聖刃伝唱シンフォギア -語り紡ぐ交響曲の果て- 【改訂版】   作:野鳥

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原作で響は二課を受け入れていましたが、グレ響だとこうはいかないだろうというのが私の見解。
さらにあちらからライブ裏の実験について明かされたとなっては、歩み寄るのも難しいでしょう。


第3章 2節 先史の災厄、対峙の時来りて

 

「───へぇ、うちの事忘れてそんな話してたんだねぇ…」

 

 二課との邂逅から翌日。ファンタスティック本屋かみやまの空気は身も竦むくらいに冷え込んでいました。

 

「「本ッ当にすいませんでした!!」」

 

 倫太郎と共に目の前の芽依ちゃんへ誠心誠意の土下座を決め込む。

 

 彼女の言う話とは二課との邂逅の事だ。

 部外者である芽依ちゃんがそれを知っている時点で、一見二課と交わした誓約───シンフォギアに関する守秘義務を破ったように見えるこの状況。実はノーザンベースへ案内されてからすぐに響ちゃん経由で話が漏れていたらしく、誓約を交わす前だからセーフ……との事らしい。

 詭弁のような話ながら、芽依ちゃんはこれを昨日彼女を放置していた罪悪感を突いて押し通し、現在事情聴取を受けている訳であります。

 

 とはいえ誓約の関係上、詳細はぼかさざるを得ず。ろくな弁明もできないまま彼女の怒りに触れる事になった。

 

「うちだって必死に避難誘導やったのにさァ…。街が戻ってもぜーんぜん連絡来ないから! ずっと置いてきぼりだったんですけど~~?」

「ゴメン! ホントにゴメン!!」

 

 こればっかりはもう謝るしかできる事はない。そうやって冷や汗を流しながら頭を擦りつける俺に、彼女は閃いたという風に顔を綻ばせた。

 

「大事な担当編集を忘れるとは何事か。これはお詫びに美味しい物でも奢ってもらわないとね~~。例えばエクレアとか!」

「はい、それはもう美味しい物を選んで……」

「え、エクレア? もしやエクレール・オ・ショコラの事ですか?」

「……倫太郎、もしかして興味あるの?」

 

「本で読んだ事しかないので……。

 で、ですがあくまで知的好奇心です! 剣士たる者甘味の摂取は控えねばなりませんから───」

「じゃあ食べなくていいね。そもそもこれはうちへのお詫びの品だから、倫太郎にはあげないよ~~だ!」

 

 "お詫びにエクレアを"という話で食いついてくる倫太郎。でも突っ撥ねられると、見るからにショックだと顔を俯かせてしまった。

 

 ……食べたいんだな。

 剣士たる者と自制してるみたいだけど、その反応は分かりやすいよ倫太郎……。

 

「じゃあお詫びはそれで勘弁するとして。次は響ちゃんに話があるんだけど」

「なに…、高校生から物を集る気?」

「うちをなんだと思ってるのぉ……。

 そうじゃなくて、昨日の話! なんでも昔の友達に会ったんだって? どんな子なの?」

 

 彼の意外な一面で場が和むと、芽依ちゃんはふと別の話題を切り出した。その内容に俺達の傍で佇んでた響ちゃんは露骨に微妙な顔つきになる。

 

「……二人? 昨日の事を芽依さんに話したのは」

「すいません。何やらただならぬ雰囲気でしたので、三人で相談を……」

「響ちゃんの様子もおかしかったしね。もしかして……あの娘の事、記憶にない?」

 

 すると彼女は何かを考えるように目を瞑った。

 

「ううん、覚えてるよ。

 あの娘は小日向未来。確かに……わたしと友達だった子」

 

 見るからに不機嫌ではあるが答える気はあるらしい。

 ただ彼女───小日向未来を語る事にどこか躊躇があるのを俺は見て取った。

 

「小さい頃からの付き合いで、よく一緒に遊んでた幼馴染なんだ。

 中学の頃はあの娘、陸上部に入っててさ。それをよく見学に行って応援してた」

「ですが、今は友人ではないと?」

「例のライブがあってあの娘、すぐに引っ越したんだ。それからは何の連絡もなく音信不通」

 

 それは彼女を拒絶しているからなのかと、そう捉えられる話に俺は次の言葉をどうするか迷いが生じてしまう。

 なにせ引っ越しという事情があるとはいえ、バッシングの最中で消えたとなれば未来ちゃんへの心象が悪くとも不思議じゃない。

 ただあの時を思い返すに……決して響ちゃんへの友情を捨てたようには見えない。未来ちゃんの態度が演技だとも、嘘をついて得があるとはどうしても思えないんだ。

 

「響ちゃん、君が彼女をどう思っているのか深くは訊かない。

 ────ただね、それでもあの娘とはちゃんと話をした方がいいよ」

 

 俺の呼び掛けに響ちゃんは何も反応を示さなかった。

 何も響いていないのかもしれない。それでもこれだけは言わなければと俺は話を続ける。

 

「響ちゃんが彼女をどう思おうと、自然と忘れられる相手じゃないんだろう?

