S級ヒーロー:黒猫剣士   作:ちいさな魔女

16 / 45
原作ヒーロー達の順位も何名か変動しています。その理由も分かりますよ。


合格者セミナーとフブキ組

フラン達は合格者セミナーの行われる教室に移動した。

 

セミナーを担当するのは3名の男達。

 

???「先ずは合格おめでとう。俺はA級49位蛇咬拳(じゃこうけん)のスネックだ」

 

『A級ヒーロー49位:蛇咬拳のスネック』

 

タムラ「怪特対専従班班長のタムラだ」

 

カミナガ「怪特対作戦立案担当官のカミナガだ。宜しく頼む」

 

フラン達の反応は無し。サイタマは風船ガムを噛んでいる。

 

スネック「しかし合格したからと言って調子に乗らない事だ。合格した君達の顔写真や簡単なプロフィールは、世界中にインターネットやSNSを通じて公開されるんだ。ヒーローとなった以上は、ヒーローとしての自覚と責任、節度ある生活を心掛けるように!」

 

タムラ「プロフィールと言っても、顔写真や身長に体重、それから誕生日だな。住所や個人情報に関しては此方で非公開にしているので、住所を特定されて迷惑が掛からないように取り掛かろう」

 

スネックの言葉は高圧的だが、その反面この業界で生きていく上での厳しさがあるという意味が孕んでいた。

 

しかし、フラン達の反応は皆無。その時にサイタマが風船ガムを膨らませている。

 

スネック「聞いているのか!?その間抜け面が全世界に晒されるんだ!恥を掻きたくなかったら………ハッ!」

 

スネックは教員机に跳び乗り、素早く、正確に、しかし鋭い、蛇のような拳法を披露した。そして、片手を蛇のように構えた。

 

スネック「俺のように立派なヒーローを目指せ!」

 

ヒナタ「ヒーローなら机の上に乗るのはどうなのよ?」

 

スネック「ぐっ!」

 

フラン「格好良い!今のって!ほっ!ほっ!しゃー!」

 

フランはスネックの動きを真似た。しかし、素人丸出しで子供が正に見様見真似でやった動きと言わんばかりの動きだ。

 

タムラ「ハハハッ。中々元気な子じゃないか。此れは将来、立派なヒーローになれるかもしれないな」

 

カミナガ「ええっ」

 

しかし、スネックは見抜いていた。確かに素人丸出しではあった。しかしその型は、スネックが初めて蛇咬拳を編み出して漸く形になった頃の動きであった。

 

スネック(馬鹿な!?このレベルまで行くのに、俺でも一年も掛かったというのに!?この少女、ただ者ではない!)

 

スネックはフランが実力のある少女だと見抜いた。

 

カミナガ「では、君達に合格証書とそれぞれの階級を示すバッジとヒーローカードをやろう。此れが君達の身分証明書の代わりにもなる。海外に出向く際にも、パスポートに代わって利用出来る。政府の重要な機関等には入れないが、それでも大抵の施設に入る事が出来る」

 

こうして、フラン達は合格者セミナーを終えた。ジェノスはサイタマの正式な弟子となり、一度クセーノ博士の元へ帰って行った。ヒナタも一度家に帰る事にした。

 

そして、サイタマとフラン、師匠は帰路に着いた。

 

因みにこの後、本来ならば焦った様子のスネックが合格者セミナーの続きと称してサイタマに襲撃する場面なのだが、その事は一切起こらなかった。

 

カミナガ「スネック。新人狩りなんて真似はしないように」

 

スネック「わ、分かっている!」

 

カミナガに止められていた為であった。

 

―――――――――――――――――――――――――

 

翌日。朝の10時頃。サイタマとジェノスは手合わせをしに荒野へ向かっていたが、フランはB市にやって来ていた。B市で販売しているローストポークを買いに行く為だ。限定品かつ低価格で販売している為、早く行かなくてはならない。幸いにも販売時間は一時間もある。しかし急がなくては先を越されてしまう。

 

フラン「おっにく〜お肉〜♥溢れる肉汁〜♥最高♥」

 

師匠『フランは本当に肉が好きなんだな。体質のせいで野菜が食べられないが、何時か野菜も食べられる体にしてやるぜ』

 

フラン「んっ。なら、野菜食べられる怪人を倒して能力得よう」

 

師匠『或いは雑食の奴を倒そう。それなら、フランも野菜を食べられるようになる筈だ』

 

