S級ヒーロー:黒猫剣士   作:ちいさな魔女

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因みにメタルナイトから請求された地中貫通型爆弾の費用は、怪特対ではなくヒーロー協会の幹部達に回されましたw


援軍と交戦

ガボラは地底を進み続けた。とうとう放射性廃棄物処理場まで後100メートル。もう未曾有の危機が迫り始めた。このままでは放射性廃棄物処理場は破壊され、放射性物質を食べられてしまう。それだけでなく、ガボラの体内にある未知の物質と反応すれば何が起きるのか想像も付かない。

 

しかし此処で、更に怪特対の頭を悩ませる事案が発生した。

 

???「ゴアアアアアッ!!」

 

???「キイイイィィッ!!」

 

地面を掘り起こして、二足歩行の全身に岩石を彷彿とさせるディティールが見られる硬質的な外観で、中でも顔の外側から喉元を覆う鎧の様な皮膚を持つ怪獣が姿を現した。また、空からも皮膜を広げた翼竜のような赤い体色の怪獣が飛んで来た。

 

『災害レベル鬼:ゴルザ』

 

『災害レベル鬼:メルバ』

 

それをドローン越しに見ていた怪特対が騒ぎ出す。

 

タムラ『新たな怪獣だと!?こんな時に!』

 

フナベリ『2匹はガボラと対峙するつもりかと!もしどちらかが光線を撃ち出せば、ガボラの体内の物質と反応して何が起きるのか………最悪核爆発の可能性も!』

 

タキ『有り得ます!2体の怪獣のエネルギーを分析しましたが、どうやら2体とも光線は放てるようです!何時でも撃ってくる可能性があります!』

 

そして、ガボラは地面から飛び出し、ゴルザに向かって進み始めた。ドリル状の(エラ)でゴルザを貫こうとするが、ゴルザは両手でドリルを掴んで止めた。しかし、掴んだ手から火花が発生し、ゴルザはガボラに後ろへ押され始める。

 

メルバは両腕の大爪をガボラに振り下ろす。ガボラは避けず、その場にドリル状に回転する鰓を叩き付けた。土煙が舞い上がり、ゴルザが隙を突いてガボラに蹴りを放つ。

 

タキ『どうやら、あの2体の狙いはガボラのようですね』

 

フナベリ『ガボラが危険と判断したのかしら?』

 

そして、ガボラのドリルを脇で挟んだゴルザによって上空へ投げ飛ばされ、メルバの体当たりによって吹き飛ばされてしまう。

 

そして、作戦本部でも動きがあった。

 

カミナガ「班長。タツマキより連絡あり。もう現場上空へ到着したとの事。フランも後1分で到着するそうです」

 

タムラ「よし!現場を封鎖する!A級ヒーロー達に招集を掛け、ガボラの居る半径20km以内を立ち入り禁止区域とし、市民が入らないようにするんだ!」

 

怪特対『『『了解!』』』

 

ヒーロー協会のスタッフ達が動き出す。

 

アサミ「さあ、気合い入れて行くわよ!」

 

アサミが自身の尻を両手で叩く。アサミは気合いを入れる時に尻を叩く癖があり、相手に気合いを入れる為に相手の尻を叩く事もする。

 

カミナガ「アサミ君。改めて言うが、バディとして宜しく頼むぞ」

 

アサミ「ええっ。期待してるわ!」

 

そして、カミナガとアサミは作戦本部を抜けて、放射能対策の防護服を身に着けた後に現場の封鎖作業に向かった。

 

封鎖作業の途中で、師匠に乗るフランが上空を通る。彼女の周りに紫色の光球が7つも浮いており、一つ一つから数cm程度の短い光線が放たれており、その推進力を利用してフランと師匠は加速していた。更に師匠も、周りに影響を与えない程度に柄から光線を放って加速していた。街の上を通り過ぎた。その際に、下に居る怪特対メンバーや先に駆け付けたA級ヒーロー達に手を振るフラン。

 

その時、タムラがスピーカーから声を出す。

 

タムラ『タツマキ君が既に現場に到着している!!彼女を援護してくれ!!』

 

フランがタムラの言葉に、フランは首を縦に振った後に自衛隊にも負けない敬礼を行った。

 

師匠『飛ばすぜフラン!!』

 

フラン「レッツゴー!!」

 

師匠は光パワーの光球から放つ光線の出力を増幅させ、より速く加速させ、現場へ急ぐのだった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

