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もう72件も行くとは思ってませんでした。
入学編Ⅴ
衝撃的な事実を貢殿に聞かされた翌朝、正直あまり寝付けなかった。自分が、というよりも校内の状況をを聞いた時の真由美さんが不安だった。まあ生徒会長だから知っていても不思議では無いが。結局眠りの浅いまま朝を迎えた。
家を出る時間になり身だしなみを整え待ち合わせ場所に向かう。無事合流し朝の挨拶をすると自分の顔色が少し悪いのに真由美さんが気づいて心配してくれる。少し夜更かししただけですよ、と返すと無理はしないでねと返してくれた。優しさに心を浮つかせてしまうなかどうしてもあの時のことを思い出してしまう。もしまた真由美さんが誘拐されてしまったらということを嫌でも考えてしまう。
「……真由美さん、明日からは家まで迎えに行っても良いですか?」
ポカンとした顔をこちらに見せてくる。可愛いなちくしょう。
「どうしたの?急に」
「いえ、単純に彼氏が彼女を迎えに行くというシチュエーションに憧れがありまして。それに少しでも長い時間を過ごしたいと思いまして。」
まあ許嫁だから厳密には彼氏彼女では無いんですけど、と少しおどけながら付け加える。真由美さんはふーんと言いながらこちらを向きで、本音は?といつもの様に返してくる。また、やり返せると思ってるのだろう。だが流石に今回ばかりは本当のところを言う訳にはいかない。
本音ですよ。と返しながら昨日の帰りと同じように恋人繋ぎになるように握る。
……すこし不自然だっただろうか。と思い真由美さんの様子を見るとまだ少し怪しんでいたがこれ以上は追求して来ないようで前を向いている。良かった、と自分をも前を向き再び再び一つ、いや二つ決心し学校へ向かう。
何気ない会話をしながら通学路を行く。歩いていると突然携帯端末が震える。真由美さんに断りを入れるとメールが来ていた。誰からかと見てみると学校からだ、と呟くと真由美さんがニヤニヤしながら何やらかしたの〜と言ってきたのでジト目を返しておく。真由美さんにも見えるようにメールを開くと
件名:風紀委員教職員推薦について
なるほど推薦って事は自分が選ばれたわけか。チラリと真由美さんの方を伺うと嬉しそうな、悲しいような複雑な表情をしていた。訳を聞くと毎年新入生首席は生徒会メンバーに勧誘するのが慣習だそうだ。
「…それでどうするの?」
「そうですね正直風紀委員会の活動を聞いてみない事にはなんとも言えませんね」
「それもそうね、それじゃあお姉さんが教えてあげしょう」
胸を張り少しドヤ顔をしながら言った。どうやらご教授してくれるらしい。
「風紀委員は学校の風紀を守る委員会の事よ。」
……え?それだけ?と真由美さんを見ると「どうしたの?」みたいな顔でこちらの顔を見返してくる。どうやら真由美さんは少しポンな部分もあるらしい。と新たな一面を知れたから良いかと無理やり納得し、先生に聞けば良いやと思い。今は真由美さんとの会話を楽しむことにしよう。
学校に到着し、昇降口まで向かうがまだ3日目だからか自分と真由美さんを見てザワつく声は多い。自分は特になんとも思わないが真由美さんは恥ずかしいのだろう、少し顔が赤い。繋いでいる手を振りほどきたそうにしているけどダメです。
――――――――――――――――――――――――――
真由美さんを解放し(む〜っとした目で見られたが可愛かったのでノーダメージ)教室に行くと既にほのかと雫、深雪さんが既に登校していた。おはよう、と挨拶を学校からの連絡事項などを確認していると
「夜瑠さん!真由美さんと手を繋ぎながら学校に来たってて本当ですか!?」
と興奮気味にほのかに聞かれる。そちらに顔を向けるとほのかと雫は少し前のめりに深雪さんは少し困ったように笑みを浮かべていた。他にも既に登校していたクラスメイトも聞き耳を立てているようだ。
「本当ですよ。」
と簡潔に述べる。今嘘をつく意味もないしね、ほのかは「きゃ〜」と黄色い声を上げ、雫も声は上げないが似たような反応をしている。意外なのは深雪さんはこういうのには興味が無いかと思っていた、しかし実際は隠しているつもりだろうが興味深そうである。なんだかんだ深雪さんも年頃の女の子だなぁと思う。それに深雪は実の兄であるから普段は隠しているが達也という想い人もいる。それに一応深雪は時期当主候補でもあり達也はそのボディガードという立場の違いもある。
