ミンダナオ島はフィリピンで二番目に大きな島であり、全人口の二割近くが住んでいた。だからこそ、主要都市には大隊規模の守備隊と二個飛行隊が配備され島の総戦力は二個師団に達していた。しかし、ボルネオ島北部の戦いで人員を補充するため、引き抜かれてしまい結果、ネウロイの大規模攻勢に耐え切れずに壊滅してしまったらしい。
そしてミンダナオ島の何処かにネウロイの拠点が存在し、そこから出現したネウロイによってフィリピン全島が陥落の危機に陥っている。
「ねえ、シアこんだけ広い島の何処かにあるって、言われても探しようが無くない」
「ん、地点を絞るしか、ない、おすすめは、ネウロイ居るところ」
私たちは急遽この危機的状況を脱するための作戦に参加することになり、第一段階として、ネウロイの拠点の偵察及びそれらの中枢、本拠地を成すネウロイの発見、そのミンダナオ島への偵察任務が今回の私たちの任務である。
とはいえ、私たちの基地からミンダナオ島の偵察は距離的に難しいため、マニラを経由してミンダナオ島まで飛んできている。
「でもさ、ネウロイの1機も見かけないけど」
「ん、高度を下げれば、出てくる、はず」
「まぁ、そうだね、そうしようか連絡よろ」
「ん、各班へA班は、これより低高度偵察を行なう以上」
今回の任務ではウィッチ隊をいくつかの班に分かれて偵察任務をしている。A班が私とシア、B班、エラとエヴィ准尉、C班二千花軍曹と日和軍曹、D班呉田大尉とアマリス曹長、この四班に分かれて偵察にあたっている。
『て、低高度偵察ってなんですか、それ』
『ええと、多分強行偵察のことだと思います…』
『うむ?なんだアマリス曹長、興味があるのか、なかなか良い心がけではないか、なら実際に体験した方が速いな、私たちもやるぞ!』
『えっ』
『……良い子を亡くした』
『うん』
『いやいや、それよr『イクゾー―』OH MY GIRL』
無線が少し騒がしいので、ぶち切っておく。
高度を下げる前に、少し加速する。今回の任務にはF8戦闘脚ではなくジャベリン戦闘脚で任務をしている。前回の戦いで酷使し過ぎたため、予備部品が枯渇、全員分の用意ができなかった。
それゆえにクルセイダーを使い慣れた扶桑のみんなや練度に不安の新入りにF8を使い、私やシアそれにエラ准尉エヴィ准尉は使い慣れたジャベリンを履いている。
まるで末期の国のようだ。
とはいえF8には劣る部分が多くあるが、ジャベリンも悪いものではない。例えば、速度の遅さが、背後に回りこちらを狙う小型ネウロイに、本来の速度を抑えさせることができる。
実戦してみよう。
ある程度高度をさげつつ途中、目的の高度の半分前あたりでシアが積雲の一つに潜るように離脱する。そして高度が目的の6500ftに達したとき、背後からハニカム模様をした三角形、デルタ翼の形をしたネウロイが現われた。
高度を下げたら襲いかかってくるあたり、高度有利は理解しているらしい。ただし、こちらに速度を合わせた時点でそれは無駄でしかない。
左右に動きながらもできるだけ間隔は狭く、背後の小型ネウロイの動きを直線的に誘導していく。
そして雲から飛び出たシアが降下し加速、丁度小型ネウロイの背後にポジションをとる形になる。私はそのタイミングで右から左に大きく180度の旋回を行なう。ただし少し斜め上向きに動く。当然この隙を見て獲物に食いつく小型ネウロイは斜めに上昇し攻撃を狙ってくる。
小型ネウロイは勝ちを確信したのか、赤く一瞬鈍い光が揺れる。
しかしこの状況、小型ネウロイへの射線に私が重ならず、ましてや、大きな面積を晒した小型ネウロイ、それを見逃すほどシアは甘くない。
背後から必中のポジションについたシアが ダダダダンッ とL7汎用機関銃を放ち、三角形の形をした小型ネウロイは大きな面を無数の銃弾貫かれ、白い破片を散らし消滅した。
そのあと一旦高度を元の所まで上げながら、これと同じことを何度か行ないながら、偵察を続けていく。
「手応えがなさ過ぎるね、菱形より遅いし動きも鈍い、攻撃機みたいな奴なのかな」
「ん、でも、速い」
既にジャベリン戦闘脚では、速度、加速度、上昇力といった面でネウロイ相手に劣る部分が増えている。だからこそ後継の配備が本国では進んでいる。でもおかげで、使われなくなった余りが送られてくるために予備部品には困らなかったりする。
「そうだね一旦、合流ポイントに行こうシア、なんか違う気がするし」
「ん、同意」
目的のネウロイの拠点が無いと判断し、事前に定めた合流ポイントに向かうことにした。迎撃が少なすぎるため、ここらには重要な拠点が存在しないとそう感じた。
余裕ができれば。前中後編で終わるはず。
追記:一部追加、あとキャラ設定消えた。