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全部華音と龍明のせいなんだ!
お前らが悪いんだ!
「「あ〝?」」
あっ・・・
-------龍明-------
「な、なんだよこれ・・・?」
俺は両手に持った二本の刀を見ながらわなわなと震える
どうしても震えが止まらない
「なにって・・・お前の刀だよ、形が変わるって言っただろう?」
「変わりすぎだろ!」
俺は机にばんと二対の刀を叩きつけながらウィザーモンに怒鳴る
くそっ!丁寧に鞘と柄までもう一つ作りやがって・・・
「いいや、早速訓練だ」
俺は二対の刀を片手に持ちすぐに訓練場へと走る
-------ウィザーモン-------
「あっ・・・注意するの忘れてたな・・・」
俺は最も重要なことを言い忘れていたことを思い出す
その重要なこととは・・・あの刀は軽さと威力が釣り合っていないことである
普通、破壊力を出すためには重さ、つまりは振り抜く際に刀にかかる力が必要なのだ
だがあの刀は魔法を使ってただの鋼を魔鉄鋼に強化したためなのか切れ味が異常なまでに上がってしまったのだ
そのくせ刃を二つに分割し、二刀にしたためかなり軽い
その結果軽く振れば厚さ20cm近い鉄板をまるで豆腐のように切り裂くとてつもない威力の軽い刀が出来上がってしまったのだ
「まずいぞ・・・あいつがもし、全力で振ったりなんてしたら・・・」
ぼたぼたと底なしに冷や汗が湧いてくる
常に落ち着き払っているウィザーモンが冷や汗を浮かべる理由は実に簡単で、この城が崩壊するという最悪の結果が浮かんだからである
俺は部屋のドアを蹴り開け急いで廊下を走り龍明の向かったであろう訓練場へと向かう
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-------龍明-------
「さて、どうなるかなーっと・・・」
俺はまず切れ味を確かめるために居合斬り用の棒に括り付けた藁を立てる
まあ居合斬りをする気は無いが
そしてしっかりと固定できているかどうかを確認するため軽く押す
まだしっかりと刺さっていなかったのかパタリと地面に倒れる
「ありゃ、ちゃんと刺さってなかったか」
俺は棒を立ち上げ再び地面に突き刺す
そして再び棒を押しちゃんと刺さっているかどうかを確認する
今度は倒れずしっかりと立っているらしい、軽く押した程度では倒れない
「よしと、じゃあ、二刀同時で振ってみるか」
そう言い俺は腰に差した二つの鞘から二つの刀を抜く
刀は両方とも直刃でとても美しい光沢を放っていた
「よく、斬れそうだな」
そして、俺は刀を構え力を溜め込む
出来る限り最高の切れ味を出したいため溜めれるだけ溜め込む
そしてその溜め込んだ力を一瞬で解き放ち刀を振り抜く・・・
瞬間に訓練場の扉がウィザーモンによって蹴破られる
そしてその扉は俺に向けて飛んでくる
「うおっ!」
俺は反射的に刀でガードしようとする
すると驚くことに扉はまるで豆腐のようにすっと刃が入り真っ二つになり俺の後方へと飛ぶ
「はあ!?なんだこの斬れ味・・・」
「あ、危なかった・・・」
ウィザーモンは俺の質問に答えることなく地面に尻餅をつき荒げた息を整え始める
「その刀は制御できるまでは絶対に思いっきり振っちゃいけない、この城が崩壊してしまう」
ウィザーモンは息を整え終わりまたいつもの落ち着いた雰囲気で俺に刀を扱う上での注意を話し始める
「ちょっ、城が崩壊するって・・・なんでそんな危険なもんの注意を忘れんだよ!」
その瞬間、城内に大音量で呼び出し放送が流れた
「あー、ヴァンデモンだ、鉄 龍明、今すぐ私の部屋にこ・・・」
ヴァンデモンの放送だった
しかし途中でバァン!と言う音が聞こえ放送が途切れる
「うわっ!?なんだお前!なんでこんなところに」
「うるさあああああい!!!!十字架に磷付けてやるうううう!!!」
「うっ、うわあああああ」
