フランと師匠は空を飛んで、ラルゲユウスを追い掛ける。ラルゲユウスは羽ばたいて飛行するだけで、台風と同じ突風を起こした。瓦礫だけでなく、時に車も空中へ吹き飛ばされて行く。F市の上空を飛ぶラルゲユウスに、フランは両腕を羽ばたかせながら背中からワクチンマンのエネルギーをジェット噴射の要領で放ち、加速して追い付いた。師匠はフランの口に咥えられている。
二人は気付いてないが、現在D市の上空までやって来た。
フラン「ダブルスラッシュ!!」
フランは力を込めてラルゲユウスに師匠を振り下ろす。ラルゲユウスは背中を斬られて叫び声を上げる。
ラルゲユウスは悲鳴を上げた。
師匠『此奴、逃げるつもりだ!フラン!逃がすなよ!』
フラン「分かってる!!先ずは、此奴を落とす!」
師匠『『ペギラブレス』!』
フランは師匠を咥えたままだが、師匠は刀身からペギラの冷凍ガスを放った。冷凍ガスはラルゲユウスの翼を瞬く間に凍らせていき、機動力を奪おうとしていた。ラルゲユウスは飛行能力が低下し、動きが緩慢になってきた。
フラン「行ける!!」
師匠『よし!此奴も倒して能力頂きだ!』
そして、フランが師匠をふりあげようとした、その時だった。
突如として横から突風が発生し、周囲のビルもろともラルゲユウスやフランは吹き飛ばされた。師匠はフランを半透明な両腕で包み込むように受け止めながらも、二人揃って突風に吹き飛ばされる。
師匠『マジかよー!?』
フラン「あ………おっきぃ………」
師匠は上空でフランを抱き止めて、フランが再び師匠を口に咥えた後に両腕をはためかせて、突風が来た方向を見た。
すると、其処には約270メートル級の巨人が立っていた。腕を横に突き立てており、それが意味するのは、巨人が腕を振った事であった。
フラン「彼奴、放っておいたら危険!倒そう!」
師匠『ッ!いや、待て。サイタマが敵の肩に居る!』
師匠は見たのだ。サイタマが跳んで、巨人の左肩に乗っかった所を。
師匠『此処はサイタマに任せよう。俺達は……あっ!』
フラン「師匠?あっ……………」
二人は、ラルゲユウスの様子を見た。しかし、ラルゲユウスは既に遥か彼方まで飛び去っており、水平線の彼方に僅かな点という形でしか見えなくなっていた。ラルゲユウスは巨人に吹き飛ばされたが、フランと師匠が追ってこない隙を突いて、遥か海の向こうへ飛び去って行ったのだ。
彼処まで行くと、追跡は最早困難だ。何故かラルゲユウスは師匠の追跡能力にも引っ掛からない。まるでステルス機能を持った戦闘機が、レーダーにも映らないように。
フラン&師匠『「ああーーーーーーーーーーっ!!」』
二人は同時に叫ぶ。獲物を取り逃がしたのは痛い。此れではラルゲユウスの能力を獲得出来ない。
フラン「………師匠。あの巨人、許さない!」
師匠『まあ逃がしてしまったのは今更どうしようもないし、あの鳥よりも巨人の方が強そうだな!やるか!フラン!』
フラン「ん!行こう師匠!」
師匠『おう!』
フランと師匠は飛ぶ。フランは口に師匠を咥えたまま両腕の翼をはためかせ、背中に地球のエネルギーを集めた光の玉を形成して、ジェットのように噴射した。
フランと師匠の目指す巨人は、サイタマを踏み付けた後に拳のラッシュを食らわせていた。そして、トドメとばかりに右ストレートで地面を陥没させ、底無しの穴を大地に開けた。D市を瞬く間に壊滅させたのだ。
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マルゴリ『俺は、最強だ!』
