S級ヒーロー:黒猫剣士   作:ちいさな魔女

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地底人と溶解怪獣

フランはZ市のゴーストタウンにあるアパートに戻り、その一室に入って夕食にした。料理は主に師匠と一緒に作っており、味付けに関しては師匠が向いていた。

 

このアパートはサイタマに案内され、家賃を支払う必要が無い為に無料だ。その上怪人も偶に現れる為、力を得るには良い物件だ。因みにサイタマの部屋はフランと師匠の部屋の玄関から見て左から数えて3番目にある。

 

ベッドや家具に関しては買い揃えなくてはならない為、嘗て壊滅させた悪の組織から盗んだお金で家具や日用品を買い揃え、こうして今は普通の生活を送れている。

 

一日を終えたフランは布団に潜り、眠りに入る。師匠は布団を掛け直した後、フランの隣で浮遊したまま眠りに入った。

 

そして翌朝。フランと師匠は目を覚ます。剣になった師匠は人間の持つ朝の眠気や目やに等に悩まされる事は無いが、フランはそうではない。フランは洗面台で顔を洗った後、朝食にパンを5つ食べる。と、その時だった。

 

突如としてアスファルトが割れる音と衝撃が部屋を揺らす。フランは寝間着のままベランダに向かい、其処から下を覗いた。

 

師匠『どうした?』

 

フラン「師匠。あれ」

 

フランが指を差す場所。其処にはアスファルトを突き破って来た土偶のような怪人達だ。

 

地底王「地上は我等地底人が頂いた!地上人には死んでもらおう!」

 

フラン「師匠!」

 

師匠『おう!行く――』

 

地底王「我は地底王!地上人共、覚悟しろ―――」

 

その瞬間、地底王は踏み潰された。本気の顔をしたサイタマに。

 

フラン&師匠「『あっ』」

 

行く前に倒された。

 

サイタマ「さあ、やろうか!!」

 

すると、地底人は即座に地面の中へ潜り、白旗上げて退散した。

 

サイタマ「………あれ?」

 

サイタマは呆然としていた。しかし、今日はまだ終わらない。

 

再び地面が揺れる。軈て複数のドリルが出たかと思えば、そのドリルが付いた殻を背負う巨大なカタツムリが地面から現れた。殻のドリルで地面を掘り進めてきたのだ。

 

『災害レベル・鬼:カイゲル』

 

フラン「わあ。カタツムリ」

 

師匠『フラン!行くぞ!』

 

フラン「ん!」

 

フランはパジャマからロングスカートの軽装へ着替えると、先程のカイゲルの元へ走り出す。アパートから飛び出した際に、サイタマと並んで走り出す。

 

師匠『あの地底人は後で回収するとして、先ずはあのカタツムリからだな』

 

フラン「ごー!ゴー!」

 

そして、三人はカイゲルに追い付いた後、跳んでカイゲルの上を飛び越えた後に怪獣の前に着地した。カイゲルは前に回り込んで来た三人に向かって、触角を光らせた後に電撃状の光線を放った。それはサイタマに直撃し、服を溶かす。しかし、光線が止まった後のサイタマは全裸にマントを肩に羽織るだけの姿となった。フランは特に気にしてないが、師匠はフランの目を両手で覆う。

 

カイゲル『!!??』

 

カイゲルは驚いた。溶解光線が効かない人間が居る等、信じられなかったからだ。

 

フラン「サイタマ。此奴は私達が倒す!」

 

サイタマ「そっか。危なかったら俺がやるよ」

 

フラン「大丈夫!」

 

サイタマは下がり、フランが前に出る。歩いてカイゲルの前に出るフランは、師匠の柄を握り締めて全身から力を解放した。ワクチンマンから奪って得た光パワーを全身に纏い、紫色のオーラで体を包む。師匠が補助をして、動いても問題ないようにしてくれた。

 

師匠『アースシールド。地球のエネルギーで作ったバリアだぜ』

 

そして、カイゲルは再び触角から光線を放った。万物溶解光線はフランに当たる。しかし、フランに光線は当たるが、フランの体は溶けなかった。

 

師匠『行くぜフラン!』

 

フラン「『マルゴリスラッシュ』!」

 

フランは縦に師匠を振り下ろす。すると、カイゲルの頭と胴体は真っ二つに切断された。硬い殻も一発で切断されて、カイゲルは絶命した。

 

師匠『能力吸収!おっ?』

 

師匠は能力を得てある事に気付く。

 

師匠(能力の組み合わせ。此れだ!能力を組み合わせれば俺も強くなれるし、フランの強化にも役立てる!やっぱり師匠ってチートな剣だな!俺も、師匠に転生した身として、恥じないように努力しよう!フランと一緒にな!)

