最近ua数多い順に並び替えてデジモンで検索したら2ページ目にこれがあって驚きましたwww
-------ヴァンデモン-------
「すまない、八神ヒカリよ」
目の前にいる彼女に深く頭を下げる
すると彼女は私の肩に手を置き話し出す
頭を上げるととても悲しそうな表情が目に入った
「なんで世界には犠牲が必要なの?
みんなで笑いあって過ごすことが
なんで出来ないの?」
全てを平等に見るような目から雫が溢れる
それを見てしまうとどうしても罪悪感が込み上げてくる
しかし、この世界のためにはどうしても犠牲は必要になる
何百何千と生きてきた中で初めて、世界の本当の姿を、自分が見ようとしなかった世界を見た気がした
-------龍明-------
「ドルグレモン、悪いな。お前もかなり重症だってのに・・・」
ドルグレモンの背中に這いつくばりながらドルグレモンに謝る
「いいんだよ、それよりも、もう少しでフジテレビに着く」
ドルグレモンの言う通りまだ遠いがフジテレビの球体が見えてきていた
もうあと数分でヴァンデモンのところへと着くだろう
下ではグレイモンに乗った太一さんと華音、ガルルモンに乗ったヤマトさん、バードラモンの足をつかんで飛んできた空さんがいた
「まだ、負けたわけじゃない・・・この借りは返してやるぞ・・・」
そう言いながら歯を強く喰いしばる
少しとはいえ余裕ぶり油断してやられた自分への戒めのように・・・
そうこうしているうちに気づけばもうフジテレビのすぐ近くまで辿り着いていた
「ドルグレモン、あの球体だ。
あそこに向かって突撃しろ。
邪魔な物は俺が斬る。」
ドルグレモンは首を縦に振り羽ばたくのを止め、急降下する
「ウラァッ!」
球体の天井を斬り崩し道を閉ざす邪魔な壁をドルグレモンの体を通す入り口に変える
中にはヒカリちゃんと彼女を後ろへ下げ傷付けないように気を払うヴァンデモンがいた
「よお、ヴァンデモン。
借りを返しに来たぜ」
「返す、か、じゃあ私はもう一回貸しを作ってやろうじゃないか!」
ヴァンデモンはそう皮肉を言うと俺に手の甲を見せながら天に向けて中指を立てる
「舐めんな!」
そう言ってドルグレモンの背から跳び刀を抜き放ち漢数字のニのように構えそのまま振り抜こうとする
「甘い!」
次の瞬間腹にヴァンデモンの回し蹴りが入る
腹に衝撃が走り床に叩きつけられる
「いって・・・」
起き上がろうとすると上からはヴァンデモンが俺の頭を踏みつぶそうと足を上げていた
「部分変質」
そう言って腕のみをデクスドルゴラモンの腕に変えヴァンデモンの足を鋭い爪で受け止める
降ろされてくるヴァンデモンの足はふくらはぎの真ん中あたりまで三枚に別れる
次の瞬間そこから紅い鮮血が飛び散り顔にかかる
しかし魔法でも使ったのか足はすぐに切断面同士で接合し元に戻る
「死ぬまでが戦いだろう!?お前が教えたことだ!」
そう言って腕の筋力のみで思いっきり飛び上がりヴァンデモンの下あごに蹴りを入れる
ヴァンデモンの体が後ろへのけぞる
効いたのは確かだった
「ドルグレモンッ!」
そう叫び俺はすぐにその場から飛び退く
飛び退いてすぐ先程まで寝転がっていた床を鉄球が削り取りヴァンデモンに衝突する
しかし突如鉄球に大穴が開きヴァンデモンを避けるように壁を貫き飛んでいく
「・・・まるで策になっていないな、私を倒すんじゃなかったのか?」
「策は二重三重と敷いてこその策だろうが」
そう呟いた瞬間ヴァンデモンの足元から和風の龍、ヒシャリュウモンが飛び出しヴァンデモンの右脚に喰らいつき噛み砕く
「ぐっ!」
そしてすぐにヴァンデモンの脚を咥えたままヴァンデモンを振り回し最後に一際強く顎の力を強めヴァンデモンの右脚を喰いちぎり吹っ飛ばす
「・・・やはり、奇襲というのはあまり好きではない。武士の名が廃る」
ヒシャリュウモンは喰いちぎった足をべっと口から地面に吐き捨てながらそうぼやく
「そう言うな、そんな程度じゃこいつは死なない」
予想は的中した
いつの間にか脚が元通りに生えておりこちらを見続けるヴァンデモンが立っていた
「なんだ?お前達は・・・私の想像をはるかに超えたとでもいうのか?」
ヴァンデモンは額に右手を当てながらそう呟き左手にブラッディストリームを顕現させる
「やばい!みんなふせろっ!」
ヒシャリュウモンもドルグレモンも俺の声にすぐ反応し床にべたりと張り付く
次の瞬間頭スレスレを紅い鞭が鮮やかな美しい軌跡を残しながら通り過ぎていく
そして壁が太刀音を立てながら斬られ壊れる
「選ばれし子供達、全員到着した!」
聞きなれた声とともに渡り廊下にワーガルルモンとズドモン、周りの空中にエンジェモン、メタルグレイモン、リリモン、ガルダモン、アトラーカブテリモンが現れる
「ずいぶんと遅かったですね。太一さん」
語りかけた少年はまるで後光が差しているかのように後ろからの光を浴びながら爽やかな笑顔を浮かべる
「悪いな、さて、ここからだぞ!ヴァンデモン!」
太一さんがそんなことを言っているのを無視してヴァンデモンはまるで狂ったように頭を両手で抑えながら悶絶していた
