S級ヒーロー:黒猫剣士   作:ちいさな魔女

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料理と刺身

『グオオオオ………』

 

怪獣が倒れる。地底怪獣のツインテールだ。この間フランが倒した個体とは別個体だ。地上に現れ、餌を求めて暴れ回っていた。

 

しかし、フランと師匠の活躍によって再び駆除。また美味しいお肉を確保出来た2人は、フブキ組と合流する場所に向かう為に空を飛び始めた。ツインテールの死体を浮かせながら、念動力で空を飛ぶ2人であった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

フブキ組全員が全員集う、とある広場。フブキを筆頭に、マツゲ、山猿、リリーを含めた全メンバーが集まった。

 

フブキ「フランから此処に集まってと言われて来てみたけど、まだ来てないのかしら?」

 

リリー「確か、ご馳走を振る舞いたいと言っていましたね」

 

フブキ「それは楽しみだけど、まだフランとあの剣が到着して………あら?あれは………」

 

フブキが上空を見上げる。フブキ組全員も上を見上げる。すると、其処にはツインテールの遺体を浮かせながら、空から舞い降りるフランと師匠の姿があった。

 

フランは広場に降りて、師匠がツインテールの死体をその場にゆっくりと降ろす。

 

フラン「お待たせ。此れから美味しいご飯を師匠と作る!」

 

師匠『ツインテールは突然変異とかじゃなくて、この地球独自の生き物と分かったからな。オマケにぷりっぷりのエビみたいに美味い。なら、生でも食べられるようしっかり調理すれば………お刺身にも出来る!』

 

フラン「此れから師匠と、ツインテールのお刺身作る!フブキ組に振る舞いたい!」

 

フブキ「そ、それは嬉しいのだけど………この怪獣を料理するの!?」

 

フブキが尋ねると、師匠が刀身を曲げて頷いた。

 

師匠『安心しろ!寄生虫対策もしっかりする!まあ見ててくれ。特等席も用意したから、其処で見学してほしい』

 

師匠にそう促され、フブキ組はいつの間にか用意された人数分の椅子に座り始める。

 

そんな最中に、フランはいつの間にかエプロンを身に着けており、師匠も柄に鉢巻きを身に着けている。

 

師匠『それでは………クッキングの時間です!!』

 

師匠が鞘から飛び出す。鞘はヒーロー協会に要請して用意して貰った物で、童帝が師匠をスムーズに引き抜けるよう左右に広がるタイプを造ってくれた。

 

フラン「おおー!」

 

師匠『先ずはツインテールの頭を落とし、全身の殻を削いで剥きます!頭は後で味噌汁の出汁に使おう!』

 

先ず初めに、師匠がツインテールの頭と首の根元に刀身を当てて、そのまま包丁の要領で押し引きをしながら斬る。その後に全身の殻をフランが剥ぎ取った。光パワーの刀身で殻と肉の間を焼きながら斬る。

 

師匠『ツインテールはエビに良く似てるから、調理法もエビと同じでも問題は無かった!だから、このまま行かせてもらう!背に切り込みを入れて開き、背わたを取り除きます!フラン君、背わたを取り除きたまえ!どれが背わたか教えるぞ』

 

フラン「はい!」

 

フブキ組『ほ、本格的だ!?』

 

師匠が背中に切り込みを入れて、フランは師匠が背わたと指摘した物を取り除いていく。

 

師匠『よし。大きさが大きさだから、多めの塩水と冷水で優しく洗い、終わったらキッチンペーパーで拭き取る!』

 

そして、フランは師匠が流した塩水と冷水で、ツインテールの身を優しく洗っていく。とはいえ大きさが桁違いなので、洗うのにかなり掛かった。

 

師匠『それでは、人が食べられるサイズにまで捌きます!』

 

師匠は刀身で巧みにツインテールの身を斬っていき、フランが切り込んだ大根を乗せた皿へ盛り付けていく。次いでに青じそを添えて、人数分の白米も用意。

 

更に、水でしっかり洗った上で捌いたツインテールの頭部を巨大な鍋に容れて、茹でて出汁を取っていく。

 

ツインテールの刺身。盛り付け方は様々だが、フグの刺し身のような盛り付け方から、一般的な刺し身の盛り付け方、更には旅館で見るような刺し身の盛り付け方にまで、千差万別に盛り付けていく。フランは盛り付け方を知ってる訳では無いが、美味しく見える盛り付け方を無意識の内にやっていた。

 

フブキ組は全員が舌鼓を打つ。フブキもツインテールの美味しそうな身を見て、思わず口から涎を垂らしそうになる。

 

