デジモンアドベンチャー 〜魂の咆哮〜   作:すなぎも

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はい、どうも砂肝です
もうすぐ1週間くらい忙しくなるので出せなくなる前に出しときます!
多分次回投稿は二週間くらい掛かるかなぁと思います
一応学生なので暇な方がおかしいんですが(笑)


第三十二話 berserk

『ドルモン!』

 

『進化!ドルガモン!』

 

『超進化!ドルグレモン!』

 

ドルモンが光に包まれ一気に進化、完全体のドルグレモンへと進化する

 

「ブラッディータワー!」

その額に備わったナイフの刃のような角を荒々しく振り回しピエモンへと向けて突進を開始する

 

「トランプソード!」

 

ピエモンはドルグレモンの攻撃をすぐには避けようとせず、先に背中の四対の刀を投げ付けその直後にその場を飛び退く

 

「ドルグレモン!避けてそのままピエモンへ向かえ!」

「了解!」

そう言ってドルグレモンは特に慌てる様子も無くその翼で飛び上がりトランプソードを避け、ピエモンへの突進を再開する

しかし、その進路にはピエモンの白い布が立ち塞がりドルグレモンがその空間を駆け抜けるよりも早くドルグレモンを包み込み消滅させる

 

「ドルグレモン!?」

 

「どっこだっろなー♪どっこだっろなー♪

これでドルグレモンも私のコレクションの一つだ・・・」

まだまだ余裕と言った様子で布の中からキーホルダーと化したドルグレモンを取り出し不敵な笑みを浮かべる

 

「てめえ!」

彼はそんなピエモンに怒りを露わにしピエモンの元へと駆ける

 

「突き刺せ!トランプソード!」

どうやら剣は遠隔操作が出来るらしく戻ってきた剣四本がピエモンの背後から龍明目掛けて飛んでくる

 

「それの防ぎ方は知ってる」

彼はすぐに内部をくり抜いた半球に変形させたデクスドルゴラモンの甲殻を前方に展開しそのまま突進を続ける

「効くかァァァァ!!」

盾を瞬時に変形させ栗のイガのような形にしピエモンに体当たりをする

しかしピエモンはそのイガを自身に刺さる前に全て折り砕きガードが崩れた一瞬にサマーソルトのような動きで龍明の顎を蹴り上げる

彼もダメージこそ受けたが気絶などせずすぐに攻撃態勢へと移り刀にエネルギーを流し込む

 

「【破】《ブレイク》オン!」

吹っ飛ばされる体を地面に両手の刀を突き立てることで無理やり引き止めそれと同時に光の刃でピエモンへと攻撃を加える

「こいつ・・・」

ピエモンも直撃すれば少しは応えるらしく刃は余裕で砕いたものの少し距離を置くためか後ろへと飛び退く

そこにすかさず後続の刃を撃ち込みそれと同時に龍明もピエモンに向けて直線突進を開始する

 

「甘いぞ!」

再び白い布が目の前を塞ぎ彼を人形へと変えようと迫る

しかし彼は動揺することなく直進し光の刃で先に布をバラバラに切り刻む

しかしその裏からさらにもう一枚布が現れ刃が追い付かず龍明は頭からそれをかぶった

 

「・・・さらばだ、鉄よ。」

そう言って彼の体を布で包もうとすると突然布の形が変形しナイフのような角と刀が布を斬り裂き中から龍明が現れる

「まだだよボケェェェェ!」

 

勢いを緩めることなくピエモンの懐に飛び込み刀をピエモンの脳天めがけて振り下ろす

しかし刀とピエモンの頭との間にギリギリでピエモンのトランプソードが割り込みそれを受け止める

その時火花と甲高い音と共に振り下ろした刀が折れる

 

「もらったァ!」

 

ピエモンの脚の甲が刀の折れ目を捉え刃先を彼の脇腹に突き刺す

突き刺した後でもその蹴りの威力は落ちることはなく刃と共に龍明の体ごと蹴り飛ばす

体格差があり尚且つ軽い体の彼は壁を突き破り外の地面へと投げ出される

 

