デジモンアドベンチャー 〜魂の咆哮〜   作:すなぎも

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はい、どーも砂肝です
やぁっと終わりが見えてきました
多分40話くらいで無印編は終わりかな。
高校生編は02編が終わり次第考えますw
多分来年以降ですが・・・(笑)
ようやく多忙時期を抜けるのでこれからは少しは早く出せるかなと思います。
それではこれからもよろしくお願いします


第三十一話 光強く、闇はより濃く

「私の無敵の盾、アヴァロンを使って全員の必殺技を受け止めその作用でここまで吹き飛んできたのだ」

クレニアムモンはそう言ってヒビの入った盾をメタルガルルモンに見せつける

「ロイヤルナイツって無茶するよなぁ・・・」

「汝らに言われたくはない。」

 

そんなことを話していると空を飛んでエグザモンとロードナイトモンがやってくる

ロードナイトモンは何やら紙のような物を小脇に抱えておりその紙にはミミズのような文字が書かれていた

 

「呪いというのはどれ!?

早く解呪しなければまた操られるわ!」

「分かってる!恐らく今も龍の右腕に潜んでる、これは呪詛を掛けた『暗黒の種』だろうな」

 

ロードナイトモンが右腕に包帯のようにベタベタと手際よく札を貼り付け念を込める

すると札が繊維状にバラバラになり腕を覆うカバーのような形で龍明の腕に絡みつき真っ白なロングミトンのようになった

「アポカリモンめ・・・ここまでするの・・・!」

龍明から影の腕が生えてきた肩口付近に文字の描かれた札を巻きつけた針を突き立てながらロードナイトモンが呟く

 

当の龍明の顔色はいいとは言えず何か悪夢を見ているのか魘されていた

 

しかし、その顔色が突然良くなり機械のように無表情の龍明が言葉を話し出す。

 

「ろい・・・やる・・ないつ・・・オ前ラ、終ワリ」

 

目が狂気の色で染まりにたりと不気味な笑いを浮かべ直後に黒い影を引きずりながら龍明の体の中から黒い種が飛び出してくる

 

「取れた・・」

ロードナイトモンがそう言って飛び出した種を摘もうとした瞬間だった

「危ない!その種をどこかへやれ!」

「ッ!!!みんな!伏せて!」

声が聞こえてすぐロードナイトモンが叫び、子供達を押し倒すと同時にエグザモンの槍が種を空へと打ち上げる

そしてそのすぐ後、空で大爆発が起こり雲を吹き飛ばし黒い塵を撒き散らす

 

「・・・アポカリモン、本当にゲスだな。

吐き気がしてくるぜ。」

アルフォースブイドラモンがもしもに備え展開したテンセグレートシールドを解除し怒りに満ちた表情で空を見上げる

そして近くの薙ぎ倒された草木がガサガサと揺れ、中からいつの間に隠れていたのかピノッキモンがプルプルと震えながら顔を出す

 

「ピノッキモン・・・!?」

ヤマトが驚いたような声を出すとピノッキモンは歯を剥き出し威嚇するような雰囲気でこう怒鳴った

 

「ぼ、僕はお前達を助ける気なんか無かったんだ!

そこで寝てるそいつに、龍明に命を助けられたから助け返しただけだ!」

ピノッキモンの言葉の後にしばしの静寂が走る

ピノッキモンのツンデレ発言に全員、もちろんロイヤルナイツまでもが固まったのだ。

 

「ありがとう。ピノッキモン」

 

そんな静寂の中ヒカリがただ一人ピノッキモンの元へと駆け寄り宙ぶらりんになっていたピノッキモンの左手を掴み笑顔で握手を交わす

ピノッキモンも何やら照れ臭いようで別の方向を向きながら右手でこめかみをかくような仕草をとった

 

「痛、痛、痛・・・みんな、どうしたんだ?」

 

そこで龍明も目を覚まし頭を抑えながら全員に向けて明らかなKY発言をぶっ放す

そこで真っ先に反応したのが華音だった

 

「龍明!」

華音が彼に抱き着くと彼は驚いたような表情を浮かべるが途端に血の気が引き真っ青になり瞳孔がキュッと引き締まる

 

「何回邪魔をすれば気がすむの・・・?」

 

華音の顔は子供達にもロイヤルナイツにも見えていないが、間違いなく般若の表情だったのは間違いない

そうでなければ龍明がそこまであからさまな反応をするわけが無いのだから

 

そして、龍明が華音、ウォーグレイモン、エグザモンの3人に森の中へと連行されたのはみんなとの秘密だ。

 

 

「さて、じゃあピノッキモン、お前はどうするんだ?」

顔に青アザを作った龍明がピノッキモンにこれからの行動を尋ねる

ピノッキモンは少し迷ったような表情をするとすぐにその表情を引き締め口を開く

「ピエモンも、僕達と同じだ。

あいつを、僕と同じように救い出してくれるなら

僕の仲間を助けてくれるなら、お前たちに協力してやる」

 

