勉強の合間の休憩時間のたびに書いてたらノルマを超えたので投稿しました
それでは、第十八話をどうぞー
-------デクスドルゴラモン-------
「龍明の体に何故お前がいる?」
ヴァンデモンはブラッディストリームの持ち手をこちらへ向けながら静かに問うてくる
「あの時、お前が龍明の腹の穴に移植したアレの中身を食って入り込んだのさ」
「何!?」
ヴァンデモンは突然顔色を変え驚く
それと同時に瞬間的に加速しヴァンデモンの後ろに回り込む
「ぼやぼやしてんな、気づかねーうちに死んじまうぞ?」
ヴァンデモンはすぐに反応しガードしようする
しかし、究極体の攻撃力ならば防御なんて関係ない
ヴァンデモンの腕に思いっきり拳を打ち込む
それに合わせてヴァンデモンは後ろに飛び退き衝撃から逃げる
「チッ、二本でやるとめんどくさいが仕方ないか・・・【破】オン」
俺は目を閉じそう呟く
エネルギーを両手に供給
刃に沿ってエネルギーの線が走るのを感じる
「さあ、ヴァンデモン、ここからが本番だぜ?」
俺はヴァンデモンを睨みつけ腰を落とし刀の切っ先をヴァンデモンに向け縦に並行に並べ足に力を溜め込む
「ラァッ!!!」
足に溜め込んだ力を一気に解き放ちヴァンデモンへと突進する
「ブラッディストリーム!」
それと同時にヴァンデモンが右手のブラッディストリームを振り下ろしてくる
「変幻自在、それが俺の戦闘術だ」
ヴァンデモンにそう呟き胸を二対の刀で袈裟懸けに切り裂く
「ぐうっ!」
ヴァンデモンは唸りながら苦し紛れのように左手のブラッディストリームを振り付けてくる
しかし当然ながら後ろに体を反らせて避ける
そしてその勢いのまま二回バク転をして一時距離を置く
「セットは完了・・・だな」
「はあっ!」
再びヴァンデモンの両の腕でのブラッディストリームの乱打が始まる
しかし、見えていたためにするすると間を抜けながらヴァンデモンに近づく
するとすぐさまヴァンデモンは後ろに跳び距離を置き近くのビルの壁に手を当てる
そして、彼はこういった
「お前・・・まさか、アルカイオスか?」
俺は少し攻撃するのを止めて立ち止まる
少しだけ話すのを躊躇う
そして口を開く
「ああ、そうだな、俺はアルカイオスさ」
「なら、お前の能力は、未来予知と見ていいようだな」
ヴァンデモンはそう言い再びブラッディストリームを振り回し始める
そのうち2回顔と腹スレスレを通っていく
「うおっ!」
そう言い俺は後ろに飛び退きヴァンデモンの間合いから脱する
想像以上にヴァンデモンは強かった
究極体と遜色ないパワーとスピード・・・
ん?まさか・・・
「そうか、そうか、てめーもアルカイオスだな?」
俺は苦笑いをしながらヴァンデモンを睨みつける
「その通りだ、私の能力は読心、心が読めるのさ」
「なるほどな」
そう呟き俺は指をパチンと鳴らす
その瞬間地面やビルの壁から斬撃が6発放たれヴァンデモンの体を斬り裂く
「!!?」
「【破】は全てを伝う斬撃を放つ技だ、速度だけなら、マッハを超える」
更に地面から2発斬撃を打ち込む
「ぐっ、かはっ・・・」
そして俺はヴァンデモンにトドメを刺すためゆっくりと歩み寄る
一歩、二歩、近づいて行くごとにヴァンデモンの荒い息が大きく、はっきりと聞こえてくる
そして、ヴァンデモンの前へと立つ
「何か、言い残すことはあるか?」
俺は再び指を鳴らし未だにヴァンデモンを拘束し捕らえていた斬撃を消しヴァンデモンを見下しながらそう語りかける
目が虚ろで何を見ているのかは分からなかった
「じゃあ、最後に言わせてもらおう・・・甘いぞ」
ヴァンデモンはそう言った瞬間に一気にコウモリの群れとなり分散する
「これは・・・!ナイトレイドか!」
俺はそのままコウモリたちに腕を掴まれ空中へと連れて行かれる
「うわわっ!!くそっ!逃げられねえ!」
そしてビルの六階近い高さまで持ち上げられる
目の前にはコウモリが集まり始め徐々にヴァンデモンの形を成していく
そして、ゆっくりとこちらへ向け歩いてくる
「残念だったな、サヨナラだ、デクスドルゴラモンよ」
そう言って、ヴァンデモンは右手のブラッディストリームを振り上げる
それと同時に俺は準備していたことを行動に移す
