偽ポチタ「助けてやるから、女のおっぱいを揉め」士道「ふぁっ!?」 作:鳩胸な鴨
-追記-
二亜とのR-18はもうちょい待っててね。完成間近だから。
「……っはぁ」
用意された仮住まいにて。
折紙はあまりの夢見の悪さに、全身から汗を滲ませ、乱れた呼吸を整える。
精霊への復讐のため、最愛の人と袂を分つ。
その決意が鈍ってしまいそうになるほどに、夢であるはずの地獄絵図が頭から離れない。
自分の呼吸すらうるさく感じる中で、唐突に物陰から異形が現れた。
「どうだい?最悪の気分だろう?」
なんとも不気味な踊りを披露しながら、神経を逆撫でする声音で言い放つ未来の悪魔:レプリカ。
折紙は胸を裂いて飛び出しそうな心臓を押さえつけ、彼を睨め付けた。
「……今のは、あなたの仕業?」
「正解。頑張って最悪な未来を変えようと頑張ってる君に、優しい忠告をしてあげようと思ってね」
「余計なお世話…!!」
「おいおい!散々僕との契約に頼っておいて、薄情な女だねぇ!
君の方がよっぽど悪魔なんじゃない?
僕の力を利用して、君が大好きな五河士道の全てを奪おうとしてるんだから」
「……っ」
未来の悪魔:レプリカの言葉に反論できず、折紙は口を噤む。
復讐云々を抜きにすれば、折紙のやろうとしていることは士道との敵対でしかない。
自覚はある。忌避感もある。
だがしかし。そうでもしなければ、五年の間に築き上げてきた『鳶一折紙の全て』が瓦解してしまう気がした。
無論、そんな胸中を目の前の怪物に打ち明けたところで、嘲笑われるのがオチだが。
「…教えて。今のは何なの?」
「アレはね、もうすぐ訪れる未来。
絶対に変えられない未来。
君が散々怖がってきた『最悪の結末』が、すぐそこで待ってるよ」
くすくすと笑い、未来の悪魔:レプリカが闇の中へと溶けていく。
折紙が慌てて声をかけようとするも、すでに彼はこの場を去っていた。
「……変えてみせる。絶対に」
折紙の脳裏には、焦土と化した天宮市が広がっていた。
♦︎♦︎♦︎♦︎
「し、シドー…?い、今、なんと…?」
その頃、士道の部屋にて。
深々と土下座をかます性欲モンスターこと士道を前に、十香は顔を真っ赤にして問う。
聞き間違いであってほしい気持ちと、恥ずかしいけど嬉しいという気持ちがせめぎ合い、思うように表情が作れない。
十香の問いに対し、士道は絞り出すように答えた。
「お前の生乳を、揉ませてくれ…っ!!」
史上最低な懇願であった。
士道が童貞を捨てたと聞いてから、性知識はそれなりに蓄えてきた。
漫画の中のように愛されたいという気持ちも、少なからずある。
惚れた男に求められるのはやぶさかではないが、いかんせん誘い方が直球すぎた。
十香は困惑と羞恥、そして歓喜を浮かべつつ、たわわに実った胸元に手を当てる。
「な、生…ということは、下着も…」
「……ない。鷲掴み…」
「ぅ…。そ、その…。晒さないなら…」
「………ごめん。契約で…」
「いや、シドーならいいが…、むぅ…」
ポチタとの契約で指名されたのか。
そのことに不満を覚えつつ、十香は士道の手を優しく掴む。
士道の細いながらもがっしりとした腕を、シャツで飲み込み、肌を這わせる。
こそばゆい感覚に嬌声が漏れそうになるも、十香はなんとか堪える。
下着が捲れ上がり、代わりに士道の掌が乳房を覆い尽くした。
「……ほ、ほんとに、ごめん」
「謝るな。…こう言うのもなんだが、私も好きでやってる」
三度ほど、士道の掌が感触を確かめるように、十香の胸を揉む。
先日、七罪に鷲掴みにされた時とは違う感覚に、頬を赤らめていると。
ばん、と部屋の扉が開いた。
「士道ーっ!今から夕弦とクソ映画連続上映会やるんだけど、一緒に…」
「「あ」」
士道たちがそちらに目を向けると、大量のレンタルディスクが入ったビニール袋を提げた耶倶矢がいた。
最初こそは笑顔を浮かべていた耶倶矢だが、士道が十香の乳房を揉んでいると言う状況を目撃し、びしっ、と音を立てて固まる。
数秒の沈黙が流れる。
それを破ったのは、顔を真っ赤にした耶倶矢がドアノブに手をかけた音だった。
「……ご、ごゆっくりー…」
「ち、違う!違うのだ!!」
「ちょっと待て耶倶矢!