 だったら繋がりを断つのか。それとも新しく始めるにしても、キチンと決着をつけないと」

 

 本音を言えばまた友人として仲良くやってほしいとは思う。何故かは言葉にできないけど、昔からの絆を断ってしまう事に俺は強烈な拒否感を覚えているから。

 とはいえそれを決めるのは響ちゃんだ。あくまで俺の心を押し付けるつもりはない。だから今の俺にできるのは、彼女が決断できるよう背中を押す事だけ。

 

「……考えておきます」

 

 話を終えて、響ちゃんの返答は煮え切らないものだった。

 すぐに決めてくれるというのは期待のし過ぎだったか…。でも内心がどうあれ、これから考えてくれるのなら俺は彼女の答えを待つだけだ。

 

 その時、店内にガトライクフォンの着信音が鳴り響く。

 倫太郎が通話に出ると、彼の纏う雰囲気は即座に緊張感のあるものに変わった。

 

「皆さん、どうやらノイズが出現したようです」

 

 伝えられた一報に俺と響ちゃんもまた気持ちを切り替える。……前から伝えられていたが、ついに俺達もノイズと戦う時が来たんだ。

 

「芽依さん、今度はちゃんと留守番しててよ?」

「はぁ、流石にノイズが相手じゃ危ないからねー……。気を付けていってきなよ~~」

「いえ、メギドも危険な相手ですからね?」

「そこも分かってるって! ハイハイ急ぐんでしょ? さっさと行ったァ!」

 

 響ちゃんと倫太郎が言い含めると、芽依ちゃんは一応留守番に回ってくれるらしい。

 若干残念そうな香りがするなぁ……。でも相手がノイズともなれば、流石に今回は忠告を受け入れてくれるだろう。

 

「なら留守は任せたよ!」

 

 去り際に俺も一言告げて店を飛び出す。

 そうして倫太郎と共にバイクを呼び出し、俺達は現場へと急行した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……にしても響ちゃん、あのまま放っておくのもなんだかなぁ」

 

「よし、これは後でうちが一肌脱ぎますかーー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 街にノイズ発生の警報が鳴り続ける中、俺達はバイクを走らせ続ける。流れていく視界には一人として人影がなく、誰しもが一目散にシェルターへと避難したのが伺えた。

 

 これがノイズが出現するという事だ。

 ノイズは『位相差障壁』という特性があり、物理的な干渉を無効化する力がある。そのせいで建物に避難してもすり抜けられ、物理攻撃も意味を成さない。

 なのでノイズに発見されにくいよう、地下深くに建造されたシェルターに避難するのが人々の間で徹底されていた。

 

「いました、あれです」

 

 高速道の途中で止まり、倫太郎が下を見るよう俺達に促す。それに従えば、眼下には一般道へノイズが山のように押し寄せていた。

 これといって特定の形がなく、口とも目ともとれる液晶染みた部位だけが共通した無機質な印象を覚える大小様々な化け物。

 

「あれが、ノイズ…」

 

 この目で直に見るのは初めてになる人類の天敵。その異様さにより不安が増していくが、くずくずしている暇はないとドライバーを腰に巻いた時だ。

 

「あのバイク……」

 

 若干棘のある声色で響ちゃんが後方を見やる。釣られて俺達も視線を向けると、その方角から────バイクに跨った二人の少女達がノイズの群れへと進んでいた。

 

「ツヴァイウイング……!」

 

 彼女達はバイクに跨ったまま首から下げているペンダントを握りしめる。

 すると掌で紅色に輝く宝石は、彼女達の歌を汲み取り鮮やかな光を放ち始めた。

 

「Croitzal ronzell Gungnir zizzl───」

「Imyuteus amenohabakiri tron───」

 

 響ちゃんと似た聖なる詠の調べ。その旋律を奏で終えるとその身はシンフォギアに変わり、先んじてノイズへと戦いを挑んでいく。

 まずバイクから跳び上がった翼さんがノイズの頭上をとると、そこから虚空へ大量の剣を生成。狙いを真下に定めて一斉に解き放つ。

 

《千ノ落涙》

 

 降り注ぐ剣の雨に貫かれ、一度に大量のノイズが消滅していく。だがまだ残る群れは多く、それらへ代わりにバイクを操る奏さんが追撃を加える。

 火花を散らしながらバイクを停車させると、彼女は両腕を重ね合わせた。そうすれば籠手は一振りの槍に変形・合体。それを大きく振り被ってノイズへと投擲する。

 

《SAGITTARIUS∞ARROW》

 

