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それではどうぞ。
入学編Ⅷ
あの後半刻ほど真由美さんが再起動するのに時間がかかりその間コーヒーを飲みまくっていた。真由美さんにそろそろ遅い時間なので帰ることを提案する。
「そ、そうね。か、帰りましょうか」
そういい端末を取り出し支払いを済ませようとするが既に自分が支払った後だ。
「支払いは済ませてあります。」
「そ、そう?ありがとう。ごめんね?」
真由美さんも自分も一介の高校生ではあるがそれなりにお金は持っている。真由美さんがお小遣い制なのかどうかは知らないが自分は母さんから貰った会社の名ばかりの社長でもあるのでそれなりには収入がある。また、四葉の任務を遂行することでもお金を得ている。なので余程高い買い物をしなければ高校生の支出程度は余裕である。
「さて、帰りましょう。」
真由美さんをエスコートしながら店を出る。真由美さんを送り届ける。自宅に戻ると机に封筒が置いてあった。開けてみるとどうやら貢殿からだったようだ。内容に目を通すと思わず笑みを零してしまった。
――――――――――――――――――――――――――
翌日、放課後になると風紀委員としての活動を始める。昨日と同じようにトラブルを解決しながら巡回する。体育館に入ると剣道部と剣術部が言い合っているのが見えた。
「どういうこと!桐原くん、まだ剣道部の時間よ!」
「あんな雑魚じゃ実力が出せないだろ?協力してやろうって言ってんだぜ壬生。」
様子を伺っているとどうやら決闘を行うらしい。基本的には自分は魔法さえ使用しなければ介入はしないことにしている。もちろん度が過ぎていれば止めるが。さてどうなるか、と自分の反対側に目立つ赤髪の少女が見える。エリカだ。その横を見てみると達也も見える。
(深雪さんに怒られるぞ〜)
とどうでもいいことを考えていると決闘が始まった。互いがほぼ同時に踏み込み相手の腕に竹刀を打ち込む。どうやら、壬生という女子の勝ちのようだ。壬生先輩の方が深く打ち込めている。あれが真剣なら骨に届いていただろう。自分と同じことを思ったのだろう。壬生先輩が口を開く。
「私の方が深いわ。真剣なら致命傷よ。」
そう言い放ち竹刀を振り払う。しかし桐原先輩はニヤリと笑う。
「真剣?なんだ壬生真剣が良かったのか」
そういうと桐原先輩は「高周波ブレード」を起動させる。と、同時に自分は桐原先輩に「不和」をかける。自分が「不和」をかけるとこれに合わせるように達也が前に出た。それに合わせ自分は「調和」を達也にかけると桐原先輩をあっという間に制圧した。相変わらず見事な体術だ。ここまでの体術は自分には無い。自分に「調和」を掛けてやっと、というところだろう。
「なんだテメェはァ!」
デジャブを感じる。昨日もあったなこれ。そう声を上げた先輩が魔法を発動しようとするが失敗する。達也がキャストジャミングを使用したのだ。中身は未だ研究中のとの事で詳しいことを教えて貰っていないがアンティナイトを使ったものを応用したものとしか知らない。魔法がキャンセルしたくらいで彼らが収まるはずもなく達也を囲みジリジリと歩み寄っている。達也なら心配は無いが流石に手を出さない訳にも行かないので自分も前に出る。当然「不和」と「調和」をかけながら。自分が前に出るのに気づいた先輩が自分に殴りかかってくるが自分は「調和」の効果によって相手の急所をより正確に捉えることができ、攻撃の軌道も当然のように察知出来る。当たり前のように攻撃を躱し鳩尾に拳を叩き込む。
「別に一対一じゃなくてもいいんですよ、先輩方?」
つい相手を煽るように言ってしまう。自分の良くないくせだ。とはいえ逆上した相手の方が対処がしやすくなるので悪いことばかりでは無いのだが。
