フランはアパートの屋上にやって来た。師匠が傍で浮いており、その目を光らせてある物を投影していた。
フランは四つん這いになって、四足歩行の状態となって相手をしていた。師匠が投影した、とある相手と闘っている。
フラン「シュッ!!」
フランは四足で駆け出した。
しかし、フランは即座に吹き飛ばされた。壁に両手両足を付けて勢いを殺し、再び床に四足で付いた後に駆け出した。
フラン「やっ!えいっ!」
フランは相手の攻撃を避けて、更に飛び後ろ蹴りを相手に喰らわせる。しかし、金属音が響くだけで相手は倒れない。相手は攻撃を仕掛けてきた。フランは床を転がり、相手の突き出した攻撃を避ける。両手で床を這い、両足で跳んで獣のように駆ける。
そして、フランは両腕で相手のある物を覆うように掴み取ると、そのまま一本背負いで床へと投げ飛ばした。しかし、床に当たっても奴は効いてる様子が無い。
相手は………人の十倍もある巨大なコーカサスオオカブトだ。
二人がやっているのは、『刃牙シリーズ』において主人公『範馬刃牙』が行ったイメージトレーニングの上位互換たるシャドー訓練だ。師匠が幻術で投影した架空の相手と、フランが闘って総合的トレーニングを行っているのだ。
フランが師匠の元から離れる事態を想定して、フラン一人でも闘えるようにする為にフランと師匠が考案したトレーニングだ。とはいえ、最近は怪人の発生も少ないので、今はこのようなシャドー訓練しか出来ない。サイタマに手合わせをしてもらいたいが、あまりにサイタマが圧倒的過ぎるので彼との手合わせは時々やる程度にしている。
師匠『なあフラン。そろそろ貯金がヤバいな。そろそろヒーロー協会に所属する事を決めないとな』
フラン「ん。でも、筆記はまだ心配。サイタマも誘う?」
師匠『だな。今からサイタマの所行って誘ってみるか』
そして、シャドー訓練が終了したフランは、サイタマの部屋に向かって歩く。すると、サイタマの部屋の扉が開き、とても慌てた様子をしたサイタマが出てきた。何時ものヒーロースーツを身に着け、「ぶっ潰す!」と拳を合わせて意気込んでいる。
サイタマ「あっ!フラン!師匠!丁度良かった!お前等も手伝え!」
フラン「どうしたの?」
サイタマ「町でテロリストが暴れてんだよ!お前等の力も貸して欲しかったんだ!お前等の為にもな!」
師匠『テロリスト?そりゃ大変だ!だが、お前だけでぶっ潰せるんじゃないのか?相手は怪人じゃなくて人間なんだろ?』
サイタマ「ちげーよそうじゃねえよ!テロリストのニュース観ろって!」
フランと師匠はサイタマに促されて、渋々部屋に戻ってニュースを観た。テレビに流れるニュースには、テロリストのニュースが報道されていた。
キャスター『テロリストグループは2つ。1つは“桃源団”と名乗っており、『働かない者にも衣食住が提供される事』と訳の分からない事を宣言しています。“アニマルメシア”は『動物が虐待されない社会を望む』と各テレビ局や政府に訴えております。アニマルメシアは、十年前から世界各地で動物虐待撲滅及び自然の秩序回復を訴える環境テロリスト組織で、伐採施設や虐待の疑いが掛けられた動物園等を襲撃し、死者50名重軽傷者380名もの被害を齎しています』
そして次の情報で、サイタマが二人の協力を求めていた理由が判明する。
キャスター『桃源団の頭は全員“スキンヘッド”で構成されており、見たことのない新型のバトルスーツを装備しています。そして“アニマルメシア”は全員“動物の特徴を強調”したバトルスーツを纏っており、特にアニマルメシアのリーダー“キャッツアイ”と彼女の側近の女性は“黒猫”のバトルスーツで――――――』
フラン&師匠「『………ハァッ!?』」
サイタマ「……だろ?俺だけじゃなくて、このままじゃフランまで悪者扱いされちまうぞ!?」
フラン「……それはやだ!」
師匠『そうなったら今後の活動とかに支障を来たすな。ヒーロー協会に入るのにもマイナス点になりかねん。なら、急いで行こう!』
フランは師匠を布で覆い、ベルトで固定して師匠を背中に背負う。そして、サイタマは廊下から屋根伝いに跳びながら移動して、フランはマジカルアントから得た超能力で空を飛び始める。
――――――――――――――――――――――――
キャッツアイ。彼女達は主に女性のみで構成されるテロ集団で、桃源団のようなチンピラ集団と違って世界各地で動物虐待反対や自然の秩序回復を訴え、開発施設や工事現場の襲撃等を主に行い、更には虐待の判明した家庭に乗り込んでその人を必要以上に武器で意識不明の重体にしてしまう等、過激な活動を繰り返してきた。
キャッツアイに賛同した者達はかなり多く、所属した者達はペットを虐められて亡くしてしまった過去を持つ者が多い。その中には虐待こそされなかったが、富裕層の連中によって大切にしてきた動物達を買収された若しくはペットショップや動物園を潰された者も居る。
