ようこそ間違わなかった教室へ   作:あもう

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オマケ…主人公のプロフィール

高度育成高等学校学生データベース (4/7時点)
アマノ セイント
氏名 天野 聖

学籍番号 S01T004771

誕生日 10月19日

評価

学力…A

知性…A

判断力…A-

身体能力…A

協調性 B-


面接官コメント

学力知力身体能力全てに置いて好成績を残している。また、試験の際も余力を残しているように感じられた為この評価よりも上である可能性も考慮される。

また、面接の際も最初は多少消極的な部分はあったものの、将来像もハッキリしており、コミュニケーション能力も平均よりも上であると思われる。

他にも、調査書には様々な多彩な技能資格、検定が乗っており、レベルの高い今年の受験生の中でも総合力では頭一つ抜けている印象を受ける。

Aクラスへの配属予定だったが、理事長判断によりDクラスへの配属とする。その高いポテンシャルを持って周りを引き上げてくれる事を期待する。




チュートリアル

入学式はアホみたいに長い校長先生の話だったので割愛する。だいたいあの手の話に意味を感じられる様な事は1ミリもないだろう。無用な長物って奴だ。そして入学式を終えて今教室に戻ってきたという訳だ。この学校の理事長たる坂柳理事長は出てこず、前島校長とかいうハゲて太ったいかにもなオッサンが長話しているだけだった。

 

「さて、これにて今日は解散となる。各自注意事項を守るように、以上だ。質問はあるか?無いな?……よし、無いな。」

 

本当に必要最低限の言葉だけ残してそのまま茶柱先生は職員室へと帰っていった。最後の発言には皆ドン引き……する事も無く浮かれていた。こいつらエゴイストか?ここはいつからネオエゴイストリーグになったんだ?

 

「俺は一人で買い物に行こうと思うが、お前はどうする?」

 

そんな事を考えていると目の前の三宅が話し掛けてきた。どうやら友達認定されてる……よな?これ。

 

「ちょっと色々気になる事もあるからな。俺も今日は一人で回ろうと思う。連絡先交換しとくか?」

 

「そうだな。……ところで気になる事ってのはなんだ?」

 

とある「俺か、俺以外か。」という有名な言葉を残したホストも顔負けのさり気なさで俺は三宅の連絡先をゲットする。

 

「うーん……まだ分からんからなぁ……ちょっと様子を見させて欲しい。またなにか分かったら連絡する。」

 

友人関係の作成は大事な事だが、Dクラスの大半はゴミだし取り敢えず放置でいいだろう。目の前の三宅と国交を持てただけ棚ぼただと考えよう。

 

俺はバックを背負いそのまま教室を出る。狙いは勿論古今東西の無料品漁りだ。

 

さっさと種明かしをしよう。この学校は毎月10万プライベートポイント貰える訳では無い。毎月クラスポイントというポイントに応じたプライベートポイントが貰えるだけだ。そしてそのクラスポイントは実力、言い換えるならば日々の授業態度やテストの点数なんかで決定する。ちなみにうちのクラスは不良品のDクラスなので原作通り行ってしまう場合は、そんなものに期待するだけ無駄だと思う。

 

勿論原作通り行けば、だがな。傲慢不遜かもしれないがまだこの時期ならばいくらでもやりようはあると思う。原作では0とかいう目も当てられない状態だったが、多少は残せるはずだ。

 

とはいえやらなければ行けない事は山積みだろう。イヤイヤではあるがこのクラスを率いる事も打診しなければいけないし、軽井沢の駒化に綾小路の懐柔、櫛田も何とかしなきゃ行けない上にプライベートポイントを稼ぐ必要もある。二次なんかでは賭けシステムがあるのだが実際はどうなのやらである。

 

他にもとにかくデータというデータが片っ端から欲しいが、それ以前に生活用品の確保が必須だろう。俺は近くにあるコンビニに入る事にした。したのだが扉の前で何やら誰かしらが揉めているようだ。

 

この世界のこういう時の鉄則は撮影、それに尽きる。情報の使い方以前にある無いで話は変わってくるからな。

 

「何すんだ、この野郎!?それは俺が買ったファ王だぞ!」

 

だがタイミングが悪かった。赤髪のヤンキー、多分須藤と誰だか知らない上級生が喧嘩しているのだ。てかファ王ってなんだよ。俺の知ってる世界と若干ズレているのかもしれない。我がカップラーメン生涯には1片と言わず10片ぐらい悔いがあったけどな。

 

 

コンビニ前のコンクリートにはカップラーメンの麺と汁が散乱してしまっている。車を止める訳では無いので想像以上に敷地が狭くなっているのは新鮮な光景だな。

 