挑発に乗ってしまった先輩方は達也と自分に殴り掛かる。実は自分と達也は四葉の本邸にある道場で同時期に鍛錬していた事もある。さらに任務を何度か共にしたこともありコンビネーションは、なかなかのものである。正直気持ちいいくらいにボコボコにしてしまったのでもはや演武に見えた人もいるのではないだろうか。
「これで終わりか。お疲れ達也。」
「お疲れ。1人じゃ危なかった、助太刀ありがとう。」
自分はそれに肩を竦めて返す。達也ひとりでも問題なかっただろうに。てかこのあと連行しなきゃじゃん。面倒だ。
事後処理はまあまあ面倒だった。自分と達也が報告に行った。十文字会頭、真由美さんこと七草生徒会長そして渡辺風紀委員長の3名に対してである。普通なら緊張のひとつでもしそうであるが自分は精神干渉系魔法を自分にかけることで平常時のメンタルにしている。達也はまあ、うん心が無いから緊張してないと思う。
結論から言えば今回の件は懲罰委員会には届け出ないらしい。殺傷性ランクBの魔法を使用したにしては温情のある裁定となった。報告は基本的に達也がしてくれたため自分は真面目な顔してる真由美さんかわいいなぁとか思いながらたまに振られる質問に答えているだけであった。
無事報告が終わるともう既に下校時間が迫っていた。とりあえず帰宅の準備をして真由美さんを待つことにする。
いつも通りカフェで待つ旨をチャットで送りカフェに向かい。3杯目のコーヒーを飲み終えた時に真由美さんと合流できた。
いつも通り真由美さんを送り届け自分のCADであるトールギスをメンテナンスし就寝する。
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「おはようございます。」
教室に入るなり朝の挨拶をする。既に雫やほのかは投稿していたようで自分が席に着くと話を早速話題を振ってくれる。
無事に勧誘週間は終わり風紀委員の初仕事は無事終了となる。来週からはシフトが組まれそれに沿って活動することになる。
しかし1点問題があった。それは達也がブランシュの下部組織エガリテと接触した事だ。達也は自分がブランシュを嫌悪していることを知っているため直ぐに連絡が来た。エガリテ及びブランシュの件については自分と黒羽を含む自分の部下と共に対処するつもりだったので達也の手を借りるつもりは無い。なんなら普段は深雪さんのガーディアンでもあるがこの時ばかりは真由美さんも守ってもらうつもりであった。
……………
………
……
…
「そういう訳で達也。真由美さんの護衛も頼むよ。」
「まあやれるだけやるさ。」
そういうが自分は達也の戦闘技術に対して全幅の信頼を置いていると言っても過言では無い。
それと一つ言っておくこともある。
「それと真由美さんにはブランシュ、及びエガリテの事は言うなよ。過保護かもしれないがあの時のことを思い出させる訳には行かない。」
そう四葉家次期当主としての威厳のようなものを発しながら言うと頷いて答えた。
以上回想終了
雫やほのかとの何気ない朝の会話を楽しんでいると深雪さんも教室に入ると挨拶も程々にこちらに向かって歩いてくる。少し悩んだような顔をしているので恐らく達也がブランシュのことを深雪さんに話したのだろう。
これで全然違ったら恥ずかしいてけど。あ、自分をチラ見している。これはブランシュ関連で確定だろう。恐らく真由美さんのガードを頼んだことで兄との時間が減ることを少し不満に思っているだろう。隠しているつもりでも自分にはわかる。これが人間観察の結果だ。というか四葉の次期当主の自分に対してこのような態度を取るということは深雪さんとも友好な関係が築けているということだろう。
とはいえ不機嫌なのもあれなので深雪さんには遊園地のペアチケットでも渡そう。全然自分と真由美さんが行くための先発隊とかそういう訳では全然ないのだ。
『キーンコーンカーンコーン』
チャイムが鳴り皆が席に着く。これから朝のホームルームが始まりのその後授業、昼休み再び授業そして放課と当たり前の日常を今日も過ごす。
