S級ヒーロー:黒猫剣士   作:ちいさな魔女

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ヒーロー名簿と試験

サイタマ宅。アパートの一室で、フランと師匠はヒナタやサイタマ、更にフラッシュやジェノスと共に鍋を食べ始めていた。フラッシュは自宅まで話を聞く為に同行し、ジェノスはサイタマの強さの秘密を探る為に来たのだ。

 

フラッシュ「……音速のソニックか。奴がゼニールの護衛とはな」

 

フラン「知ってるの?」

 

フラッシュ「……昔の同期だ。親に捨てられる形で忍者の里に捨てられた俺と同じく、奴と忍者の里で育ったが、お互いに落ちこぼれだった。でも互いに技を磨き合い、鍛錬を行った。が、卒業の時に俺が首席だったが奴は最下位だった。そして俺は…………すまないが、これ以上は言えん」

 

フラン「………分かった。これ以上訊かない」

 

ヒナタ「ソニックとアンタは、何か因縁があるのね?でも話したくないなら、今は話さなくても良いわ」

 

フラッシュ「………すまない」

 

フランは詮索を止めた。言いたくない事があると理解したのだ。ヒナタはソニックの知らない過去を知って驚きを隠せなかった。ヒナタもこの世界の事は大体知っているが、フラッシュやソニックの事は知らなかった。フラッシュが忍者の里で何かやらかした事を仄めかす描写は見たが、実際になにをやったのか覚えてないのだ。

 

フラッシュ「それで、お前達は何者だ?」

 

そして、サイタマとフラン、ヒナタはそれぞれ説明に入る。サイタマは自身の強さの秘密(筋トレの事)や趣味でヒーロー活動ををやってる事、フランは進化の家で生まれた事を、ヒナタは傭兵として活動している事を、それぞれ説明した。因みにフランは、野菜を食べられない為に肉のみを食べている。

 

フラッシュ「………成る程な。サイタマと言ったな?お前の言った事はにわかに信じ難いが、筋トレを続けた結果、接近戦ではシルバーファングと互角になったクロビカリが居るからな。そして彼女は、人工的に生まれた怪人でありながら普通の人間と同じ暮らしをやっている。そして、意思を持つ剣に、ヒーロー協会では猫耳のお前と同じく噂になっていたサイボーグ。そして各地で噂になっていた女騎士の傭兵、お前の事だったか。どうやら付いて来て正解のようだ」

 

サイタマ「………あっそ。でも俺は今、重大な問題を抱えてんだよ……」

 

ジェノス「問題?先生が抱える程の重大な問題とは一体何ですか?」

 

フラッシュ「………当ててやろう。自分の知名度の低さ、或いは全く知れ渡ってない事を気にしているな?」

 

サイタマ「いや当てんなよ。まあそういう事だ。俺は3年も趣味でヒーローとして活動してきたが、俺より活躍してるヒーローなんて見たことがない。怪人だの、悪の組織だの退治してきた。別にチヤホヤされたいんじゃねえんだ。ただ、有名になっても良いんじゃないか?ファンとか居ても不自然じゃないだろう?フランが介入したのは一年前で、その時から共に戦ってきたよな?フランはどうだ?自分がヒーローだと呼ばれた事あるか?」

 

フラン「んー………考えてみたら、そんなに無いかも」

 

フランもそれなりに活躍してる。師匠の手助けもあるとはいえ、複数の都市が壊滅するような強敵怪人又は悪の組織すら倒して来た。しかし、それを覚えてる人、感謝してくれた人達は少なかった。サイタマがワクチンマンから助け出した少女は、サイタマの事を覚えてくれており、少女の親戚達もサイタマ達に感謝してくれた。

 

しかし、サイタマやフランの活躍を知る者はとても少ない。町に出ても住人からテロリストと間違われる程だ。勿論全員ではなく、覚えててくれた人達も居たが、やはり少なかった。

 

カットしてはいるが、実はネット及びテレビニュースでも、桃源団やアニマルメシアを撃退したのは無免ライダーというヒーローで、ネロンガを倒したのも現場に居たS級ヒーローや怪特対が倒した事になっていた。勿論、無免ライダーは何故そうなっているのか混乱しており、現場に居たS級ヒーローや怪特対は、ネロンガを倒したのは違うと発言しているが、世間にはもうそんな認識が広まっており、訂正が難しいレベルにまで浸透していた。