城内に華音とヴァンデモンの謎の話が響き轟くヴァンデモンの悲鳴が反響する
そしてその後すぐにブツッと音を立てて放送が終了する
「・・・ヴァンデモン、華音に何したんだ・・・?」
俺は刀をしまうこともなくただ呆然と立ち尽くしながらウィザーモンに問う
しかし状況がわからないというのにこんな質問をしても無駄だった
ウィザーモンも呆れて言葉も出ないのか答えは返ってこない
「まあいいや、悪い、ヴァンデモン助けに行ってくる」
「あ、ああ、できるだけ急いだ方がいいぞ」
やっと意識が戻ってきたのかハッとしたような顔で俺に手を振り送り出してくれる
俺はそれを横目で見て扉の無い訓練場を急いで走って出る
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「なあ、華音、こいつ何をしたんだ?」
俺は華音にヴァンデモンのしたことについて尋ねる
しかし華音は顔を両手で覆い隠したまま一向に何もしない
ちなみに、俺がヴァンデモンの部屋に着いた時、部屋は悲惨な状態だった
所々に血痕が飛び散り、天井まで一部は紅く染まっていて部屋の中心には血塗れのヴァンデモンを十字架に磷付ける返り血であろう紅い液体により紅く彩られた華音が立っていた
「さて、ヴァンデモンいい加減に話を始めてくれないか?」
俺はヴァンデモンに話の開始を要求する
するとヴァンデモンは何事もなかったかのように手、脚、首に巻かれた糸を解きスタスタとこちらに歩いてくる
「さて、じゃあふざけるのも終わりだ、まず最初にこの城は放棄する、また子供達が突入してきたら城を吹き飛ばしても構わない、そして二つ目今回の件に関しては、お前の隊は別枠扱いだ、お前の隊はお前が指揮を取れ、何をしても構わない、そして最後だ、この作戦が、このヴァンデモン軍の最後の作戦だ」
ヴァンデモンは淡々と話していく
最後の作戦という話が出た、つまりはこの作戦が終わったら恐らくは成功だろうと失敗だろうとこれでヴァンデモン軍は全てバラバラになる
「へぇ、あんたが最後なんて言葉を使うんだな、まあ俺はヴァンデモン軍がバラけようがどうでもいいがな」
俺は笑いながらヴァンデモンの使う言葉を盾にしてヴァンデモンにいつもの感じで絡む
するとヴァンデモンの目がいきなり緩む
「お前こそ、嘘をつくのは珍しいな」
「!、ヴァンデモン、まさかお前・・・」
俺はヴァンデモンの言動からヴァンデモンの持つものを悟る
その俺の言葉をヴァンデモンは滅多に見せない笑顔で答えた
「そうだ、私はこれ以上見る必要はないからな」
ヴァンデモンの笑顔はまるで何か無理をしているような寂しそうな笑顔だった
「・・・なるほどな、やっぱお前、おかしな奴だな」
俺はヴァンデモンに若干挑発の意を込めて呟く
「お前にだけは言われたくないさ」
ヴァンデモンは寂しそうな笑顔を崩すことなく俺に皮肉を返してくる
「・・・龍明、彼らが来たよ」
俺とヴァンデモンが話している間ずっとおとなしくしていた華音が突然振り返り、彼らが来たという
「ヴァンデモン、今すぐ人間界へ行け、ここは俺たちが止める」
俺はヴァンデモンの返事を待つことなく踵を返し部屋を出る
華音もそれに続き部屋を出る
そして廊下をしばらく歩き、振り返り華音に考えを話す
「華音、子供達を現実世界へ連れ出すのに、協力してくれるか?」
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-------太一-------
「いくぞ!とにかく今は龍明達が足止めしにくるまで進み続けるんだ!」
俺は今ヴァンデモンの城の中を仲間とともに進撃していた
龍明が足止めをしにくる前に少しでも前に進まなければならない
次はどんな策を持っているかが、わからないからだ
もし、相手に包囲なんてされてしまえば恐らくは逃げられすらしないだろう