そして何かをボソボソと呟き出す
「1人を・・・1人を・・・八神・・・八神ヒカリ!死ね!」
そう言ってヴァンデモンはナイトレイドをヒカリちゃんに向かって放った
体が動く。
意識が追いついていない。
これは反射行動なのだ。
ー四人は死ぬ。
頭の中にウィザーモンの予知の声が響く
そして、悲劇は起こった
ヒカリの前にウィザーモンが立ちはだかる
そして、ウィザーモンはナイトレイドをまともに受けぶつかってきたコウモリ一匹一匹に服や腹部などを食いちぎられ大量に血を噴き出しながら倒れる
それはまるで紅い花が咲き乱れたようだった。
喉の奥から声にならない声とともにしゅうと溜息でも吐息でもない空気がガスでも漏れるみたいに吐き出される
「ウィ・・・ウィザーモン!!」
すぐにウィザーモンの元へ駆け寄りウィザーモンを抱き抱える
「ウィザーモン、大丈夫か!?」
ウィザーモンはまるで眠る寸前のように薄眼を開け、とても浅い呼吸を繰り返すだけだった
ウィザーモンが俺の頰に手を当てる
「・・・りょう・・め・・はっ・・俺は・・・ダメだ・・・あとは頼む・・・ぞ、この世界を・・・託すっ・・・」
そういって、ウィザーモンはデータ崩壊を起こし風に乗って消えていった
目から雫が零れ落ちた
仲間をまた助けられなかったことに心が耐えきれなかった
死なせないと誓ったのに
自分は仲間すら助けられないのか?
そんな考えがひどく心を衰弱させた
「ゔ・・・ゔぁ・・・ぐ、ぐぐがっ!」
体が自分の意思に関係なく変質を始める
その変質にはデクスの意思も感じなかった
「ぐ、ググァァァァ!」
体がどんどん肥大化しある程度巨大化するとまるで骨のように全体的に急に細くなる
そして頭から拘束具のような角が生え背中から紅い羽が生える
その姿は、デクスの最終進化系、デクスドルゴラモンだったのだ。
龍明は怒りに身を任せ、デクスを暴走させてしまった
そしてデクスも意識を失い完全に暴走してしまっていた
-------太一-------
「グルルァァァァァァ!!!」
目の前の龍明を前にして俺は頭が良く回らなかった
突然、たくさんのことが起こりすぎた
ウィザーモンが死んだ
死んだのだ
「みんな!飛べるデジモンにつかまってこの場を離れろ!巻き込まれれば死ぬぞ!」
次の瞬間先ほどよりも強くデクスドルゴラモンが吼えヴァンデモンに襲いかかる
それはみんなが避難したのとほぼ同時だった
そしてフジテレビの球体がフジテレビ本社から外れてデクスドルゴラモンとそのデクスドルゴラモンに掴まれたヴァンデモンを連れて地面へと墜落する
「グルルルルゥ!ググァァァァ!」
すぐに距離を置いたため全員無傷だった
しかし、そのすぐあとに衝撃的な映像が目に入った
デクスドルゴラモンの拘束具のような角が外れ開くことのないのだろう口がゆっくりと開き
ヴァンデモンの右半身に食らいついた
「がああああああっ!ぐっ!ぎゃあああああ!」
ヴァンデモンも相当な痛みなのだろう
そして、ブチリと音を立ててヴァンデモンの体が2つに分かれる
大量の赤い血飛沫が舞い、地面には赤い水溜りが出来始めている
周りのデジモンたちを見れば全員口を抑えて気分悪そうな顔をしていた
「大変です、太一さん」
後ろからアトラーカブテリモンに乗った光子郎が声を掛けてくる
その額には冷や汗が浮かんでいた
「みなさん!聞いてください!ゲンナイさんから緊急連絡です!」
そう言って光子郎はパソコンにスピーカーを繋ぎ大音量でゲンナイの言葉を放送しだす
『子供達よ!大変じゃぁ!次元の歪みが起きておる!恐らくじゃが龍明が暴走したんじゃな!?』
「はい、そうです」
光子郎はゲンナイの言葉に淡々と答える
『なるほど、そいつは困ったのう・・・あれは止めるすべが無いんじゃ』
「「「「「「「「「な、なにぃ!?」」」」」」」」」
珍しいことに9人で同時に声がハモる
それだけ一大事なのだ
次の瞬間ふたたび獣の咆哮が下から轟いてくる
「グオォアァァァァァア!グルルルルァァァ!」
どうやらなんらかの方法でヴァンデモンは傷を回復したらしい
すでに食いちぎられた右半身が再生していた
『龍明は選ばれし子供であって選ばれし子供ではない。
強いて言うならば選ばれし子供の枠外に当たるんじゃ。
これは鉄と天谷の両家が受け継いできていたのじゃ。』
ゲンナイは淡々と言葉を紡いでいく
あまり焦っていないようにも見えた
『選ばれし子供達は本来8人、勇気、友情、愛情、知識、純真、誠実、希望、光じゃ。
じゃが龍明は違う、そして魂の紋章を持つ際には体内に必ずあるデジモンが入る』
「まさか・・・」
俺はある一体のデジモンの存在を思い出す
『そう、龍明の体内にいるデジモンとはデクスのことじゃ』
ゲンナイは口をゆっくりと動かし続ける
しかし、そうなればおかしい
「ふざけるな!デクスは最初から龍明の体内にいた訳じゃないだろう!?」
俺はパソコンへと向けて大声で怒鳴る
『ああ、そうじゃ、その原因は二代目にある。二代目はデクスを逃がして消息を絶ったからのう。』
つまりは、デクスは龍明の中の特別な何かに引き寄せられたと言ったところなのか?
