グングニルと呼ばれたウィッチ   作:夜かな

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久しぶりの本編です。


第21話 ミンダナオ島血戦 ダバオ港突入編

 

 私とシアそしてエラ准尉エヴィ准尉はネウロイの群を正面から進み激しい空戦の中着実にダバオ港に向けて侵入しつつあった。

 

「ん、リオもうすぐ目的地」

「お~けっこう速く着く、やっぱり正面突破したのは正解だね」

 

 中型ネウロイのコアを7.62mmで貫き消滅させるとこのことを後方の二人に言った。

 

「まぁ……確かに速いです、ね」

「はは、うん」

 

 二人は喋る気力が殆どなくなっていた。常に背後を取られ続けながら、というのは大変だったらしい。

 

「ところでシア少尉、呉田大尉たちと連絡は取れないですけど」

「ん、ネウロイの妨害、だと思う」

 

 別の迂回チームである呉田大尉たちとは、連絡が取れない状況にあった。ネウロイは通信妨害を戦術の一つに組み込んでいるのか、こういった事態は珍しい事でもない。

 

「ネウロイの拠点が近いのかな、ってことはダバオ港にありそうだね」

「ん、あとは正確な位置と場所」

 

 またネウロイこういった妨害ができるネウロイいるということは、それだけ重要な場所ということも考えられた。

 

私たちは目的を完遂するため、ダバオ港に突入を開始した。

その裏で色々と事態は動いていたが、それを私たちが知る術はなかった。

 

 

~セレベス海 洋上 戦艦アーカンソー艦橋

 

ミンダナオ島に作られていると思われるネウロイの拠点を砲撃するため、セレベス海にて戦艦アーカンソーは待機していた。

 

「司令、ウィッチ達からダバオ港への突入を行なうと連絡がありました」

 

老齢な艦隊司令官は、士官の報告を聞き即座に指示を出した。

 

「そうか、艦隊にダバオ港へ向けて移動することを通達せよ」

「はっ、し、しかし司令、ダバオ港の偵察結果を待ってからでよろしいのでは」

 

若い艦長が慌てたように、止める言葉を投げる。

 

「奴らの拠点がありそうな所などダバオ港を除いて偵察したのであろう、ならば確実にいるということではないか、偵察を待つなど相手に時間を与えるだけだろう」

 

投げられた言葉を艦隊司令官は判断材料を掲げて否定し、決断を変えることはなかった。

しかし、突如として僚艦の重巡にて大きな水柱が上がり、事態は急変を迎える。

 

「な、何事だ」

「重巡アウストリア“被雷”」

 

その報告によって艦橋にいたものたちは、一部を除いて混乱の極みに陥る。この艦隊の内側にいた重巡が魚雷によって攻撃された、それはつまりネウロイの水中型が艦隊の輪形陣の内側にいる可能性がありえるからだ。

 

「周辺は新型の対潜装備をした駆逐艦で固めていたのだろう、なぜ気づかなかった」

「はっ、それが魚雷の発射音も兆候もなく、突然魚雷が現われたため気づけなかったと」

「それと気になる報告が」

「何だ」

 

艦隊司令官は冷静に事態の把握に努め、部下からの気になる報告にいち早く反応する。

 

「魚雷が命中する直前に、艦隊輪形陣内に落下物が落ちたと見張りが言っており、その落下物は、直方体の形をした全長約7メートルのものだったとのこと」

 

「......艦隊に対空警戒もさせろ、もしかしたら本国で開発中のロケットの弾頭に魚雷を積み込み目標地点で魚雷をロケットから切り離し投下するというものと同じ兵器かもしれん」

 

「はっ、各艦に通達、対潜対空警戒を厳とせよ」

 

艦長は艦隊司令の言葉を聞き、すぐさま各艦に指示を通達した。

 

「司令、このまま突入しても艦隊は訳も分からない攻撃にさらされ続けます、やはり一度引き返して航空支援を受けながら突入するべきでは……」

 

「いや、このままダバオ港に突入する。引くに進むにしてもどっちにしろ攻撃を受けるのは変わらん、艦隊の代価に敵の拠点を破壊できれば戦略的勝利を得られる。引けば損害だけを被るだけで何も得られんむしろ万全に備えた敵と戦う羽目になる、突入以外に選択肢はない」

 

艦長は、戦略的勝利という得る代わりに失う対価の犠牲と撤退の引き換えに待ち受ける犠牲を選択肢に出されれば、もはや何も反論はできなかった。

 

~ダバオ港 上空 ~

 

私たち強行突破チームがダバオ港に突入したとき、視界に入ってきたのは、ダバオ港の中心にドーム状の形をした霧状のものがある光景だった。

 

そしてドーム状の中心部分から直方体の物体が飛び出し曲線を描きながらどこかへと飛翔するのも確認できた。さらに小型ネウロイが数機飛びだし迎撃に上がってきた。

 

「すごく分かりやすいね」

「ん、あれがネウロイの拠点」

 

背後から着いてきた小型ネウロイを始末しながら、ドーム状の周辺を観察する。そしてわかったことといえば、定期的に何かが発射されていることとドーム状の中に空間があるかもしれないということだけだった。

 

「やっぱり、中に入らないと詳しくはわからないね」

「ええ、エラの言うとおり、周辺から観察するだけではほとんど分かりませんね」

 

「ん、リオどうする」

「そりゃ、一つしかないよね」

 

エラ准尉エヴィ准尉の二人は、私とシアの態度と雰囲気から次の展開を悟り諦観する。

 

「それじゃ、二人ともいくよ……突入」

 

―――ああ、やっぱりこうなるか―――

 

ドーム状の中に突入していった二人に続くように准尉の二人は続いて突入していった。

 

 




ミンダナオ島血戦は思ったより長くなりそう、十回ぐらいは書き直して何とかギリギリ納得いく内容にするのに、気付いたら四ヶ月もかかってしまった....
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