 

師匠『フラン。部屋に戻ったら、パワーアップした俺の新しい力を教える!』

 

フラン「おー!」

 

師匠『それじゃあ先ずは帰ろう』

 

フラン「ん!」

 

――――――――――――――――――――――――

 

フランの部屋。フランはカレーを食べていた。食べながら師匠の説明を受けるフラン。因みにカレーは師匠のお手製。

 

師匠『俺は新たな能力として、『能力の融合』が出来るようになった』

 

フラン「ムグムグ……それってつまり、怪人の能力を混ぜ合わせて新しい能力を創れるって事?」

 

師匠『そうだ。弱い怪人であっても便利な能力を持ってる事があるからな。それ等を組み合わせて強い能力にするんだ。例えば、この前倒したマルゴリの身体能力と、ワクチンマンの地球の力を組み合わせれば………出来たぞ』

 

師匠は複数の都市を壊滅させる力を持つワクチンマンとマルゴリの力を組み合わせ、新たな力へと変換する。すると、師匠は新たな能力を会得した。師匠の体から金色の光が放たれる。

 

すると、フランも体の奥底から力が漲ってきた。

 

『ワクチンマンとマルゴリの融合完了。新たな能力『アースタイタン』を獲得しました』

 

フラン&師匠「『おおっ、やっと聞けた!アナウンス!』」

 

それは、転剣での仕様であったフランと師匠が強くなった際に聴こえてくるアナウンスであった。

 

フラン「す、凄い!師匠の力が、私にも!」

 

師匠『ああっ。地球の意志とでっかい巨人パワー。相性は良かったのかもしれないな』

 

新たな力を手に入れた二人。

 

すると、フランはある事を思い付く。

 

フラン「サイタマと手合わせしてみる?」

 

師匠『えっ?おい待て、正気か?』

 

フラン「正気。今の私達が何処まで出来るか、試したい。知っておきたい」

 

師匠『………分かった。俺も自分が何処まで強くなったか、試してみたくなった』

 

二人は立ち上がり、再び部屋を出てサイタマの元に向かうのだった。

 

――――――――――――――――――――――――

 

フラン「ありがとうサイタマ。無茶な頼み、聞いてくれて」

 

サイタマ「まあ俺も暇だったからな」

 

フランとサイタマ、師匠の三人は、人気のない荒野へと足を運んだ。手合わせするには全力を出さないといけないが、二人が戦うとなると町を破壊してしまう。

 

因みにサイタマのヒーロースーツは他にもあり、現在着ているのは沢山ある予備のスーツだ。

 

師匠『サイタマ。この手合わせのルール、覚えてるか?』

 

サイタマ「俺に参ったを言わせたらお前等の勝ち。逆にお前等が戦闘不能になったら俺の勝ち。ハンデとして俺は一撃しか撃てないけど、お前等は攻撃し放題。こうだっけ?」

 

師匠『覚えててもらえて光栄だ』

 

サイタマとフランの距離が20メートルも離れる。其処でお互いに向き合うようにして立つ。

 

サイタマ「手合わせっつっても、そっちはガチなんだろ?」

 

フラン「勿論。殺すつもりで行く!」

 

師匠『手加減はしない!お前を本気にさせるつもりでやるぜ!』

 

フランは師匠を両手で持ち、戦闘の構えを取る。

 

フラン「行くよサイタマ!行こう、師匠!」

 

師匠『ああっ!!』

 

サイタマはその場で直立したままだ。

 

そして、フランは師匠を両手で握り締めながら、サイタマに向かって走り出した。大地を砕き、土を蒸発させる程の蹴りによって走り出したフランは、サイタマに師匠を振り下ろすのだった。




次回、手合わせと鬼サイボーグ

《オリジナル怪人》
名前:カイゲル
災害レベル:鬼
シン・ウルトラマンのカイゲルそのもの。触角から溶解光線を放ち、当たった物質を溶かしてしまう。当たればS級でも命の保証は無いが、サイタマには通用せず、フランの光パワーのバリアも貫けなかった。殻も水爆では破壊出来ない硬さを誇るが、サイタマやフランと師匠の前では硬さ等意味をなさなかった。

《進化により得た新たな能力》
『能力融合』
使用者:師匠
倒して得た能力、吸収して得た能力や身体機能を融合させる事で新たな能力を目覚めさせる。

『アースタイタン』
使用者:師匠&フラン
ワクチンマンとマルゴリの力を融合して得た能力。地球という自然の力で産まれた怪人と、人間の科学の力で誕生した怪人の力。自然と科学に組み合わせたその体はエネルギー量及び出力が上昇し、放つ光弾や光線はワクチンマンの比ではない。また、肉体変形能力を持ち、最大でマルゴリより遥かに巨大化出来るが、その分エネルギー消費が激しくなる。
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