S級ヒーロー:黒猫剣士   作:ちいさな魔女

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母と姉

ガボラの異変から暫くたったある日の午前8時。フランは師匠と共にZ市のスーパーへ買い物に来ていた。

 

その間に、フランと師匠は話をしていた。それは、ヒーローランキングが上がった事に付いてだ。師匠が空中に浮かせたスマホからネットを介して、ヒーロー協会のホームページから見れるヒーローランキングを見ていたのだ。

 

師匠『フラン。お前のランキングが上がってるぞ。B級最下位の76位から32位だ。サイタマは75位から46位に上がったぞ』

 

フラン「おおっ!ランキング上がったー!」

 

フランは目を輝かせる。ランキングが上がって嬉しいのだ。

 

師匠『サイタマは街で暴れた忍者を捕まえて上がったし、フランは怪獣や怪人を色んなヒーローの目の前で倒してたからな。オマケに周りを見てみな』

 

フランが周りを見る。人々は買い物をしているのが大半だが、その中にはフランを見てヒーローに会えて喜ぶ子供のような目をした人々も居る。

 

師匠『周りの皆が見てるんだ。お前の活躍を。その活躍を皆が協会に報告してくれたからな。でも次は自分で報告を入れないとな』

 

フラン「ん。分かった」

 

そして、フランと師匠は買い物を終えた。ヒーローとなったお陰で給料が入り、貯金も貯まっている。それなりに生活が上手く行くようになってきた。

 

レジのおばさん「フランちゃん。最近頑張ってるみたいね。ほら、サービスだよ」

 

フラン「おおっ!ありがとう!」

 

フランはレジのおばさんからケーキを貰う。更に途中で寄った肉屋でも、おじちゃんからコロッケをサービスされる。

 

肉屋のおじちゃん「おおフランちゃん。俺みたいな店に何時も来てくれてありがとう!ほら、持って行きな!サービスだよ!」

 

フラン「ありがとう!」

 

街の人達も何名かが、フランに手を振って挨拶をする。漸く落ち着いて来た所でフランはフェンス前に着くと、突然後ろから車の止まる音がした。フランが後ろを振り返った、その時だった。

 

フブキ「フランちゃあああああああん!!ママが来たわよおおおおぉぉぉっ!!」

 

フブキがフランに向けてダイブ。

 

フラン「えっ?急になにっわむっ!?」

 

フブキに抱き着かれたフラン。頭を胸に埋めるフラン。買い物袋も地面へ落ちそうになるが、師匠が超能力で浮かせたお陰でぶち撒けられずに済んだ。

 

フラン「フブキ!やめへっ!!」

 

フブキ「大丈夫よ!ママが来たからには安心して良いわよー!」

 

フラン「ママじゃない!寧ろ不安!」

 

フブキ「そんなー!?」

 

フブキ、ガチでショックを受けている。その場でへたり込む。

 

マツゲ&山猿&リリー「「「フブキ様ァ!!?」」」

 

車から降りてきたリリー達がフブキに駆け寄る。

 

フラン「フブキはママじゃない。あまりしつこくしないなら友達になろう?」

 

フブキ「うぅ………いや、諦めないわ!フランちゃん!」

 

師匠『お前、前までフランと呼び捨てにしてたのに、少し気持ち悪いぞ』

 

フブキ「がふっ………」

 

師匠にトドメを刺され、その場で更に落ち込むフブキ。

 

フラン(なんか、アマンダにすらなれない人だね)

 

師匠(此奴がアマンダポジになるとは思えないな)

 

フラン(でも流石に可哀想だし、条件付きで話しても良いかな。暫く何処かに所属するのも良いかもしれない)

 

師匠(本当に良いのか?)

 

フラン(大丈夫。フブキはしつこいけど、悪い人じゃない)

 

そして、フランは落ち込むフブキに話し掛けた。しゃがんで視線を合わせるフラン。

 

フラン「フブキ。フブキ組に入っても良いよ」

 

フブキ「本当!?」

 

フブキが顔を上げる。フランが立ち上がると同時に、フブキも立ち上がる。

 

フラン「でも、条件がある」

 

フブキ「条件?」

 

フブキ「今度からしつこくしない事、他のヒーロー達に迷惑掛けない事、二度とママと名乗らない事。そして、今まで迷惑掛けてきたヒーロー全員に謝罪しに行く事。それを守れるんだったら、フブキ組に入っても良い」

 

フランから渡された条件。それは、フブキにとって今までの活動全てを否定されるような条件だ。

 

とはいえ、フランと師匠がフブキ組に加わってくれるのはありがたい。そう考えるならば、この条件も悪くない。

 

フブキ「……分かったわ。貴方達を私の娘として、フブキ組の一員として迎えられるなら、安い物だわ!でも、流石に口約束だけでは駄目よ。この書類の、此処へ名前を記して頂戴。師匠だったかしら?貴方の名前は良いわ」

 

フブキは立ち上がった後に、懐から一枚の書類を出した。フランは懐からペンを取り出すと、フブキに指定された箇所へ名前を記した。

 

フブキ「後は、貴女に言われた通り、今まで迷惑掛けてきたヒーロー達に謝ってくるわ。条件も、全部守る」

 

師匠『信用してるぞ。もし破ったなら、俺はお前等を許さない』

 

師匠がフブキ達を睨む。

 

タツマキ「何よヤケに物騒ね」

 

