グングニルと呼ばれたウィッチ   作:夜かな

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遅くなりましたが本編です。


第26話 ミンダナオ島血戦 最終戦その1

 

~空母 三雲~

 

晴天の下、スールー海に護衛の駆逐艦数隻と共に空母三雲は、試験航海を実施していた。

 

「賀来艦長、本艦問題なく航行中、航空隊もいつでも発艦可能であります」

「そうか、では航空隊は直ちに発艦、目的地はダバオだ」

 

艦長の号令が下ると、待ってましたと言わんばかりに、飛行甲板に爆装したF8Dクルセイダーがカタパルトによって次々と矢を放つように飛び立っていく。

 

「副長、例の艦隊はどうしているか」

「はっ! 先ほど本艦に続き航空隊を出したとのこと。本艦の艦載機の到着予定時刻より数分遅れで目的地に達するかと」

「ほう、一番槍は譲って貰えたらしい、航空隊に伝達。見敵必殺、以上だ」

 

艦長の言葉が届くと航空隊の発艦の勢いが増していった。

 

 

 

~リオ少尉~

 

「うーん、勢いで攻撃したのは良いけど、硬いね。削れはするけど…シアそっちはどう」

 

シアは双胴型のネウロイに対してリオとは別の装甲をL7汎用機関銃で表面に攻撃を加えているが、表面を少し削ることしかできておらず、再生によって元に戻ってしまう。

 

「ん、駄目削った端から再生する」

「だよねえ、火力不足かあ」

 

巡洋艦が2隻もくっついた双胴型ネウロイと交戦を開始してそれなりに経つがいまだ致命的な攻撃を与えられずにいた。

 

それは火力不足もあったが弾薬の不足もまた原因だった。任務を開始してからの複数回の哨戒機との戦闘で消耗した分と戦艦を取り込んだネウロイとの戦闘で弾薬は殆ど残っていなかった。特に25mm対物ライフルは残弾数一発のみであり、コアを撃ち抜くにはとても足りなかった。

 

どうしたものかと悩んでいると、シアが何かを思い出したような顔をする。そして続く言葉にそういえば、となる。

 

「ん、今回の任務、偵察して伝えるだけ、だったはず」

「……そういえばそうだったね」

 

今更だが、今回の任務か作戦だったか忘れたがそもそもネウロイの拠点を見つけそれを戦艦アーカンソーに伝えることである。

 

すっかり存在そのものを忘れていたが、今必要な火力を満たすことができる。

 

「あの、でも無線は使えるでしょうか。ネウロイの妨害されているのでは」

 

エヴィ准尉の言葉にシアは耳を叩くモーション見せる。

 

「ん、多分使える。妨害してたネウロイはあの霧のドームを作っていた戦艦のネウロイ」

 

それを証明するように離れている呉田大尉に無線で連絡を取る。

 

『呉田大尉、聞こえる』

『うむ、聞こえるぞ、どうやら問題ないらしい』

 

私は霧のドームが無線の妨害の大本であり、バラバク島でのことも含めて考えるにネウロイの霧には電波や周波数の波を遮断もしくは逸らす効果あるのかもしれない。

 

「連絡が取れるなら、アーカンソーに砲撃を要請すればいい。でもさすがに遠距離からの砲戦だと精度に問題があると思うよ」

 

エヴィ准尉の言葉も確か。正確にコアのある付近を砲撃で吹き飛ばせなければ撃破することは難しく、遠距離の砲撃は静止目標ならともかく動く相手に確実に当てることは賭けに近い。はずだった。

 

「ふむ、ならば視界に入る距離からだと、問題はないな」

「「えっ」

 

 

~戦艦アーカンソー~

 

「敵目標と思われる水上に双胴型ネウロイを確認、前部主砲いつでも撃てます」

「うむ、全艦に通達、本艦はダバオ港に突入する。目標は双胴型のネウロイ。艦長、攻撃開始だ」

 

ダバオ港入口にボロボロの護衛艦や巡洋艦を後ろに先頭を威風堂々と突入する1隻の戦艦

 

 

この戦いの本来の主役が大口径の砲音を鳴らし、戦場に現われた。

 

 

 




今回は短め、やっぱりミンダナオ島血戦は2か3は掛かりそうですね。
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