S級ヒーロー:黒猫剣士   作:ちいさな魔女

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最終兵器と突撃

一方、進化の家ではジーナスがアーマードゴリラから送られてきた通信と映像を目の当たりにして、狼狽していた。自分が作り上げた新人類が、いとも容易くヤラれたのだ。ジーナスのクローン達も、使者が瞬く間にヤラれる様子を見ていたが、理解出来ても信じ切る事が出来ない。

 

ジーナス「そんな馬鹿な!?旧人類撲滅用精鋭戦力が全滅した!?況してや、あの不良品如きに獣王がヤラれる等、有り得ない!!」

 

クローン1号「アーマードゴリラからの通信によりますと、三人は此方に向かって来ております!」

 

クローン4号「奴等が此処にくれば、積み上げてきた研究成果を破壊されかねません!!」

 

ジーナスは、フランが獣王を軽く打ち倒す光景を何度も見返す。これまで自分が積み上げてきた研究成果を台無しにされては、此処まで頑張ってきた意味が無くなってしまう。況してや、モスキート娘まで倒したハゲ男も向かってくる上にアーマードゴリラを倒した青年サイボーグも来るのだ。

 

ジーナスは体を恐怖で震わせながら、最後の決断をする。自分の命さえも犠牲にしても構わない、無謀な決断を。

 

ジーナス「………切り札を使うしかない!」

 

クローン達『『『えっ!?』』』

 

クローン6号「博士!まさか!?」

 

ジーナス「…………阿修羅カブトとマジカルアントを解き放つ準備をしろ!」

 

クローン『『『な、なにぃ!?』』』

 

その瞬間、クローン達が驚愕と恐怖に満ちた顔を浮かべる。クローン達は話し合う。最早切り札に頼らざるをえないが、下手すれば全てを破壊しかねない進化の家の、()()()()()()

 

クローン2号「し、しかし!奴等は危険過ぎます!下手をすれば博士の身も危険です!」

 

ジーナス「分かっているとも!奴等はあくまで最終手段だ!先ずは1階から8階まで無数の罠を仕掛ける!運が良ければそれで済む!」

 

クローン1号「し、しかし………」

 

ジーナス「問題無い!失敗した時に私がどうなるか………分かっている!」

 

なにせ代わりはいくらでも用意出来る。クローン達が生き残っていれば、例えオリジナルたる自分が死のうと彼等が代わって計画を実行してくれるからだ。

 

――――――――――――――――――――――――

 

その頃、フラン達は山の中を駆け抜けていた。フランは空を飛んで目標へ向かっているが、その目的はジェノスとサイタマの案内だ。生かしたアーマードゴリラから場所は聴いていたが、フランの方が進化の家の詳しい場所を知っていたのだ。

 

ジェノス「てっきり、先生もフランのように空を飛べるのかと思って居ましたが」

 

サイタマ「俺は空を飛べねえよ」

 

ジェノス「それで良く間に合いますね」

 

サイタマ「いや、大体何時も間に合ってねぇけどな」

 

ジェノス「成る程。フラン!この先か!」

 

フラン「もうすぐ着く!!」

 

そして、フランは三人を目標の建物へと誘導し、建物の前で三人を止めた。

 

師匠『此処が進化の家。フランが2年もの間、屈辱を受けてきた場所か』

 

すると、ジェノスが両手を建物に翳し、高火力の熱線を放った。建物は爆破し、その背後にあった山も跡形もなく吹き飛んだ。煙が晴れて、更にそれが理解出来る程に山や建物があった場所は焼け焦げていた。

 

フラン「おおっ!ジェノス、グッジョブ!」

 

ジェノス「ああっ。此れが一番、敵を一網打尽に出来る方法だからな」

 

サイタマ「いや、相手も色々準備してただろ………」

 

師匠『だよなぁ………』

 

ジェノスの先制攻撃にフランは目を輝かせる。自分の手で進化の家を破壊したかった気持ちはあるが、それでも爆発で吹き飛んでくれて喜ばしい。サイタマと師匠は、敵に少し同情した。

 

とはいえ、フランは知っている。進化の家の本当の拠点は、見える位置にある建物ではない事を。

 

フラン「でも、まだ終わってない。こっち」

 

フランは瓦礫を退かし、土埃や炭を足で払い除け、地下に通じる扉を掘り出した。

 

フラン「此処から地下の本拠地に行ける。案内するね」

 

師匠『悪いな。お前にとっては………』

 

フラン「大丈夫。確かに嫌な所だけど、今は師匠も居る。サイタマもジェノスも。そして、私も強くなったから」

 

師匠『そうか………じゃ、行こうぜ』

 

そして、4人は地下への入口を通って研究所へ向かう。

 

ジェノス「所で、何故剣が話してる?」

 

サイタマ「今更か」

 

――――――――――――――――――――――――

 

進化の家、切り札を封じる地下室。其処からマシンガンを撃ち続ける轟音が響き渡る。

 

クローン10号「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおお―――――」

 

クローン達はマシンガンで応戦するが、巨大な体格を持つカブトムシに無理矢理人の姿を与えたような怪人には通用せず、逆に力強く素早い剛腕によって叩き潰された。

 

そして、もう一体の怪人は、美しい女性の姿をしており、羽もないのに空中に浮いていた。蟻が美少女に擬人化したようなその美少女の周りにいるクローン達は、全てタオルのように絞られている。また、先程まで撃たれていたのか、彼女の周囲を無数の弾丸が取り囲んでいた。しかし、弾丸は少女に当たらずに浮いている。

 

ジーナス「やぁ。阿修羅カブト、マジカルアント。私のクローンを大量に殺したようだね。気は済んだか?」

 

阿修羅カブト「あっ?オメェ気が済む訳ねぇだろ!俺達を地下に閉じ込めやがってよぉ!」

 

マジカルアント「そうだよねぇ。私達は進化の家の最高戦力だよぉ?それなのに、地下深くに閉じ込めるなんてねぇ?酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷いいいいいいいいいいぃぃ!!!!」

 

阿修羅カブトが自身の首に取り付けられた首輪を握って破壊し、マジカルアントが全身の鎖を睨み付けて砂状に変える。

 

ジーナス「お前達は精神が不安定だ!我々でも支配出来なかったから仕方なかったんだ!」

 

阿修羅カブト「支配だぁ!?ぶぁ〜か!俺達はお前等が求めてた新人類の完成形なんだぜ!知能も肉体レベルも、お前等旧人類とは比にならねぇ!!」

 

マジカルアント「そして私は、超能力を目覚めさせたんだよ?だからさぁ………私達こそが貴女達に支配されるべきなんだよぉ。キヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ!」

 

ジーナス「……私は殺しても構わない。代わりはいくらでもいる!だが、どうしても入手してほしいサンプルがあるんだ!だが、恐ろしく強い!お前達にしか倒せない!」

 

そして、ジーナスが見せるホログラム画面には、廊下を移動するフランと師匠、サイタマにジェノスが映っていた。

 

ジーナス「生死は問わない………」

 

阿修羅カブト「ほう……」

 

マジカルアント「キヒ」

 

それを見ていた二体は、漸く獲物を見つける事が出来て嬉しく思えた。




今度、オリジナル怪人とか募集しようかな……
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