マルゴリ。彼は世界一強い男になるのが夢だった。最強になる為に日々トレーニングを重ねて行く。しかし、マルゴリはある日、天才科学者である兄フケガオの生産した究極のステロイド『上腕二頭キング』を飲んだ事で、山のように大きな巨人へと姿を変えた。そして、兄のフケガオの指示の元に動き出し、D市を歩いたり、腕を振るっただけで壊滅的な被害をもたらした。その力に酔いしれて破壊を繰り返したが、ある乱入者が現れた事でマルゴリは全てを失う。
マルゴリは右肩に乗るフケガオの命令で、肩に乗るサイタマを殺そうとした。しかし、間違えてフケガオを殺害した事を強く嘆き、自らの肩に乗るサイタマへその怒りをぶつける。サイタマを地面へ叩き付け、足で踏み潰した後に拳の連撃。そしてトドメに右ストレートを食らわせ、D市を更地にする程の一撃を与えた。
マルゴリは息を切らしながら、自分が最強である事に誇りを抱く。しかしそれは、少しの間。
左手の掌の中で潰れて死んだ兄の亡骸を見て、嘆き悲しむ。
マルゴリ『だから何なんだ?虚しい…………』
サイタマ「だよな」
すると、マルゴリは自らの左頬へ跳んでくるサイタマの姿を見た。更に、マルゴリはサイタマに頬を殴られて絶命。サイタマの一撃でも肉体は吹き飛ばなかったが、それでもマルゴリは絶命した。
しかし、倒れた先にはB市がある。このままではB市が押し潰されて壊滅してしまうだろう。
その時だった。
フラン&師匠「『『ジュランパイア』』!!」
フランは両手で師匠を持ち、背中のジェット噴射を強くして加速。そして、師匠をマルゴリの背中に突き刺し、師匠の刀身を無数の木の根に変えて、マルゴリの体内中に張り巡らせる。そして、木の根からマルゴリの血液を全て吸収していき、マルゴリの肉体を干からびさせていく。
マルゴリの落下速度が弱まる。血液を抜かれて体が細くなっていき、元の筋肉質な体は徐々に細くなり始めた。
もしマルゴリが生きていればフランと師匠は攻撃されていたが、マルゴリはサイタマに倒されて絶命している。今なら能力を得られる。
そして、マルゴリは血液を全て吸い取られ、B市に落ちる前にハゲたマントの男と、噂の黒猫剣士によって何処かへ持ち去られた。B市の人々は、巨人を持ち去る二人の男女の姿を見て、彼等をヒーローと思っていた。しかし、ヒーロー協会に感謝を送ったが、その二人について心当たりが無い協会であった。
しかし、彼等が注目対象となったのは、別の話である。
師匠『マルゴリか。なんか、可哀想な奴だったな』
フラン「でも巨人パワーゲット!」
師匠『以前よりパワーが増した気がするぜ!』
そして、師匠とフランは並の怪人より強い力を得た為、マルゴリにラルゲユウスを逃した腹いせをぶつけられた為、正に一石二鳥である。
今回は短いです。
《オリジナル怪人》
名前:ラルゲユウス
災害レベル:鬼
シン・ウルトラマンのラルゲユウスそのもの。今回も原作やシンと同様、取り逃がしてしまった。マルゴリが居なければ、確実に倒せた怪人である。
《オリジナル技図鑑》
『ペギラブレス』
使用者:師匠
ペギラの冷凍ガスを放つ。全てを凍らせる冷凍ガスは瞬く間に対象を凍らせて、その場の環境を大雪やブリザードが荒れ狂う環境に変える。一点集中で放てば対象を氷漬けにするだけに留める。
『ジュランパイア』
使用者:フラン&師匠
刀身で突き刺した相手の体内に数多くの根っこを張り巡らせて、根っこから血液を吸い取る。吸い取る速さは根っこの数に比例しており、体が大きければ大きい程吸い取る為の根っこが増える。