Z市。災害及び怪人発生率が高い国の中で最も危険な都市。様々な噂が存在するゴーストタウンには、誰一人として近寄る者は居ない。
ある日のZ市のゴーストタウン。其処に3人のA級ヒーローが調査に派遣された。立ち入り禁止の柵を開けてゴーストタウンに足を踏み入れた二人の男。一人はヒゲが特徴的な紳士風の男で、もう一人は頭巾を頭に着けたガラの悪そうな男だ。しかし、二人はれっきとしたヒーローで、それぞれが実力のあるA級ヒーローだ。
彼等が派遣されたZ市の郊外はゴーストタウン化してから謎に満ちており、得体の知れない化け物も居ると噂されている。
人は誰も近寄らないが、そのお陰かあるメリットが付いている。
???「知ってますか?このゴーストタウン、人が居なくなってからもライフラインは生きてます。此処に住めば家賃はタダになりますな」
『A級ヒーロー31位:バネヒゲ』
???「冗談は止せよ。誰が好き好んでこんな怪人共の巣窟に住み着くかっての」
『A級ヒーロー29位:黄金ボール』
黄金ボール「おい、炭の魔女!浮いてねぇで降りて来いよ!」
黄金ボールが空を見上げ、空に向かってそう叫ぶ。黄金ボールが見上げた先には、空を飛んでいる一人の箒に跨った少女だ。イレイナと同じ帽子を頭に被り、ハートの形となるように頭と尻尾を重ね合う二匹のイルカのアクセサリーを首から下げている。二匹のイルカの間に♥が飾られている。
因みに、イレイナも彼女と同じ物を持っている。少女がプレゼントしたのだ。
少女はゴーストタウンを見渡していたが、黄金ボールに指摘されて降りてきた。
???「あっ、すみません!ゴーストタウンを見渡していたので!」
『A級ヒーロー11位:炭の魔女/サヤ』
A級ヒーロー11位炭の魔女。本名はサヤ。彼女はS級ヒーローになったイレイナに異常な程の愛を持っており、イレイナ本人からは引かれている。とはいえ嫌われている訳では無い。
黄金ボール「ったく便利だなぁ。魔法使いや超能力者ってのはよ」
バネヒゲ「ですね。私達も飛べたら良いのですが。そうすれば市民の皆様の元へより速く駆け付けられるのです」
サヤ「こればっかりは仕方ありませんよ。魔法は超能力よりも発現する確率が低いんですから」
サヤは生まれ付き魔法が使えた。両親は普通の人間であったが、おとぎ話の中にしか無かった魔法に娘2人が目覚めた事で怪しげな研究機関に売ろうとしたので、姉妹で共に逃げ出した。逃げ出した先で当時S級に成り立てであったイレイナに出会い、魔法の正しい使い方を教わってから恋をした。イレイナから帽子を譲り受け、イレイナを追う形でヒーローとなった。首から下げたアクセサリーは、サヤがイレイナの為に買った品物だ。
そしてヒーローネーム“炭の魔女”は、サヤが“灰に近い感じ”と“魔女”を名乗る事を希望し、協会から与えられたものだ。イレイナに近付く為に。
サヤは箒から降りた後、2人に質問をした。
サヤ「それにしても、このゴーストタウンに何が居るんでしょうね?資料を見る限りだと、災害レベルは竜の奴等がうじゃうじゃ居そうですが」
黄金ボール「それは知らねえ。それを調べるのが俺達の仕事だ」
バネヒゲ「炭の魔女さんは何か見えましたか?空からこのゴーストタウンを見回していたそうですが」
サヤ「いえ。全く。今は大人しくして居るんですかね?」
すると、3人は背後から気配を感じた。後ろを振り返ると、3人はある一人の女性と出会う。
