蚊の大量発生。それをニュースで聴いたフランと師匠。Z市にも蚊の大群が迫って来ており、襲われればミイラ化するという恐ろしいニュースだ。しかし、数日後には解決したというニュースが入り、フランと師匠は安心する。
すると、二人はサイタマの部屋がある方向から騒音が響くのを聴いた。
二人は部屋を出てサイタマの部屋に入る。すると、其処には頭を吹き飛ばされているカマキリのような鎌の手をした両腕を持つ怪人、というより、フランにとって憎々しい敵が死んでいた。
その瞬間、フランの中にある怨念が浮上し、フランはカマキュリーの立ってるだけの胴体に向けて走り出した。
フラン「うわああああああああああっ!!!!!」
フランはカマキュリーの胴体を蹴る。蹴られた死体は床に転がり、サイタマの部屋の床を緑色の血で染めていく。
しかし、フランは止まらない。
サイタマ「えっ?ちょ、おいフラン!?」
師匠『お、落ち着けフラン!』
???「先生!?こいつらは!?」
サイタマ「このアパートで別の部屋に暮らしてる友達だ。フランと、師匠だ」
両腕が金属になっている金髪の青年が、サイタマに問い掛ける。掌の丸い穴から、高熱の炎を噴き出しており、今にも攻撃しそうな雰囲気だ。
フラン「うわあああああ!!!ああああああああ!!ああああああああああああああああああ!!!!」
サイタマや師匠か、落ち着くよう言われたフラン。しかし、フランはカマキュリーの体を殴り、踏みつぶし、緑色の血に体が濡れても止めない。
フラン「うあああああああああ!!あああああ――」
サイタマ「その辺にしておけ」
サイタマはフランの拳を掴んで止める。
フラン「はなしてサイタマ!!」
サイタマ「此奴はもう死んでんだよ。それくらい殴れば充分だろ。それに、お前が本当に殴りたい奴等は其奴だけか?」
フラン「ッ!!」
フランは冷静になる。カマキュリーはもう死んだ。その体はフランが殴り続けた事で、もう肉片しか残っていない。
フラン「………サイタマ。落ち着いて来た」
サイタマ「そっか」
フラン「だから此奴の能力も冷静に頂く。師匠、さっきは、ごめん」
師匠『……気にすんな。さっきのお前の様子を見る限り、襲って来たのは進化の家の連中だな。此奴は、フランの言ってたカマキュリーで間違いないだろう』
フラン「ん。師匠、早くやろう」
師匠『ああっ』
フランは師匠を手に取ると、そのまま剣をカマキュリーの血に突き刺し、血を取り込んで行く。
師匠『よし。地底王の能力と組み合わせれば、近接戦闘は最強クラスだな』
アナウンス『地底王とカマキュリーの融合完了。新たな能力『紅蓮武装』を獲得しました』
フラン「新しい能力、ゲットォ!」
師匠『よし!』
二人は新たな能力を得た。
???「ッ!外にも生体反応!先生、此処は俺が!」
サイボーグの青年は窓から飛び出し、地面に着地して外の怪人達を倒そうとする。しかし、既に先回りしていたサイタマが既に倒していた。
サイタマ「人んちの天井弁償しろ!」
???「あっ、やっぱり良いです」
そして、フランは師匠の柄を握ったまま部屋の窓から跳んで、二人の元へ辿り着く。
フラン「私、フラン。此方は師匠」
???「ん?ああっ、自己紹介がまだだったな。俺はジェノスだ。こう見えてサイボーグだ」
フラン「ん」
フランは、サイタマが倒した二匹の怪人を見る。彼等も、フランを馬鹿にした進化の家の新人類達だ。ならば、やる事は一つ。
フラン「師匠、此奴等もお願い」
師匠『ああっ』
フランは地面に埋まる二匹の怪人に向かって、師匠を振り下ろす。二人は真っ二つにされて、そのまま絶命した。ナメクジ型の怪人ナメクジャラス、カエル型の怪人カエル男、それぞれの能力を融合させて別の能力に変えた。
すると、サイタマの体が突然地面に埋まり、サイタマは頭だけが飛び出てるだけの状態になる。
サイタマ「おっ?」
ジェノス「先生!」
サイタマ「大丈夫。なんか、ツクシになった気分だ」
そして、ジェノスの方も、ゴリラ型のサイボーグと闘い始める。
フラン「あのサイボーグは知らない」
師匠『って事は、フランが居なくなってから生まれたのか。あのゴリラサイボーグ』
