色々とゴタゴタがあったので更新できずにいました。
それではどうぞ
入学編Ⅸ
昨日生徒会室でお昼をご一緒した時に出た話題で風紀委員は点数稼ぎのために活動しているという噂の存在を知った。それ自体は自分にとってはどうでもいいが噂の出どころがブランシュの下部組織エガリテであり、元気に活動されているとなると話は変わってくる。
自分は近いうちにブランシュ日本支部を叩き潰す。
そのために自分が戦闘時に使用しているCADを調整しているところだ。形状は拳銃タイプで特化型となっている。特化型CADは9個までの同系統魔法をインストールすることが出来る。そして魔法の種類を犠牲にしたことで汎用型で発動するよりも発動速度が速くなっている。カートリッジを入れ替えることでも魔法の種類を変更出来る。
自分は基本的に収束系魔法「エア・ブリット」に殺傷性を上乗せした「ペネトレート・エア・ブリット」、更に殺傷性を落とす代わりに連射速度を獲得した「ブレード・ストーム」これは単発ではなく5点バーストであり制圧だけならこれだけでも十分なほど。
精神干渉系魔法は自分の最大の切り札である魔法以外は汎用型CADの方に入っている。「スリープダーツ」「フィアー」などはこちらに入っている。それぞれの効果は名前通りである。
――――――――――――――――――――――――――
今日も今日とて真由美さんと通学して教室でいつものように雑談し、授業に入る。今日の1限目は実技である。この授業では四角い滑車のついたロボット掃除機のようなものを魔法で往復させるという内容だ。いくら一高の一科生といえど台数に限りがあるため並ぶ必要がある。
「次ど、どうぞ」
まだ名前の覚えていない女子生徒にありがとうと言いながら自分の番になる。
最初に台車を前進、加速させ壁にぶつからないように減速、そして停止させる。同じようにこちら側に加速、減速停止させ終了となる。タイムは今のところクラス2位のようだ。
1位は深雪さん、うーん流石である。とはいえまだまだ順番は回ってくるので1位になるチャンスはある。
ちなみに授業中は「調和」は使用していない。なぜならそもそも地力がなければいくら絶好調になったとしてもたかが知れている。そのため平時は「調和」を使用せずに地力の底上げを行っている。
自分の番が終わり自分の後ろに並んでいるほのかに譲る。実は四葉家本邸にも似たような訓練場があり、本邸で訓練していた時よりも少しずつであるが着実にレベルアップしているのが分かり確かな満足感を得ていると一往復終えたほのかが後ろに回ってきた。
「夜瑠さん嬉しそうですね!何かいい事あったんですか?」
「ん?あぁ実は実家にも同じような訓練装置があってその時よりもレベルアップしてたから嬉しくって。」
なるほど〜と納得し更に続けて
「それにしても夜瑠さんも魔法お上手ですね!サイオン漏れがほとんどありませんでした!きちんと魔法を使えているからこそですよね!」
「そこまで褒められると少し照れるな。ところで も ってことは他にも居たの?」
「はい、1度だけですが受験の時に達也さんを見ました!」
よく覚えているなと思っていると雫が話に加わってきた。
「うん、入学前にもほのかが言ってた。達也さんに会えた時はすごい喜んでた。」
言わないでよ〜とほのかと雫がじゃれていると再び自分の番になった。
実技を5回ほど繰り返すとチャイムがなり、授業が終わり教室に戻る。後の授業は全て座学である。内容は魔法工学や魔法基礎など基礎的なものばかり。この当たりの内容も本邸で教育されたから遅れをとることはないだろう。
そして何事もなくこの日の授業が終わりいつも通り真由美さんを待つためにカフェにでも行こうとしたら急に教室のスピーカーがハウリングを起こした。何事かと思い思わずスピーカーを見やると音声が流れてくる。
『私たちは学内の差別撤廃を目指す有志同盟です。』