そのため今は既に完全体に進化したメタルグレイモンの背に俺達全員と完全体進化できないデジモンが乗り完全体進化できるデジモン達が敵に攻撃している状態である
「もう少しだ、この奥の広間にゲートがある!」
背後からはヴァンデモン軍のデジモン達が迫ってきていた
背後でワーガルルモン達が攻撃しているのだろう、音だけが後ろの状況を教えてくれる
しかし、事は簡単には運ばない
「また会ったね、太一さん」
廊下を抜けた先には二対の刀を両手に持った龍明が立っていた
仮面はもう、付けていなかった
「君達を、試させてもらう」
龍明はそう言って右手の刀の切っ先を真っ直ぐこちらに向けてくる
-------龍明-------
「君達を、試させてもらう」
俺は右手の刀を太一さん達に向け、そう言い放つ
ヴァンデモンはもう現実世界へ向かった
あとは彼らを見極めるだけなのだ
「完全体4体、全員まとめてかかってこい」
俺はそう言って刀を構え戦闘態勢に入る
すると後ろでデジモン達を食い止めていたワーガルルモン達が前へと出てくる
背後からはやけに騒音が聞こえる
「そこをどけ、邪魔を消す」
俺は刀の切っ先を彼らに向けたまま切っ先を左右に振る
するとすぐに彼らは刀の切っ先の延長線上から移動する
「閃空」
刀を縦に振り抜く
刃は地面にするりと入り込み、彼らが入ってきた階段は剣圧で天井が崩れ崩落する
「なっ・・・」
将来ハゲそうなメガネ(華音命名)と袖捲り金髪長ズボン(龍明命名)は驚いた表情で驚愕の言葉をこぼす
「悪いが、時間がない、早くしてくれるかな?」
俺は若干苛立ちながら一刻も早い戦闘の開始を求める
「そんなに闘いたければ!!」
「始めるぞ!!」
ワーガルルモンとメタルグレイモンが先陣を切って攻撃を仕掛けてくる
「円月蹴り!!」
ワーガルルモンが回し蹴りの風圧、まるでかまいたちのような切れそうな風圧で攻撃してくる
それと同時にメタルグレイモンが視界から外れる
当たり前のように左手の刀で蹴りの風圧を弾く
「ギガデストロイヤー!!」
背後に回り込んだメタルグレイモンがギガデストロイヤーを放つ
今度は体を捻り右手の刀でギガデストロイヤーの弾道を無理やり変え上へと弾き飛ばす
「シャドーウィング!」
「ホーンバスター!」
今度は上へと飛んでいたガルダモンとアトラーカブテリモンが必殺技を放ってくる
「よっと」
体を回転させ二対の刀で必殺技を二つとも切り刻む
「おいおい、本当になんなんだあいつは、人間が1人で館全体4体と闘って渡り合うっておかしいだろ」
袖捲り長ズボンが驚きを正直に口にする
しかし、そんなことに返事をしている暇はない
少しでもそれぞれの必殺技への対応が遅れればこちらがやられてしまうからだ
「メタルアーム!!」
メタルグレイモンがいつの間にか近寄り左腕のメタルアームを振り下ろしてくる
それを右手の刀で弾き、軽く振り抜きメタルアームの爪を全て切り落とす
「よしと、これでまた楽になった」
俺はすぐに集中攻撃を避けるため少し退避する
「カイザーネイル!」
するとそれを読んでいたワーガルルモンがカイザーネイルで攻撃してくる
「ほっ!」
カイザーネイルの爪の斬撃の軌道の隙間をすり抜けワーガルルモンの顔面に蹴りを叩き込む
「ぐあっ!」
「3体目!」
すぐにワーガルルモンを踏み台にして跳びガルダモンの腹に蹴りを入れる
「げっ、ぐほっ!」
ガルダモンはそのまま壁まで突っ込み城の壁の瓦礫に埋もれる
「4体目」
刀を2本アトラーカブテリモンに向けて投げ地面に着地する
しかしアトラーカブテリモンは甲殻が相当硬いらしく簡単に弾かれてしまう
「せいっ!」
そのままアトラーカブテリモンの腹目掛けて跳びアトラーカブテリモンの腹に思いっきりパンチを入れる
「ぐうっ!」
「苦しんでる余裕ないだろ」
アトラーカブテリモンにそう呟きアトラーカブテリモンを掴んで体を縦に回転させアトラーカブテリモンの頭にかかと落としを叩き込む
「がっ!?」
アトラーカブテリモンは地面に頭から突っ込み動かなくなる
