フランと師匠は、Z市ヒーロー協会支部の屋上に来ていた。隕石の破壊とは別にフランが頼まれたのは、隕石の破壊によって降り注ぐかもしれない破片や放射能の対処だ。勿論隕石を止められなかった際の、究極の保険でもある。
Z市から見える海の奥から見えるのは、一時間前に打ち上がったスペースシャトルだ。彼処にはタツマキやサイタマも乗っている。魔法を使える魔女2人や最強の超能力者であるタツマキを乗せたのは、破片や放射能、爆発等の二次被害に対処する為だ。フランはあくまで保険なのである。
フラン「師匠。サイタマ達なら、やれるね」
師匠『勿論だ。彼奴等なら何とかしてくれる』
フラン「私も行きたかったなぁ」
師匠『まあ今回はサイタマ達に任せよう。俺達は俺達のやれる事をやろう』
フラン「ん」
すると、フランの元へ一人の男が現れた。
バング「よお。此処に居るって聞いたんで、やって来たぜ」
シルバーファングことバングだ。彼も屋上にやって来たが、目的はフラン達に会う事だ。
フラン「おじいちゃん。どうしたの?」
バング「お主に会いに来たんじゃ。怪人でありながらヒーロー活動を行う怪人ヒーロー。ライカちゃんやフラットルテちゃんが先駆けとなり、協会にも怪人ながら人々の為に活躍する怪人ヒーローが現れ始めてのう。それで、お主の事も是非知りたいと思ってな」
バングはフランを見る。今まで見てきた怪人ヒーローの中でも、フランは断トツで強い。バングはそんな強い相手を見ると、いつもの癖である事をしてしまう。
バング「お主、流水岩砕拳って知ってるか?」
フラン「知らない」
バング「そうか………武術の一種でな。お主は強いから、武術を習ってみたいか誘ってみたんじゃ」
フラン「要らない。私は独自の武術を作ってる」
そう言うと、フランはその場で四つん這いになった。そして、獣のように四足移動を行い、四足状態でパンチやキックを繰り出し、ダンスのようなキレッキレな動きを見せる。
バング「ほう。中々やるのう。ワシ等みたいに人間用の武術では対処が難しそうじゃのう。じゃが、その武術に名前はあるか?」
フラン「技は未完成。名前も決めてない」
バング「ふむ…………ではワシが考えて上げよう。そうじゃなあ………番犬マンのように四足戦闘スタイルで獣のように闘う事から…………『
フランはその場で座って考える。
フラン「四足獣拳法………ん!それが良い!」
こんな時にこの様な会話が出来るのは、フランがサイタマ達を信じているからだ。彼等なら隕石を破壊し、さらなる二次被害も防いでくれると。
バング「こんな状況でもその会話が出来るなら、ロケットに乗った彼等を信じても良いかもしれん」
師匠(サイタマ……タツマキ……イレイナ……頼んだぜ)
師匠もサイタマ達を信じている。地上の安全はフラン達が守り、宇宙から迫る危険はサイタマ達に任せる。
バングもまた、フランと同じくロケットに乗った者達ならなんとかしてくれると直感した。その時、フランに見込みがあると判断したバングは、とあるチラシをフランに見せる。
バング「なら、此れに出てみないか?」
フラン「ん?」
バング「格闘大会『スーパーファイト』じゃよ。この大会に出てみたらどうじゃ?」
フラン「おー!出たい!」
バング「ワシからも推薦するぞ。フランちゃんなら優勝も出来るじゃろう」
師匠(スーパーファイトか。四足獣拳法を試す良い機会かもな)
フラン(私、絶対優勝する!)
