アナザーバッタオーグとの戦闘は激しさを増す。フランと師匠が駆け付けた事で、調の負担も軽くなる。バイクに乗って迫る量産型バッタオーグ達の蹴りを、調はタイタスのパワーで吹き飛ばした。
調はウルトラマンマックスの力を解放し、マックススパークの付いた左手を空高く掲げて光を吸収し、両腕を逆L字型に組むことで発射する『マクシウムカノン』を放つ。バッタオーグは3体が同時に貫かれ、大爆発を起こした。残りは6体。もうマクシウムカノンは効かない。
ゼット『調!彼等は一撃必殺で倒す必要があるです!一気に決めますぞ!!』
調「うん!ゼットさん!」
調は残りのバッタオーグと対峙する。5体のバッタオーグは調の前に立ち塞がる。
その頃、フランと師匠は、アナザーバッタオーグとアヌビス神と激しい戦闘を繰り広げていた。
師匠とアヌビス神がぶつかり合い、金属音が響き続ける。
走りながら剣と剣がぶつかり合い、無数の三日月のような衝撃波が周囲に放たれ、まるでドームのような形となっていく。
フラン「ァあああああああああ!!!」
アナザーバッタオーグ「ぬぉおおおおおおお!!!」
あまりの速さに海鳴市全域を、一筋の光線が走ったように一般人には見えた。
しかし、フランは劣勢であった。初めは頬を斬撃が掠めて、剣の押し合いでは力負けしそうになる事が増え始めた。
師匠『ぐっ!がぁっ!』
師匠の刀身が徐々にひび割れ始めた。
フラン(師匠!!師匠が砕けて行く!!これ以上奴が強くなってしまったら……いや、師匠は負けない!!私も負けない!!もっと強く力を上げる!!)
しかし、現実は厳しい。アヌビス神の力により、アナザーバッタオーグは徐々に強さを上げていく。
本来『ロギアフェアリー』の効果により、流動化出来る筈のフランの肉体だが、何故か実体が捉えられ、そしてダメージを負わされていく。アヌビス神の効果にしては可笑しい。他にも何かある。
アナザーバッタオーグ「どうした?眠っちまったか?フラン!!」
アナザーバッタオーグは右脚の蹴りを放ってフランの左足を蹴る。骨が砕ける音が響き、フランは体勢を崩す。アナザーバッタオーグはアヌビス神を振り下ろそうとするが、フランは右手の人差し指と中指を立てて、電撃を放った。電撃はアナザーバッタオーグに直撃し痺れさせていく。推定50万キロワットの電撃であるが、アナザーとはいえ仮面ライダーの身体能力なのか、膝を付くだけで耐えていた。
アナザーバッタオーグ「成る程な……!此れは凄まじい電撃だ!!だが…………覚え、たぞ!!」
アナザーバッタオーグはすぐに立ち上がり、両腕を勢い良く斜め上に突き上げて電撃を振り払った。
しかし、それはフランの狙いだった。強くなったとしても、刀剣を使うならば独特の癖がある。
フラン(師匠!!)