そして、フランが恨みを晴らしたい連中が、目の前に現れた。
獣王「くははははっ!!手も足も出ないとは正にこの事だな!良くやったグランドドラゴン!」
グランドドラゴン「暴れられるのも面倒だしな」
それは、フランを虐めてきた新人類達の主犯格と、フランを地面に何度も埋めてきた、因縁の敵達であった。
ライオンの怪人、獣王。モグラの怪人、グランドドラゴン。
フラン「………………………は、ははは…………あっははははははははははははははははははははははは!!!!!」
師匠『お、おいフラン!?』
フラン「まさか、こんな形で復讐を果たせるなんて!!嬉しい!!嬉しいよ!!師匠!!私、漸く此奴等に復讐出来る!!」
フランが全身から力を溢れさせる。
フラン「サイタマァ!!此奴等は私が全員殺す!!だから、手を出さないで!!」
サイタマ「おっ。良いぞ」
サイタマは埋まった状態から抜け出し、ベルトの土を払っていく。
獣王「ん?おいおいまさか、貴様と此処で再会するとはな!!なぁフラン!!」
グランドドラゴン「あーっはははは!!また首だけにしてやろうか?ええっ?」
獣王とグランドドラゴンはフランに詰め寄る。
フラン「嘗ての私と一緒にしないで。お前達はもう、敵じゃない」
それを聴いたグランドドラゴンや獣王も、その言葉に怒りを感じる。グランドドラゴンは「んだとぉ!?」と分かりやすく怒りを顕にしたが、獣王は高らかに笑う。
獣王「フハハハハハッ!!あの雑魚なフランがこんな口をほざくとはな!随分態度がデカくなったものだ!!此れは、また立場を分からせてやる必要があるな!!良いか?また両目を潰してやろう!!」
獣王はフランの両目に向かって、二本の指を突き出した。フランの両目を潰す為に。しかし、獣王の指二本は、フランのデコピンによって有り得ない角度へ曲げられた。
獣王「んがっ!?がああああっ!?」
グランドドラゴン「な、なぁ!?」
獣王は激痛に苦しむ。グランドドラゴンは信じられないと言わんばかりの驚きの表情を浮かべていた。
フラン(師匠。此奴等は私だけで良い。師匠は黙って見てて)
師匠(ああっ。気を付けろよ)
サイタマは見学。ジェノスはゴリラ型のサイボーグと闘っている。
フラン「お前達は私をいたぶった。なら、私もやり返してあげる。倍返しで」
そういうと、フランは獣王の腹を蹴った。殺さず、痛みを与えて苦しませる程度に。
獣王「が、はああっ!!お、おのれえええええ!!『獅子斬』!!」
獣王は残った爪で斬り掛かるが、フランは片手で獣王の爪を弾いた。獣王の斬撃は上空へ飛んでいき、大きな雲を真っ二つに切断する。
獣王「おのれええええっ!!舐めるな雑魚があああああああああああああ!!」
獣王の上半身が肥大化し、より筋肉もりもりな肉体となる。爪も伸びてきており、此れから必殺技を放とうとしていた。
グランドドラゴン「まて!まだ殺すな!!」
グランドドラゴンの静止を無視して、獣王は攻撃に入る。
獣王「『獅子斬流星群』!!」
そして、獣王は音速さえも超越する爪捌きで、無数の斬撃をフランに繰り出して行く。しかし、フランには当たらず、放たれた斬撃全てをフランは軽々と避けて行く。
そして、フランは拳を強く握り締めて、『紅蓮武装』を展開した。
フラン「『紅蓮連撃』」
フランは拳に炎を纏い、獣王を連続で殴る。その瞬間、獣王は殴られた場所から肉片を飛び散らせ、更に全身が炎に包み込まれて行く。炎は全身を炙り、獣王は苦しみの鳴き声を上げながら絶命した。
獣王「ぐぎゃああああっ!!た、頼む………………助けてくれ…………」
師匠『お前等はフランが助けてと言った時、助けたか?』
グランドドラゴン「そ……そんな馬鹿な…………獣王が何故あんな雑魚に………」
そして、獣王を倒し終えたフランは、今度はグランドドラゴンを強く睨む。何度も埋められた恨みを晴らす為に。
グランドドラゴン「ひ、ひぃっ!!」
グランドドラゴンは地面に潜る。潜って地面を掘り進んで行く。
グランドドラゴン(あ、あんなの聞いてない!!況してや、何であのクソ雑魚猫が強くなってやがるんだ!?仕方ねぇ!!此処は退散して、仕切り直しだ!!)