ピノッキモンの見下したような物言いは相変わらずだが、その言葉に彼の嘘偽りは感じ取れなかった

華音も反応せず、恐らく嘘ではないのだろう

龍明はそう考えピノッキモンに手を差し出す

 

「じゃあ、これで俺達仲間同士だな!」

 

ピノッキモンは彼の手を渋々と取りガッチリと握り合う

ちなみに2人揃って思いっきり握っていたりする。

その証拠に龍明の腕には青筋が、ピノッキモンの関節からは軋み音が出ていた

 

「あれあれ、どうしたぁ?ピノッキモン君、やけに気持ちいいマッサージだねぇ」

龍明がそうやって挑発をかけるとピノッキモンから何かが千切れる音が聞こえそれに対して更に挑発を返す

 

「そっちこそあんだけ刀ブンブン振り回しててそんだけなの?ちょっとないなー。筋力が足んないんじゃないの?雑魚め。」

ピノッキモンが黒い笑顔を浮かべながら更に手の力を強める

「あ゛ぁ?やんのか?」

「そっちこそ!」

2人がバチバチと火花を散らしながら互いを威圧し合う

そしてお互いの額を互いに押し付け合う

もちろん、龍明の傷は癒えたわけではないから額から血が噴き出し龍明は悶絶する羽目となった。

それを見たピノッキモンが笑い転げていたのは言うまでもない

 

 

「じゃあ、龍、ゲンナイのじーさんはそう言ったんだな?」

「ああ、ダークマスターズを『救え』ってな

そんときにデジヴァイスを改造してくれてな」

そう言って龍明が腰に下げていたデジヴァイスを外し近くの空き地に向け構えると2つの光が飛び出しそのデジモン達の姿を形作っていく

 

「データの海に流されかけてた2体のデータを集め、復活させたよ。」

 

光が形を成し姿を現す

 

「メ、メタルシードラモンと・・・」

「ムゲンドラモン!?」

ミミと華音が2体の名前を叫ぶと太一とヤマト、丈と

華音が一歩前に足を出し、空達女子やタケルのような小さい子を手で後ろに追いやる

 

「もう主らを狙う理由は無いぞ。」

「我らは・・・既に鉄に忠誠を誓った身。

それを裏切ることは・・・我の誇りが許さぬ」

 

2体はそう言って龍明に向け深く頭を垂れる

華音はその2体が龍明の元に下っているのにも驚いたがそれを従えた龍明本人にも驚いていた。

敵であったデジモンを助けただけで忠誠を誓わせられるものなのだろうか?

 

「我らに協力出来ることがあるならば、尽力を尽くそう。」

「だからお前ら固すぎるって言ってんだろ。

もっとゆるく行け、ゆるく」

当の龍明はメタルシードラモンの話を聞こうとはせず先にメタルシードラモンとムゲンドラモンの態度を修正するよう話していた

華音は読心を掛けつつも考えてみたものの全くと言っていいほど考えが読み取れなかった

 

「お前がそれでいいなら私はそうするとしよう」

「我は・・・この喋り方こそが・・・我の言葉だ。」

メタルシードラモンが言葉を直しムゲンドラモンは無理な要求としてそれを断る

正直元敵とは思えないほど自然な雰囲気で仲良くなっていた

 

「まあ・・・いっか?」

そう言って華音が警戒を解いた途端に事は起こった

「何がだい?」

その瞬間紅い血が華音の左胸から噴き出し同時に鮮やかな紅に染められた何者かの手が現れる

その手には脈動しながら血を噴き出す心臓が握られていた

 

「華音!?」

 

龍明が叫び華音の元へ駆け寄るもその前に華音に白い布が被さり彼女の姿を隠す

そしてそれと同時に背後に立った者の姿を目視することが可能となる

「どうしたんだい?鉄 龍明」

それはダークマスターズ最後の1人、ピエモンだった

 

「まだ、彼女は死んでいない」

 

そう言ってピエモンが華音に被せた白い布を捲り回収するとその場所に2つの人形のような者が落ちていた

一つは人の形で胸に穴が開き、一つは赤い丸い物体だった。

 

「これからゲームのルールを説明しよう。

この人形は天谷華音だ。

だが、私の力でフィギュアに変えて、心臓を抜き取った状態で時間をほぼ停止させている。

だが、この子の命は明後日には尽きるだろうね。」

 

「じゃあ、それ返せよ。」

「気が早いよ、ゲームと言っただろう?

この人形の本体を私が持ち、心臓を君が持つ

私と君の実力では的は大きい方がいいからね。

期日までに奪えれば、君の勝ちだ。」

ピエモンはそう言うと周囲の木々の葉が舞い上がりピエモンの姿を隠す、そしてどこからともなく声が聞こえてくる

 

ー私は最後のエリア、スパイラルマウンテンの頂上にいる

華音を助けたくばくるがいい。

はははははははははははははは。

 

龍明の額には青筋が浮かび瞳孔が開いていた

明らかな怒りの表情だった

 

「太一さん、すいません、そういうことなんで。」

そう言って龍明はその場から立ち去ろうと歩き出す

しかしそれをヒカリが手を掴んで引き戻す

 

「私達も行くよ。」

 

ヒカリはそう言ってもう一度彼の手を引っ張る

しかし、そこでミミが叫び声をあげる

 

「私はイヤ!なにがあってもイヤよ!

