S級ヒーロー:黒猫剣士   作:ちいさな魔女

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灰の魔女と語り合い

イレイナ「貴女は………もしかして………」

 

フラン「私を知ってるの?」

 

イレイナ「………うーん」

 

箒に乗って空中に浮いたイレイナは、目の前に現れたフランと師匠を見て、自分と同じ転生者ではないかもしれないと思った。S級ヒーローの中には、他の世界からの転生者も居るのだ。自分もその内の一人である。

 

ブラック企業でこき使われ過ぎて過労死してしまい、女神を名乗る女性からイレイナの体と力を授かり、そしてありとあらゆる魔法の知識を教えてもらい、修行に励んだ。この世界に3年前に転生し、イレイナとして生きてきた。ヒーロー協会に所属したものの、組織の腐敗を見た途端にフリーダムに生きる事を決めた。ヒーローとして活動する反面、旅と豪遊をする為にも詐欺紛いな事やインチキ商法もやった。自身の性格の悪さやクズっぷりは自覚しているが、困っている人達(特に同性)を放っておけずに無償で助ける事もしばしば。

 

そうしていく内にS級ヒーローとなり、悪徳ヒーローであるものの人々から称賛されたりしている。時にイレイナが旅の途中で出会ったある少女達にも出会い、彼女達もヒーローになった。一人はイレイナにヤバい愛を向けており、もう一人からは純粋な愛を向けられている。どちらからも告白を受けているが、断った。しかし、その二人はまだ諦めていない。この場には居ないが、A級上位に到達してしまう程の天才だ。きっとイレイナに追い付くだろう。

 

これは勿論、自分が美しい美女である為にこうなったのだろう。とはいえ、モテモテなのは流石私。そう思うイレイナであった。

 

イレイナ「……いえ。話は後にしましょう。私はこの動物園の虐待の証拠を掴んだので、それを訴えに来たのですが、まさかこんなに大きな象さんに出会うとは。まるで恐竜ですね」

 

フラン「ん。あっ、そう言えば………この象、食べられる?」

 

イレイナ「えっ?」

 

イレイナは耳を疑った。

 

食べる?怪人化したこの象を?

 

イレイナ「えっと………まあ食べられない事は無いと思います。象さんのお肉はヘラジカという動物とよく似た味がすると聞いてます。食べた事はまだありませんが……」

 

フラン「なら食べられる!師匠!早く食べよう!」

 

師匠『まあ待て。こんなに大きいんだ。一旦解体して日にちごとに分けて食べられるようにしよう』

 

フラン「ん!ん!」

 

イレイナ「喋った!?やっぱり貴方達も!」

 

フラン「おおっ!師匠の声聴こえる!?」

 

師匠『やっぱお前も聴こえるのか!魔法使いにも聴こえるんだなぁ』

 

イレイナ「は、はい」

 

A級ヒーロー達『『『っ?』』』

 

A級ヒーロー達は超能力を持たず、魔法も使えない。師匠の念話を聴く事が出来ない為、イレイナとフランの会話に出てくる師匠が誰か分からない。

 

しかし、そんな彼等とは裏腹に、フランとイレイナと師匠は会話を続ける。

 

師匠『象は俺達が持ち帰るが、その前に、此奴の能力を頂いていこう』

 

フラン「えー。でも一応貰おうかな」

 

師匠を持ったフランは、象の傷口に師匠の刀身を突き刺した。そして師匠は能力を吸収し、食べる能力を持つ怪人の能力を複合させていく。

 

『複合完了。新たな能力『雑食』を獲得しました』

 

師匠『おっ。新しい能力ゲットだ!フラン!此れで野菜も食べられるようになったぞ!』

 

師匠がそう告げた後、フランは舌に若干の違和感を感じた。体の中も何処か作り変えられた気がする。

 

フラン「ん?なんか舌がムズムズしてきた」

 

師匠『ああっ。此れで野菜も食べられるようになったぞ。雑食だからゲテモノとかも行けるかもな』

 

イレイナ「ゲテモノ料理ですか………美味しいんですが、見た目はアレですよ。怖い物からキモい物まで千差万別です」

 

そして、フランは両手で巨大象を持ち上げた。

 

フラン「じゃあ、象のお肉でパーティだね。其処で色々話そう」

 

イレイナ「はぁ………分かりました。貴方達について行きます。お腹も空いてますし、お金が入るまで時間がありますからね」

 

師匠『ただ飯貰う気かよ。性格悪いな』

 

イレイナ「自覚はしてます。それが何か?」

 