アマイマスク「やあ君達。此処で何してるのかな?」

 

フブキ組全員が声のした方向を向くと、其処に居た人物を見て驚いた。フブキは青褪めている。

 

フブキ「っ!?あ、アマイマスク!?どうしてアンタが此処に居るのよ!?」

 

アマイマスク「今日はドラマや番組関係の仕事が無いオフの日だから、フラン君に会いに此処にやって来たんだ。だが、どうやら忙しそうだね」

 

フブキ「え、ええっ。私達にご馳走を作ってくれてるのよ。あの怪獣のお刺身作ってるのよ」

 

アマイマスク「うん。それは分かるよ。見た目も綺麗だが、美味しそうな匂いもする。実に美しい………」

 

アマイマスクも食欲を唆られる。

 

そして、フランと師匠のお刺身料理が完成した。

 

フラン「かーんせーい!!」

 

師匠『俺とフラン制作、ツインテールのお刺身スペシャルだ!』

 

人数分盛られた白米と、人数分の箸、人数分用意されたワサビや醤油、醤油用の小皿、そして様々な盛り付け方をされた刺身、そして味噌汁。シンプルながらも食欲唆る料理に、誰もが目を輝かせる。

 

師匠『それじゃあ、食べてみてくれ。勿論寄生虫対策はしてるからな』

 

フブキ「じゃあ先ずは、私から頂こうかしら」

 

フブキは箸を掴み、刺身を箸で一切れ摘んで取った後、醤油皿にワサビと醤油を添えて、刺身を漬ける。ワサビを刺身に乗せた後、箸で口に運んで食べる。

 

プチッ………ムニュッ………

 

咀嚼した途端、フブキは口の中にエビの旨味が広がっていくのを感じた。口の中で蕩けた後、脂と溶けた身の旨味が口いっぱいに広がり、噛めば噛む程に旨味が刺身から溢れ出て来る。

 

ゴクッ…………

 

飲み込んだ後も、喉の奥から伝わる旨味がフブキの脳を通じて全身に伝わる。フブキは恍惚な笑みを浮かべて頬を赤くしながら、たった一言だけの、しかし心が籠もった感想を述べる。

 

フブキ「ハァ………美味しい……」

 

フブキ組『オオオオッ!!』

 

アマイマスク「ほ、本当か!?なら、僕にも分けてくれ!お礼を望むなら後で払おう!」

 

アマイマスクがフランに近寄り、彼女の両手を両手で握る。

 

フラン「誰?」

 

アマイマスク「あ、ああっ。すまない。僕はアマイマスク。A級1位のヒーローだ。フブキ君が美味しそうに食べていたから、是非僕にも味わわせてほしい」

 

フラン「ん〜………どうせフブキ組以外にも誰か呼ぶ所だし、良いよ」

 

アマイマスク「ありがとう!お礼は必ずしよう!」

 

そして、フランと師匠の合作『ツインテールのお刺身』はフブキ組だけでなく、アマイマスクにも振る舞われた。

 

その味を堪能したアマイマスクは、フランにある提案を持ち掛ける。

 

アマイマスク「此れは美味い!君達は実に腕の立つ料理人だ!是非今度僕が出演するテレビ番組に出て欲しい!料理番組なんだが、僕は恥ずかしい事に料理が出来なくてね………是非出演してほしい!」

 

フラン「や。興味ない」

 

アマイマスク「そ、そうか………まあ、また気が変わったら教えてくれ。此れが僕の名刺だ」

 

アマイマスクはフランに名刺を渡す。彼の連絡先と名前が記された名刺を見た後、フランはアマイマスクの微笑む様子を見た。

 

しかし、フランも師匠も気付いていた。

 

アマイマスクの今見ている顔が、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

フブキ「フラン!早くしないと刺身が無くなっちゃうわよ」

 

フラン「わあー!刺身ー!!」

 

フランは走り出す。アマイマスクはフランの元へ歩き出し、ツインテールの刺身を堪能した。

 

その後、フラン達はツインテールの刺身を堪能し、刺身と味噌汁が無くなるまで食事会は続いたのだった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

???「成る程。あれがフランさんと意志を持つ剣ですか」

 

その様子を、1人の男性が見ていた。

 

???「いずれお会いしましょう。その時は、私の計画に協力するか静観するか、聞かせて頂きます」

 

そう告げた後、男は足元から粒子状に消えていった。




この小説では、普段は擬音はあまり使いませんが、刃牙シリーズの動画見て、食事シーンに少しだけ擬音を取り入れてみました。

次回、深海王編もとい、地球連合軍編
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