だって、華音ちゃんみたいに・・・殺されちゃうかも・・・」

「華音はまだ死んでねえよ」

そう言って彼の目がミミに向けられその目にミミは一瞬震える

しかしすぐにその目は別のことに向き同時にミミも緊張の糸が切れたのか地面にへたり込む

 

「太一さん、これは家族内の・・・いや、俺の問題です。

みんなを巻き込んでいいことじゃない。

みんなはみんなのやるべきことを、俺は俺のやるべきことをやるんです。」

そう言って龍明が駆け出すと彼の姿はすぐに森の闇に溶け込む

気付けば、夜の帳が下り始めていた。

 

 

 

-----------ピエモン-----------

「後・・・、47時間、ここまで来るのに君なら半日も要らないはずだ・・・」

そう言って手に持った紅い玉が付いたキーホルダーを人間界のホッカイドウという陸と重ね寂しくなったダークマスターズの本拠地の中自身が汚し、壊した空を眺める

「これは・・・私の過去との離別に必要な事なのだ。

私達を捨てた・・・奴等に関しての記憶を消すためのッ・・・!」

そう言ってキーホルダーを腰のベルトに取り付け椅子の背もたれに背中を任せる

ゆっくりと目を閉じると、過去の記憶が蘇ってくる

 

やめろ、私はお前達など。

来るな、人なぞもう信じたくはない。

裏切ったくせに、逃げたくせに、友だと信じていたのに。

 

頭の中で懐かしい、最も嫌っているつもりの者の声が響く

 

ーごめんね、キャンドモン。

 

ふざけるな。謝って済む事か

お前達のせいで、私達は・・・

もういい、もう出てくるな。

 

そう念じると声がぶれ始め低い声、高い声様々な声が響き始める

 

ーごめんね、ごめんねキャンドモン、ごめん、ベタモン、キャンドモン、ごめんな、フローラモン、ごめんね、キャンドモン、ごめんよ、ゴツモン、ごめん、キャンドモン、ゴツモンごめんベタモンごめんねキャンドモンごめんよゴツモンごめんねごめんなフローラモンごめんねキャンドモンごめんねキャンドモンごめんベタモンごめんよゴツモンごめんなフローラモン

 

ごめんね、キャンドモン

 

やめろ。

やめろ。

お前の声など

お前の言葉など

私を捨てたお前の言葉など

私達を捨てたお前達の慰めの言葉など

 

・・・私には、必要ない。

 

あれから私達が何年待った?

そちらの世界の時間で、10年、20年、30年、いや、もっと待っているだろう。

いつからだろうか、私達の中にもあった『信頼』や『愛』が『憎しみ』に変わってしまったのは

どうしてだろうか、私達の中にもあった『信頼』や『愛』が『憎しみ』に変わってしまったのは

 

私達は、一体・・・

どこで道を間違えたのだろうか?

彼らを待っていた時?

いや、違う。

彼らを見失った時?

いや、違う。

彼らと戦った時?

いや、違う。

彼らを助けた時?

いや、違う。

 

彼らと会った時?

 

もう一度、一度だけでいい。

お前達の姿が見たい。

 

お前達が消えてしまった理由を

お前達が私達を捨てていった理由を

話してくれれば

 

私達が道を違えた理由を鉄とそのパートナーからなら知れるかもしれない。

あいつのパートナーは私と同じ場所になのだから。

 

あいつを倒せたならば、全てを切り捨てれば、このような想いをせずに済むのだ・・・

 

悲願まで後少しなのだ。

 

「・・・すぐ、そちらへ行こう」

 

どうやらいつの間にか眠っていたらしい

気付けば椅子にもたれたまま空に向け手を伸ばしていた

両方の目から頰にかけての辺りには涙が付いていた

悪夢を見ていたらしい。

 

「やれやれ・・・朝から騒がしくなりそうだ」

そう言った途端に部屋への入り口のドアが荒々しく破壊され、こちらへと向かって飛んでくる

 

「トランプソード!」

 

特別な素材なわけでもない、木の扉を背中の刀を投げ、斬り裂きバラバラにする

扉の邪魔が無くなると部屋の入り口に待ちに待った目的、鉄 龍明が立っていた

 

「今、そちらへ行くよ。蓮・・・過去を切り捨て、最初の状態で・・・」

「何ぶつぶつ呟いてんだよ、早く華音の心臓を返せ。」

彼が手の平をこちらに向けてのばす。

どうやらまだ抜刀する気は無いらしい

 

「嫌だと言ったら?」

 

そう言って私が嘲笑を浮かべると大量の殺意がこちらに向けられ彼は腰に下げたデジヴァイスと刀に手を掛ける

 

「既に汚したこの手を、更に汚して華音を助ける」

そう言って鞘から引き出された彼の刀が陽の光を反射するのを合図に戦いの火蓋が切って落とされる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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