なるほどエガリテの連中だろう。とうとうこのような手段に出るまでになってしまったか。とれあえずこれは放送室に行くべきだろう。と、その前に
「ほのか、雫もし何かあったらすぐに連絡してくれ。あと、クラスメイトが騒ぎすぎないように注意もよろしく。それじゃ行ってくる。」
2人が頷いたのを確認すると急いで放送室に向かう。
「お待たせしました」
たどり着くと既に渡辺風紀委員長と市原先輩さらに十文字会頭も居た。十文字さんとは同世代の次期当主として一条家の将輝共々世話になっていたりもする。入学してからは桐原先輩の件で1度会ってはいるがそういえばきちんと挨拶出来ていないことを思い出す。とはいえそのようなことで怒る人物では無い事は確かだ。しかしこれは礼儀なのだ。
「お久しぶりです、十文字さん。挨拶が遅くなり申し訳ありません。」
「構わない。その話はまた後に。」
「ありがとうございます。状況はどうなっていますか?」
「お待たせして申し訳ありません。」
そういうと同時に達也が深雪さんと共に到着した。
チラリと市原先輩を見やると状況を説明してくれた。
もう既に放送室の電源は切ってあるため追加の放送はできない。鍵を締められて盾籠っており、このためにマスターキーを盗み出している。なるほど立派な犯罪行為であるのは自明だ。
「立派な犯罪行為じゃないですかなぜ突入しないんです?」
達也も自分と同じことを考えていたようだ。この疑問に対して市原先輩が答えてくれた。
「それはこれ以上彼らを刺激して暴発させないようにするためです。」
「確かにその通りだが、多少強引にでも解決するべきではないか?」
こう返したのは渡辺先輩だ。自分もどちらかと言えば渡辺先輩派だ。なぜなら多少暴れたところで自分の精神干渉系魔法でも無傷での制圧な長けている「スリープダーツ」を当てれば良いのだから。とりあえず十文字さんの考えを聞いておこう。
「十文字会頭はどうお考えですか?」
「俺は交渉に応じても良いと考えている。元より言いがかりに近いのだ。後顧の憂いを経つためにもしっかりと反論するべきだ。」
「では、この場は待機と言うことですか?」
達也がそう聞き返す
「それについては決断しかねている、犯罪行為を放置すべきでは無いが学校施設を破壊するほどの緊急性があるとは思えない。」
なるほど一理ある。だがその場合結局待ちになってしまう。自分はさっさと真由美さんと下校デートをしたいのだ。
どうするか自分も考えていると達也がなにやら端末を取りだし通話を始めた。
「もしもし、壬生先輩ですか?今どちらに?」
「放送室ですか、それはお気の毒に。いえ、馬鹿にしているわけでは……」
なるほど壬生先輩に電話していたようだ。にしてもプレイベートナンバーを知っているとは達也やるな。
どうやら話はついたようで出てくるらしい。この時壬生先輩以外の身柄を確保するために構えろと言われた時は確かに壬生先輩以外の身柄保証しなかったがそれにしても少し引いた。
――――――――――――――――――――――――――
「今日も疲れちゃったわ〜」
自分の手を握りながら真由美さんは言う。いつも疲れたなどと口にしないから今日は本当に疲れたんだろう。マッサージの1つでもしてあげたいところだがやり方なんて知らないシンプルに甘いものでも食べよう。
あの後放送室から出てきた壬生先輩以外を拘束した時はそれはもう怒ってたが十文字さんが宥めているところに真由美さんが登場した。どうやら今回の件を学校側は生徒会に一任するようで明日の放課後に討論会をすることになったようだ。
明日とはまた急すぎる話だが相手に時間を作らせないための戦略だろうことは理解できる。
「ところで明日の討論会、生徒会側はどなたが登壇するのですか?」
自分がそう聞くと人差し指で真由美さんは自身を指さした。
「おひとりでですか?」
「えぇ、そうよ。複数人で出て矛盾点を突かれたら嫌だし。それに、今回の討論会別に負けてもいいと思ってるの。」