「痛って・・・ガード間に合わなかったら死んでた」

そう呟いて脇腹の刃を無理やり引き抜く

あの一瞬、刃を体内に突き刺される一瞬に、デクスドルゴラモンの甲殻を体内に生成し、刃を受け止めていたのだ

しかし、その甲殻にも少しではあるがヒビが入っておりそれがピエモンの力の強大さを物語っていた

 

「逃がさんぞ!」

 

突き破った壁の穴からピエモンが飛び出しトランプソードの追撃を行う

それを残った刀で撃ち落とす

しかしそれを陽動にしていつの間に近付いたのか背後からピエモンが現れる

 

「残念だけどまだ刃は残ってんだよ。」

 

背後のピエモンの脚を地面から伸びた光の刃が貫き、追撃で5本の刃を撃ち込む

 

「戦いを始める前から、ここに来るまでに溜め込み続けた刃が・・・

9994本・・・ね」

 

次の瞬間地面から剣山のように刃が飛び出しピエモンを突き刺そうと迫り来る

しかしピエモンはそれを飛んで後ろに退く

 

「空なら攻撃出来ないとでも?」

次は地面から伸びた刃からさらに刃を伸びピエモンの脚を貫く

「なにっ・・・?」

「喰らえ!刃8000本分だ!」

脚の刃から格子状に刃が広がりピエモンを閉じ込める

さらにその刃から内側のピエモン目掛けて襲い掛かり紅い液体が辺り一帯にバラ撒かれる

「殺ったか・・・?」

刃を伝って血が地面へと零れ落ち紅い水溜りを形作っていく

突然血の流れが止まり刃の檻に亀裂が走る

「まさかまだ・・・」

刃の檻から白い手袋をはめた手が亀裂から飛び出し中からピエモンが現れる

「さすがに今のは・・・死ぬかと思った

ここからは私の番だ。」

そう言ってピエモンの姿が消え、直後彼の懐に現れる

そしてその手で龍明の顎にアッパーを入れ打ち上げられた彼の頭を鷲掴みにし地面に叩きつける

「お前程度で!私が倒せると思ったか!!!」

ピエモンが力を入れていくとめきめきと何かが軋む音が聞こえ始め地面に亀裂が広がっていく

「がっ、っがぁぁぁあ!」

「お前は天谷も、仲間も、家族も!人類も!世界も!

何一つ救えやしないのだ!

目の前の物も助けられないのだ!」

 

-----------龍明-----------

 

ー痛い。

嫌だ、死にたくない

華音も助けないで、死ぬ訳にはいかない

遠くからピエモンの声が聞こえてくる

 

ーお前は天谷も、仲間も、家族も!人類も!世界も!

何一つ救えやしないのだ!

目の前の物も助けられないのだ!

 

助けられない?

そんな訳がない。

あの時丈さんと話したんだ

俺は目の前の大切な物を守るために戦うんだ。

華音を取り返す。

大切な物を、大切な華音を・・・

 

-----------The third parson view-----------

 

「もう終わりだ、諦めろ」

ピエモンが鷲掴みにした龍明の頭を持ち上げそう話し掛ける

しかし、彼は抵抗はせず、ただぶつぶつと何かを呟いている

「何を言っているんだ?私にも聞かせてみろ」

「・・・えせ」

「なんだ?」

ピエモンがそう言って彼の口元に耳を近付ける

 

「・・・返せ」

 

突然ピエモンの手首付近が食い千切られる

その事に驚いたピエモンが龍明の頭を手離し距離を置くと彼は倒れる事なく立ち上がる

 

「返せぇぇぇぇぇ!」

龍明はそう叫び何の仕込みもなしにピエモンへと単身突撃する

「トランプソードォ!」

ピエモンが剣を投げただ飛び込んでくる龍明に向けて攻撃を仕掛ける

しかしそれは彼に届く事なく全て地面から伸びた刃に絡め取られ戻る事も進む事も不可能となる

そして残りの刃でピエモンの周りを囲いピエモンの退路を潰した上でピエモンに頭突きを入れる

 

「ウオオォォォォォ!」

彼が叫び先程ピエモンにされたのと同じような形で頭を地面に叩きつける

 