師匠『任せろ!!パッチマミーの能力発動!!』
師匠は以前倒したゴスロリミイラの怪人から得た能力を使い、糸を括り付けた無数の針を放ち、自身の形状をハサミに変化させた。ハサミでアヌビス神を斬ろうとするが、アヌビス神をアナザーバッタオーグが横へズラした事で、柄の先端しか斬れなかった。とはいえ隙は出来た。アナザーバッタオーグの全身に針を通し、そのままフランが地面に推し倒し、師匠が縫い付けていく。そして、アヌビス神も無数の針と糸で縫い合わせて行く。
アナザーバッタオーグ「ぐっ!成る程な!だが!」
しかし、アナザーバッタオーグはすぐに拘束を振り解いた。
アヌビス神「成る程。俺を拘束してその間に殺すつもりだったな?」
フラン「ひっ」
師匠『マジかよ』
フランは顔を青くした。師匠も冷や汗を流す。
アナザーバッタオーグ「ゾッとしたようだな!!不死身の貴様も感じたか!!死の恐怖を!!」
アナザーバッタオーグに攻めるフラン。今ここで倒さなくては、確実に危険な気がした。師匠も光弾やレーザー、氷のミサイルや巨大化も行うが、次々と避けたり防がれたりされ、徐々に手数が無くなっていく。
アナザーバッタオーグ「馬鹿め!!貴様等がどれだけ力を上げようと、俺と仮面ライダーの身体能力のコンボパワーに、敵うか!!」
アナザーバッタオーグが跳び上がる。フランは超能力で周辺のアスファルトを持ち上げて、アナザーバッタオーグに向けて放つ。アナザーバッタオーグに当たっていくが、アヌビス神でも時々弾いていく。
アナザーバッタオーグ「何しても無駄だ!!」
アナザーバッタオーグは蹴りを放つ。空から蹴りの体勢となって迫るアナザーバッタオーグを、フランはギリギリの所で避けるが、大地はアスファルト道路が全て粉砕され、大爆発を起こした。大地からマグマが噴き出し、その場は溶岩と砕けた大地と化してしまった。
フラン「師匠!あれを!!」
師匠『本気か?』
フラン「本気!」
師匠『分かった!俺に任せろ!』
しかし、フランは細工を施していた。砕いたアスファルトの破片から、小さな光の粒が放たれたかと思えば、それが全て光る。更に、他の粒も輝きを放ち、周囲を瞬く間に光が包み込む。
アナザーバッタオーグ「ぐはっ!?閃光か!!」
そして、フランは光の中でアナザーバッタオーグに飛び掛かる。
アナザーバッタオーグ「馬鹿か!!こんなチャンス作って置きながら捨て身で来たか!!だが、そんな事をすれば貴様は終わりだぁぁ!!」
そして、アヌビス神でアナザーバッタオーグはフランの胴体を突き刺した。
アナザーバッタオーグ「貰ったああ!!」
フラン「ガハッ」
フランは口から血反吐を吐いた。
アヌビス神『やった!勝った!やりましたぞ神よ!!このアヌビス神が、フランの命を殺したのです!!ぃやったあああああああ!!』
フランは空中で腹を貫かれた状態で吊るされており、腹を貫く刀身はフランの頭へ迫っていく。そのままフランの上半身を斬ろうというのだ。
フランは刀身を両手で掴んで止めようとするが、その力があまりに強過ぎて押し込む事も引っこ抜く事も出来ない。
アヌビス神『無駄な事だ!掴んでも、押し込む事も引っこ抜く事も出来んぞ!!この妖刀、お前達の力も速さも能力も覚え、既に上回っているのだ!!』
アヌビス神が刀身を更に上へ上げていく。
フラン「がふっ………私を、斬るの?」
アヌビス神『ああっ、バラバラに斬り裂いてやる!我が主が喜ぶぜぇ!!』
フラン「やめた方が……良い………死ぬ……………」
アヌビス神『やめるかぁ!!このまま体を真っ二つにしたら、オメェをバラバラに斬り裂いて、内蔵をぶち撒けてやるぅ!!』
アヌビス神の力が更に強くなる。フランは更に血反吐を吐き、胸元にまで刀身が上がって行く。
アヌビス神『ガルガルゥ!!グヒヒヒヒヒヒっ!!』
アヌビス神は勝ち誇っていた。師匠を失い、抵抗する気力すら見せなくなったフランを、このままではフランは殺されてしまう、事は無くともバラバラの肉片にされてしまう。
フラン「…………此れで逃さない!」
フランは自身の両腕を凍らせた。その時、アヌビス神をアナザーバッタオーグ諸共両腕を凍らせる事で、アヌビス神を拘束した。
アヌビス神『何をしても無駄だと分からんのか!!』
フラン「………一つ質問。師匠は何処?」
アヌビス神『何を言って…………っ!?』
アヌビス神は気付く。今思えば、フランは自分だけで特攻してきたのだ。あまりにも戦闘としては安直過ぎるし、自らの刀剣を手放すような事を彼女がする筈が無い。
アヌビス神(………さっきの閃光は目眩ましなのは理解してるが、あれはフランが真正面から来る事をフェイクと見せかけないようにする為の、ダブルフェイク!?まさか!)