 投げられた槍は一条の光となって軸線上のノイズを貫き、群れに巨大な風穴を開けた。

 

 ……圧倒的、という他ない。

 響ちゃんの拳も凄まじい威力だったけれど、二人は威力もありつつ手慣れている。刃を奮う手にブレが無く、俺達よりも経験を積んでいるのが一目で理解できた。

 だけど今の一手で終わり、とはならないらしい。

 数を減らした傍から、彼女達の四方より新たなノイズが湧き出してきた。

 

「あんなにノイズが!?」

「しかもあの布陣。自然発生にしては妙ですね……」

 

 驚く俺を横目に倫太郎は冷静に戦況を分析している。

 そういえばそうだ。彼女達を囲むあの現れ方は、自然というより人為的なものが感じられる。

 昨日の話でもライブの一件は何者かの思惑があるやも、と弦十郎さんは言っていたけれど……これを見ると真実みを帯びてきた。

 

「奏!」

「あいよッ!」

 

 一方増援に対して二人は全く怯む様は見られない───それどころか彼女達は、戦いの中で旋律を奏で始めていた。

 

「…歌?」

「何故彼女達は唄っているのでしょう?」

 

 戦意を滾らせるアップテンポな歌を口ずさみ、二人は果敢に大群へ刃を向ける。しかもその行為は邪魔になるどころか、寧ろ唄い始めてから動きのキレ・スピード・パワー……彼女達の戦いに磨きが掛かっていた。

 一体どういうカラクリなのか? ただ気分を上げるというだけでは説明できない状況をあの二人は作り出している。

 

「二人共、このまま見てるつもり?」

「…いいの、響ちゃん?」

「あいつらにばっかやらせる気はないよ。

 それに、さっさと終わらせてこの場から離れればいい」

 

「そうだね…。じゃあ行こう!」

 

 と、ここで響ちゃんから急かされる。早く帰りたそうに眼下を眺め、彼女は今にも戦いへ身を躍らせようとしていた。

 確かに今の歌について考察している場合じゃない。

 それに響ちゃんもこの戦いを人任せにするつもりはないようだ。俺達へ向ける態度にほんの少し安心しながら、俺はライドブックをベルトに装填する。

 

「───Balwisyall nescell gungnir tron」

 

「「変身!」」

 

 次いで変身を遂げ、俺達は戦場へと飛び出していく。

 そして跳び下り様に聖剣を構え、勢いのままに振り下ろす。

 

「あんた達は」

「仮面ライダー……それに立花響」

 

 聖剣は朽ちる事なく、一振りでノイズの身体を両断する。

 灰となって風に乗るノイズの残骸に、俺はこの力の凄まじさを改めて噛み締めていた。

 

 本当にノイズを斬っても異常がない…。

 百聞は一見に如かずと言う通り、実際に体験すれば心の持ち様が違ってくる。信じてなかった訳じゃないけど、これで自信を持ってノイズの前に立てそうだ。

 

「僕達も戦わせていただきます。構いませんか?」

「ッ、もちろん。よろしく頼むよ……!」

 

 ノイズから視線を外す事なく奏さんは倫太郎の申し出に相槌を打った。

 こっちは昨日申し出を断ったばかり。。後は響ちゃんだ……とその姿を探すと、彼女は二人に構う事なくノイズへ戦いを挑んでいた。

 

「…彼女は我々との共闘を渋っているのでは」

「今もそれは変わらないよ。ただ……」

 

 これが響ちゃんなりの折り合いの付け方なのかもしれない。そう告げると、翼さんはゆっくりと刃をノイズへ突き付ける。

 

「諍いの無い分それで良いのやもしれません。……今回はよろしくお願いします」

「ああ、こちらこそ」

 

 互いに話をつけて戦いに臨むものの、戦況は俺達に不利と言えた。

 依然ノイズは際限なく湧き続けている。ツヴァイウイングのように大技を使えば数は減らせるかもしれないが、それはあくまで一時凌ぎ。敵の底が見えない以上、闇雲に技を使えばこちらの消耗を招くだけ。

 となれば必要なのは敵を一掃できるだけの力。このノイズ達に誰かの手が加わっているのなら、それだけの殲滅力を見せれば相手側から手を引いてくれるかもしれない。

 

 ではどこからそんな力を持って来るかというと……

 

《ピーターファンタジスタ!》

 

 昨日の戦いで手に入れたライドブックを試す。

 まだ使った試しがないからこそ、ここから逆転できるだけの力を秘めている可能性もある。ならばそれに賭けようと俺は新たな本の力を解放した。

 

《烈火抜刀!》

 

《二冊の本を重ねし時、聖なる剣に力が宿る。────ワンダーライダー!》

 