「なんだこの力は・・」

「ウ゛ウォォォォォォ!!」

 

彼の拳がピエモンの頭目掛けて振り下ろされピエモンの頭を地面に打ち込まれ周りには亀裂が走る

 

「トランプソードォォォ!」

 

その瞬間刃を砕き戻ってきたピエモンの剣が彼の右腕を斬り落とす

しかし、彼は怯むことなく斬られた腕をピエモンの胸に突き刺しその腕を使ってデジコアを直接破壊しようとする

 

「痛みが無いのか?・・・ッ!紋章の暴走か!?」

 

直後腕の斬り口から紫色の流動する物体が流れ出し斬り落とされた腕となって再生する

そして両腕が戻った彼の猛攻が再開される

 

「ウウゥア゛ァァァァ!!」

「図に乗るなぁ!」

 

ピエモンのデジコアを引きずり出そうとする彼の体をピエモンの脚が捉え、直後に龍明は地面を転がり反応を起こさなくなる

 

「・・・お前にっ・・・お前なぞにっ!!

負けている訳には行かぬのだ!」

 

ピエモンがふらふらと立ち上がり叫ぶと彼も意識を取り戻し再度立ち上がろうとする

 

「なら、華音を取り返して・・・お前も・・・・・・救ってやるよ・・・」

 

意識を取り戻した彼は口の中の血反吐を吐き出しながらそう呟く

しかし足はおぼつかず今にも倒れそうなほど弱々しかった

「・・・ッ!!お前にっ・・・お前なんぞに何が分かる!?

裏切られたことなど無く自由気ままに生きてきた貴様らに!私の何が分かる!?」

悲鳴のようにピエモンが叫ぶと彼は静かに笑う

 

「お前の苦しみが分かるよ」

 

双方共に立っているのもやっとだった

しかしまだ戦うのをやめようとはしなかった

それは譲れないものがあったから

自身の揺るぎない目標があったからかもしれない

 

「行くぞ!鉄ェ!」

「おおよ!」

ピエモンが涙を流しながら叫ぶとそれに笑いながら彼は応じる

 

「「オオォォォォォッ!!!」」

 

「ダークネスブラスト!」

「メタルインパルス!」

ピエモンの闇の突風と龍明の全てを焼き払わんとする炎とがぶつかり互いに威力を増し合う

そしてお互いを巻き込みながら大爆発が起こる

 

 

爆煙が徐々に晴れ倒れている一つの影と立っている一つの影とがうっすらと見えてくる

煙が晴れると同時に立っている方は咆哮をあげる

 

「あああああっ!痛ってぇぇぇぇぇ!」

 

立っていたのは龍明だった

そして龍明はゆっくりとピエモンの横にしゃがみ彼の腰に掛かっている胸に穴の空いた人形を奪い取り自身の持つ赤い玉をその穴に入れた

するとその玉は穴を埋めるように広がり人形の穴は元から無かったかのようになる

「負けてしまった・・・か。」

そう言ってピエモンが起き上がり空に浮かぶ日本を見上げる

「結局蓮には会えずじまいか・・」

そのピエモンの言葉を聞いて龍明は野暮だと思いつつもピエモンの過去を尋ねた

「蓮っていうのは人間だよな?

ピエモン、お前は一体何者だ?」

「蓮は私の消えた元パートナーだ。

ダークマスターズは全員、選ばれし子供達9人の内4人のパートナーデジモンだ。」

そしてピエモンは今度は止める事なく話を続けた

「私のパートナーは愛情の紋章の選ばれし子供だった。

ピノッキモンは純真の紋章、ムゲンドラモンは知識の紋章、メタルシードラモンは誠実の紋章・・・

私達は、初代の選ばれし子供達のパートナーだ。」

その話を聞いて龍明は少し表情を緩め、ピエモンと同じ様に空の日本を眺める

 

「他の奴らは知らないが私はただ、もう一度蓮に会いたかったのだ。

その為には選ばれし子供達の紋章の力を利用し、日本へのルートを作る必要があったのだ」

 

ここでピエモンの目的が初めてわかった。

ピエモンはパートナーに会おうとしていたのなら殺せる時に殺さなかったのもある意味理解できた

殺してしまえばエネルギーが奪えないからこそ殺さなかったのだろう。

 