上級生側は3人。彼らが顔付きでカップヌードルをダメにしている所は既にしっかり撮影されている。会話内容と雰囲気からしてもCクラス、或いはDクラスって所だろう。

 

どうにも3対1の多い須藤である。原作での冤罪被せも3対1だったし彼は何かそういう運命なのかもしれない。

 

「三年の俺様たちに随分な口の利きようだなぁ!オイ!今年は生意気な一年が入ったもんだぜ。生意気のくせに腰抜けみたいだがなぁ?」

 

三年生たちはそういいながらケラケラと笑い、須藤を挑発する。彼らの挑発は1ジンバブエドルすら満たないレベルの安さだろう。

 

「あ? いい度胸じゃねえか!」

 

そしてそれに乗る須藤である。彼のメンタルは時限バカ弾なのかもしれない。

 

「おー怖い怖い。お前クラスはなんだ? あー悪い。……当ててやるよ──Dクラスだよな?」

 

 

「だったら何だよ、クソが!」

 

 

「聞いたかお前ら? Dクラスだってよ!」

 

 ゲラゲラと嘲笑うする彼らだがこれでDクラスだったらただのブーメランである。恐らくは三年Cクラスか、よっぽど自覚の出来ない3年Dクラスと言った所か。

 

ちなみにコンビニから出たそうな他の利用客や、本来ならば明らか営業妨害で訴える事が出来そうな店員さんは困ったような表情を浮かべているが特に何もしない。関わり合いになりたくないのだろう。

 

 

それにしても男女共に顔面偏差値が高いな。店員さんも可愛いし……俺この学校に入れて良かったぜ……目から血涙が……ううっ。

 

それにしてもヒントだらけだなアイツら。多分上級生のルールに抵触してんじゃねぇの?知らんけど。

 

「可哀想な『不良品』のお前らには、特別に今日はここを譲ってやるよ。感謝するんだな」

 

 

「逃げんのか、オラ!」

 

 

「弱い犬程よく吠える。せいぜい最初で最後の楽をするがいいさ。地獄を見るのはお前らだからな!」

 

 

そう言い残し、二年生たちは嗤いながらコンビニを出て行った。さて、プライベートポイントを稼ぐいい機会と見た。残念ながら急すぎて契約書は無いので音声を録音する形にして、後日書面を書かせる事にしよう。

 

 

「ちっ、クソがよ! 入学早々何だってんだよ!」

 

 

確かあのカップラーメンは原作通りならば後で綾小路が片付けたはずだ。無視していいだろう。今綾小路と関わるのも悪くないが目先の利益を優先させてもらう。俺は彼らを追いかける事にした。ポケットの携帯の録音はオンにしておこう。

 

 

「ちょっと待ってくださいよ先輩達〜僕とお話しませんか?」

 

ちょうどいい感じに人の少ない所へ来てくれたので助かった。それにしてもこんな所に公園があったんだな……地図には載ってたっけな。

 

「あ?なんだよお前は!!」

 

「頭悪そうな顔だなぁ!おい!」

 

「ブサイクだな!お前モテねぇだろ!」

 

開幕早々の言葉がこれか……彼等のあだ名は三馬鹿に決定でいいだろう。そして多分こいつらは俺より頭悪いしモテないだろう。取り敢えず須藤の時みたいに乗っかったフリでもしておくか。

 

「な、なんだとぉ!巫山戯んな!おい!取り消せよ!」

 

周りに聞こえないように怒った口調と怒った顔の表情を作ってみせる。お粗末なものだろうが、コイツら相手ならこの程度でも問題無いだろう。

 

「ククク!!お前もDクラスだな?不良品のゴミみたいな要素が詰め込まれてるぜ!」

 

この中のリーダーと言わんばかりのやつが目の前に出てきた。黒髪マッシュなのが尚更ムカつく。なんというか、成長の方向性を間違えた池みたいな奴だな。

 

「お前らだってDクラスだろ!!それブーメランって言うんだぜ!」

 

あくまでも今回大事なのはコイツらを煽るだけ煽って録音で優位に立つことだ。焼け石に水程度かもしれないがコイツら相手にはその程度でいいだろう。

 

「は?」

 

え?コイツらDクラスなの?Cクラスじゃねぇの?

 

「まさか……あんなこと言ってDクラスなんですか?本当に?プークスクス受けるんですけどぉ!」

 

何処かの宴会芸……じゃなかった、水の女神様みたいな笑い方をしてしまったが勿論わざとだ、うん、決して本気で笑った訳じゃないぞ?だからそんな目を向けないで欲しい。

 

「コイツ!!調子に乗ってんじゃねぇ!」

 

ボコッ!