「ギガデストロイヤー!カイザーネイル!」
「牙穿」
ドルグレモンとの戦闘訓練の時のように両腕を腕を捻り左右両方の必殺技に牙穿を打ち込み打ち消す
「いやー、刀無かったから危なかったな・・・」
俺はそう言い弾かれ地面に落ちた刀を取る
「そんなこと言ってられるとは・・・随分余裕だな!」
メタルグレイモンは俺にそう怒鳴り性懲りも無く再びギガデストロイヤーを撃ってくる
その瞬間踏み込もうとした足がとてつもない力で地面な引きつけられる
何かと思い足元を見ると地面から生えたワーガルルモンの右腕が俺の足を掴んでいた
「ちっ」
俺は掴まれていない方の足で思いっきり地面を踏み込み小さな地割れを起こし地盤を叩き起こす
そして叩き起こした地盤を蹴り飛ばしギガデストロイヤーに当てる
「邪魔だよ」
俺はワーガルルモンの腕を掴み返し地面から引きずり出す
「ワーガルルモン!ホーンバスター!」
いつの間にやら起き上がったアトラーカブテリモンがホーンバスターを放ってくる
「よっ」
ワーガルルモンを必殺技へと投げつける
ワーガルルモンとホーンバスターがぶつかり爆発が起こる
煙が少しずつ晴れ、完全に晴れきるとボロボロのワーガルルモンが倒れていた
しかし、手は体を起こそうと動いていた
ガルダモンも立ち上がろうと必死で力を入れている
目は4体とも死んでいなかった
「・・・よし、平気そうだな、華音!」
「はいはい?」
華音の名を呼ぶとすぐに華音がどこからか現れる
「合格だ、ゲートを頼む」
俺がそう言うと華音はこくりと頷きゲートを作り出す
「華音!?華音ってお前の家族のか!?、というか合格ってなんだよ!」
太一さんが怒りに満ちた表情で俺へと怒鳴りつけてくる
「太一さん、頼みがあります、こんなことは本当なら俺たちだけでケリをつけなきゃいけないんだろうけど・・・、今からあなた達を元の世界に帰します」
俺は太一さんに俺の目的を話す
すると太一さんはとても驚いた顔をしていた
まあ、当然だろう
さっきまで殺しに来ていた相手がそんなことを言い出したのだから
「ついさっき、ヴァンデモンが現実世界へ行った、今すぐ俺たちも止めなければならない、だけど俺と華音、それにドルモンとリュウダモンでは圧倒的に戦力が足りない、だからその時が来たら、俺たちに力を貸して欲しい」
俺は太一さんに手を差し出し、協力を求める
するとすぐに太一さんは近づいてきて俺の手を叩く
「・・・、交渉は決裂ってことかな?」
「バカ!交渉なんかじゃねーよ、俺たちは同じ選ばれし子供だろ?こういう時こそ一致団結して!仲間にならなくちゃいけないんだ!」
太一さんはそう叫んで俺の手を握る
その手には久しく感じる心の暖かさが宿っていた
「もう、お前らは2人だけじゃない、俺たちは仲間なんだ」
太一さんはそう言って俺の横を通り過ぎていく
背後では華音がゲートを開き終わり待機していた
「よし、みんな急いで入れ!城がそろそろ崩落する!」
完全体だったデジモン達も退化し成長期に戻り、動くことが困難なデジモンはパートナーに担がれあるいは抱えられゲートの中へと入っていく
そして華音が入り最後に俺がゲートに入った瞬間、城が崩れ瓦礫が落下してくるのがゲートの閉じる瞬間に目に入った
城が崩落を始め、天井が崩れ落ちてきたのだろう
俺は少し、ほんの少しだけだが・・・寂しかった。
・・・既に向こうではウィザーモン達が行ってる、恐らくは戦力ならこちらが勝っているはずだ
うまく戦えれば、確実にこちらが勝てるはずだ
勝てないはずはない
俺はそんなことを考えながらもやけに静かな胸騒ぎに不安な気持ちを抱いていた
-------???-------
「もうすぐ、予言の時が来るのか・・・」
俺は自由に動かない拳をなんとか握る
そして、考えを誰もいない暗い空間で呟く
「この状態じゃあ何が出来るかはわからないが・・・龍明に、力を貸す必要があるだろうな・・・」
砂肝はオールデリートによって消し去られました