自分は無言で続きを促す。
「もし私を打ち負かせるくらいしっかりとした考えがあるのならそれを実行できるように頑張れば良いからね」
真由美さんはそういうがただでさえ激務なのだ。少し心配になってしまう。まあ自分は今週末に某所を襲撃するんだけど。つい強く手を握ってしまったからか真由美さんがこちらを少し不思議そうに見上げてくる。いやかわいいな。
「自分に出来ることならなんでも言ってください。できることなら何でもしますよ。」
「あら?なんでも?」
そういう真由美さんの顔はいたずらっ子というのが相応しい感じの顔をしている。
「はい、なんでもいいですよ。例えば明日から一緒に生活するとかでも」
「そ、それはまだ少し早いかなーなんて……」
少し願望が出てしまった。
「では…今日のところはケーキを奢るということで。」
~場所は移り~
「は〜美味しい。」
近くのカフェに入り注文を済ませる。今回はお互い紅茶を注文した。
「ところで夜瑠くん」
「なんですか?」
「わたしに何か隠し事があるわよね?」
女性の勘は鋭いというやつだろうか。まあ実際にブランシュの事を隠している。だがこればかりは言うつもりはない。ならばここは正直に言おう。
「はい、隠していることはあります。」
「あら、あっさりと認めるのね?」
「えぇ、それはもう色んなことを隠してますよ自分は。」
隠していることを認める。しかし中身は言わない。譲歩できるのはここまでだ。
「教えてくれるつもりは無いのね?」
「はい。」
「どうしても?」
「どうしてもです。」
むうーとか頬を膨らませてもダメです。かわいいけどダメです。しかし言えないのは事実だ。だれでも今週末ちょっと敵対組織のアジト襲撃してきますなんて普通言えるはずがない。
「じゃー真由美さんは自分に隠してること何も無いんですか?」
自分がそういうと真由美さんは「うっ」という表情をした。相変わらず分かりやすい人だ。
「そういうことです。」
「じゃ、じゃあ私が夜瑠くんに隠してること言ったら教えてくれる……?」
そう真由美さん頬をほんのり赤らめながらこちらに言う。
そんな照れながら何を言うつもりなのか。
……流れが変わったな。
「いやいやそんな無理して言う必要無いですよ。」
「で、でも秘密を共有したらより仲良くなれるって記事に……」
聞いた事がある。今若い女性を中心に人気が出ている新興のメディアがあると。(2020年代にアメリカやヨーロッパを中心に同性愛を初めとした多様性を求める運動が一部で活発になったことがあるそうだ。こういった運動が行き過ぎた結果、男性向け女性向けなど特定の人種をターゲットとした娯楽や雑誌が排斥されていった。しかし2070年代にこれまたアメリカやヨーロッパが真逆ことを言い始め現在に至っている。つまり、再び女性向けや男性向けの娯楽が活発になり始めたのだ)。
というか真由美さんが言ってるのは友人の段階から恋人へと発展するための手段だ。許嫁以上の関係はもう夫婦なんですよ。
……そう考えたら別にいい気がしてきた。
いや良くない。冷静になれ。しかしどうやってごまかそうか考えていると自分の端末が震えた。見てみると貢殿からメールだった。件名を見るにブランシュの件のようだ。
「誰からなの?」
「四葉の者ですよ。頼んでいたことの準備が出来たみたいなのです。なのですいませんが……」
「うん分かったわ。今日はお開きにしましょうか」
真由美さんには悪いがなんとかごまかせたか?
「それと、さっきの隠し事は話せるようになったら話してくれる?」
うわあこれ良心の呵責がすごい。
「はい必ず。」
ちなみにメールの内容は明日第一高校で暴動が起こる可能性があるというものだった。
え?そんなことある?
調和と不和を作ったの正直後悔してる
入学編9の最後のようにリアルの話題を落とし込むのはどう思いますか?自分は延長線上にある感じがして好きです。
-
あり
-
なし
-
どうでもいい