「それでそれで許嫁がいるってどんな感じですか!?」
再びほのかに問われる
「そうですね、毎日が幸せですよ。恥ずかしながら自分は朝が弱かったのですが真由美さんと登校する事になって朝が楽しみになりましたね。」
その後も色々と聞かれるうちにあっという間に始業の時間になった。
昼休みに入ると自分は予定通り生徒会室に向かう。その事をほのかと雫に言うと再び興奮していたが深雪さんと達也も来ることを伝えると残念そうにし興奮は収まった。
深雪さんに達也を迎えに行って生徒会室に行こうと提案し教室を出ると既に達也がA組の教室に来ていた。自分も生徒会室に呼び出された旨を告げると達也は頷きじゃあ行こうか、と歩き始める。ちなみに自分と司波兄妹の関係は自分の方がもちろん上なのだが少なくとも学内では砕いた口調で話すように言ってある。理由は単純に同級生なのに自分にだけ敬語だっまらおかしいからだ。え、自分?自分は全員に敬語だからセーフ。などとくだらないことを考えていると生徒会室に到着した。ドアをノックし開けるとそこには真由美さんをはじめ服部先輩以外の生徒会メンバーに加え渡辺風紀委員長もいた。
「1年A組の四葉夜瑠です、失礼します。」
最初に挨拶した自分に続き達也と深雪も挨拶し入室する。
席は上手側のいわゆるお誕生日席に真由美さんが座りその左手側に順に市原先輩、渡辺風紀委員長、中条先輩の席順で。その向かい側に自分、達也、深雪さんの順で座る。
最初に口を開いたのは真由美さん
「よく来てくれたわね三人とも本題に入る前に好きなプレートを選んで」
と、お昼を注文するように言われる。どうやら生徒会室には専用のマシンがあるらしく生徒会室で直接お昼を出してくれるらしい。とはいえ種類は少なく、精進、肉料理と魚料理しかない。達也と深雪さんは精進を選び自分は魚料理を選択した。注文し、プレートが出てくると食べながら話しましょと真由美さんに言われたのでそのまま食べ始める。
「それで本題なんだけど夜瑠君生徒会メンバーに入ってくれない?」
予想通りの話であった。実はもう既に自分の中で答えは出ていた。(授業中に考えてた)
「せっかくですが、お断りします。」
期待したような表情の真由美さんであったが一気にガーンというような表情に変わる。罪悪感すげぇなこれ。でも可愛い。
「ど、ど、どどうして?」
思ったよりも動揺していた。
「真由美さんは知っていると思いますけど、自分は風紀委員に教員推薦枠ですし、せっかくならそちらに入ろうかなと思いまして。それに恥ずかしながら自分はデスクワークよりも現場の方が得意ですから」
と返すと一応は納得したようだが少しムスッとした、表情をしている。実は今の理由は本当ではあるのだが建前的な意味合いが強い。本当の本音は流石に理由が理由なので恥ずかしく帰り際に二人になった時に言おうと思う。
「ほら、真由美ムスッとするな。それなら今年の新入生の分は確か…」
「次席の人になりますね。今年の次席は確か司波さんでしたね。」
「ほう、ならばちょうどいいどうだ?司波さん?生徒会に入る気は無いかね?」
となぜか風紀委員長の渡辺先輩が勧誘している。
「自分からも頼むよ深雪さん」
深雪は困惑していたが意を決して口を開く
「皆さんは兄の成績をご存知でしょうか?」
…おや?流れ変わったな。
曰く兄は自分よりも筆記の試験が上。曰く実務なら兄の方が活躍出来る。と異議を申し立てていたが市原先輩に
「それは無理です」
としげなくあしらわれていた理由簡単規則だから。これは差別でもなんでもなく不文律らしい。ここまで言われ深雪さんは観念したように生徒会入りを、了承した。深雪さんはそんなことは思わないだろうが、少し借りが出来たな。もし将来的に達也と一緒になりたいなら…と考えたところで復活した真由美さんが
「ようこそ、司波深雪さん生徒会へ」
と歓迎した。話はこれで終わりかと思ったがまだ終わってないらしく今度は達也が風紀委員に生徒会推薦枠で入らないか、と勧誘されていた。これには流石の達也も驚き渡辺先輩と押し問答を始める。自分は実技が苦手だから二科生だと。これに渡辺先輩は関係ない、私は君の起動式を読み取る頭脳と目を買っているのだ。とこの後も少し押し問答が続いたがチャイムがなってしまい無理やり打ち切りとなってしまった。
続きは放課後に、と言われ退室する。出る前に自分は職員室に行き推薦を受ける旨を伝えてきますとだけ言い教室に戻った。あ、真由美さんに渡そうと思ってたの渡しそびれた。まあ放課後で良いか。