ヒナタ「あら?アンタ達は………A級のバネヒゲ、黄金ボールに、炭の魔女ね?」
それは、普段着の状態のヒナタであった。買い物袋を掴んでおり、袋の膨らみ方と上からはみ出た精肉から見て、団体で焼肉パーティーでも行うのだろうと予想出来る。
バネヒゲ「貴女は……最近A級ヒーローになったというヒナタさんですね?」
黄金ボール「それに俺達の事も知ってんのか」
ヒナタ「それなりに調べたもの。ヒーローの名前と姿は大方把握してるわ」
サヤ「そうですか。所で、ヒナタさんは何故此処へ?」
ヒナタ「フランに誘われたのよ。サイタマやジェノスも一緒に、自宅で焼肉でもどうって。フランが肉と野菜を、私が高い肉を買いに行ったわ。サイタマとジェノスは人数分のタレとポン酢、にんにく等を買いに行ったわ」
サヤ「ジェノス………もしかして、入試でいきなりS級になったという、あのジェノスさんの事ですか!?」
バネヒゲ「その方と知り合いとは…………えっ?という事は、ジェノスさんはもしや此処に住んで居るのですか!?」
ヒナタ「そうよ?私は此処じゃなくて、B市にアパート借りてるけど」
黄金ボール「おいおい、スゲェなS級ってのは………」
ヒナタ「良かったらアンタ達もどう?セールとはいえかなり買いすぎたから、4人だけじゃ食べ切れない位買ったから」
バネヒゲ「お仕事の途中ですが、終われば喜んでお邪魔しますよ」
黄金ボール「そうだな。久々に焼肉食おうぜ」
サヤ「じゃあ僕も!」
すると、4人はある気配を感じる。何者かがヒナタの後ろに現れたのだ。
???「あ………がっ……耳……が…………」
『災害レベル鬼:昆布インフィニティ』
頭が長い昆布の触手となっている怪人が、両耳に当たる部位から血を流し、鼻血だけでなく血の涙も流していた。軈てその場に倒れてしまい、ピクリとも動かなくなった。
ヒナタ「此れは!?」
ヒナタが怪人の死体に駆け寄る。人の生死確認のやり方が通じるかは分からなかったが、今回は通じた。
ヒナタ「死んでるわ。それにしてもこの死に方は……」
サヤ「退いてください。僕が見てみます」
サヤは杖を取り出し、怪人の死体に翳した。そして、サヤは怪人の死因を理解する。
サヤ「体内がグチャグチャになっています。外側からではなく、内側から………」
バネヒゲ「そんな事が………ん?」
ヒナタ「どうし………何かしら?」
バネヒゲが先に聴き取り、ヒナタが次に聴き取った。黄金ボールやサヤも、同じタイミングで聴き取った。
それは、不気味なサイレンであった。何かの警告を表すかのようなその音に、4人は不気味さを感じる。
サヤ「気味悪いですねぇ………」
黄金ボール「ああっ」
すると、黄金ボールは足音にも気付いた。
黄金ボール「お出ましだな」
そして、その相手を視認した。サイレンのような頭を持つ、細長くも巨大な怪物だ。肉体は腐っているようにも錆びてるようにも見え、腕は足の甲に届きそうなほど長い。一つ一つのサイレンの中には口がついている。
そのサイレン部分の口からサイレンのような音を鳴らし、4人を見据える。
『災害レベル鬼:サイレンヘッド』
バネヒゲ「皆さん!」
黄金ボール「おうよ!」
ヒナタ「焼肉パーティーの前に、腹拵えね!」
サヤ「はい!」
バネヒゲとヒナタはそれぞれサーベルとレイピアを取り出し、黄金ボールはチュッパチャップスを噛み砕いた後に特製パチンコを取り出し、サヤは杖を手にした後に箒に跨って空中に浮いた。
ヒナタは近くに焼肉の材料を放り出し、戦闘態勢に入る。
