グングニルと呼ばれたウィッチ   作:夜かな

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連戦し過ぎたので、休息編入ります、といっても前回のその後の説明を少しとその他で今回はとても短め。



第12話 休息編 その1

 

 

 トラックに乗った私たちは舗装されていない凸凹した道に揺られながら最近の出来事を振り返っていた。

 

「でも、まさか私たちがいない間にマニラが空爆されているなんて」

「ん、あそこの守りは、厳重」

 

「うむ、しかし聞く話では新型のネウロイによる大規模な空爆だったようだ」

「肯定、一定の距離までレーダーで探知出来なかった。気付いた時点で空爆され、レーダーに映ったのは僅かな期間だったらしい」

 

 扶桑の面々とシアの四人が話しているのは、私たちが、超大型ネウロイを撃破後、空母三雲に帰還した時に知ったことである。何でも、レーダーに写らない新型ネウロイが高高度から、マニラ港を空爆、他にもフィリピンの主要港は殆どが空爆を受け、壊滅的被害を被った。

 

「まあ、でもそれ以上に驚く出来事ですよね、これは」

「たしかにねぇ、これ本当なのかな、リア少尉」

 

 エラ准尉とエヴィ准尉が言う出来事とは、中東スエズが、ネウロイの手に落ちたということである。

 

「うーん、まだハッキリとは分からないけど、多分本当のこと、みたい」

 

トラックの荷台から、視線を少しあげれば、曇り空が視界にはいる。それはまるで、これからのことを暗示しているように感じた。

 

 

~司令官室~

 

「……分かりました、扶桑の残存艦隊はしばらく、こちらで見ます。しかしスエズ陥落とは、嘘であったらよかったのですが」

 

『私もだよ、大佐。まさか十万以上の兵力が守備に当たっていたのだが、たった一日で陥落することになるとはね』

 

「旧式の戦艦から取り外した16インチの要塞砲に、数千門の火砲、更に最新式の防空レーダーと防空システム、二千を超える戦車に対空砲、ウィッチ50名以上、ブリタニアの全戦力の20%、ガリア軍の15%、それが一日で陥落するなんて」

 

『ああ、だが事実だ。ネウロイ側の戦力は超大型ネウロイを八体、大中40体以上、更に小型多数、空挺降下した陸戦ネウロイは駐留部隊の半分に達するそうだ。更にこちらで確認された輸送型ネウロイが、要塞に突入し、ネウロイを展開したそうだ』

 

「大規模な空爆と空挺降下。そのどさくさに紛れて最も守りが堅い場所に強襲、手本にしたいぐらい」

 

 ネウロイへの賞賛と同時に、ルティ・ラウフェイ大佐の表情は冷め切っていた。

 

「しかし、聞くところによると、現場の総司令官が逃亡、指揮官不在と奇襲による混乱が今回の大敗を招いたとも」

 

『そうだ、君とそして…部下達に、好き勝手していた豚についてだが、サトゥルヌスを迎える前には、銃殺刑よりも、厳しい法の裁きを受けることになるそうだ』

 

「当然の報いです。私の大切な......あの子に好き勝手したのですから」

『やれやれ、君は戦場以外では本当に不器用だな。真実を告げて私の実家で戦場とは無縁の生活を送ればいいものを』

 

途中から会話の雰囲気が変わる。

 

「それは、いまさら言っても仕方ないことだ。どんな面をして言えばいいかも分からない。それに若いうちは厳しい環境で育った方が良い、甘えられる楽な生活など私は許さない」

『はは、君の歪んだその教育方針には物申したいところだが、さてと話を戻そう大佐』

「はっ、閣下」

『うむ、扶桑の件は先ほど言ったようにたのむ。しばらくは再びの空爆に備え、警戒態勢を敷くように。こちらからもウィッチを追加人員として一名派遣する。アウストラリスで訓練教育を終えたばかりの即席ウィッチだが、さすがに新兵を見る余裕がこちらにはない。そちらで鍛えた上で戦力として活用して欲しい』

「はっ、了解しました。人員補充に感謝します閣下」

『うむ、大佐の今後のさらなる健闘に期待する、以上だ』

 

 よく冷めてしまう紅茶を再び手に取りながら、ルティ・ラウフェイ大佐は内心愚痴る。

 

 

「(私の教育方針は、私があの娘らと同い年の頃と比べたらまだマシなもののはずだ。日夜休む暇もなく戦場でネウロイと常に生死を賭けた戦いをしていたあの頃と比べたら)」

 

 ルティ・ラウフェイ大佐の考え方は自身の経験からくるものだった。しかし常に戦場で生きてきた彼女には、普通のという物が何かよく分かっていなかった。

 

「普通とは、どういう風なものなのか、今度彼女に相談してみるべきか?久しぶりに話もしてみたいし」

 

 

 




ちな、次回はお風呂回、冬だからね。
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