しかし、気が付いた時には遅かった。
師匠『良くも俺の娘を!!絶対許さねぇ!!このままお前を、貫いてやるぜ!!』
師匠は空高くから落下して、強いエネルギーと灼熱の炎を纏い、所々が砕けながらも、アヌビス神に向かって特攻する。
師匠『『メテオ・ドラゴンファング』!!』
同じ相手に2度も通用しない、二人の奥の手だ。
そして、師匠はアヌビス神を貫き、次いでにアナザーバッタオーグのベルトもその際に破壊した。
アヌビス神『ギャアアアアアアアアアッ!!!』
その瞬間、アヌビス神は極度の高温と衝撃波によって粉々に砕かれた。フランに突き刺さった刀剣も、粉々に砕けて消滅し、その切っ先が地面に落ちた。アナザーバッタオーグも元の少女の姿となり、少女はその場に倒れてしまった。
しかし、師匠もただでは済まなかった。
師匠は地面に落ちてしまい、刀身が完全に砕けてしまった。柄もひび割れており、いつ砕けてもおかしく無い状態だ。
フラン「あっ………師匠!!」
フランは腹からの痛みも構わず、師匠に駆け寄る。砕けた師匠に近付き、抱き締めて『ロギアフェアリー』の力を発動し、生命エネルギーを分け与える。
フラン「待ってて!今治す!」
フランは手元を光らせた。その光を師匠に翳した瞬間、秒単位で師匠の体が戻って行く。
師匠『フラン………すまないな。今回は流石に危なかった』
フラン「大丈夫!!師匠は私が治す!!だから、死なないで師匠!!」
師匠『馬鹿だなぁ………俺はお前と同じで再生出来るんだ。少し経てば治る………』
フラン「そんなの関係ない!!師匠は必ず治すと決めた!!また一緒にご飯食べに行きたい!!また一緒に遊園地とか行こうよ!!治るとか、不死身だとか、そんなの関係ない!!上手く言えないけど………師匠に助けられた私は、師匠を助けたい!!」
師匠『フラン………ありがとな』
そして、その場へ調がやって来た。他のバッタオーグが居ない所、そして全身傷だらけ痣だらけな所を見るに、倒せたのだと理解出来る。
調「終わったんだね」
師匠『ああっ』
フラン「終わったよ………」
しかし、まだ終わりでは無かった。アヌビス神は切っ先が破片として残っていた。
それを、その場に居た一人の野次馬が拾ってしまう。
ノア『まだよ!!!』
ノアが叫ぶ。しかし、時既に遅し。
調、フランが振り向いた時には、その野次馬は既に洗脳されていた。
アヌビス神『フハハハハハハハッ!!此れで俺に攻撃出来まい!』
野次馬が人質に取られた。
フラン「このっ!ぐっ………」
フランは指先に光パワーを集束させるが、再生がまだ終わってない腹から激痛が走る。
フラン「ガハッ!!」
フランが血反吐を吐き出した。
師匠『フラン!』
調「嘘でしょう!?」
アヌビス神『さあ、もうお前達の力は完璧に覚えた!もう貴様等は俺には勝てない!!』
アヌビス神が野次馬を操り、刃を投擲した。
その時だった。
???「そこまでにしてもらおうか」
その声が聞こえた瞬間、アヌビス神が放り投げられた先に巨大な空間の穴が開いた。
アヌビス神「なにいいいぃぃぃぃぃっ!?」
アヌビス神はそのまま、空間に開いたワームホールへ吸い込まれて行った。
次回、コラボ最終回。