――――――――――――――――――――――
その後各々教室に戻りつつがなく授業は進み放課となる。そして自分は予定通り職員室に行き、担当の先生と風紀委員の教職員推薦について話し合う。風紀委員についての説明を受けたあと風紀委員に入る旨を伝え職員室を後にする。その足で生徒会室へと向かう。扉をノックしようとすると声が聞こえる。どうやら深雪さんの声らしい。しかも何か言い争っているようだ。話が終わるまで待つか一瞬悩んだがこのままヒートアップするのはどうかと思ったので一瞬クールダウンさせる目的でノックした。
「失礼します。1年A組の四葉夜瑠です。」
そのまま返事も聞かずに入る。
「外まで声が漏れてましたよ。一体なんの話をされてたんですか?」
この場にはお昼のメンバーに加えて服部副会長も居た。
「達也君を生徒会推薦枠として風紀委員に推薦してもらったのだがそれを服部が反対してな」
と、渡辺風紀委員長が肩を竦めながら説明してくれた。なるほど、様子からして深雪さんと服部副会長がそれについて言い合っていたのか。なるほど、と自分が納得していると再び二人は言い争う。服部副会長の主張としては達也は実技が苦手なのだから二科生なのだろう、深雪さんの主張としては達也の実力も知らずに門前払いはおかしいだろうとのこと。
自分と深雪さんは達也の本来の実力を知っているからこう言えるが達也の実力は秘匿すべきものであるためあまり強くも言えない。どうしたものか、と自分も考えていると達也本人がこちらを見ている。…なるほどね、了解。達也の言いたいことを理解し仕方ない、と思うことにし自分は口を開く
「それならば模擬戦をやってみればいかがでしょうか?」
他のメンバーが深雪さん含めて驚いている。特に深雪さんは四葉本家の者である自分が深雪を守ること以外で達也が戦うことを許したからだろう。正直なとこは自分の考えとしては「分解」と「再生」さえ知られなければ他の魔法、例えば「術式解体」はバレても良いと思っている。確かに使用者の少ない魔法であるがただそれだけである。どうでしょう?と服部副会長を伺うと達也を睨みつけ良いだろう、と了承した。そして生徒会側を見て目で催促すると七草生徒会長と渡辺風紀委員長により模擬戦が承認された。
達也はCADをまだ学校に預けているらしく取りに行くらしく先に実技棟に行っててください。と言い残し深雪さんと共に退室した。自分達も行きましょうか、と切り出すと真由美さんに待ったをかけられる。そらそうか、と思い皆の方に振り返る。
「なんで達也さんとはんぞーくんの模擬戦を提案したの?」
珍しくと言ったら失礼だがかなり真面目な顔をして問うてくる。自分はどう誤魔化そうか、と考えたがやはり本当のことを言うことにした。
「達也にアイコンタクトされたんですよ、俺から言うようにって。…そんな顔しないでください。自分は完全に人の心を読めるわけではありません。」
「例えば服部副会長と渡辺風紀委員長はなぜそんなことができるのかと思っているでしょう?」
と言うと驚いた顔をしている。
「皆さん経験があるでしょう?なんとなく相手が文句を言いたそうにしてるのが分かったり、今話し相手は居心地が悪そうだったりとかそういう事を感じる精度が人より高いだけですよ。」
と言うと皆納得したようなしてないような反応を示した。
「一応なぜそんなことが出来るのか、という質問に対しては自分が四葉だからとだけ答えておきます。」
そういうと皆気まずそうな顔をしている。四葉が人体実験をしていたことはある程度の魔法士は知っている。それを思い出してしまったのだろう。これに関してはこちらが気にするなと言っても気にしてしまうだろう。ちなみにこの程度は自分の力の末端も末端だ。その気になれば本当に心を読むことが出来る。まあその場合は魔法を使う必要があるが。
こちらからは特に何も励ましたりはせずそろそろ行かないと遅れますよ、と言い自分は退室し実技棟に向かう。
入学編9の最後のようにリアルの話題を落とし込むのはどう思いますか?自分は延長線上にある感じがして好きです。
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あり
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なし
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どうでもいい