しかし、グランドドラゴンは甘く見ていた。フランの事を、突然、グランドドラゴンの周りが寒くなり始めた。寒くなる?否、凍り始めているのだ。土が、パイプが、兎に角凍っていくのだ。
グランドドラゴン「な、何が―――」
自分が掘ってきた穴を見上げた。此方に向かって狂ったように笑いながら口から白く冷たいブレスを吐くフランの顔。それが、グランドドラゴンが最期に見た顔であった。
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フラン「…………ハァ。スッキリした」
フランは口から冷凍ガスを漏らしており、大気も凍らせてしまうその冷たさで、周囲のアスファルトに夏場にも関わらず氷雪が積もっていた。
師匠『取り敢えず、あのモグラ怪人の能力やライオン野郎の力を取り込んで来るぞ』
フラン「ん」
師匠はフランの元から離れると、先ずは獣王の死体の心臓部分に自ら突き刺さる。そして、師匠はグランドドラゴンが掘った穴に入り込み、そのまま凍ったグランドドラゴンに向かって飛んでいくのだった。
その頃、フランはジェノスの元へやって来た。ジェノスはゴリラ型のサイボーグ、アーマードゴリラに掌を向けていた。アーマードゴリラは四肢が千切れている。
ジェノス「さあ、選べ。知ってる事を全て話すか、俺に滅ぼされるか」
アーマードゴリラ「滅ボサレルノハオ前ダ。我ハ進化の家では三番目ノ実力。ソノ程度デハ、獅子ノ如キ獣王ニハ勝テヌ」
その時、フランが獣王の遺体を指差した。
フラン「獣王なら倒した!」
ジェノス「だ、そうだが?」
サイタマ「俺何もしてねーけどな」
アーマードゴリラ「……………あっ、すみません!全部話しますんで、勘弁してください!」
サイタマ「なんだお前、さっきまで片言だったろ?」
アーマードゴリラ「カッコつけてました……すみません」
フラン「ア”ッ?」
アーマードゴリラ「ひっ!?す、すみません!ホントにすみません!」
フランとしてはすぐにでもアーマードゴリラを消したい。しかし、アーマードゴリラは自分の事を知らないようだ。最近産まれた新人類には、自分の事は知らせてないのだろう。
フラン「お前、名前は?」
アーマードゴリラ「あ、アーマードゴリラです!」
フラン「なら、ジーナスに伝えて。今から殴りに行ってやるって!早く!!」
アーマードゴリラ「は、はいぃぃっ!!」
アーマードゴリラは通信アンテナを頭部から出し、進化の家に通信を繋げるのだった。
オリジナル能力
『紅蓮武装』
使用者:フラン&師匠
地底王とカマキュリーの能力を融合させる事で誕生させた能力。武器又は拳に紅蓮の炎と高熱を纏い、触れた物を焼く又は溶かす。また、もしフラン又は師匠が複数の武器を持ったとしても、持った武器全てに炎と高熱を纏って問題なく使用する事が出来る。因みに炎の色は青である。
オリジナル技
『紅蓮連撃』
使用者:フラン
『紅蓮武装』を発動して放つ、炎と高熱を纏った拳のラッシュ。拳からは炎と高熱が放たれて、対象を焼き尽くす。