いつか誰かのInfinitedendrogram 作:シェキナー
■カルディナ某所
「【殺人姫】、貴方のエンブリオは素敵なスキルをお持ちですね」
その女性はのほほんと嬉しそうに告げる。
「良い、良いですね。特異なスキルをお持ちの方ほど考察のしがいがあるというものです」
楽しそうに話す彼女の雰囲気とは裏腹に、声をかけられている少女は無表情を貫いていた。 だが、口元は動いている。
「マイナス、マイナス、マイナス」
「貴女、リアルでも幼いのですね?とてもお可愛いです。当たっていますか?」
「マイナス、マイナス、マイナス、マイナス、マイナス、マイナス、マイナス」
会話が成立していない。
「もう少し貴女の
少女が動く。【殺人姫】の力。命を絶つ事で培われる力を奮い、その武器を叩きつけるべく。しかしその刃は届かない。
女性と少女の間には赤い人形が挟まっていた。凶悪な刃を受け止めても壊れない人形が。
「貴女の攻撃では神話級金属は破れないみたい。もう少し工夫してみては?新しいスキルを使うとか」
何度か赤い人形を攻撃した少女は、回り込んで人形の主を殺そうとするが赤い人形が阻むように立ち塞がる。
「あまり手札は多くないのですか?それとも何をすれば良いかがわからないとかかな?アバターもリアルのまま使っているでしょう。危ないですよ私みたいなのがいるのですから」
「エルクトは私の優秀な壁役ですが、火力は無いの。2対1みたいな真似をしてゴメンなさいね」
そう言うと彼女はアイテムボックスから巨大な本を取り出した。
「けど貴女が悪いのよ?ヨナルデパズトリちゃんを私に紹介してくれないから」
「だから殺してあげる」
彼女の手に持つ本が開き光が漏れ出す。
それは瞬時に形となり、気づけば少女の頭は消えていた。
「【閃光術士】の奥義、《グリント・パイル》 速いから使い勝手が良いのよ?1発打つのに100万コルかかるのだけは難点ね」
もう既に光の粒子となった少女に尚告げる。
「【魂食双斧 ヨナルデパズトリ】、スキルの数が少ないわね。《適者生存》1つと必殺スキルだけかしら」
粒子から復活した、能面の様な顔と刺し貫くような殺意を身に受けながら。
「貴女の
全てが愉しいと言う顔で彼女は嗤う。
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結果的にこの戦いは、戦場のカルディナ辺境の村一帯を焼け野原にするまで続いた。
勝者は無し。
【殺人姫】が必殺スキルを発動しようとした直前に闖入者があったからだ。
【器神】。その乗機による爆撃で戦闘は有耶無耶になった。
【殺人姫】側からは敵対者の死亡は確認出来なかった。
互いに痛み分け。だが彼女の性質を考えると【殺人姫】の損失は大きいだろう。
彼女の名はミストルディア。
通り名は“知りたがり”そして、“ノーマナー”。
他者のパーソナルに土足で踏み込み、吸い尽くす事が好きな怪人。
そしてフリーの〈 超級〉である。
彼女と一度戦えば全てを知られ、全てを識られる。
◇
□【禁書王】ミストルディア
「ふぅ危ない所でした。」
複数の魔本を透明な触手で保持した女性が、突然虚空から出現した。
「《五感迷彩》、《ダミー・ドール》、《ハイエンド・ヒート・レジスト・ウォール》、│私《アイアム》…ふふふっかなりの出費ですね。占めて5000万リル程度でしょうか。」
現実世界換算で5億円もの大金をまるで端金の様に使ったと呟く彼女の表情は、しかし満面の笑みを浮かべていた。
「解析出来たスキルは《適者生存》と《屍山血河》だけですか。リソースを収奪するスキルも持っていると踏んでいましたが…ああ私が殺されなかったからスキルを使わなかったのですね」
「【器神】には私の事が知られていましたね。ジブリールのワールドに入った瞬間からスキルを一切使わず搭載兵器だけで攻撃していましたし」
「またいつか伺いに行きましょうか。IFの方々は考察しがいのある方々でしょうしね」
再度同じ事を繰り返す事を宣言しながら彼女は歩き出す。
「次はグランバロアに行きたいですね。【グランバロア七大エンブリオ】、いい響きです。」
彼女は旅を続ける。自身の知的欲求を満たすまで。自身の欲望には果てがない事を知りながら。
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ネーム【ミストルディア】
2つ名【知りたがり】【ノーマナー】【無彩限】
所属ギルド:【フリーランス】会長
job 超級職
【
上級職
【
【大司書】Lv100
下級職
【司書】Lv50【魔術師】Lv50【生贄】Lv50
【埴輪士】Lv50【書記】Lv50【書士】Lv50
エンブリオ【簒奪天使ラジエル】
第七形態 Type:メイデンwithワールド・ギア
機械仕掛けの天使。しかし殆どの時間をワールド形態で過ごしている。