体内の残エネルギーを、僅かに残して・・・
他を全てっ・・・
熱と破壊力に・・・
鉄が赤熱するかのように腕が赤く染まりコウモリたちは熱がり離れていく
そして熱を操り足元に強力な上昇気流を発生させる
しかしそんな膨大な熱では体もあまり耐えられない
「ぐ、ぐ、ぐ・・・さすがに・・・これ以上はまずいな・・・」
俺はそう呟き両の手を胸の前にかざしがっちりと組み合わせていた掌を開く
そして、俺の手によって抑えられていた熱が、破壊の炎が全て解き放たれる
「ーメタルインパルスッ!!!」
瞬間、炎は爆発を伴い俺ごと辺りを吹き飛ばす
そして街を明るく彩る
防御のために張っておいたバリアや甲殻が熱により全て溶け出す
「ぎゃああああっ!!熱い!熱いいいい!!」
ヴァンデモンの悲鳴が聞こえてくる
恐らくはあの炎の奔流から逃げられず直に体を内臓を焼かれているのだろう
俺はなんとか炎が影響を及ぼす範囲から抜け出し、なんとか立ち上がる
未だに炎の渦の中にはヴァンデモンの影が見える
俺はこの機会を逃さずすぐさまドルモンを拾い上げ走り人目につかないように裏路地を走り家へと向かう
右腕は、もうまともに動かなかった
恐らくはだがあと数分もすれば治癒に全てのエネルギーを使い果たし俺は再び眠りについてしまうだろう
「もう少しなんだっ・・・!もってくれ・・・」
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
なんとか、マンションの前まで辿り着いた
だがもう動けなかった
Dモードが・・・切れてしまう・・・
息切れが急に激しくなり心臓はとても早く動き警鐘を打ち始める
なんとか左手のみで這って木の陰までたどり着く
しかしそこで意識が急に途切れてしまった
ーここ、は・・・?
気づけばどこかで見たような、懐かしい気分になる砂浜に座っていた
横には、白い服の女性が立っていた
「お・・の?は・・たま・・・こ・・きかせ・・・」
虫食いの声が女性の口から聞こえ一気に女性が離れていく
そして周囲一帯全てが暗い世界になり突然座っていた大地が消える
「ん・・・?」
明るい、温かみのある日光で目を覚ます
何故、自分はここにいるんだ?
記憶が途切れている
俺は現状を把握するため辺りを見回す
しかし周りには銀色のドルモンと紫色のドルモンしかいなかった
しかも二人とも眠って・・・んぁ?
「あれ?ドルモンが2人?」
俺は寝ぼけているのかと目を擦る
しかしまだドルモンは2人いる
今度は頬を思いっきりバチンと叩く
しかしまだドルモンは2人いる
「ううぇえぇえあぁぁぁぁあ!!?」
俺は驚き大声を上げる
しかしそれも仕方のないことだ
パートナーのドルモンが分身しているのだ、驚かずにはいられない
すると俺の大声に驚きドルモン2匹がむくりと起き同時にこちらを向く
「ん?あれ?りょう・・・?ええええぁぁぁあがぁぁぁぁ!?」
銀色の方のドルモンが俺を見るなり外れるのではないかというほど大きく顎を開き大声を上げる
その音量は俺に負けず劣らずだった
しかも顔色は真っ青だった
「・・・・・・」
銀色のドルモンは少しの間大きく顎を開いたまま完全に動きが止まる
そして少しの間の静寂が訪れた
「お前・・・誰」
そこまで言った瞬間に銀色のドルモンは脱兎の如く駆け出し草むらへと飛び込む
しかし飛び込んだ草むらから銀色の毛並みの尻尾が見えている
頭隠して尻隠さずとはこのことだろうか
俺は歩いてそのドルモンに近づき尻尾を引っ掴み草むらから引っ張り出す
「さて、お前は何者だ?話せ」
俺は目の前に銀色の方のドルモンを座らせ肩に手を置き若干脅し気味で話す
するとドルモンは少し思案したような顔で俯くとすぐに顔を上げ口を開く
「俺は・・・名前はデクスって言う、デジタルワールドからここに迷い込んだんだ」
最後の一文を言った瞬間にデクスの両目が若干揺れる
そして俺はデクスの口を掴み顔を近付ける
「嘘だよな?」
俺がそう言った瞬間にデクスは滝のように汗を流し始める
どうやら俺の読みは当たったようだ
「言え」
俺はデクスの口から手を離し代わりに頭を鷲掴みして脅す
「いいたくない」
しかしデクスはあいも変わらず黙秘する
それだけいいたくないことなのだろうか?