そしてその富裕層の中には、ゼニールも含まれている。
アニマルメシアに所属する者達の中には、ゼニールに恨みを持つ者達も居る。
キャッツアイ「何故ペットを虐める!?何故動物をいたぶる!?何故あんなに可愛い奴等を簡単に殺せる!?彼等が何をした!?彼等に何の罪がある!?ただ幸せになりたい!ただ一緒に居たいだけなんだ!!飼う連中のエゴ?忙しい?鬱陶しい?そんなの人間のエゴに過ぎない!!我々は、全ての動物達が虐められない、全てのペット達が幸せになれる世界に変える為に、我々は闘う!!」
そう大通りで宣言した。ハンマーヘッド率いる桃源団と手を組んだのは、共に社会を変える目的が一致した為だ。ニートが永遠に養われる社会と、動物虐待の無い社会。それぞれ目標は違っても、社会を変えたいという思いは同じ。
ハンマーヘッドが盗みを働いた組織から、スーツの実験に付き合わされる事になるのは癪だが、スーツを得た事で更に戦力が上がった。此れならば革命を起こせるのも時間の問題だろう。
ハンマーヘッド率いる桃源団がスーツの力任せに破壊活動を行うのに対し、キャッツアイ率いるアニマルメシアはそれぞれの動物の特徴を活かした戦闘を行っていた。
象スーツ女「オオオオオオオオオッ!!」
象のスーツはノロマにこそなるが、それでもマシンガンの弾すら弾き、鋼鉄製のビルさえも押し倒してしまう。
サイスーツ女「ぬぉらあああっ!!」
サイのスーツでは、警察車両さえも上空に吹き飛ばしてしまい、コンクリートの地面を殴れば振動で地割れを起こす。
隼スーツ女「アハハハッ!!遅い遅い!」
隼スーツを纏った女は、両腕を羽ばたかせて空を飛び、警察の発砲した弾を難なく避けていく。そして、滑空によって警官達を吹き飛ばす。
蛇スーツ女「凄い!蛇の身体能力サイッコー!!」
蛇のスーツのお陰で、バレリーナよりも柔軟な上に瞬発力と脚力で警官達をなぎ倒していく。
雀スーツ女「そぉれ!」
雀のスーツを纏った女は、隼にも負けない速度で空を駆ける。警官達はついて行く事が出来ない。
キャッツアイ「ハハハハハハッ!!良いぞ!!苦しめ!!虐待されて来た動物達の苦しみを受けるのよ!!」
猫スーツ女「このまま桃源団と進めば、ゼニールの家まで辿り着けるわ!私の夫が経営していた動物園に住む、動物達の仇よ!」
猫スーツ女2「ペットショップを返せ!!あの子達も何もかも!!キャッツ!!絶対ゼニールをやっつけよう!!」
キャッツアイ「そうだな!金持ち共の動物虐めも終わらせてやるぞ!!」
そして、桃源団とアニマルメシアが進み続けるが、此処で希望が現れる。
???「『ジャスティスクラッシュ』!!」
突如として自転車が、キャッツアイに向かって飛んできた。
象スーツ女「キャッツ!危ないわ!」
象スーツ女がキャッツアイの前に割り込み、自転車を殴り飛ばす。自転車は空中で粉々になり、アニマルメシアや桃源団は現れた者を見た。
???「正義の自転車乗り。無免ライダー参上!!」
『C級1位:無免ライダー』
女「無免ライダーが来てくれたわ!」
男「彼が来たからにはもう安心だ!」
人々が無免ライダーを応援する。
ハンマーヘッド「ヒーローか」
キャッツアイ「我等の思想を踏み躙る気か」
無免ライダー「行くぞ!!」
しかし、無免ライダーはハンマーヘッドのパンチを受けて、その場に倒れてしまう。桃源団やアニマルメシアは人々が騒ぐ中、何事も無かったかのようにゼニールの家に向かって歩き出した。
オリキャラ解説
名前:キャッツアイ
災害レベル:鬼
武装:猫式バトルスーツ
能力:生まれ付きバレリーナのように柔軟かつ瞬発力のある脚力。また、頭も回る。また、猫式バトルスーツによりバレリーナより関節が軟らかくなり、変則的な四足戦闘を得意とする。
概要
動物虐待反対及び自然の秩序回復に動くアニマルメシアのリーダー。幼い頃から動物を愛しており、買ったペット達に家族ぐるみで愛情を注いで来たが、自分の知らない所で家族がペット達を殴ったり危険な薬物を食べさせていた事を知った瞬間、家族を包丁で何度も殴って殺害してしまう。しかし、ペット達は既に虐待により大勢が死んでいた。死した子等は丁重に埋葬したが、生き残っていた子等は全員薬物汚染されており、殺処分せざるを得なかった。キャッツアイは半日も泣き続けたが、泣き止んだ後に犠牲となったペット達と同じく虐待されている動物達を幻視した。それからキャッツアイは、もうペット達の様な悲劇を繰り返さないと誓い、動物の虐待を止めるべく、アニマルメシアを結成。同じ思想を掲げる者達と共に世界中でテロ活動に手を出し始める。そして今回、ハンマーヘッドが盗みを働いたある組織から動物の力を得られる新型のバトルスーツを複数提供され、今回集まる事が出来た女性メンバー全員と装備。桃源団と共にゼニールの家を破壊してより主張を強くする事を決意する。何故ならアニマルメシアの中には、ゼニールにある恨みを抱く者達が居るのだから………。