 

「待て、殴るのは不味い!!」

 

「落ち着け、これじゃ俺らが不利になるぞ!!」

 

目の前の黒髪マッシュ君……では無くその隣の耳元にピアス……?を付けている非行の道に走った山内みたいな奴が図星を突かれて頭に来たのか普通にぶん殴ってきた。まさかこんな事になるとは思って無かったのでカメラを起動し忘れたのは完全にやらかしだ……ちくせう。とはいえ録音でも証拠は残せる。

 

「先輩……いきなり顔面を殴るなんてなんて事するんですか!」

 

「うるせぇ!俺達はなぁ!俺達は元々はCクラスだったんだよ!テメェらとは違うんだ!あ?」

 

なるほど……彼らはCクラス落ちのDクラスか。道理でDクラスを見下している訳だ。大方周りのせいで巻き添えを食らって落とされたとか思っているのだろう。

 

「なるほど……それでは今から録音した音声とさっきのうちのクラスメイトと揉めてた時の動画を持って先生の所に行くとしましょうか。元Cクラスの先輩達の勇姿を皆にも見てもらった方がいいですよね!ね!後輩を脅して喧嘩を吹っ掛けるなんて先生も驚きますよ!」

 

我ながらとてつもない三下感を出した後のこの煽りスキルは中々だと思う。英才教育の一つ、演技力だ。将来駆け引きが大事になるので演技力を培っておけという父親の言い分の元やらされた訳だが保険代理店の営業ならともかく社長に必要なのかそれ、と思ってしまったのは心の隅に置いておこう。

 

「……おい、不味いぞこれ、こんなのバレたら俺達は終わりだ。」

 

「待て……!!馬鹿にしたことも殴った事も謝る。だから頼む。どうかそれは……。」

 

「クソっ……!!中田!!お前のせいだぞ!責任取れよ!」

 

そんなんだからコイツらこんな簡単に嵌められるんだよ……。まぁいいや。

 

「そうだなぁ……それじゃあ契約を結んでもらう事にしようか。まずはおたくらプライベートポイントはいくら持ってる?」

 

俺の笑顔はさぞかし悪魔みたいなコトだろうが、本来保険代理店はこういう仕事である。(違う。)

 

「なんで俺達が……そんな事っ……!!」

 

「辞めとけよ浅生、逆らうだけ無駄だぜ。」

 

それは正解なのだが何故殴った張本人がこんなに落ち着いているのだろうか。神経逆撫でするぞ、それ。

 

「まずはお前ら、俺の連絡先を追加して今持ってる全額のプライベートポイントを俺に送り込んで貰おうか。退学……なんて嫌だよなぁ?この学校は虐めに敏感らしいし。」

 

まぁこの程度なら良くて停学な気もするが、多少盛って置くべきだろう。

 

「「「はい……。」」」

 

そういうと3人は黙々と端末を出して金を送金する。上手く出来すぎている気もするが単純にこいつらが馬鹿なだけだと思う。

 

どうやら俺を殴ったやつの名前が由中、それに文句を言っていたやつが浅生、そして最後の影の薄い一人が鷹見らしい。

 

俺は中田から6万5196プライベートポイント、浅生から5万9651プライベートポイント、鷹見から10万5153プライベートポイントの系23万プライベートポイントを回収出来た。個人的な感想としては「思ったより持ってたな。」である。なんでもDクラスに落ちたのは最近の事らしいので納得は行く。

 

「よし、お前ら今から俺が送った文面に同意出来るならばそのまま読み上げろ、いいな。」

 

俺は3人をギロリと睨む。ちなみに怖い迫力の出し方も我が家の英才教育でやった。社長としての交渉術としてあると大変便利らしい、特に中小企業相手に。

 

案の定効果はあったようで、3人は怯えた表情ですぐに読み上げ出した。

 

「私中田誠一と浅生龍之介、鷹見魁斗は以下の契約に従います。

 

契約書

 

1.私達3人は毎月一日と十五日に所持している全てのプライベートポイントを天野聖さんに譲渡します。

 

2.私達3人はバイトや賭け事、試験などの学校側から何かしらの理由で配布される際に得たプライベートポイントを得た日に全て天野聖さんに譲渡します。

 

3.私達3人は最低週5日以上バイトをして働きます。

 

4.以下の契約を破った場合学校側に100万プライベートポイントの負債を肩代わりしてもらい、学校側に利子なしで返済するものとします。

 