「・・・お前はこれからどうするつもりだ?」

「うーむ、自決かな。」

「早まんなよ、蓮に怒られるぞ」

龍明がそう言うとピエモンは彼を睨みつけかなりの嫌そうな顔を浮かべこう言った

 

「貴様が蓮を呼び捨てにするな。

仮にもお前の先輩でもあるんだぞ

さんぐらい付けたらどうなんだ?」

ピエモンはそう言うと再び空を見上げふぅと溜息をつく

「そういえば蓮さんって名前だよな?」

龍明が思った疑問を尋ねるとピエモンは頷き答えを返す

「ああ、フルネームは天谷 蓮(アマタニ レン)というらしいぞ。」

ピエモンがそう言うと彼の頭には疑問符が浮かび上がった

『アマタニ』

その苗字が何故か聞いたことがある様な気がしてならなかった

しかしピエモンはその答えに辿り着く前に次の話を始める

「なんでも妹がいたらしくてな

ずっとその妹の影を追いかけていたらしい。」

「その妹さん、死んでるのか?」

龍明が尋ねるとピエモンは首を横に振り呟く様に口を動かす

「両親の海外への仕事についていって両親共々船が嵐に巻き込まれ、船は転覆、両親は死体が発見されたが妹の方はその近辺の海底にも、近くの島にも死体が流れ着いていなかったんだと。

だからだろうな、蓮は夜になればここではずっと妹を探していた

恐らく向こうでも同じだろうな。」

ピエモンはいかにも憂鬱と言った表情で空を見上げたまま頬杖をつく

しかし数秒も経たぬうちに立ち上がり龍明の方を向くとこう言った

 

「すまない忘れていた。

華音とドルグレモンを元に戻さないとだな」

 

そう言ってピエモンが人形に手を当てると人形は徐々に巨大化し、元の姿である生体へと戻る

華音はまだ眠っているらしく起きてはこなかったがドルグレモンは戻るなりすぐに目を覚まし龍明がピエモンと打ち解けているのを見ると安心した様な表情を浮かべ彼と同じ様に座り込みピエモンの話を聞こうとする

 

「こちらでは何年経ったかわかったものではないが、向こうではまだ50年ほどしか経っていないハズだ。

向こうに行けば必ず蓮に会えるハズなんだ。」

 

ピエモンは頭を抱え苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべる

 

「じゃあ、俺もそれを手伝おうかな」

龍明はそう言って立ち上がり空に向けて大きく伸びをする

ピエモンは見てみれば驚いたと言った表情で惚けていた

その時、華音が目を覚ました

 

「・・・龍明、と・・・ドルグレモン?」

 

起き上がり目をこする華音を見た時、ピエモンの中に何か違和感が走った。

しかし、ピエモン自身はそれを口にすることなく留めることに徹していた。

言う必要がない。

そう考えたからだった。

 

「よかった、ピエモンは・・・?」

そう言って華音がピエモンの方を彼の肩越しに覗き込む

それに対してピエモンは立ち上がり華音の目の前で膝を折り、頭を下げる

 

「すまなかった。

自分の為だけに、君を危険に晒してしまった。

許してもらえるだろうか?」

ピエモンのその言葉を聞いて華音はうっすらと笑顔を見せる

その途端にそばの龍明の顔は血の気が引き肌が青白くなっていく

 

「うん、いいよ

 

 

 

なんて言うと思った?」

「!?」

彼女の言葉にピエモンは目を見開き彼女を二度見する

「いやー、それ相応の罰はちゃんと受けなきゃ私も怒りが収まらなくて」

そう言って華音は近くに突き立てられていた龍明の刀を地面から引き抜き意地悪く口角を吊り上げる

それと同時にピエモンからも冷や汗が流れ出し目が焦点を捉えられなくなっていった

 

「貴様の心臓を寄越せぇぇぇぇ」

「うわああああああああああああ」

 

ちなみにこの後ピエモンは2日間に渡り太一さんと合流するまでの間命がけで華音と鬼ごっこを繰り広げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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