声のした方向を見た。其処にはスリットスカートの先端を全て地面に付けたタツマキが、フブキ組の背後に立っていた。

 

フラン「タツマキ」

 

フブキ「っ!?おおお、お姉ちゃん!?何で此処に!?はっ!!」

 

フブキはフランを再び抱き締める。

 

フブキ「駄目よお姉ちゃん!!フランも師匠も既にフブキ組に加わる予定なのよ!!そして私が、フランのお姉ちゃんになるのよ!!」

 

フラン&師匠『「いや、その理屈はおかしい」』

 

タツマキ「いやソイツ等がアンタの組に加わろうとソイツ等の勝手だし、ソイツを妹にするのもフブキの勝手だけど、今はそんな事で此処へ来たんじゃないのよ」

 

そして、タツマキは此処へ来た目的を話す。

 

タツマキ「私は此処へ招集されたのよ。他のS級ヒーローも全員集まってる筈よ」

 

フブキ「S級ヒーロー達が!?」

 

フブキ組は、S級ヒーロー達が集められる事に驚いた。1人や2人なら兎も角、全員が集まるなんてあまりにも急な事態なのだろう。

 

リリー「S級ヒーローが集められるなんて………それ程の一大事なんですか?」

 

タツマキ「ええっ。まだ詳細は聞かされてないけど」

 

すると、フランがタツマキの手を握る。

 

フラン「私達も来て良い?」

 

タツマキ「ん?いや、S級だけが来るよう言われてるんだけど?」

 

フラン「大丈夫。それに私も、強い友人呼ぶから」

 

タツマキ「………まあ良いわ。精々足を引っ張るんじゃないわよ」

 

そして、タツマキはフブキ達に告げる。

 

タツマキ「フブキ。2人を入れるなら迷惑掛けた奴等に謝罪しなさい。オイタは程々にしなさいよ」

 

そして、タツマキは再び飛んで行った。フランは師匠が浮かせた買い物袋を持つと、フブキの元を向いて言った。

 

フラン「じゃあねフブキ。また後でね」

 

そして、フランは両手に羽を生やし、羽ばたいて空を飛んだ。

 

フブキ「………そうね。姉として、フランを迎えないと駄目ね」

 

フブキはその様子を見た後、リリー達を向いて言った。

 

フブキ「先ずは……今まで迷惑掛けてきたヒーロー達に謝罪しないと。勿論、貴方達にも」

 

フブキは3人に頭を下げた。

 

しかし、3人は慌ててフブキに顔を上げるよう促す。

 

マツゲ「あ、頭をお上げくださいフブキ様!!我々はフブキ組に入り、フブキ様のお力になれる事を誇りに思っております!」

 

山猿「お、俺も同じです!」

 

リリー「私もです!!弱かった私に声を掛けくださった事、ありがたく思っています!こうしてヒーローとして活躍出来るのもフブキ様のお陰です!」

 

それを言われたフブキは頭を上げた。改めて、部下から厚い信頼を得ている事を理解し、思わず笑みを浮かべる。3人のフブキに対する忠誠は厚い。特にリリーはフブキの隣に居るだけで恍惚とする程だ。実を言えば、フブキに娘又は妹呼ばわりされたフランに対し、ハンカチを口に咥えて噛みちぎらんとする程に嫉妬する程だ。

 

フブキ「………皆、ありがとう!じゃあ、行きましょう」

 

マツゲ&山猿&リリー「「「はい!!フブキ様!!」」」

 

フブキは歩き出す。その顔は、何処か憑き物が落ちたような感じだった。

 

フブキ(見てなさいお姉ちゃん!!私は私のやり方で、お姉ちゃんを超えて見せるんだから!!)

 

フブキが元から抱く思想は変わらないが、もうフブキが他のヒーロー達に迷惑を掛ける事は無いだろう。そしてそれは、フブキ組に属する者達も同じだ。

 

この世界に住まうヒーロー達は、所々変わっていく。それが成長に繋がるか、それとも退く事に繋がるのか、それは彼等次第だ。

 

――――――――――――――――――――――――

 

その頃サイタマは、部屋で漫画を読んでいた。隣ではジェノスが皿を洗っている。サイタマは現在、ヒーロースーツを着用している。

 

すると、サイタマのスマホが鳴り始めた。サイタマはスマホを手に取り、通話に出る。同じ頃にジェノスもスマホの通話に出ていた。

 

サイタマ「もしもし?」

 

フラン『サイタマ。今からZ市のヒーロー協会支部に来れる?』

 

サイタマ「なんだ?暇だから良いけど」

 

フラン『じゃあ今から私と師匠も行くから。支部で会おう。今タツマキや師匠と向かってるから、後でね』

 

サイタマ「ん?おう。分かった」

 

そして、サイタマは通話を切る。

 

サイタマ「悪いジェノス。俺、今からフランに会いに、Z市の協会支部へ行ってくるよ」

 

ジェノス「あっ、先生。少々お待ちを。今、クセーノ博士から頂いた新たなパーツを持って行きます。俺も協会から招集を受けたので」

 

サイタマ「そっか。じゃあ待つよ」

 

ジェノス「ありがとうございます!先生!」

 

こうして、サイタマとジェノスも赴く事に。そして彼等は、Z市に襲い来る嘗てない災害に出会う事になるのだった。




もう原作からはかけ離れてるけど、まあ良いや♥かなり楽しくなってきたかも。
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