私達はこの契約に同意します。」

 

「「同じく同意します。」」

 

「俺も同意します。さて、取り敢えず1つ目はこれでいいとして次は……そうだなぁ。この学校のシステムの裏の顔についてでも教えてもらおうか。」

 

原作と乖離している可能性もゼロではないのでいちおう塞いでおくべきだろう。それにコレで色々と言い訳もたつ。

 

ちなみに話した内容は原作と全く差異が無かったので割愛させてもらう。データ通りの展開で素晴らしい限りだ。

 

「なるほどなぁ……」

 

取り敢えずこれで俺がこの学校のアレコレを知っている事に対する裏付けは作れた。想像より早いが明日から早速行動に移すとしよう。

 

「取り敢えずプライベートポイントは33万って所か……おいお前ら、また要件があったら呼ぶが勿論無視なんてした日にはわかるよな……?」

 

「はい、それはもちろん!はい!」

 

「よし、今日の所は帰っていいぞ。この事は誰にも言うなよ。」

 

いつでも呼び出せるだろうしひとまずはこれでいいだろう。

 

俺は潤った懐に嬉々としながら、そのまま電化製品屋へと向かった。だいたいのメジャーな店屋はケヤキモールの中にあるのでわかりやすい所だ。目的はノートパソコンだ。後はボイスレコーダー。

 

「い、いらっしゃいませぇ〜。」

 

電化製品屋に入ると気持ち悪い顔と声の男がいた。恐らくはこいつが佐倉のストーカーだろう。現状でどうこう出来るものでも無いのだが……まぁ一先ずは放置だ。

 

俺はそのままノートパソコンとボイスレコーダーの売り場に行く。それにしても偽物の監視カメラやら盗聴機まである辺りこの学校きな臭過ぎないか?

 

「それにしてもピンキリだな……。」

 

本当にピンキリと言わざるを得ない、パソコンは高いものは100万近くするが安いと5000ぐらいだ。ボイスレコーダーも最高級だと20万程度するが安ければ1000プライベートポイントもあれば買える。

 

さて問題はどれの性能がいいのかだ。ボイスレコーダーはまだしもパソコンは長い間お世話になる事だろう。タブレット型でも良いのだがなんにせよなるべく値段を抑えて高性能なものが欲しいところだ。

 

「もしやお主は同じクラスの紅魔族の名乗りをあげた天野殿ではござらんか?」

 

なんか侍みたいな口調の声……材木座みたいだな。

 

そう思いながら言葉をかけられた先に視線を向けるとそこには外村らしき人物がいた。

 

「そうだが……えーと、お前は確か外村だったか?」

 

これで自己紹介してなかった場合は爆速で去ろう。まぁキャラ的にすると思うんだが。

 

「良く覚えていたでござるね。それでここで何をしていたんでござるか?」

 

「いや、ちょっとボイスレコーダーとパソコンが欲しいんだがどれを買うべきか悩んでてな。」

 

外村秀雄、通称博士。原作ではDクラスの三バカの4人目として活動し、コンピュータやアニメ関連に対してめっぽう強い僕が考えた最強のオタクみたいなやつだ。材木座では無い。大事な事なのでもう一度言うと材木座では無い。原作では水着レートをして女子からドン引きされてたり、盗撮を企てたりあんまりいいイメージが無いな。ちなみにデブなので身体能力はゴミカスだ。

 

とは言え彼のオタク力は俺よりもある。使い方さえ間違えなければ使い物になるはずだ。大事なのはファーストコンタクトだな。いやもうそれ終わったわ。二重の意味で……うん。

 

 

「それなら拙者に任せるでござるよ!拙者の事は博士って呼んで欲しいでござる!!天野殿はどんなものが欲しいのでござるか?」

 

「とにかく性能重視かな。値段はある程度までなら出せる…そうだなぁ、ノートパソコンは予算6万プライベートポイントってところかな。ボイスレコーダーは2万ぐらい?」

 

生き生きとしている外村改めて博士と対象に俺の内心はストーカー野郎と目が合ったせいで少しげんなりしていた。だって怖いじゃんストーカー。ちなみにノートパソコンもボイスレコーダーも相場は知らない。

 

「ちなみに何に使うつもりでござるか?それによって優先する性能も変わってくるでござるが……。」

 

俺は天井をちらりとみる。やっぱり監視カメラあるよなぁ……取り敢えず博士には悪いけど適当に誤魔化しとくか。

 

「えーと…さっきコンビニ行ったらクラスメイトの……あの赤髪の奴が先輩に絡まれてたんだよ。護身用にボイスレコーダーを持っておきたいなと思ってさ。ノートパソコンは趣味だな。」