サイレンヘッドが走り出した。
サヤ「黄金ボールさん!」
黄金ボール「分かってる!」
サヤが杖をサイレンヘッドに向けて、氷の矢を放った。黄金ボールもサヤより遅れたにも関わらず、パチンコを利用して黄金の玉を放つ。氷の矢を黄金の玉が追い抜いた。
サイレンヘッドの体に氷の矢が当たる。黄金ボールの放った玉が変形して鋭いコウモリ状の弾丸へ形を変えて、サイレンヘッドの脚に当たる。
しかし、氷の矢はサイレンヘッドに当たるだけで砕け散り、黄金ボールの放った形状記憶玉金はサイレンヘッドの指に弾かれてしまった。
黄金ボール「マジかよ!?」
サヤ「なら、燃やしてしまいましょう!」
サヤは炎を放ち、サイレンヘッドを燃やそうとした。しかし、サイレンヘッドの肉体は燃えない。
サイレンヘッドはサヤに爪を振り下ろすが、サヤは横に移動して避けた。
バネヒゲ「足止めをお願いします」
ヒナタ「ええっ!」
ヒナタが駆け出した。バネヒゲのサーベルがバネのように螺旋状となり、バネヒゲは動き回るサイレンヘッドに狙いを定める。バネヒゲの必殺技は溜めが必要で、狙いも正確に定めなければ当たらない。速さがあっても狙いが正確で無ければ狙いにくい。
ヒナタがサイレンヘッドの下に回り込み、両足の関節を斬る。しかし、サイレンヘッドの足は斬りつける事が出来ず、皮膚に切り口を付けただけだ。とはいえヒナタは攻撃の手を止めない。サイレンヘッドの全身に切り傷を与えて行く。そして、サイレンの口に突き刺そうとした。
サヤは魔法で植物を生やし、全身を縛り上げていく。生やした植物は大木の為、サイレンヘッドの動きを抑えていく。黄金ボールは再びパチンコから黄金の玉を放ち、サイレンの頭部を狙い撃つ。攻撃は効かないが、サイレンの頭を後ろによろけさせる。
しかし、その時だった。
サイレンヘッドの口から大きなサイレンが鳴り響く。
ヒナタ「ぐあっ!?」
黄金ボール「ぐおおおっ!!」
サヤ「あ……ぐぁ………」
頭の中に響き、血管が沸騰するかのような感覚が全身に走る。音は徐々に大きくなり、耳を塞いでも意味が無くなる。
更に音響攻撃によって、サイレンヘッドを拘束する大木が崩れ始めた。
ヒナタ「がぁ………」
サヤ「あだまが……あがっ……」
ヒナタとサヤは血の涙を流し、頭からも出血し始める。鼻血も出始めて息苦しくなる。サヤは箒から落ちそうになる。
バネヒゲ「ぐっ………ですが、いい的です!」
バネヒゲは音響攻撃に苦しみつつも、溜めに溜めた必殺技を解き放つ。
バネヒゲ「『
バネヒゲはバネの要領でサーベルを突き出し、刀身を200メートルにまで一瞬で伸ばした。
狙いは、音響攻撃を放つサイレンの頭部。流石のサイレンヘッドもバネヒゲの切り札の速度を見抜けず、サイレンの一つを瞬く間に貫かれてしまう。
サイレンヘッドは絶叫にも、悲鳴にも聴こえるサイレンを響かせる。しかし、その後にサイレンヘッドの音響攻撃が止まったお陰で、ヒナタとサヤ、黄金ボールも行動可能になる。
ヒナタ「このまま、トドメよ!『
ヒナタはサイレンヘッドから音響攻撃及び、サイレンヘッドの能力を奪う。此れでサイレンヘッドは音響攻撃を使用出来なくなる。
ヒナタ「音響攻撃はもう大丈夫!足止めお願い!一回!二回!」
ヒナタはサイレンヘッドの体の傷口に二回も刺突を食らわせ、サイレンヘッドの振り下ろした爪を後ろに跳んで避ける。
サヤ「良くもやってくれましたね!」
