弓道部に入ってるよ、宜しくね狼谷くん。」

 

紫色の髪をポニーテールで纏めている美少女なのが朝比奈さん。すごい品性高潔で多分学校でも優等生なんだろうけどなんか違和感があるな…もちろん目には光が宿っているけどどこか死んだ魚の様な目というかなんというか…

 

「アンタはまた…私は東雲絵名よ、私も神山高校2年だけど定時制に通ってるわ。よろしく」

 

茶髪をショートカットにしている美少女なのが東雲さん。なんだろう、SNSでめちゃくちゃ見たことのある顔をしていると思うかも言わないでおこう…もしこれで違ったらめんどくさそうだし。

 

「えっと…宵崎奏…よろしく…」

 

綺麗な銀色の髪を腰の長さまで伸ばした美少女なのが宵崎さん。なんで宵崎さんだけジャージなのかを聞きたいけど誰も突っ込んで無さそうだから別に良いか。それにしても自己紹介短くない?

 

「みなさん宜しくお願いしますね」

 

「燎ったら仮面を被るのやめなよ〜」

 

瑞希くん…ニヤニヤしながら俺の方を見ないで下さい。仕方ないじゃんアゼルバイジャン…

 

「瑞希…少し静かにしようか?ポテト奢ってあげる」

 

「わかった!」

 

君は子供か…ポテト如きで釣られるなんてまるで小さな子供じゃないか。この子いつか絶対に怪しい壺とか怪しい宗教にハマって俺に紹介してきそうだ。

 

「それで僕を呼んだ理由はなんですか?」

 

「ん〜?それはねみんなに燎を紹介したかっただよ」

 

「そうですか………」

 

まさかそんな理由で俺はせっかくの休日を返上して更にポテトを奢らないといけないのか…なんて日だ!絶対今度の休日は瑞希を一日中連れ回してやる!そして何か奢らせてやる!

 

「狼谷くんは歌うのが好きってどんな曲を歌ったりするの?」

 

「そうですね〜前までは流行りの曲を歌ってましたけど今はニーゴ、『25時、ナイトコードで』って人たちがYouTubeに…」

 

あれなんでみんな驚いているの?何か変なこと言ったかな?あ、みんなニーゴのこと知ってるのにわざわざ正式名称で言ったことに驚いているのかな?

 

「それでニーゴの曲を家で歌ってますよ」

 

「そうなんだ…」

 

……空気が重たい、なんでこんな空気になってしまったんだ。別に俺なんか変なこと言ったわけじゃないし、みんなの気に触ること言ったのか?だったら言って欲しいよ!

 

「…燎はニーゴのどんな所が好きなの?」

 

「え?曲自体も好きだし絵もすごく上手でニーゴの曲を支えていると思うけど、MVが一番好きですね。MVのおかげで曲のイメージがしやすいしニーゴの良さを引き出して…ってみなさん?」

 

「いや良いよ続けて?」

 

え、えぇ…なんでこんな空気の中で俺が喋り続けないといけないんだ。地獄なのか?地獄に突き落とされたように感じるだけど、しかも瑞希は瑞希で黙り込んでいるんだけど。

 

「もしかしてみなさんニーゴのこと嫌いでしたか?」

 

「そんなことないわよ!」

 

「す、すいません東雲さん」

 

怒らせてしまった…なんなんだよ…ニーゴのことを褒めたら黙り込むし嫌いなのかを聞いたら怒られるし…俺はどうするべきなんだよ!俺も黙ってしまうよ!

 

「………」

 

「なんか…すいません」

 

「…こっちこそごめん」

 

「宵崎さんのせいではないですか大丈夫ですよ」

 

そして俺は重たい空気の中、適当に食事をして適当に会話した後お会計をする時瑞希の分も払うことになるのはまた別の話。

 

「瑞希…」

 

「ごめんね?」

 

「………………」

 

⭐︎

 

「はぁ…」

 

あの後瑞希達は用事があると言ってそれぞれが別の方に歩いて行ったのになぜ瑞希だけは俺の後ろで歩いているのだろうか?俺はこの後気分晴らしにカラオケにでも行こうと思っていたのに!

 

「瑞希?」

 

「なに〜?」

 

「この後カラオケ行くんだけど」

 

「良いね!ボクも行くよ!」

 

「割り勘だからね!」

 

二人分の飲み物代や部屋代でこれ以上お金を取られたら流石に財布が薄くなってしまう。バイトをしようとしても親が反対してくるし勉強が疎かになるのが怖い。

 

「わかってるよ!」

 

なんなかんやあって俺たちはカラオケに着き部屋に入った。そこからは歌いまくった。デュエットとかは恥ずかしくて出来ないしそもそも二人で歌うなんて経験がないため断り続けた。瑞希は面白半分でずっと誘ってきたけど。ちなみにこの日の最高得点は90点。

 

「はぁ〜!楽しかった!」

 

「そうだね」

 

「流石燎!相変わらず上手だね」

 

「ありがとう、瑞希。でも瑞希だって上手だよ」

 

「あったりまえじゃん!」

 

そんなくだらない話を5分程度した後俺たちは別れた。家が近所とか帰る方向が同じなら送ってあげるけど流石に違うなら送ることが難しい。まぁ送ろうと提案したら盛大に断られた。なんでや。

 

「帰ったら動画あげるか」

 

「今日はニーゴの曲に決めた!」

 

俺は意気揚々と家に帰るのだった。それにしても財布が薄くなったなぁ…

 


▲ページの一番上に飛ぶ
Twitterで読了報告する
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。