フランは師匠と共に歩いていると、一台のリムジンがフランの横を通り過ぎる。しかし、通り過ぎた後に道端で止まると、後部座席の扉が開いた。一人の男と二人の女性だ。女性は高級な白いジャケットを羽織っており、リーダーとしての雰囲気を醸し出していた。連れの男は大きな体格で、スーツ越しでも鍛えられた肉体が解る程に盛り上がっている。もう一人の女性は、百合の髪飾りを付けた10代前半の可愛らしい少女で、両手に三節棍を手にしている。

 

???「初めまして!B級の新入り、フランちゃん、で良いかな?私はフブキ組のリリーです。同じB級だけど、74位だから私の方が先輩ね」

 

『B級ヒーロー74位:三節棍のリリー』

 

???「B級3位の山猿だ。今この場には居ないが、リムジンの運転席に居るのは、B級2位のマツゲだ」

 

『B級ヒーロー3位:山猿』

 

フラン「フブキ組?」

 

師匠『どうやら厄介な奴等みたいだな。調べていたんだが、フブキ組はヒーロー協会に存在するヒーローグループの中でも最大の派閥を持ってる。奴等は全員黒スーツを身に着けているのが特徴で、男女問わず身に着けているぞ』

 

フブキ「あら?その剣、やっぱり喋るのね。お姉ちゃんから聞いた時はまさかと思っていたのだけど」

 

リリーや山猿の前に立つフブキが、師匠を指差した。師匠の言葉が聴こえる相手は、師匠が念話を届けている相手か、何かしらの超能力や魔力を持つ者のみだ。

 

リリー「えっ?フブキ様?剣が喋るってどういう事ですか?山猿さんは聴こえました?」

 

山猿「いや、俺も聴こえてない。だが、フブキ様は超能力の使い手だ。恐らく、念話みたいな物でも発してるんだろう」

 

リリー「おおっ、成る程!流石フブキ様♥」

 

巨漢にしては頭が回る山猿。リリーもフブキが念話を聴き取った事に納得し、尊敬と心酔の目をフブキに向ける。

 

師匠『……お姉ちゃん………まさかアンタ、タツマキと知り合いってか、姉妹なのか?』

 

フラン「タツマキ………見た目じゃ分からないけど、お前が妹なんだ」

 

フブキ「悪かったわね………いや、お姉ちゃんの事は良いのよ。私が此処に来たのは、貴方達に用があるの」

 

フラン「私達?」

 

フブキ「そうよ。単刀直入に訊くわ。貴方達、私達フブキ組に入会する気はない?今なら歓迎に、高級なお肉を食べさせてあげるわ」

 

フラン「お肉!あっ、でも……ローストポーク……」

 

フブキ「あっ、えっと………フブキ組に入らない?」

 

フラン「うーん………やだ」

 

フブキ「そ、そう………なら、これはどう?」

 

フブキは両手を広げてこう宣言する。

 

フブキ「私の事を、ママと思って――」

 

フラン「論外」

 

フランは歩いて行こうとする。しかし、フブキは引き下がらない。

 

フブキ「な、何でよ!?私じゃ不満なの!?」

 

フラン「ローストポーク!食べに行く!」

 

フブキ「フブキ組よりそっち!?」

 

フラン「最優先!!」

 

フランは走ろうとした。しかし、此処で地面が大きく揺れる。

 

人々『『キャアアアアアアアッ!!』』

 

男「怪獣だ!逃げろぉ!!」

 

人々が逃げ回る。逃げていく人々の背後には大きな土煙が上がり、建物が崩壊する。

 

そして現れたのは、常に頭を下にし、尾を高く上げているという、長靴やシャチホコを思わせるような体型が印象的な怪獣が現れた。

 

『災害レベル虎:ツインテール』

 

そしてその次に、両手が鞭のようになった二足歩行の怪獣も現れた。

 

『災害レベル虎:グドン』

 

二体は互いに組み付き合っている。ツインテールは小さなトゲのある二本の尻尾でグドンを叩くが、グドンも鞭状の両手でグドンを攻撃する。

 

フランは走ろうとするが、グドンの足元には限定品のローストポークを売っている精肉店があった。そして、グドンが踏み付けてしまい、限定品ローストポークもろとも精肉店が踏み潰されてしまったのだった。

 

フラン「―――――――――」

 

フランの両目から光が消えた。

 

フラン「ロースト………ポーク……………返せ」

 