師匠『何で此奴が愛されるんだ……』

 

そして、フランは象を両手で持ち上げた後に、空へ向かって念動力を使って飛んだ。イレイナも箒に乗ったまま空中に浮いている為、フラン達を追うように飛んで行った。

 

スマイルマン「凄い………あの巨体持ち上げた」

 

イナズマックス「ああ………とんでもねぇ奴が居たもんだぜ」

 

デスガトリング「あれがS級………そして、B級の新入りである怪人の少女………だが、悪い奴ではない。短い時間ではあったが、それだけは解る」

 

スティンガー「だな。俺達も負けてられねぇ。もっと強くなってやるぜ!」

 

A級ヒーロー達『『『『おおおおっ!!』』』』

 

A級ヒーロー達はその様子を見るだけでなく、もっと強くなる事を決意する。彼女達にも負けない為に、そして護りたい人達を護れるようになる為に。

 

――――――――――――――――――――――――

 

イレイナとフラン、師匠は広い荒野に移動した。規格外の大きさをした象の死体は此処に置いておく他なく、此処で無ければゆっくりと食べられないのだ。

 

師匠が象の肉を焼いて調理する中、イレイナとフランは話を続けていた。それぞれの過去話を語っていたのだ。イレイナは飄々と話しているが、フランは哀しげに語る。

 

イレイナ「やはりそうでしたか。貴女達も私と同じだったんですね。でも私と貴方達では、どう転生したかが違うんですね」

 

フラン「そっちは女神様から。私はフランとして転生した。でもイレイナが羨ましい。私、進化の家で散々な目に遭ってるのに………」

 

イレイナ「……それは悲惨でしたね。でも私はだからといって同情はしません。私は私の生まれが恵まれた事を喜ぶだけです。貴女の過去は悲惨ですが、同情を買って欲しいなら他を当たってください」

 

フラン「むぅ………クズ女」

 

少しは気を遣え。そう言いたかったフランだが、イレイナに台詞を先読みされる。

 

イレイナ「気を遣った所で、貴女の過去は変わりませんし下手な同情で貴女を傷付けるだけです。でも貴女は今、幸せではありませんか?師匠に出会い、サイタマさんという人に出会い、ヒナタさんという人に出会い、今こうして幸せな人生を歩んでいるではないですか。それで良いんです。悲しい過去を語って同情を買わせるより、今の幸せを存分楽しみましょう」

 

フラン「………そうだね」

 

イレイナにそう言われたフラン。其処まで言われると、さっきまで自分の過去を哀しく語ってた自分が馬鹿に見えた。

 

フラン「イレイナ。イレイナは旅をしてるの?」

 

イレイナ「ええっ。ヒーローになれば世界中何処にでも行けますから。ヒーローカードは便利です。お陰で色々な国へ赴く事が出来ました。それで分かった事を一つ教えましょう」

 

イレイナは間を置いた後に話し出す。

 

イレイナ「やはり怪人はこの国………というよりこの大陸付近にしか出現しません。他の大陸での怪人発生は殆ど見受けられませんでした」

 

フラン「そうだったんだ」

 

3年も住んでて分かっていたが、やはりこの国の怪人発生及び遭遇率は異常に高い。

 

他の国には滅多に出現しない。

 

この大陸になにかあるのだろうか。

 

師匠『二人共。象の肉で造ったステーキだ!肉厚だぞ!』

 

師匠が象のステーキを料理して、フランとイレイナに見せた。

 

フラン&イレイナ「「おおおおっ!!」」

 

師匠『今日は象の肉が沢山あるからな!奮発して料理してみたぜ!』

 

こうして、象のステーキを食べ始めたフランとイレイナ。象の肉の肉厚な噛みごたえと肉汁、そして師匠の適度な調理により、美味しく食べられたのだった。

 




次回はZ市調査とガボラの回に突入します。その前に、サイタマ達はどうしているのか解説。

サイタマ、家でお休み中。ジェノスが家に居候した。

サイタマ、ジェノスと洗剤や食材の買い物に向かう。

音速のソニックが絡んでくる。原作ではサイタマが周りに迷惑掛けてタンクトップタイガーが来たが………。

タンクトップタイガーが、サイタマやジェノスに絡むソニックに対処する為に現れる。

ソニック暴れ出す。タンクトップタイガーにも攻撃が来るが、サイタマが助ける。

ジェノスが応戦し、ソニックと闘う。

サイタマが間に入り、ソニックに手刀を入れて止める。

こんな所ですかね。台詞はご想像にお任せします。
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