魔法科高校の四葉家次期当主   作:鮏乃切身

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入学編Ⅶ

入学編Ⅶ

 

 晴れ渡る空、心地の良い気温。そんな布団を干したくなってしまうくらい心地ようある日。自分は

 

「1年のくせになんだこいつ!やっちまえ!!!」

 

「「「「「おおおおおおおお!!!!!!!」」」」」

 

 暴れ狂う上級生をひたすらに鎮圧していた。

 

 ――――――――――――――――――――――――

 

場所は風紀委員室

 

「今年もあの馬鹿騒ぎする1週間がやってきた。幸い今年は1年の補充が間に合った。紹介する。」

 

 そう渡辺先輩が言うと自分と達也、そして森崎さんが立ち上がる。渡辺先輩は自分達の紹介をすると風紀委員メンバーの1人が

 

「使えるんですかい?」

 

「無論だ。司波の実力はこの目で見たし森崎の技術もなかなかのものだ。四葉は…そういえばよく知らないな。」

 

 言われてみればそうだ。確かに深雪さんを巡ったいざこざを確かに自分がおさめはしたが渡辺先輩が来たのはおさめた後であった。

 

「問題ありません。学生相手ならば遅れはとりません。」

 

 と自分ははっきりと告げる。これは自分も思っている事だ。もっと言ってしまえばプロのA級ライセンスを持った魔法師にも負ける気はしない。自分はそれだけの力と才能と努力を四葉でしてきたのだ。それをたかだか高校生に負ける道理はない。

 

「ほう…ならば頼りにさせてもらおうか。他に言いたいことがある者は?……よしならば出動!」

 

 渡辺先輩が出動の掛け声で続々と風紀委員は見回りに向かった。自分たち1年は事前に少し残るように言われていたため出動せずに風紀委員室残っている。

 

「さて、まずはこれを渡しておこう。」

 

 そうやって渡されたものは腕章と通信機器だった。

 

「君たちにも早速見回りをしてもらうことになるのだがその前になにか質問はあるか?」

 

 すると達也が

 

「質問があります。CADは風紀委員のものを使用してもよろしいでしょうか」

 

そういう達也に渡辺先輩は不思議そうに答える

 

「それは構わないがあれは旧式だぞ?」

 

「確かに旧式ですがブロでも使えるハイエンドモデルですよ、あれらは。」

 

「なるほどそういう事か。どうせホコリを被っていた代物だ好きに使うといい。」

 

「それではこちらの2機をお借りします。」

 

 そういうと手首を覆うタイプのCADを棚から取りだした。なるほどあのモデルは自分も見た事がある。なんなら自分も前まで使用していたのだ。今は真由美さんから誕生日に貰った物を使用しているがたしかにあのモデルは使い勝手の良いものだった。

 

「本当に面白いやつだな君は。他に質問はあるか?…無いようだな、それでは君たちも出動したまえ。」

 

 分かりました。と各々返事すると達也と森崎さんは風紀委員室を出る。自分も出ようとしてそういえば、と振り向き口を開く。

 

「渡辺先輩はどうされるのですか?」

 

「私は真由美と十文字と共に別室で待機することになる。」

 

 なるほど、と納得し退室しようと扉に向き直ると

 

「ウィード如きが調子に乗るのもいい加減にしろ!」

 

 と森崎さんの声がうっすらと聞こえたどうやらまた達也に突っかかったらしい。達也も大変だなと思いながら扉を開けると今まさに立ち去っている森崎さんの背中が見えた。達也の方をチラリと見大変だな、と言うと肩を竦めていた。

 

――――――――――――――――――――――――

 

 自分と達也は共に各部活がテントを張ってまるで縁日のようになっている通りに到着した。さて、ここを見て回るか運動場を見て回るか、それとも…と軽く考えていると達也が突然走り出す。何事かと視線を前に向けると赤い髪をした女子が今まさに囲まれていた。あれはエリカか、今更自分が走り出してもどうせ達也1人で事足りるだろうと思いそちらには向かわないが一応達也に「不和」と対となる魔法の「調和」を付与する。