お願いだから話を聞いてくれ!!」
「と、十香は初めてなんだから、経験者の士道がしっかりとリードしてあげなさいよ?」
「「だから違う!!」」
♦︎♦︎♦︎♦︎
「あのダークネス企業…!
折紙にどう付け入ったんだ…!?」
翌日の放課後。士道は息を切らしながら、折紙の住んでいた自衛隊寮へと駆けていた。
突如として告げられた「折紙がイギリスの学校に転校する」という情報がぐるぐると士道の頭を掻き乱す。
それにDEM…及び、あのいけ好かない二人が絡んでいないわけがない。
ポチタは「イカれポンチに似ているから苦手」と言っていたが、士道自身は折紙に悪い感情を抱いてはいなかった。
『アイツの精霊に対する態度は、日に日に軟化していた。おそらく、そこを突かれたな』
「それの何が悪いんだよ…!?」
『悪いに決まってるだろ。鳶一折紙という人間にとって、復讐心は大きなアイデンティティの一つだ。
でなければ、ああも無謀な策でコトリの襲撃に踏み切るわけがない。
それが瓦解しつつあると指摘されたアイツがどんな選択を取るかわからんほど、お前は間抜けではないだろう?』
「……っ」
ポチタの分析を否定できず、士道が言葉と呼吸を詰まらせる。
と。その眼前に、買い物帰りであろう、無地のマイバッグを提げた七罪が姿を現した。
士道は慌てて足を止め、訝しげな表情の七罪に問うた。
「士道?そんなに急いでどうしたのよ?」
「七罪!折紙を見なかったか!?」
「は、はぁ…?折紙って、あの白髪の?」
七罪と折紙に面識はほとんどない。
言葉を交わしたことはおろか、士道という共通の知人がなければ関わりは皆無である。
それは士道も知っているはずなのだが、かなり余裕がないのだろう。
縋るように問いかける士道を前に、七罪は眉を顰めた。
「…ちょっと、戦争。
アンタ、なんかわかんないの?」
七罪は言うと、何もいないはずの虚空に向け、問いかける。
士道には認識できないが、彼女の視界には、自分と瓜二つの姿をした戦争の悪魔:レプリカが佇んでいた。
『アホ吐かせ…と言いたいところだが、索敵も戦争の一環だからな。知ってるぞ』
「え?本当に知ってんの?なんで?」
『【悪魔の模造品】は母の《囁告篇帙》を媒介に、他のレプリカたちと情報の共有ができるのだ』
「口煩いけど便利な女よね、アンタ」
『殺すぞ』
「はいはい。ほら、さっさと案内してよ」
戦争の悪魔:レプリカの悪態を軽く流し、高圧的な態度で急かす七罪。
「心臓になってる時点で自分自身だから」と遠慮がないのかもしれない。
士道は少しばかり冷静になりながら、駆け足で七罪の後に続く。
と。突如として、街全体に空間震警報が鳴り響いた。
「なんてタイミングの悪い…」
『いや…、違うぞ、シドー。匂いがない。
この警報自体、虚偽のものだ』
「は…?な、なんで…」
士道が疑問を口にするや否や、その頬に鋭い痛みが走る。
視界の隅でチラチラと治癒の炎が揺らめいているあたり、頬に傷がついたのだろう。
士道が背後を向くと、悲痛な表情でこちらを睨め付ける折紙が居た。
その肢体は、エレンが纏うような特殊な装備…ワイヤリングスーツに包まれ、背には翼のように武装が展開されている。
DEMの軍門に降ったのは間違いない。
士道は苦い表情を浮かべると、スターターロープに手をかけた。
が。いざ変身しようと力を入れるも、ロープはびくともしなかった。
否、違う。引っ張ろうとすると、急激に力が抜けてしまうのだ。
士道は面食らい、心臓に目を向ける。
「ポチタ!?何を…」
『コイツから話を聞き出すのなら、悪魔に変身しない方がいい』
「……わかった」
士道は胸元のロープから手を離すと、刃の鋒をこちらに向ける折紙と向き直る。