フランは全身からエネルギーを放つ。周りの木々やビルが持ち上がる程の出力に、フブキは戦慄した。周りの景色でも理解出来るが、フブキはフランが放つ圧倒的な念動力を感じ取ってよりフランの力を思い知る。

 

フブキ「この力………まさか!?有り得ない!!まるでお姉ちゃん…………いや………………パワーだけなら!?」

 

そして、グドンとツインテールも空中に浮いた。

 

フラン「………お前等、喰ってやる!!師匠!こいつ等、食べられる?」

 

師匠『ちょっと待ってろ………鑑定したが、頭が下の奴は美味いぞ!プリップリなエビの味だ!グドンの方も筋があるが、ステーキにしたら美味いらしいぜ!』

 

フラン「よし、なら今夜は怪獣のお肉丸焼きぃいいいいいいいいいい!!」

 

フランは両手からペギラの冷凍ガスを放ち、二匹をあっという間に凍らせた。二匹は冷凍ガスによって凍らされていき、軈て凍傷により息を引き取るのだった。

 

二匹を地面に置いて、フランは舌なめずりをする。大きなお肉が手に入ったのだ。しかもお金をつかわないので食べ放題である。

 

フブキ「強過ぎる………信じられない」

 

リリー「凄い……」

 

山猿「何という力だ……」

 

マツゲ「ああっ………」

 

フブキ達はフランの力を目の当たりにして、冷や汗を流した。もし何時ものように力尽くでフランを勧誘していれば、こうなるのは必然だっただろう。

 

今後はやり方を改めよう。そう決意したフブキであった。

 

そして、フランと師匠はフブキ達にアイコンタクトを取った後、師匠は目を光らせた。凍ったツインテールとグドンを空中に浮かせた後、フランは空を飛んだ。浮かせた二匹と共に、師匠とフランは人気のない場所へ向かうのだった。

 

フブキは空へ飛び去るフランと師匠を見て、益々彼女達が欲しくなった。

 

フブキ「………私、決めたわ!何としても彼女をフブキ組に入会させるわよ!そして……あの子のママになってみせる!」

 

リリー「おおっ!賛成です!フブキ様!」

 

マツゲ「母は兎も角、あれ程の実力者がフブキ組に加われば我々の戦力強化も見込める!流石です!フブキ様!」

 

フブキ様「ええっ。さあ、帰るわよ!あの子を何としてもフブキ組に入会させるわよ!」

 

マツゲ&山猿&リリー「「「はい!フブキ様!」」」

 

フブキ組も帰路に着く。探し回った甲斐があった。フブキはフランの母となり、フランがフブキに甘える様子を妄想してニヤけてしまった。

 

因みに、サイタマとジェノスはうどん屋へ大食い対決して、ジェノスが勝利。手合わせ自体はサイタマが勝ち、今回負けた事でイーブンになったと語るサイタマであった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

夜中のとある荒野。其処で解体されたツインテールとグドン。両目に血が掛かり、所々の肉が剥ぎ取られていた。フランと師匠が解体して料理しているのだ。

 

焚き木の上には、ツインテールやグドンの肉が焼かれており、師匠は念動力で肉を回しており、調味料として買ってきた塩を焼いた肉に掛けていく。

 

フラン「んがあむっ!んむっ!」

 

フランはツインテールの塩焼きに齧り付き、頬張る。噛み続けた後に飲み込み、塩で彩られた味わい深い焼海老の味を堪能する。

 

フラン「ああむっ♥」

 

フランは食べ続ける。一時間掛けて、フランはツインテールやグドンを食べ尽くしたのだった。グドンの味は、筋が通っているが、食べた時の味わいは正に史上最強のお肉とも呼べる味わいであった。




【オリジナル怪人】
名前:ツインテール
元ネタ:帰ってきたウルトラマン
災害レベル:虎
概要
常に頭を下にし、尾を高く上げているという、長靴やシャチホコを思わせるような体型が印象的。尾の先には小さなトゲが並んだ2本の鞭がついており、それで攻撃したり体当たりや噛みつきをする。怪獣の中でうまいと言われている。

名前:グドン
元ネタ:帰ってきたウルトラマン
災害レベル:虎
概要
中生代・ジュラ紀に生息していたとされる怪獣。ツインテールを好物とする。 両腕は鞭のようになっており、敵を叩いたり締め付けたりする事が出来る。因みにグドンもうまいとか。

因みに最後のシーンは、範馬勇次郎が水牛を食べるシーンのオマージュです。グドンの味の評価は、完全にピクルが戦ったティラノサウルスのお肉のオマージュですね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。