サヤは杖を輝かせた後、魔法の糸を杖の先から生成してサイレンヘッドを縛り上げる。しかし、もう片方のサイレンの口を開いた。このまま音響攻撃をしようとしている。
しかし、サイレンヘッドは何度も口を開閉するが、何故か自分のサイレン能力が使えなくなっていた。
黄金ボール「よく分からねぇが、テメェはもう音響攻撃は使えねぇ!速えだけなら、俺の跳弾玉金の敵じゃねえ!」
黄金ボールは再び玉を放つ。住宅に何度も跳弾させて、サイレンヘッドの関節に直撃させる。とはいえ黄金ボールの攻撃が効かないのは想定内。なので、今回放った攻撃には、ある意味がある。
サイレンヘッドの四肢の関節全てに当たった玉が溶けて、関節を覆った。その後、関節を覆った溶けた金属が固まって一種の拘束具になり、サイレンヘッドの動きを封じた。
その間に、ヒナタはサイレンヘッドに攻撃を仕掛けた。
3回、4回、5回、6回。突きを放ち終えた。
ヒナタ「此処まで痛めたお礼よ。せめて苦しまないで、楽に死なせてやるわ!」
そして、ヒナタは7回目の刺突をサイレンヘッドの傷口に放った。
その瞬間、サイレンヘッドはその体を後ろに倒し、軈てその体が塵となって消滅した。
ヒナタ「………強さはそんなにだけど、攻撃は厄介だったわね」
黄金ボール「バネヒゲ。お前が居なかったらマジでヤバかったな」
バネヒゲ「いいえ。皆さんが時間を稼いでくれたお陰です」
ヒナタ「ふう………さあ、早くフラン達の所へ行きましょう」
サヤ「あっ……焼肉でしたね。僕も食べますよ」
こうして4人はサイレンヘッドを倒し、フラン達の元へ向かう。
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同時刻、ある山の中で大きなドリルが地面から突き出てきた。パゴス、ネロンガにそっくりな体格を持つ巨大怪獣は地面から現れた後、頭のドリルを回転させながら地面を掘り進めるのだった。
そしてそれは、ヒーロー協会怪特対にも伝えられた。
《オリジナル怪人》
名前:サイレンヘッド
元ネタ:サイレンヘッド
災害レベル:鬼
概要
文字通りサイレンのような頭を持つ12mほどの細長い体躯をした巨大な怪物。肉体は腐っているようにも錆びてるようにも見え、腕は足の甲に届きそうなほど長い。一つ一つのサイレンの中には口がついており、そこから獲物を誘うための声を出す。警報音や男性の声で支離滅裂な言葉を放送することもある。他のデバイスをジャックして相手を出すこともできる。見た目の割に頑丈でパワーがある。
《ヒーロー紹介》
名前/ヒーローネーム:ヒナタ/未定
元ネタ:転生したらスライムだった件
階級:A級(後にS級の予定)
概要
ヒナタ・サカグチとして転生した女性。ワンパンマンの世界についてある程度知っており、その先に何が起きるのか知っている。とはいえ初めこそ介入するつもりは無く、傭兵として好きに生きてきた。しかし、フランや師匠、サイタマと出会った事でヒーローになり、介入する事を決意する。音速のソニックとは傭兵仲間であった。
能力
・『簒奪者(ウバウモノ)』敵の知識や技術を奪って行使することができる。更に、敵の使役する存在も奪える為、ある意味師匠の上位互換。
・『数学者(ハカルモノ)』論理的思考能力が飛躍して超高速演算が可能となり、戦闘中に最適な行動を取ることができます。
・高度な剣術
・7回攻撃が当たると即死する『デッド・エンド・レインボー』、6回攻撃が当たると3分間苦しみを与えた後に殺す『デッド・エンド・ペイン』