今日は昼休みに生徒会室に昼食を誘われているのでそれに行くくらいで放課後の予定もない。書斎に積んでいる本を読むのもいいかもしれない。
昼休みになりいつも通り教室を出る。雫とほのかも着いてこようとするがその前に自分が声をかける
「すまん、今日は生徒会室で昼食をどうかと誘われていてな。」
「あ、そうなんですか?それは残念です…いってらっしゃい。」
「実は私もそうなんです、だから2人で楽しんで」
なんと深雪さんも同じくお呼ばれしていたらしく申し訳なさそうにほのか達に言った。ほのかと雫は残念そうにしていたが気を取り直して食堂へと向かった。
生徒会室に向かう途中で深雪さんを感じる迎えに来るつもりであったのだろう達也とも合流した。
生徒会室に入ると既に自分達以外のメンバーは揃っていた。お待たせしましたと言いながら入りそれぞれプレートを注文する。全員分のプレートが用意され早速食べ始める。席順は入って左手側に自分たち1年が逆側には服部先輩を除くメンバーが並んでいる。左手側は奥から自分、達也深雪さん。向かい側に真由美さん、渡辺風紀委員長、市原先輩の隣に中条先輩という具合だ。
皆のプレートが半分ほど減った頃渡辺先輩が達也に対し話題を振る。
「そういえば、昨日壬生を言葉攻めにしたというのは本当か?」
言葉攻め?そんな深雪さんに怒られそうなことしてたのか。
「先輩も年頃の淑女なんですからもう少し言葉遣いに気をつけた方がいいかと思います。」
「ほう、私を淑女扱いしてくれるんだな?」
「先輩を淑女扱いしないとは先輩のボーイフレンドは酷い人ですね」
「そんなことはない!!!しゅうは!!!しゅうは...」
うーん言葉攻めしてますねこれは。お茶をすすりながらそう思っていると何やら寒気がしてきた。深雪さんの方を見るにどうやらサイオンが漏れ出ているようだ。
あっという間にプレートが凍ってしまった。電子レンジで温めるか。生徒会室なんでもあるな〜。
「お兄様言葉攻めとは一体どういうことでしょうか...?」
「落ち着け深雪!ちゃんと説明するから!」
そう言うとハッとして深雪さんは落ち着く。
「申し訳ありません…」
そう謝罪する深雪さんに達也は笑みを返し先輩方に向き直る。
「実は…」
達也曰く風紀委員の仕事は点数稼ぎと認識されているらしい。確かに傍から見たらそう見えるかもしれない。
「点数稼ぎね、それは壬生の勘違いだ。生徒会は全くの名誉職で内申点には加算されない。」
渡辺先輩に続き真由美さんが続ける。
「だけど風紀委員会が校内で高い権力を持っているのもまた事実。権力を傘に立てて居るというふうに思っている人も一定数いるの。正確には何者か噂を流しているみたいなんだけど…」
間違いなくブランシュ、エガリテだろう。自分は確信に近い直感を感じた。達也にアイコンタクトを送ると同じ結論に至っていたらしく
「そうですか、それはいち早く突き止めることが出来れば良いのですが」
お茶を持つ手がつい力んでしまう。既にアジトに突入する最低限の準備は出来ている。だが油断は禁物でそのせいで失敗するのは唾棄すべきことである。今週末には完全に準備が整うそれまでの我慢だ。
次回アジトに凸ります。初めての本格的な戦闘描写になりそうで戦々恐々としております。それではまた次回お会いしましょう。
Qどこまで連載するつもりなの?
A最低限パラサイト編まで行きたいなぁ...
入学編9の最後のようにリアルの話題を落とし込むのはどう思いますか?自分は延長線上にある感じがして好きです。
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あり
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なし
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どうでもいい