暫しの沈黙が両者の間に流れる。
それを破ったのは、瞳を金色に変えた七罪だった。
「おい、狐。何故、お前がそっちにいる?」
「コン」
その問いへの答えを聞く暇もなく、折紙が手で狐を作る。
と。狐の悪魔:レプリカの顎門が、士道と七罪に襲いかかった。
「ナツミ、使うぞ!『乳液手榴弾』!!」
『あーーーっ!?』
パキパキと音を立て、手榴弾の形を取った瓶を開いた顎門に投げ捨てる。
眼前に迫ったところで爆発するも、狐の悪魔:レプリカは止まらず、士道たちに迫った。
「チッ…!武器が弱かったか…!
もっと罪悪感を抱け、ナツミ!!」
『アンタが抱きなさいよ!!
あの乳液、高かったんだからね!?』
「お前の金じゃないだろうが!!」
『ぐっ…、しょうがないじゃない!
バイトもできない歳なんだから!!』
「変身してやれ!!」
『嫌よ!!士道に嫌われんじゃないの!!』
ギャーギャーと言い合う七罪を横に、士道は違和感に眉を顰める。
狐の悪魔:レプリカは、二亜が折紙に貸し出していた【悪魔の模造品】である。
その性質上、士道やチェンソーマンには攻撃できないはず。
士道は申し訳なさそうな表情を浮かべる狐の悪魔:レプリカに、声を張り上げた。
「なんで俺を攻撃できてるんだ!?
レプリカは俺を攻撃できないはずだろ!?」
「す、すまん、父様…!
母様がコイツに協力しろと…!」
「二亜が…?」
二亜の意図が分からず、士道は面食らう。
が、しかし。折紙は構わず狐に向け、「コン」と指示を出した。
二亜の命令である以上、【悪魔の模造品】としては逆らえないのだろう。
並んだ牙が士道たちを噛み砕くべく、凄まじい速度で迫る。
士道は咄嗟に七罪を抱え上げ、足だけを悪魔化させて天高く飛び上がった。
「逃がさない」
片手で持つことなど叶わないであろう、巨大な砲身を構え、光条を放つ折紙。
話をする気がサラサラないのだろう。
もう変身するべきか、とスターターに手をかけるも、士道は思い直した。
「…まだ、一言も話してない…?」
折紙のことだ。こんな襲撃をやらかす前、士道には何かしらのアプローチを取ってもおかしくはない。
…否。アプローチを取っていないこと自体がおかしいと言った方がいいだろう。
風を起こし、光条を避けた士道は、その違和感を口にする。
「折紙!なんであの悪魔に魂を売った!?
真那の心臓のこと、覚えてないわけじゃないだろ!?」
「決まってる。精霊を、殺すため」
「…それは、俺もか?」
「正確には違う。私は『ポチタ』を摘出し、あなたに人間の心臓を移植する」
「な、はぁ…!?」
折紙の振りかざす言葉に、着地した士道は素っ頓狂な声を上げる。
と。これまで静観していたポチタが意識を入れ替え、鼻で笑った。
「コイツの悪魔化を止めるため、か?」
「ええ。あなたがいるから、五河士道は…私の愛しい人は、悪魔になりつつある。
よりにもよって、『精霊の悪魔』に。
私はそれが耐えられない。だから、あなたを捕らえ、士道に新しい心臓を与える。
士道に恨まれても構わない。
士道が世界を殺してしまう前に、私がその運命から解放する」
「アホもここまで行くと芸術だな。
ガキには一度、灸を据えた方がいいな!!」
ヴゥン、と音を立て、嘲笑うポチタがチェンソーマンへと変身する。
士道が精霊の悪魔になりつつある原因が、全てポチタにあると思い込んでいるらしい。
実際は士道にも原因があるのだが、ポチタはいちいちそんなことを説明するほど優しい性格ではない。
変身を確認した瞬間、折紙は「コン」と2回呟くと、その手に持った砲身を解き、光刃を握った。
「父様、すまぬぅう!!」
「あとでニアに治してもらえ。切るぞ」
「あだぁあああっ!?