フランと師匠は念話でそう会話した。
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宇宙へ飛んだシャトル内。その中には、宇宙服に身を包んだサイタマ、ジェノス、タツマキ、ミリム、アズサ、イレイナ、童帝、アトミック侍、メタルナイトの9名のメンバーが無重力の中で浮いており、シャトルの窓から宇宙を見つめていた。
因みにメタルナイトは直接本人は乗っておらず、偵察用ロボットを代わりに乗せている。
サイタマ「スゲェな。まさかこんな事で宇宙に行けるなんてな」
ジェノス「ええっ。俺もです」
イレイナ「宇宙の星々が輝いてますね。あっ、月があんなに大きい!」
タツマキ「アンタ達ねぇ……遊びに来た訳じゃないのよ」
サイタマ「わーってるよ。隕石が見えて来たな」
サイタマの言う通り、窓の外に地球へ迫る巨大隕石の姿があった。
タツマキ「隕石位私が押し返してやるわ!」
タツマキは全身から緑色のエネルギーを放出し、両手を翳して念動力を繰り出した。
すると、隕石全体が緑色のエネルギーに包まれる。地球へ迫る速度が遅くなり始めた。
ミリム「でかしたのだ!このまま破壊しに行くのだ!」
アズサ「待ってミリム!」
ミリムがヘルメットを被って宇宙空間でも活動出来るように着替えると、シャトルの扉を開けて外へ出た。アズサもヘルメットを身に着けた後に浮遊魔法を発動して、宇宙空間へ飛び出した。
二人はタツマキが隕石を足止めしている間に、隕石へ近付いて行く。圧倒的破壊力を持つ遠距離の一撃を放つ。ミリムは魔力を凝縮して水色の光を両手に纏い、アズサは両手を前に翳して恒星のような火球を生み出した。
ミリム「先ずは私から!!『
ミリムが集束した光線を放ち、隕石へ直撃させる。当たった光線が隕石に当たる。
光線が次々と放たれていき、隕石の表面に当たって大爆発を起こす。爆発の連鎖が次々と起きて、隕石が爆炎に包み込まれて行く。宇宙空間で爆発は起きない筈だが、そんな法則すら無視する大爆発により、隕石は包み込まれて行く。
アズサ「よし、私からも!!」
アズサは掌から放つ恒星を、爆炎に包まれた隕石に向かって放つ。
アズサ「『プロミネンス・ノヴァ』!!」
アズサは恒星を隕石に向けて放ち、当てた瞬間に両手を閉じる。
アズサ「砕け散れ!!」
アズサが両手を握り締めた瞬間、隕石を包み込まんとする大爆発が発生。瞬く間に隕石は炎に包まれていく。
シャトル内でも、2人のS級が見せる魔法の力を全員が見つめる。
イレイナ「凄いですね………私の出番無さそうです」
アトミック侍「けっ。彼奴等横取りしやがって。俺にも手柄を立てさせろよな」
ジェノス「此れが魔法………お伽噺とばかり思ってましたが………」
サイタマ「ああっ。あの二人スゲーな」
童帝「でも油断は出来ないよ。まだ隕石を破壊出来た訳じゃ………えっ!?」
童帝はタブレットを見て驚愕する。
メタルナイト『童帝!!』
童帝「分かってます!!」
しかし、二人が報告するよりも早くタツマキが情報を伝えた。額から血を流し、鼻血や血の涙も大量に流しながら。
タツマキ「あの隕石……バリアが………ただのバリアじゃないわ………」
タツマキはその場に崩れ落ちる。そして、爆炎が吹き飛ばされていき、隕石がその姿を現そうとしていた。
タツマキ「………さっきの奴は一体…………」
タツマキは周りを探し始める。しかし、居ない事を確認したのか、すぐに隕石を止めようとする。しかし、超能力で干渉したタツマキは、更に口から吐血した。
アトミック侍「タツマキ!!」
ジェノス「ッ!!隕石から未知のエネルギー反応!!」
そして、爆炎が晴れた後に、隕石の全体像が現れた。先程までゴツゴツとした岩石で覆われていた隕石だったが、その正体は隕石ではなかった。
丸い形の巨大な円だ。球体だ。どの角度から見ても、完璧な球体と解る。そして、球体はすぐにサイタマ達の元を離れて地球に落下しようとした。
タツマキ「ゲホッ!!に、逃がすかぁ!!」
タツマキは逃すまいと、更に力を込める。隕石は再び動きが鈍り始めるが、タツマキの出血量も増え始めた。
その様子を、月から立ち上がる形で、謎の人型の存在が見ているのだった。
《ヒーロー紹介》
名前/ヒーローネーム:アズサ/高原の魔女
元ネタ:スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました
階級:S級
概要
この世界へメガーメガ神の手により、アズサとして転生した者。300年間高原の家で暮らしつつ災害レベル狼の怪人達やスライムを倒していき、原作通りライカやシャルシャにファルファ、ハルカラにベルゼブブ、ロザリーにフラットルテ、サンドラにと出会い、共に暮らしている。魔界を統治する魔王ペコラからはお姉様と呼ばれている。また、ある事件を切っ掛けにメガーメガ神をその身に宿し、神レベルの力を得ている。
能力
アズサと同じ身体能力を持ち、拳や魔法を扱うが、能力がかなり異なっている。
『不老不死』:老いる事は無く、寿命では死ななくなる。但し他殺による死は例外。
『魔法創造』:魔法を創る事が出来る。創作魔法すらも唱える事が可能。
『錬金術』:物質を錬成して様々な物を創る。錬金術は主に薬を創る事に特化している。
『無限進化』:アギトの如く、トレーニングしたり実戦を積む事で限りなく強くなり続ける。但し何もしなければ強くならない。ある事件により、メガーメガ神を肉体に宿す事で獲得した。もしメガーメガ神が肉体から離れたり消えたりしても、この力が消える事は無い。
『女神の権能』:メガーメガ神から与えられた切り札。彼女曰く、“神”に対する切り札らしい………。