 精神干渉系魔法「不和」の効果が対象を無理やり絶不調にするとしたら「調和」は対象を無理やり絶好調にするのだ。地味に思える魔法かもしれないが調和をかけることで魔法の発動が早くなったり、身体的な反応が早くなったりと他にも色々あるが馬鹿にできない魔法である。自分は基本的に相手に「不和」を付与、「調和」を自分に付与し相手に「硬化魔法」で固めたこぶしで殴るというのが自分の基本的な戦い方だ。

 無事エリカの救出に達也が成功するのを見届けると自分は運動場の方に向かう。第一高校の運動場はかなり広くサッカーと野球、ラグビー部がそれぞれ試合をしても余裕な程度には広い。それぞれ勧誘活動をしており実際にボールを使っているスペースもあるので極力邪魔はしないように見回る。スポーツはやるのも見るのも割とすきな部類ではあるので楽しそうだなーとか思いながらも仕事は真面目にこなす。

 

「なんだてめぇやるのかああん!?」

 

「そっちこそやる気ならかかってこいよ!!!」

 

 と言い争う声が聞こえたのでそちらを向くとサッカー部と野球部が言い争っていた。そちらに近づいていきよく見ると2人の女子を挟むようにしている。雫とほのかである。2人はどうしたらいいかと戸惑っている様子であたふたしている。

 

「いいぜやってるよ後悔してもおぜェぞ!」

 

「おうおうかかってこいよ!」

 

 といいお互い手首に巻いているCADを構え魔法を使用するために起動式を展開した。これはまずい。互いが喧嘩をしてケガをするのならば自業自得だが、間には雫達もいるのだ2人が巻き込まれたら目も当てられないと自分は鎮圧するために動き出す。

 駆け出すと同時に真由美さんから貰った汎用型CADトールギスを起動する。すると足元に魔法式が現れ「調和」を自分に付与する。そして仕方なしと言わんばかりに雫と、ほのかごと「不和」を約30人ほどの集団にかける。そのまま集団に割り込むと集団に向かってこう宣言する。

 

「風紀委員です、今すぐ魔法をキャンセルしてCADを地面においてください」

 

「なんだァてめェ」

 

「もう一度言います。今すぐ魔法をキャンセルしてCADを地面においてください」

 

 ……キャンセルの様子なし、制圧するか。その前にまずは

 

「ごめんよ」

 

 とだけ言い雫とほのかをかかえ15mほど離れた場所に一瞬で移動して2人を下ろす2人は何が起こったか分からないようであった。そして魔法が発動する。どうやら全員からヘイトを買ったらしく全員こちらに向かって魔法を発動した。自分は慌てることなく障壁魔法を展開し防ぐ。この障壁魔法は十文字家の「ファランクス」ほどでは無いしろ十分な性能を有している。魔法が止み集団の方に向き直ると再び魔法を発動しようとしていた。ため息をひとつつくと駆け出し、次の瞬間には先頭の男が気絶していた。それを見て周りの人間は怯まずにこちらに向かってくる。

 

 そして冒頭へと戻る。

 

「1年のくせになんだこいつ!やっちまえ!。」

 

 その怒号と共にこちらに向かってくる。面倒だが相手をしなければならないらしい。とはいえ自分はタイマンよりも多人数対自分のという構図の方がやりやすいのだ。理由は簡単加減しなくて良いから。

 まずは正面の先輩が顔面にフックを入れようとしてきたので相手の懐に潜り込みそのまま鳩尾にこっち硬化魔法で固めた拳で殴り一発でKOさせる。次に後ろから駆け出してきた2人は右の相手には手を払い目を潰し左の相手は股間を蹴りあげる。背後に魔法式起動を感知したので振り向かずに魔法弾を撃ち込む。

 3分もしない内に制圧が完了した。一つ伸びをしこの#先輩たちをどうしやって連行するか考えてる。1人2人ならともかく30人ほどいるのだ

 

「こっちです!」

 