『そして、先ほども言ったもう一人、天谷家の者、それは華音のことじゃ。』
「ガアアアァァァァア!」
突然骨のような紫色の龍の腕が飛んでくる
驚いて下を見ればデクスドルゴラモンの右腕が切断されていた
『魂は和親の抑止力として、和親は魂の抑止力として存在しておった。しかし、いつの時代からか和親の体内にはデジモンがいなくなってしまったんじゃ』
華音ちゃんはすこし驚いたような顔をした後悔しそうな顔を浮かべた
「じゃあ!どうすれば止められる可能性があるんだ!?1%でもいい!止められる可能性のある方法を教えろ!」
『・・・そうじゃな、龍明の意識に直接語りかければもしや・・・』
ゲンナイがそう言った途端華音がヒシャリュウモンと一緒にデクスドルゴラモンの元へと飛んでいく
「か、華音ちゃん!?」
俺は驚いて手を伸ばしどうにかして引き留めようとする
しかし、ヒシャリュウモンのスピードには敵わずそのままデクスドルゴラモンの元へと向かうことを許してしまう
俺たちはそれをただ見ることしか出来なかった
-------華音-------
「和親は魂の抑止力・・・なら私にだって止められるはず!ヒシャリュウモン!行くよっ!」
「了解した!」
そう言ってヒシャリュウモンはデータを分解、武装として再構築され私の体に装備される
ーいいか!?華音!よく聞け!俺の体内のエネルギーを使ってお前の意識とこのデクスドルゴラモンの意識を接続させる!
ヒシャリュウモンの声が聞こえた途端右腕の籠手がプラグのような形に変化する
ーいいか!デクスドルゴラモンに張り付いたら右腕を突き立てろ!あとは自分でやれ!
そうこうしている間にデクスドルゴラモンとの距離はぐんぐん縮まりついに背中へと張り付く
そしてすぐに右腕のプラグ籠手をデクスドルゴラモンに突き立てる
するとプラグはまるでバターを切るバターナイフのようにスッとデクスドルゴラモンの硬い甲殻に入っていく
気づけば暗闇の中暗澹とした闇の瘴気が渦巻く世界にいた
「龍明!どこにいるの!?」
口元に手を当て声を張り上げる
すると闇が目の前のみ一直線に晴れ奥に座り込んでいる少年が見えてくる
龍明だ。
「龍明!」
急いで無事を確かめるために駆け寄る
傷は一つとして無かった
だが、いつもの龍明では無かった
生気を感じさせない虚ろな瞳
まるで死人のようだった
ゆっくりと龍明が立ち上がり言葉をつぶやく
「一人、一人と死んでゆく・・・一体なにが悪かった?」
「何を言ってるの?龍明は悪くないよ?」
私は龍明の両肩をそれぞれ両腕で掴み龍明の体を前後に揺さぶる
しかし未だに元に戻る気配はない
「誰かに奪われ、悲しむのなら・・・失くして悲しむのなら」
そう言って龍明は腰に下げた二本の刀を抜き始める
そして揺れる髪の間から見える目に狂気の光が宿る
「自分で消せば、悲しまないで済む」
危険を感じすぐにその場を飛び退く
そのすぐあとにそれまで立っていた場所を刀が斬り裂いた
「どう、した・・・の?」
私が困惑しながら聞き返すと何も答えずこちらに刀の切っ先を向けてくる
「俺はもう、悲しみたくないんだ」
その目には先程までの狂気の光は消え悲しそうな、哀れむような目つきへと変わっていた