グングニルと呼ばれたウィッチ   作:夜かな

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一か月ぐらい経ってしまったけどエピローグです。時間が経つのは早いですね。気づいたら夏でした、おそらく次も来月になるかもですね。あと短め。


第29話 ミンダナオ島血戦 エピローグ

 

 1964年 2月

 

 普段は格納庫横で読書に紅茶に勤しむ私は、雨粒降り注ぐ外での読書は諦め、雨雲によって薄暗い部屋の中で黙々と本のページを捲っていた。傍らには包帯を足回りに巻いたシアが側に居て慣れた手つきで、紅茶をポットからカップに注いでいる。

 

 私がページを捲る音が二、三回ほど鳴った時、異様なほど静かだった部屋で私は部屋にいる人物に話しかけた。

 

「......えっと、マリネ少尉はどうしてこの部屋にいるのか聞いても」

「お気になさらず、どうぞ、読書を続けてください」

「いや、一応ここはウィッチの待機室なので居ることに問題があるわけじゃないのですが、そのずっと見られ続けると落ち着かないというか、そもそもリベリオンの空母所属ですよね、どうしてここにいるのかと」

 

 リベリオンの人間らしいラフな服装を、カールスラントのようなきっちりとした着こなしで身だしなみのいいシルバーヘアの美少女が木製の図学室にあるような椅子に背筋をしっかりと伸ばして、視線は私に向けて座っていた。

 

「............先輩に興味がある、それだけです」

「......」

 

 そして密着するほどの距離まで近くに寄り時折シアに向けてチラチラと視線を寄こす。そのシアも紅茶を淹れながらそれを意にせずに堂々と私のマリネ少尉の反対側で同じくふわふわした甘い匂いのするシアの髪がかかる距離まで寄っていた。

 間に挟まれる形の私は二人のバチバチと火花散るような気配を感じ、ただただ口を開くのが難しい状況が小一時間も続いていた。

 

 何故こうなったのか、語ればそれこそ文庫本の序章を書くことが出来てしまうため省略させてもらう。ただそれだけでは状況についていけないかもしれないので、簡潔に3行で纏めると.........

 

 ・シアを運んでくれたマリネ少尉に感謝の言葉を告げる

 

 ・このお礼は誠心誠意身体を使って返す的なことをいう

 

 ・マリネ少尉に先輩って呼ばせてくださいと言われる

 

 そして今に至る。これの何処にこの状況を生み出す原因があるのか私は分からず、この状況を打開することが出来ないでいる。

 

 さらにこの状況打開してくれる存在がいないのもこの状況が続く原因だった。基地司令はいてほしくない時にはいて居て欲しい時に限っていない。何でもミンダナオでの戦いの書類の後始末が残っているらしかった。そのときには恨めしいものを見る目でこちらを見ていたが理由はわからない。

 エラエヴィ准尉の二人は基地司令に頼まれてシンガポールまで荷物を受け取りにいっている、なんでもボロボロになったジャベリンの改修キットを運良く手配できたらしい。

 そして扶桑組は、空母三雲が新たに派遣される新型空母と合流するためそちらに一時的に原隊に戻っている。とはいえ主要な港湾は未だ復興途上のためパワラン島の沖合に最終的には停泊するためこの基地には帰ってくるそうだ。

 あとアマリス曹長は近くの港町まで買い物に出掛けている。毎日扶桑組に鍛えあげられているアマリス曹長だが新米卒業を果たしたため久しぶりの休暇を兼ねたおつかいが与えられた。

 

 さてつまりは今この状況を打開出来る存在はいないということだ。最短でアマリス曹長が基地に帰ってくれば、何かしらの変化をもたらすかもしれないが、そもそも彼女がこの二人の下士官、士官を止められるとは思えない。

 

 逃げ道足りえる外はザアザアと降り注ぐ雨によって塞がれてしまっている。

 

 「はぁ......」

 

 思わずため息が漏れてしまう、それで状況が改善するわけもなく平穏な今日は静かな騒がしさを感じながらゆっくりと過ぎていく。

 

 けれど内心はこの時を愛おしくも感じていた......

 

 




 試験的に一人称と三人称混ぜ混ぜで書いてみました。これスラスラ内容が浮かんできて書けるので内容が濃く感じやすい反面、実はそんなに話が進まないという。一人称と三人称の中間のような、うまく書ける方たちは本当に凄いと思います。
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