その頃サイタマは、J市を彷徨っていた。避難用シェルターの場所が分からなくなり、宛もなく走り回っていたのだ。
サイタマ「ヤベェ、迷っちまった~」
此処に来る途中で立ちはだかってきた怪人達を倒して来た。半魚人みたいな怪人、サイタマが夢で見た地底人そっくりの怪人、天狗のような空飛ぶ怪人、恐竜みたいな怪人、そして全身植物の肉体で出来た怪人達だ。
サイタマ「しっかし此奴等、今までの怪人と違って動きが変だったな。なんか俺に殺られても逃げずに向かって来たし、変な所から攻撃するし、なんか連携してるみたいだったな」
サイタマから見ても、これまでの怪人達とは動きが違う。サイタマにワンパンされた怪人が居た時、初めこそ驚かれたが、その後は逃げずに連携を取ってきたのだ。攻撃を合わせたり、サイタマが攻撃する瞬間に地底人が彼を地面に引きずり込んだり、恐竜族が背後に回ってきたり、天空族が空から風を起こしたり、海人族が粘液でアスファルトを滑らせたりしてきた。更に味方が殺られた瞬間に攻撃してきたりと、連携攻撃を繰り出して来た。
サイタマから見ても、これまでの怪人達と比べて連携が上手く取れていた。とはいえ、サイタマに対しては焼け石に水である。
サイタマは歩き続けていると、あるヒーロー達と出会した。
???「何という事だ!此奴等を相手にしてる暇は無いというのに!」
『S級ヒーロー3位:オールマイト』
大きな体格で筋肉質、更にアメリカンなスーツに赤いマントを身に着けた、正にヒーローに相応しい風貌の男が、怪獣の群れと交戦していた。
蟹のような怪獣ことレイキュバスが赤い目となって炎を放つ。オールマイトは右腕に力を込めて、パンチを繰り出して風圧を放つ。
オールマイト「『TEXAS SMASH』!!」
オールマイトは炎のブレスを風圧で消し飛ばし、レイキュバスは風圧で後方へ吹き飛ばされてしまう。
更にトリケラトプスとティラノサウルスのような体と頭を持つキングダイナスが、ステゴサウルスみたいな棘付きの尻尾を振り回してオールマイトを攻撃。オールマイトは片手でキングダイナスの尻尾を受け止めたが、針の先端がオールマイトの体に当たる。しかし、その肉体に刺さろうとした針が逆に折れた。オールマイトはキングダイナスを3回転して振り回した後に上空へ投げ飛ばす。オールマイトは跳んでキングダイナスに迫ろうとするが、横からの攻撃を受けて吹き飛ばされてしまう。
それは、大型のロックイーターだ。ティラノサウルスに似た体格に加え、長い両腕を持つ大型ロックイーターは、オールマイトに噛み付いた。オールマイトはロックイーターの口を掴んで、そのまま背負い投げの要領で道路へ投げ飛ばし、背中から叩き付ける。
オールマイト「『CAROLINA SMASH』!」
オールマイトは両腕を☓の字になるよう組んだ後に大型ロックイーターへ向かって飛んで、左右の手でクロスチョップを放つ。大型ロックイーターはクロスの形で粉砕されてしまい、血飛沫が周囲に飛び散った。
サイタマ「スゲーな彼奴」
オールマイト(むっ?彼処に居るのは………成る程!彼がサイタマ君か!確かに見た目では分からないが、私には解る!彼は強い!)
流石に底は知れないが、それでも自分達を上回る圧倒的な力を感じる。
サイタマ「オッサン此処で闘ってたのか?」
オールマイト「ああっ。だが私は此処で立ち止まる訳には行かないんだ!避難所へ一刻も早く行かなくてはならない!先程ヒーロー協会から応援要請があり、避難所が襲われたとの連絡が入った!ジェノス君とイレイナ君が交戦しているが、嫌な予感がするのだ!」
サイタマ「おっ。それなら此処は俺に任せてくれよ」
サイタマがそう言った後、大型ロックイーターの一匹がサイタマの頭に触れる。しかし、禿げてるせいかつるんと滑る。
サイタマ「頭に触んな!」
サイタマが大型ロックイーターを殴り飛ばす。大型ロックイーターは一瞬にして無数の肉塊となり、周辺に飛び散る。
ファルコン「馬鹿な!?」
カイト「おいファルコン兄貴!グエバッサーとライバッサーを呼べ!」
上空では2体の怪人が空へ飛び立つ。更に足止めと言わんばかりに空からギャオスの大群がサイタマに迫る。
サイタマ「俺が此奴等食い止めとくからよ」
オールマイト「ッ!!分かった!!君に任せる!!また後で会おう!!」
オールマイトは走り出す。サイタマの強さは知っていたとはいえ、自分を信じて託してくれたサイタマに感謝した。
オールマイト(だがこの流れでは、サイタマ君は避難所には来られない………ならば、私が行こう!皆で力を合わせれば、どんな連合も怖くはない!)