タツマキ「はぁ………放射性物質なんて面倒なモン持ってる奴とまた会うなんて思わなかったわ」

 

怪特対とA級ヒーロー達が現場を封鎖する1分前、タツマキは現場に到着した。

 

ガボラがゴルザとメルバの2体とプロレスのように闘っている現場に到着し、怪獣同士の争いを見守っていた。

 

その時、ガボラがドリル状の2本の尻尾を大地に突き刺し、頭を包むドリル状の鰓を開いて頭を露わにした。まるで花が開くのを早送りしたかのように開いて現れた頭に、タツマキは驚く。

 

タツマキ「っ!あのパゴスって奴と同じ頭!なら、あの『激ヤバ光線』とやらを撃とうって訳ね!」

 

タツマキは手を翳す。すると、ガボラの開いた口が突然閉じた。更に体の動きも封じられて身動きが取れなくなる。

 

しかし、ゴルザとメルバも動き出す。2体はガボラを討伐しに動いていたが、タツマキが危険と判断し、襲い掛かってきたのだ。

 

タツマキは2体に意識を向ける。しかし、タツマキがいくら最強の超能力の使い手と言えど、二つ以上の行動をする程の力は無い。ガボラは倒せない怪獣ではない上に、軽めの念動力ですら押さえ付けられる。しかし、ゴルザとメルバのように力のある怪獣2体が相手となり、そしてタツマキの意識外から攻撃を仕掛けて来ると話は違ってくる。況してやガボラは放射性物質を蒔き散らす。他の怪人と違って倒しても後始末が難しい怪獣だ。

 

オマケに、3体とタツマキが闘っているのは放射性廃棄物処理場の前だ。下手にタツマキが力を行使したり、怪獣側が光線を放てば放射性廃棄物処理場の核廃棄物が爆発し、放射能汚染が空から風に乗って広がる。タツマキは超能力で身を護れるが、意識外に撒き散らされた放射能汚染まで対処するのは難しいのだ。それこそ、脳が2つも無ければ出来ない動き。

 

当然タツマキは念には念を入れて、自身の肉体を超能力のバリアで守っている。しかしバリアに回せば念動力に力が入りにくくなり、その逆も然り。

 

ゴルザとメルバの2体にも念動力を仕掛けるタツマキ。しかし、それでガボラへの注意が逸れた。ガボラはその隙を逃さず、唯一動く頭を動かして口を開き、パゴスと同じ激ヤバ光線をタツマキに向けて発射した。

 

タツマキ「ちぃ!」

 

ゴルザとメルバを足止めしつつ、タツマキは激ヤバ光線を止める。タツマキの目の前で光線が止まり、周囲に光線が撒き散らされる。

 

その時、ゴルザが額にエネルギーを集めて、必殺技の超音波光線を放った。メルバも目から赤い光弾を放ち続けてタツマキを攻撃する。

 

タツマキ「っ!!私とした事が、この程度の連中に油断するなんて………!!」

 

タツマキは、怪獣達の動きを止めながら光線も押さえ、更には光線や放射能対策として自身のバリアの強さも上げた。

 

しかし、ガボラの放った光線から放たれた放射性物質が周囲に拡散する。タツマキは即座に放射性物質を一箇所に集め始めた。しかし、そうしてしまえば怪獣達や光線、光弾がタツマキにゆっくりと迫ってくる。かと言って放射性物質を集めなければ周囲に拡散してしまう。

 

タツマキ「良いわ!だったらもっと力を引き出すまでよ!アンタ等に殺られる私じゃないわ!!」

 

タツマキは更に出力を上げた。再び怪獣達は動きを封じられて、光線や光弾も押し返されていき、軈て放射性物質も一箇所に集まって結晶化し始める。

 

しかし、ガボラは更に光線の出力を上げた。ゴルザやメルバにも動きが見られた。

 

突如、2体が地面から飛び出した黒い霧に包まれて、軈て内部から骨と肉が潰れる音が響き渡り、口を開けながら肉を咀嚼したような音が響く。

 

軈て霧が晴れて、その怪物は姿を現した。それは、先程のゴルザとメルバが合体したかのような怪獣であった。目も赤く染まり、全身から闇の力を解き放つ。

 

『災害レベル竜:ゴルバー』

 

ゴルバー『ギイャアアァァァァァァァッ!!!』

 

ゴルバーが目を赤く輝かせ、タツマキに迫る。

 

タツマキは念動力で動きを止めようとした。しかし、タツマキは驚いた。ゴルバーがいくら強くなったと言えど、タツマキにとって止められない相手ではない。しかし、ゴルバーは全身から闇のオーラを放ち、タツマキによって動きを鈍くされても動き続けた。

 

タツマキ(何よ!?この力、普通じゃない!!あの2体が合体しただけの力じゃない!!)