 

ヒナタ「………」

 

ヒナタはその理由を知っていた。色々イレギュラーはあるが、それでも目の前でサイタマの実力を見れば、彼がもっと有名になっても良いのではないか?そう考えてしまう。

 

ジェノス「まさか、先生にフランは、ヒーロー名簿に登録してないんですか!?」

 

フラッシュ「やはりな」

 

フラン「ヒーロー名簿………やっぱり協会の勧誘受けるべきだったかな」

 

そして、サイタマがヒーロー名簿に登録してない事をジェノスが指摘し、サイタマやフランはヒーローになる為に応募する事にした。

 

すると、此処でヒナタに思わぬ飛び火が来た。

 

それは、夕食後に全員で後片付けを終えた後だった。

 

フラン「ヒナタも登録しよう」

 

ヒナタ「えっ、嫌よ」

 

フラン「えっ」

 

ヒナタ「私はヒーローなんてのに興味は無いの」

 

フラン「どうしても?」

 

ヒナタ「誘ってくれて悪いけど、ごめんなさい。アンタ達がヒーローになれば良いじゃない。私は今まで通り傭兵として活動するわ」

 

しかし、フランは引き下がらない。

 

フラン「えー。ヒーローやろうー」

 

ヒナタ「しつこいわよ」

 

フラン「むー………やろうやろうやろうやろうやろうやろうやろうやろうやろうやろうやろうやろう」

 

ヒナタ「やーめーなーさーい!!」

 

ヒナタはフランの頭に拳骨を喰らわせる。フランは頭を抑えて涙目でヒナタを見る。

 

フラン「ヒーローやろう」

 

ヒナタ「まだ言うか!?」

 

フラン「ヒーローやろう」

 

ヒナタ「………もう、分かったわよ!やるわよ!やれば良いんでしょ!?」

 

フラン「うん!」

 

師匠『強引だなフラン……』

 

因みに、フラッシュやヒナタ、ジェノスは帰っていった。

 

そして応募はネットからでも簡単に申し込みが可能で、サイタマ、フランはネットの応募欄に必要事項を全て記入し、五日後の試験日まで待つのだった。

 

師匠『筆記試験もあるらしいからな。それなりに勉強はしたほうが良いだろう』

 

フラン「ん」

 

サイタマ「そっか。俺も勉強しとくか」

 

サイタマ、フランは勉強により、学力が少し上がった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

Z市にあるヒーロー試験の試験会場。ヒーロー試験に集まって来たのは、数多くの受験者達。その殆どが屈強そうな肉体を持つ男達で、力のゴリ押し目的なのが明白だ。

 

試験会場は男女に分かれている。サイタマ、ジェノス、フランはそれぞれ分かれて会場に向かった。

 

フランは筆記試験を済ませた後、実技試験の為に更衣室でスク水に着替え始めた。

 

筆記試験は、少し勉強すれば解ける問題とヒーローとしての心得を試す作文だけであった。フランはつまらなさそうにしていたが、それでも5日間の勉強期間を得たお陰で難無くクリア。

 

フラン「師匠。フラン、頑張って来るね」

 

師匠『ああっ。お前ならやれる。俺は近くで見守っているぞ』

 

フラン「ん」

 

そして、試験会場を見たフラン。師匠とは念話で会話している。試験会場をよく見ると、5日前に知り合った一人の女性の姿もあった。

 

フラン「あっ!ヒーナーター!」

 

フランは手を振った。ヒナタはフランの方を見て、フランの元へ向かう。目の前に来たヒナタに勢い良く抱き着き、顔を胸に埋めるフラン。

 

フラン「来てないかと思った!でも嬉しい!」

 

ヒナタ「アンタが誘うから仕方無く来ただけよ!というか恥ずかしいから抱き着くな!」

 

結局スタッフに注意されるまで、フランはヒナタに抱き着いた。

 

こうして始まるヒーロー試験。




ヒナタの試験時の服装は、デニムショートパンツに似合う白い半袖衣類を想像してください。かなり際どいと思って頂ければ。
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