切ってから言わないでおくれェ!!」
狐の悪魔:レプリカの前足二つが襲いくるのをチェンソーで裂き、迫る折紙の腹部を思いっきり蹴り飛ばす。
そのまま狐の悪魔:レプリカの肉に沈んだチェンソーを振り抜くと、伸びたチェーンが折紙の装備に絡みついた。
「セックスは相手の服を一枚ずつ剥ぐことから始めるものだ。
お前相手には乱暴になるが、な!!」
「未来最高」
ポチタがチェーンをしならせると、巻きついていた部分が裂かれる。
しかし、折紙はその部分を自ら切り離し、スラスターを噴射させ、ポチタの頭上へと飛びあがった。
「チッ…、未来め…!!」
「コン!コン!コン!コぉンッ!!」
折紙が叫ぶと共に、ポチタを取り囲むように狐の悪魔:レプリカの足が展開される。
その場から飛び出そうにも、頭上には光刃を手に迫る折紙がいる。
地面を掘り進めようか、と足元に目を向けたその時だった。
「コン!!」
足元のアスファルトを砕き、狐の悪魔:レプリカの頭部がポチタの体を突き上げたのは。
折紙の光刃が心臓に迫る。
分離ももう、間に合わないだろう。
が、しかし。この程度の修羅場など、地獄で腐るほど潜り抜けてきた。
ポチタは頭のチェンソーのチェーンを伸ばし、折紙の腹部に巻きつける。
そのまま首の関節を外し、ぐりん、と180度回転させ、折紙の体を狐の悪魔:レプリカの頬に叩きつけた。
「かはっ…」
「惜しかったな。少し冷や汗をかいた」
ゴキっ、と音を鳴らし、首を戻すポチタ。
装備の破片に塗れ、地面に倒れ伏す折紙を見下ろし、ポチタは息を吐いた。
「お前が『精霊』という種族を憎めなくなったのは当然のことだろう。
トーカたちは『精霊』という種族なだけで、お前の親を殺した本人ではないからな。
筋違いの恨みなど、長続きせんぞ」
「……っ」
納得がいかないのか、険しい表情でポチタを睨め付ける折紙。
これ以上の問答は無理か、と、チェーンで彼女を縛りつけようとした、その時だった。
【ねえ、君。力が欲しくはない?】
そんな囁きと共に、認識できない『何か』が降り立ったのは。
鳶一折紙…うまいこと唆された。原作読み直しても思ったけど、「気楽に復讐」ができないタイプだと思う。
本条二亜/■■の悪魔…DEMに入る前の折紙に接触し、狐の悪魔:レプリカを授けた。未来の悪魔:レプリカが見た時点で最悪が確定してるので、結構焦ってる。
未来の悪魔:レプリカ…未来最高!未来最高!もうすぐ訪れる最悪の未来を楽しみにしてる。
〈ファントム〉…とうとう来た。ポチタのことが死ぬほど大嫌いだが、最愛の人とめちゃくちゃ深く結びついてるので消すに消せない。ちくしょうめ。
書いてて温度差でグッピーが死にそうになった。十香の乳揉みシーン差し込むんじゃなかった。
豆知識で言うと、個人差はあるだろうけど、女の人はいきなり胸を揉んでもそんなに感じないらしいぞ。手とか肩とか、そういう優しいボディタッチから始めような。