 

ノートパソコンはまだしもボイスレコーダーはどう頑張っても誤魔化せないだろう。ボイスレコーダーを趣味とか言い出したらただのストーカーである。ちょうど今あそこで口笛を吹いている某店員と変わらない。

 

「ふむふむ……ノートパソコンは何をしたいかによっても変わってくるでござるが…オススメはこれでござる。処理性能も高くかつ高画質でござろう。

 

少し値段が張る他のと比べても段違いでござる。値段は5万プライベートポイントと少々張るでござるが性能だけなら10万程度のものと大差無いでござろう。唯一の欠点は画面とキーボードを離せない事でござるが………。」

 

「まぁそれぐらいなら問題無い。それじゃあノートパソコンはこれにしようかな。」

 

少なくとも話を聞く限りだとこれを選んで大失敗、とかは無いだろう。主な用途もクラッキングなんかではなく情報を纏めたり電子的データを集めたりといった事をする為なので最低限のスペックがあればいい。

 

「ボイスレコーダーでござるが……最安値のこれは玩具レベルでござる。まずオススメはしないでござる。」

 

「そうなのか…。」

 

最安値を大量買いしようとしてた俺としてはありがたい情報だ。やっぱり情報は大事だな。

 

「そして2万プライベートポイントするこれも1万プライベートポイントのボイスレコーダーに毛が生えた程度でござる。買うならばリーズナブルにいきたいのなら5000プライベートポイントのものを、機能重視なら10000プライベートポイントのものを買うのがいいでござろう。」

 

なんかだんだん占い師じみてきた博士だが電子機器にはやはりとても詳しいらしい。やっぱりDクラスは一芸特化が多いな。

 

「それじゃあそれぞれお試しで1個ずつ買わせてもらおうかな。正直どれが何とか分からんかったから助かったわ。」

 

家に居た頃は大体全部最高級の奴を勝手に父親が買ってきてたからな。本当に俗世間のここら辺は分からない。

 

「お役に立てて良かったでござるよ。ここで会えたのも何かの縁でござろう。連絡先を交換して欲しいでござる。」

 

「あぁ、いいぞ。これからよろしくな。」

 

これで俺の連絡先は博士と三宅の二人になった。あの自己紹介をやらかしといて初日で2人ならなかなかいいスタートだと思う。

 

「ところで天野殿はクラスLINEには入ったでござるか?」

 

「え?もう出来てるの?」

 

初耳なんだけど、みんな作るの早くね?

 

「既にクラスの半分ちょっといるでござる。出遅れなくて良かったでござるねぇ。」

 

「本当にな…ところでそれってクラスメイトなら誰でも呼んでいいか?」

 

サラッとクラスから除け者にされなかった事に安堵しつつ、俺は自分がクラスラインに入ったのが26番目である事を確認する。そしてやはりというかなんというか、名前のないメンバーは想像通りだった。

 

綾小路、堀北、高円寺、佐倉、長谷部、三宅、須藤辺りが居ないのは特に華奢であろう。

 

「いいと思うでござるよ。でも一体誰を呼ぶ気でござる?」

 

「三宅だ。席が前後だったから仲良くなったんだよ。」

 

俺は三宅にクラスラインの招待を送る。いくら孤独を好むと言えども流石にこれは来るだろう…多分。

 

「彼からは主人公の匂いがするでござる……。拙者の勘はよく当たるでござるよ……フフフ。」

 

その勘大ハズレで主人公は綾小路だぞ。とは口が裂けてもいえなかった。人を見る目はゼロだな。

 

そのまま俺は外村と別れ、店という店の余ってた無料の品を貰えるだけ貰って帰るのだった。

 

この後『入学初日からタダの商品ばかり漁るやばいDクラスの男子がいる』と噂になり俺はまた一つキチガイの階段を登るのだが、当時の俺にそれを予測しろと言うのは当然無理な話であった。




三バカ先輩

・中田誠一……山内に初期須藤の精神力を持たせたみたいなやつ。お察しの通りアホ。

・浅生龍之介……初期池のようなチャラさと馬鹿さにCクラスみたいなチンピラ精神を持った奴。お察しの通りバカ。

・鷹見魁斗……コミュ障。ありとあらゆる無駄をくっつけた綾小路みたいな奴。綾小路という名前だけで強く見えてしまうのはどうしてだろう。趣味は貯金だった。お察しの通りカス。


なお担任からの評価と主人公の部活動に関してはこの時点で書くとネタバレになりますので判明し次第書かせてもらいます。申し訳ない。

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