 声のした方を見るとほのかと雫が見える。後ろにまだ沢木先輩と他の風紀委員が2人見える。どうやら助けを呼んでくれたらしい。

 

「助けを呼んでれたのか、ありがとうほのか、雫もありがとう。」

 

「遅かったみたいだけど」

 

「そんな事ないよ、3分位で呼びに行ってくれたんだから。」

 

「この人数を短時間で制圧したのは素晴らしいな。どうやら君を侮っていたらしい四葉君。」

 

「恐縮です。沢木先輩。ところでこの人数どうすれば良いですか?」

 

「それはこちらに考えがあるから気にするな。四葉は巡回に戻れ。」

 

「分かりました。」

 

 そういうと自分は野外演習場のある方面に足を向けた。歩を進めると後ろから雫とほのかが着いてくるのが気配でわかる。歩く速度を落とし2人に並ぶと声をかける。

 

「2人も野外演習場の方に用があるのか?」

 

「ううんあんまり興味は無いよ」

 

「ならなぜ?」

 

「夜瑠さんに着いていけば安全かなって」

 

 雫が相変わらず変化の少ない表情で言う。なるほど、ボディガードか。

 

 

「なるほどな、それは良いけどなにか騒動があったら自分の言うことを聞くように」

 

 はーいと2人の間の伸びた返事を聞き巡回をする。今日はこの後は軽いトラブルを収めたくらいで風紀委員初日は無事終わった。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 帰る時に真由美さんが自分がほのかと雫と回っていたことをどこからか聞きつけたらしく少し機嫌を悪くしていた。なので帰り道にあるカフェによりケーキをご馳走する事にした。

 自分と真由美さんは奥の方のカップルシートに案内され、注文を済ませる。機嫌はまだ悪いようだがいつもよりも距離が近い気がする。まるで猫のような人だな。かわいい。ほんわかしていると扉が開けられる。自分たちの席は扉が背中側にあるので誰かは分からないが若い男女の声がする。よくよく聞いてみると深雪さん達の声だ。1人なら声をかけるが今は真由美さんとの時間を楽しみたい。

 

「お待たせ致しました。」

 

 紅茶が2杯とモンブラン、ショートケーキが来た。ショートケーキは真由美さんにモンブランは自分が注文した物だ。まあ半分真由美さんに献上するのだが。ニコニコでケーキを食べていた真由美さんだったが次第に申し訳なさそうな顔に変わっていく。

 

「ごめんなさい夜瑠君...面倒よね私…」

 

 どうやら所謂ヘラったというやつになったらしい。自分からしてみればこういうところも可愛いとは思っている。もちろん枕詞に真由美さんはつくが。

 

「自分は真由美さんしか居ないので分かりませんね。ほのかや雫も友達だとは思ってますがまだ会って1週間ほどしか経ってません。それで比較するのはどっちにも失礼だと思います。」

 

 最初以外は明らかに蛇足でしか無いがついつい口に出してしまった。とはいえ全て本音ではある。ちらりと様子を伺ってみると両手を太もも付近に置き複雑な表情をしている。

 

「自分はそういうところ含めて真由美さんのことを愛おしく思っているので自分の前では変に取り繕わないでください。」

 

 ここで照れ隠しに紅茶をひとつまみ…チラリと真由美さんの方を見るとその横に顔を真っ赤にした美月がいた。その更に横にはニヤニヤしているエリカもいる。お互い固まっていると後ろから珍しいものを見たというような顔をした深雪さんが歩み出た

 

「すいません、私たちはもうお開きなので一応お声がけしようと思ったのですが…お邪魔だったようですね」

 

 失礼しますとだけ言い深雪さん達は去っていく。達也とレオも目だけ合わせて帰って行った。

 

 真由美さんは顔を真っ赤にして俯いてしまっている。これはまだしばらくティータイムだな。

 

 




最後のカフェはフィーリングで書きました。、

入学編9の最後のようにリアルの話題を落とし込むのはどう思いますか?自分は延長線上にある感じがして好きです。

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