 聖剣を抜刀すると同時に、鎧の左側が別の意匠へと変わっていく。

 背中に翼を生やし、どこか人の顔に似た肩当て。腕の籠手には船のフックのような鉤爪が装備され、色は空のように爽やかな青色で統一されていた。

 

《ドラゴン・ピーターファン! ────二つの属性を備えし刃が、研ぎ澄まされる》

 

 名付けるなら『仮面ライダーセイバー ドラゴン・ピーター』。

 

 まずは力試しと。俺は鉤爪を振り回し、ノイズに目掛けて投擲した。

 投げた爪が一匹の身体に食い込んだのを確かめ、そのまま他のノイズへと振り回しにかかる。するとぶつかった弾みでノイズ達は炭化していき、一気に何体も倒す事に成功した。

 

「使い勝手は悪くない。けど……」

 

 この場のノイズを全て倒すには全く足りない。

 本来ならこの段階で別の方法を模索すべきところ。なのに俺は別のライドブックへ切り替える気にはなれなかった。

 単に意固地になっているだけかもしれない。それでもこのライドブックも一つの物語を記した力だ。ならたった一度で使えないと、一人の作家として決めつけたくなかった。

 

 だからもう一度やってみようと、俺は鉤爪をノイズへ投げ付けようとしたんだけど───

 

「───って、えっ?」

 

 突然ピーターのライドブックから羽の生えた光の玉が飛び出してきた。

 そのままそれは投げたチェーンに引っ掛かり、鉤爪に引っ掛かったノイズごと俺を振り回す。

 

「え、えぇぇぇぇ!?」

「飛羽真君! なんでそんな戦い方になるんですか!?」

 

 近くで戦っていた倫太郎からもツッコまれてしまう。

 何とか抜け出そうと藻掻くも、その間に俺とノイズは振り子の要領で接近。衝突してしまい、その反動で俺は吹き飛ばされてしまう。

 

 ……って、マズい!? 見れば俺の落ちる先には何十ものノイズが密集している。このまま落ちれば一斉攻撃を受けて、この鎧でも耐え切れない傷を負うかもしれない。

 すぐに鉤爪をどこかに引っ掻けようとして。でもガキンッと金属音が響き、何故か鉤爪が射出されない。

 見れば鉤爪のチェーンに光の玉が引っ掛かり、射出口を塞いでしまっていた。

 

「ちょ、ちょっと待ってぇぇぇ!!?」

 

 これじゃどこにも掴まれない!? って、そうしてる間に地面が───

 この有様にノイズに滅多打ちにされる未来を想像する……のだが特に痛みはなく、急に落ちるどころか浮遊感が鎧越しに感じられた。

 

「───飛羽真さん、一体何やってんの?」

「ご、ゴメン。俺としては真面目にやったんだけど……」

「また思いつき? 尻拭いする身にもなってよ…」

 

 どうやら響ちゃんが助けてくれたらしい。恥ずかしながらお姫様抱っこの形になり、俺は抱えられて安全な地点まで運ばれる。

 

「確か昨日渡したやつ……ピーターファンタジスタ、だったっけ。

 ピーターっていう割にはフックがついてて、まるで船みたいな恰好だけど」

 

 その道中、響ちゃんはセイバーの鎧にそんな感想を呟く。

 彼女にしたら何気ない感想だろうけど、俺はこれに強い衝撃を受けた。

 

「船……ピーターで船と言えば…かい、ぞく───」

 

 そもそも鉤爪に引っ掛かったこの光の玉は何なのか? 何故俺の邪魔をするような行動ばかりとっているのか?

 それをピーターファンタジスタのモチーフを起点に考えれば、この不可解さが全て点と点で繋がった。

 

「それだッ!

 ありがとう響ちゃん。お陰でいい事思いついた!!」

「な、なに……? え、えっと。どうい、たしまして…」

 

 下ろされた所で俺は閃きを得た興奮の余り、響ちゃんの肩を勢いよく掴んでしまう。

 ……ととっ、落ち着け落ち着け。彼女も動揺しちゃってる。

 それに何の事か分かってないみたいだし、まずはライドブックの方をどうにかしないと……。

 

 そうして彼女から肩を離した途端、籠手の中から光の玉が飛び出していく。

 咄嗟に待った!と呼び止めると、光はふよふよと俺の周りを周回し始める。主観でしかないが、その飛び方は苛立っているように俺には見えた。

 

「ちょっと話をしようよ。俺と君、きっと仲良くなれると思うんだ」

 

 努めて優しい声で光の玉に話しかける。

 ここからがピーターファンタジスタを使いこなす為の正念場だ。相手からの印象が最悪な分、俺という人間を解ってもらうよう努めなきゃいけない。

 

 けれど内心、目の前の存在と話すのに不安は感じていなかった。

 だって俺達は力を合わせられると信じてる。

 君も物語の一部なら必ずその心を理解してみせると、俺は意気込んでいた。

 

 

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