スキル:【知識簒奪】
ワールド範囲内で使用されたジョブ・エンブリオ・特典武具・モンスターのスキルを解析する。
【構成模倣】
解析した情報を元にスキルを模倣する。
模倣したスキルは7つまで保持できるが、複雑なスキルは1つで複数のストックを潰す事がある。
必殺スキル:【
【知識簒奪】の強化版。超級職や超級エンブリオの必殺スキルも高速で解析・模倣可能。
【禁書王】
自身の持つスキルをそのスキルに合う素材とリソースを用いて作成した「魔本」に写すジョブ。ただし写すスキルは使用者が完全に使いこなしている事が前提(アーキタイプシステムの補助無しで発動可能なレベル)でありアーキタイプシステム導入後の世界では、一部の魔法職やオリジナルスキルを開発できる「神」シリーズ以外にとっては何の役にも立たないジョブであり、殆どロストジョブと化していた。作成した「魔本」は他者も使用可能であり、オリジナルスキルを後世に遺す事が出来る。
1度使用した魔本は「不活性」状態になり、その魔本作成時に消費した素材とリソースの10分の1を使用することで再び使用可能となる。
特典武具:【煌芸人形 エルクト】
古代伝説級特典武具。
手に持ち抱えられる褐色の人形。ガーゴイル型。
スキル【
消費リソースに応じて起動時間が延長する護衛ゴーレムを起動する。全ステータス1万前後だが、ENDのみ神話級金属を凌駕する硬さを持つ。
【光輝天迎ハイロゥファント】
伝説級特典武具。
頭アクセサリー。金色のティアラ。
スキル【光迎】
頭上にエンジェル・ハイロゥを展開し、光を吸収、魔力に変換し所有者に還元する。
【霊手天外 ジェリーテラー】
逸話級特典武具、
手袋型。透き通るレースの手袋。
スキル【霊手】
本来の手とは別に複数本の霊腕を操作することが出来る。あまりに重いものは持てないが大きな本程度は難なく保持可能。同時に8本まで霊腕は展開可能。
戦闘方法:エンブリオで解析した情報を元に本来作成不可能な魔本を作成・貯蔵し、戦闘時に使用する。魔本の作成には高度なスキル程高価な作成素材、大量のリソース、莫大な時間がかかるため、1度の戦闘の戦闘での消費リソースが高い。上級職のスキルで1冊100万〜1000万コル程。超級エンブリオの必殺スキルともなると
1冊数億から数千億コルにもなる。
魔本化はスキルの特異性が高いほど難しくなる為、解析したスキルを全て魔本化して扱える訳ではない。例えば《適者生存》は自身の死亡後、失ったリソースを自動補充して復活するスキルだが、発動には莫大なリソースが必要となる。魔本はスキルを載せる事は出来るが、余分なリソースを詰め込める程余裕がある訳では無い為、仮に《適者生存》を載せた魔本を作ったとしても、魔本に常に手を触れ続ける状態で死に、1度の蘇生を行えば再活性化するまでは使用不可能になる。通常スキルとはいえ超級エンブリオのスキルの為、作成に数億〜数十億コルレベルの素材とリソースが必要になる上に、再使用の度にその10分の1の素材とリソースが必要になる。
上記の事情がある為、彼女が扱うのは魔本化した際に使い勝手の良い魔法職のスキルや、莫大なリソースを要求されない支援・妨害スキルに偏っている。
普段の戦闘は殆ど【煌芸人形エルクト】に任せきりであり、それで手が追えなくなればエルクトに支援スキルを乗せる。それすら敵わなければ貯蓄した魔本を吐き出しジェム貯蓄連打理論の究極を相手に押し付けるだろう。
そして彼女のエンブリオにストックしてあるスキルは、魔本に関する諸々の制約は受けない。消費リソースこそ解析元のスキルの数倍〜数十倍要求されるものの、本来交わらないスキルの同時使用が可能である。
性格:
本来マナーとして憚られるエンブリオを用いたリアル考察を嬉々として行う人間観察狂い。またティアンもその知識欲の対象としており、彼女のエンブリオはその人物の結晶とも呼べるスキル解析に特化している。
経歴:レジェンダリアに初ログインするも、常軌を逸した人間観察によりマスターに疎まれる。またそのエンブリオの情報収集能力の高さも市井の評判に上り、部族連合に危険視され指名手配された。
その後、自身の消費するリソースを賄い、全国各地の情報を得るためにレジェンダリアを出国する。その後偶然意気投合した○○と共に国家無所属のクランを作成した。ある事情からカルディナ議会と対立し、カルディナにも指名手配されている。
超級の中でも色々と戦闘場面に遭遇しやすかったり、闘技場で戦ったりしてる超級は大体解析してます。
【煌芸人形エルクト】に《人形舞闘会》、《ラスト・バーサーク》《ワン・アンド・オール・エンチャント》等のスキルを重複させてステータスを上げ、《獣心憑依》。その後《我らこそ怪獣女王》を使用することで劣化コンパチ特典武具無し【獣王】を再現出来る。 尚スキルの持続時間の関係で5分維持するのが限界な模様。
…弱くね?