オールマイトは駆け出す。S級ヒーローの中でも上位に立つ実力者が、避難所へと迫って来ていた。
――――――――――――――――――――――――
その頃避難所でも、激闘が繰り広げられていた。
イレイナ「皆さん!!この異空間へ避難してください!!」
市民『『『うわああああああ!!』』』
イレイナが展開した空間の穴へ、市民達が避難していく。
深海王「一匹もぉ…………にぃがぁさぁなああああああああああああああい!!!」
ジェノス「行かせるかぁ!!」
ジェノスが深海王をぶつかり合う。深海王は雨のお陰で本来の姿となった為に、その強さは竜よりになっているだろう。しかし、ジェノスはフランとの模擬戦を介してさらなる改造を重ねていき、更に強くなった。ジェノスは深海王のラッシュを受け流しつつ打撃を与えて行く。
ジェノス「『ガドリングブロー』!!」
ジェノスがラッシュを繰り出す。まるで腕が二対千本に増えたかのように繰り出されるそのラッシュは、一見するとただの連打に見えるが、深海王は気付く。
深海王「ぐっ!?がっ!」
深海王(ま、不味いわ!此奴、私の頭を集中して狙ってる!!いくら雨のお陰で再生出来る私でも脳が破壊されたらアウトよ!)
深海王はジェノスのラッシュを受け続けたが、口から溶解液を噴き出してジェノスを狙い撃つ。しかし、ジェノスはそのパターンを読んでいたのか、ラッシュを中断して後ろへ肩からジェットを噴かせて飛んで下がる。
ヒナタ「あらあら、そんなものかしら?」
天空王「馬鹿な!?何だこの速さは!?」
ヒナタは天空王からの攻撃を避けて行く。更に避けるだけでなく、ヒナタは避けた後に天空王の体に突きを放つ。此れで3発目。後4発突けば天空王を即死させられる。別にそうせずとも、闘う中で天空王の頭を突ける。様子を見たかったが、もう良いだろう。
ヒナタ「悪いわね。もう此処で―――」
しかし、ヒナタに無数の幹が伸びてきた。森林王が伸ばしてきたのだ。
更に古代王が口から火炎弾を放ち、ヒナタを攻撃する。ヒナタは火炎弾を避けるが、天空王が起こした風によって吹き飛ばされる。
ヒナタ「ちぃ!そう言えば他にも居たわね!」
ヒナタの前に天空王、森林王、古代王が立ち塞がる。
古代王『人間共にもこれ程強い奴が居たとはな』
森林王「ああっ。汚らわしい人間如きの分際で!」
天空王「一気に決めるぞ!」
古代王、森林王、天空王の3体の王がヒナタに迫る。
深海王もジェノスとの戦いを続けた。
オリジナル魔法
名前:『ヘルプスペース』
使用者:イレイナ
空間を作り出す魔法。避難用の異空間であり、核シェルターよりも確実に安全な避難用空間。イレイナはこの中に大量の食糧を備蓄しており、一つの市に住む住民程度なら一週間は養える。外から入るにはイレイナが展開した黄色い空間の穴から入れる。イレイナが解除するか気絶しなければ外に出られない。尚、外から避難用空間の中は見えないが、中からは見える。イレイナのみが空間を行き来出来る。
オリジナルワザ
名前:『ガドリングブロー』
使用者:ジェノス
ジェノスのマシンガンブローの進化技。技自体はマシンガンブローと変わらないが、速度と威力が増した。また、それに加えて狙った場所のみを集中的に攻撃し続ける。素人目には、手が千本増えたかのように見える。