「いいから言え早くしろ」
「嫌だって言ってるだろ!!」
そう言ってデクスは俺の頬をベチンと叩く
少しずつデクスの頭を掴む手に力が入る
「ははは、じゃあうちでゆっくりと話 そ う か」
そう言いながら頭を鷲掴みにしたままデクスを宙吊りにしてマンションの階段を上る
「はっ、放せえええ!えっ?ぎゃああああああああああああ」
ひいいいいいいいいいい
これは余談だが、その日からこのマンションは死者の悲鳴の響くマンションとして心霊スポットになったとのことだ
「なるほど、お前は俺の体の中にいたのか・・・」
「はい、そうです・・・」
デクスは家のフローリングに丸まり尻尾の毛に顔を埋めながら弱々しく呟く
ん?何をしたって?
GO☆U☆MO☆Nだよ♪
「じゃあ礼を言わなくちゃな、助けてくれてありがとう」
「あー、いいよいいよそんなの、もう知らない」
かなり投げやりになりながらボソボソと呟く
今にもデクスから立ち上る黒い気配が形を持って動き出しそうなほどだった
「さて、で、アルカイオスってなんだ?」
俺はデクスから聞いた話の一つ
『アルカイオス』という単語が気になっていた
「アルカイオス?んー、よくは知らないけどオリジナルって意味だよ」
デクスはもう完全に脱力しておりしぼんだ風船みたいにぐったりと床に横たわりながらそう答える
「俺はドルモンっていう種類のデジモンの原種なんだよ」
デクスはそう言いながら顔だけを持ち上げる
原種というのは嘘ではなさそうだった
「そして原種は全員特別な能力、例えば俺なら数秒先の未来予知とかみたいなのを持ってる、代わりに進化するまでに膨大な時間がかかる、まあでも完全体でも究極体並みの力になるから関係ないけど」
デクスはそう言って再び尻尾に顔を埋める
「つーことはだ・・・てめぇ、あん時のデクスドルグレモンだな?」
そう言った瞬間にデクスの毛が一気に逆立つ
こいつ、なんでこんなに分かりやすいんだ
「何もしないよ、ただなんでお前わざわざ一人でヴァンデモン城に攻め込んだんだ?」
俺は毛を逆立てたままのデクスを撫でながら尋ねる
一番気になっているのはそこなのだ
戦闘に関してかなりの知識があるはずのデクスが何故一人でさらに負けそうになっても逃げなかったのかが不思議でしょうがない
「・・・特に理由はないさ」
そう言ってデクスは立ち上がり窓へと近づく
「ただ、調べたかっただけだよ」
そう言いながら窓にぺたりと前足を付け夏の青空を見上げる
その背中にはなにやら哀愁が漂っていた
何か事情があるのだろう、俺はそれ以上追求する気にはなれなかった
「で、お前これからどうすんの?」
デクスは何が?といった表情でこちらを見つめている
しかしすぐにハッとしたような表情になる
「ああ、そういうことか、ここにいるよ?」
どういうことだ
というか居候宣言を堂々とするな
まあ居るのは構わないが
「それじゃあ、これからもよろしくな?デクス」
そう言って俺はデクスに手を差し出す
デクスはすぐにそれに応じ握手を交わしてくる
-------ヴァンデモン-------
「危なかった・・・まさかデクスがあれほどまでに強かったとはっ・・・」
右の二の腕を掴みながら歯噛みをして呟く
あの後どうにかメタルインパルスから脱出することに成功した
右腕を代償として・・・
「だが、目的ももう少しで成就する・・・あとは、龍明次第だ・・・そうすればこの世界は・・・」
はい、読んでいただきありがとうございます!
次回はテストが終わったら書き始めるのでだいたいですが再来週の水曜日くらいになります!
一週間くらいかかってしまうので気長に待っていただけると幸いです。
とりあえず次回は1万文字越えを頑張ります・・・