グングニルと呼ばれたウィッチ   作:夜かな

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実はノートに書いていたプロットが7割、どっか行った。


第3話 バラバク海峡攻防戦 中編

 

 

 ~バラバク島防空隊 監視塔 ~

 

 バラバク島は、海峡の要所であるため、監視レーダーや3.7inch高射砲が配備され、120名の守備隊が駐留していた。

 

「ジョン、レーダーさんの調子はどうだ」

「はい、今日は機嫌がいつもより良さそうです」

「そりゃいいや、今日はウィッチがくるからな、しっかり準備して最高の歓迎をしようぜ」

 

 監視塔の中で三人の見張り番がウィッチについて会話をしていた。

 

「そういや、連合軍北部臨時基地って長すぎて言いにくいよな」

「確かにそうですね、これから規模が増えるなら臨時のままにするのもどうなんでしょうか」

 

ギッブがFALをメンテナンスしながら言った。

 

「まあ、仕方がないんだよ、あの基地はな、もともとは戦争犯罪者を収容して戦わせるために作られた場所だからな、本来は正規の部隊の基地ではないんだ。だから臨時基地って、いっているのさ」

「それって、というかそんな基地が存在しているなんて知りませんでした」

「確かに、問題児を集めたっていうウィッチの部隊の噂は前の大戦中に聞いたことはあったが、戦争犯罪者の基地なんて聞いたことがないぜ」

「……ま、知らなくてもいいことだからな、この手の話は」

 

ライアーは、会話を打ち切り、黙々と扶桑製レーションの食事を続ける

 

「……って、隊長それ扶桑の新作じゃないんですか!」

「うお、本当じゃん、ずるいっすよそりゃ」

「っち、気付かなければいいものを、ほしくてもやらんからな、これは…隊長権限だ」

「こ、こんな時だけ、隊長権限使いやがって」

「そうですよ、見損ないましたよ隊長」

 

監視塔の中は騒がしく、戦時中というにはほど遠い、和やかな雰囲気がただよっていた

 

「ところで、ジョンしっかりとレーダーはみとけよ、今日の夕方にはウィッチが来ることになっているんだからな」

「はあ…わかっていますよ、でも特に反応は…あれ、二つほど何かが接近してるようです」

「あん?予定より早くねえか」

 

ギッブはメンテナンスしている手を止めて、同じく食事を途中で切り上げたライアーとともにPPIスコープを覗き込む。

 

「おいおい、まさかネウロイか」

「いやいや、もしそうなら、妨害電波がでるはずですよ、わざわざレーダーに写るメリットなんか無いですって」

「ふむ、まあそうか…おいギッブ、上に上って念のため目視で確認してこい、運がよけりゃウィッチを一番最初にお目にかかれる」

 

ギッブはそれを聞いて、

 

「そりゃいいや、ハニカム模様の野郎でないことを祈るぜ」

「はは、羨ましですね、最近はむさ苦しい野郎ばかりですし」

 

ギッブは端から見たらテンション高めに、階段を登り、さあらに梯子を登っていって頂上に向かう。

 

「さてと、ジョンのために、お気楽演じたが、このヒリヒリする感じ……こりゃ、ちとやばいかもしれねぇな」

 

ギッブは手に持った双眼鏡を覗き込み周囲を見渡す。しかし

 

「こりゃ、霧か、視界が悪すぎて何も見えないぞ」

 

置かれている無線機を取りながら周囲の状況を伝える

 

「隊長、周囲が異常な霧で見えません、接近中の目標は確認できず…あん?繋がってねえ」

 

ギッブは手に持っている無線機の本体の周波数を弄りつなげようと試すが、ノイズを垂れ流すだけの機械は繋がることはなかった。

そこで、仕方なくギッブは、下にむかって大声で呼びかけようとした。しかしそれは口から出る前に、赤い高熱源によって止められる。

 

「な、ネウロイ」

 

“複数体の”大型のネウロイが放った一撃は瞬く間に監視塔やその周辺に降り注ぎ、無数の破壊を招く。

ギッブは咄嗟に飛び降りたため、そして運良く藁の山に落ちることで無傷にちかい状態だった。

 

「はは、隊長、ジョン」

 

しかし監視塔の中にいたライリーやジョンはビームの集中砲火を受けて生存は絶望的だった。ギッブは呆然とした頭を振り、とにかく防空陣地に移動しようとする。しかし無情にも彼の目の前には“多数の陸戦ネウロイ”と大型ネウロイから切り離されて降下している多数のネウロイ。その光景に彼は苦笑し、そして

「うそだろ、k―――」

 

バラバク島防空隊第1高射砲陣地兼司令部

 

「撃て、あんなでかい的を外すなよ!」

「中尉!、第5高射砲からの通信途絶、第2高射砲からネウロイの空挺降下を受けて救援要請がでいます」

「ネ、ネウロイの空挺降下だと⁉そんなばかなことがあるもんか…」

 

中尉は突然のネウロイの奇襲攻撃と島全体に及ぶ空挺降下に冷静な判断は既に不可能な状態にあった。分かっているだけでも高射砲が3つ門、機関砲が8基、防空陣地が二つ、既に破壊もしくは通信途絶の状態にあった。

 

「こ、こんなネウロイの大部隊、いったいどこからきたんだ」

「中尉!指示を、中尉?」

 

 防空陣地の周囲は既に陸戦ネウロイの大軍に包囲され、他の陣地はとうに消滅し、この陣地も既に負傷と死者にあふれかえり、この島の防空隊の運命は決していた。

 

「わたし、わたしはわるく―――」

 

大型ネウロイと陸戦ネウロイさらに無数のパネルがまとめられたロケット砲のようなネウロイからの集中砲火を受けてコンクリートで作られた司令部は複数の爆発とともに完全に沈黙した。

 

1963年 バラバク島陥落、地獄の釜が開かれた。このときから大きく戦いは動き出した。

 

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