 

しかし、タツマキはガボラからの激ヤバ光線にも集中する。しかし、ゴルバーの接近も許さない。

 

タツマキは更に力を上げようとした。しかし、その反動で片目から血の涙を流し出した、その時だった。

 

フラン「師匠!私が放射性物質全部吸い込む!」

 

師匠『おう!俺が周りの放射性物質全部掻き集めてやるよ!』

 

上空から現れたフランがタツマキと激ヤバ光線の前に現れ、口を大きく開けた後にガボラの激ヤバ光線を吸い込み始めた。フランを乗せる師匠は、周囲に拡散した放射性物質のみを念動力で集めていき、フランに吸収させる。『雑食』の能力とパゴスの能力により、放射性物質さえもフランは美味しく食べる事が出来る。吸い込みでも充分に味わえる為、フランは喜んで飲み込み続ける。

 

タツマキ「アンタ達!何しに来たのよ!?」

 

師匠『俺達も応援に来たんだ!お前はそのゴッツい怪獣を頼む!激ヤバ光線を放つガボラは俺達に任せろ!』

 

タツマキ「ふん!言われなくても私なら余裕よ!ホント馬鹿ね!」

 

こうしてタツマキはゴルバーの相手に集中出来るようになり、ゴルバーはタツマキに向かって走り出した。余裕が出来たタツマキはゴルバーに向かって飛んだ。

 

そして、フランは放射性物質を飲み込み続けながらガボラに高速で迫り、師匠もガボラの蒔き散らす放射性物質をフランへ集中させるのだった。

 

そして、フランと師匠、そしてタツマキの活躍により、ガボラは駆除。ガボラはフランと師匠によって宇宙へ運ばれて、師匠が能力を得た直後に被害が及ばないよう肉体は消滅された。

 

タツマキはバラバラにしたゴルバーの死体を見て、一つの疑問を浮かぶ。

 

タツマキ(此奴等………急に合体したかと思えばほんの少しだけど私の超能力に抵抗出来たわね。さっき黒い霧みたいな物が見えたけど………誰かが何かしたのね?)

 

タツマキはそんな疑問を浮かばせながら、飛んでその場を去るのだった。

 

タツマキ「あー……少し疲れたわ。まっ、楽勝だったけど」

 

タツマキはそう呟くが、フランと師匠が入れ替わる形で空から降りてきた。すれ違う時に、3人は会話をした。

 

フラン「お疲れ」

 

師匠『お疲れ様』

 

タツマキ「まっ、中々やるじゃない。でもヒーローならもっと速く来なさい」

 

フラン「はーい」

 

そして、フランと師匠はゴルバーの遺体を持ち上げ、人気のない場所へ運び出すのだった。




《オリジナル能力》
『雑食』
使用者:フラン&師匠
読んで字のごとく、どんな物も美味しく食べる事が出来る。他の食事怪人の能力と組み合わせる事で、無機物や放射性物質さえも美味しく食べる事が出来る。能力を併用すれば、本人の口や体より大きくても問題なく食べる事が出来る。食べ方は使用者の自由で、吸い込みや丸呑みでも問題無し。

《オリジナル怪人》
名前:メルバ
元ネタ:ウルトラマンティガ
災害レベル:鬼
概要
超古代怪獣の一体でガタノゾーアの尖兵。肩口から伸びる突起から巨大な飛膜を広げ、マッハ6の猛スピードで飛行する。目から光弾が出せる。

名前:ゴルザ
元ネタ:ウルトラマンティガ
災害レベル:鬼
概要
メルバと同じく超古代怪獣の一体でガタノゾーアの尖兵。額にエネルギーを集めて、紫の光線を放つ。

名前:ゴルバー
元ネタ:ウルトラマントリガー
災害レベル:竜
ゴルザとメルバが、眠りに付く邪神より力を送られて合体した姿。メルバの目から放つメルバニックレイや、口から放つ黄色い超音波光線が戦力。翼を展開して高速で飛行する事も可能で、おまけに知能も高い。更に邪神の闇の力によって体を覆われ、タツマキの念動力にも抵抗可能となった。

おいおい、ダークマターや隕石、怪人協会編とか始まってないのになんだこの激闘!?

次回、隕石編。
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