【雪兎視点】
五つ子宅 リビング
二乃に頼まれて付いて来た雪兎は広いリビングを見渡していた。
(広い!? 一体リビングだけで何畳あるや? しかも、2階存在してるってどう言うこっちゃ! 一軒家とマンションが合体してっと!?)
と、まぁ、いい感じ?に荒れていた。 一方で風太郎はベランダで何処かに電話をかけていた。
☆☆☆☆☆
【風太郎視点】
「もしもし? 中野さん む、娘さんたちが五つ子と言うのは..ほ、本当なんですか?」
『あぁ、彼女たちは正真正銘の一卵性の五つ子だ。君には5人の家庭教師をしてもらい、全員を卒業まで導いて欲しい。
勿論、報酬は5人分払う』
電話の相手は依頼主である
「そ、、それはちょっと自信ないかな〜と....。」
『そうかい、君のお父さんに押し切られたが…仕方ない..残念だが無かったことに….』
「自信がみなぎってきましたぁぁ!!!!!
…………娘さん全員を無事卒業させてみます!!!!」
『…期待しているよ。ところで娘たちもそこにいるのかい?』
「ええ!事情を説明して部屋に集まってもらって…」
ガチャ!
ベランダからリビングに移動してきた風太郎は、辺りを見渡し絶句する。
「……。」
それは...
雪兎以外誰もいなかったからだ!
『?ん? どうかしたのかい?』
「い、いえ! 少し電波が悪いようで! それでは、僕は初めての授業を行いますので、これで失礼します!」
ピッ!
電話切る風太郎。
「はぁ、、、アイツらどこにいったんだ?」
「みんな、自分の部屋に行ったみたいやで?」
「そ、そうか...と言うか、お前誰?」
「...ん? あ、 あー、名乗ってなかったやな? 雨宮や。雨宮雪兎。一年や 上杉センパイ」
「お、俺は上杉風太郎。 アイツの父親に家庭教師のアルバイトを頼まれて此処に居る」
「...みたいやな」
雪兎は、周りを見渡しながら呟く。そうは言うものの、肝心の生徒である五つ子が誰1人....いや、そうでもないようだ。
「お父さんとは話せましたか?」
オレンジ色のボブヘアの少女が声を掛けてくる。
「...四葉だっけ?0点の...。」
「え? 0点...ってセンパイ」
「あ、ははは」
風太郎は、呆れた様に 雪兎は、驚愕したように 四葉は、苦笑い と言うか三者三様の反応だ。
「ってか、なんで お前は逃げないんだ?」
「し、人外です! 上杉さんの授業を受ける為に決まってるじゃないですか!」
「!」
「...。へぇ」ボソリ
「最初は、怖い先生だったら、どうしようと思ってましたが、同級生の上杉さんとなら楽しくやっていけそうです!」
「...四葉。抱き締めいいか?」
「サッ!みんなのところに行きましょ!」
「ドアホ! 何セクハラ発言してんねん!?」
「いったぁ!」
ベシ!
背中を雪兎に叩かれる風太郎は背中を押さえながら階段を上る。それに続く雪兎。
「手前から、五月、私、三玖、二乃、そして一花。という順です。」
「まさか、5人を集める所からやるとは、思わなかった」
「大丈夫ですって!クラスが一緒なら知ってると思いますけど、五月は凄く真面目な子です! 余程なことがない限り協力してくれたす!」
四葉のセリフに雪兎が..
「ハハハハ」
乾いた笑み浮かべる
☆☆☆☆☆
【雪兎視点】
コンコン ガチャ
「嫌です!」
「ええ!!」
「そもそも、なぜ同級生の貴方なのですか? この街にはまとも家庭教師は1人もいないですか!」
「な、なんだよ、昨日は勉強教えて欲しいって言ってたじゃん....」
「気の迷いです!?」
いきなり、太るぞ!って言われればそれは怒るのも無理のない話だ。
閉められそうなドアを雪兎が咄嗟に掴み制止する。
「っと! センパイ! 昨日の約束果たそうや?」
「! あ、雨宮君。や、約束って?」
「食堂で言うたろ? 分かる範囲でオレが教えるって...せやから、約束果たさなかったら、オレ。 嘘つきになってまう」
「.....」
数秒の沈黙
「..分かりました。 雨宮君を嘘つきなんかにさせません! 準備をしたら向かいます!待っててください。」
「了解や! 五月センパイ」
笑顔を浮かべる部屋に戻って行く、五月を見送る雪兎。その後ろで
「なんで、俺とお前とで扱い差があるんだ!?」
ほざく風太郎。
「...。はぁ、 人徳やな」
呆れながらぼやく。
「はや、行きましょか?」
次に進む雪兎たちは三玖の部屋向かう。
「嫌」
「あら?」
部屋に入ると何故か仁王立ちする三玖の正面で正座させられる雪兎たち3人がいた。
「そもそも、この街にまともな家庭教師はいないの?」
「それ、さっき聞いた」
「せやな、 ところで、 三玖センパイ??? なんで俺まで正座させられてんね?」
「...ユキトはノリで」
「...ノリかいな?」
「うん」
「なら、もうええかいな?」
「うん。ありがとう」
雪兎は風太郎と四葉を残し部屋出て行った。
☆☆☆☆
雪兎は三玖の部屋を出て、二乃の部屋に向かう。ドアをロックしようとした時、一階からガチャ、ガチャと物音が聞こえてくる。「なんや?」と気になり、目前の二乃の部屋を後に一階に降りる。キッチンの方から音がしてきたため、様子を見に向かう。するとそこには...
「あ! 雪兎くん! どうしたの?」
制服の上に赤いジャージを着込み料理をする二乃の姿があった。良く見るとそのジャージは学校指定の物で、左胸に【中野三】と書いてある。
「..あ、いや、 二乃センパイどこやろうかなぁ?って探していたんや」
「そうだったの? なんか、悪いわね......」
「あ、いけるや、それより、センパイ。何作ってんや?」
「え? あ、ん、とね? クッキー焼こうと思って作ってるのよ。
一応?アイツもお客さんだしね...」
二乃は風太郎をもてなすためにクッキー作りをしていたようだ。冷蔵庫から材料を取り出し準備を着々と進めていた。それを見た雪兎は手持ち無沙汰で暇を弄ばせていたため、二乃の手伝いをすることを選んだ。
「なるほどなぁ….それじゃ、オレも手伝いますや」
「え!? い、良いわよ! 雪兎くんはお客さんだもの…悪いわよ」
雪兎の提案を断る二乃
「せやけど…手持ち無沙汰で、落ち着かないや 頼むや 二乃センパイ…」
二乃の眼をじっと見つめながら、懇願する雪兎
「…////う、う~、分かったわ。それじゃお願いするわ」
頬を赤く染め視線を外した二乃が折れ、2人は並んで料理を始める。
「雪兎くんアレ取って」
「あいよ、センパイ」
「センパイ、出来たやどうや?」
「どれどれ? ..っうん! 良い感だわ!」
2人の動きは、まるで、長年一緒に連れ添った夫婦かのように、お互いの癖を理解し合ったかのような無駄の無いコンビネーションを取る。
「さすが雪兎くん♪ 喫茶店のバイトしてるだけあって上手いわ」
「いや、センパイこそ手慣れてますや、料理お好きなんで?」
「好きよ、と言うか私が料理を担当してるからね…」
「担当って..? え?! 5人分を毎日?」
「…えぇ。あの子たち料理出来ないから…」
「あ、ははは…」
苦笑いを浮かべる2人をよそに、オーブンに入れた生地がこんがりと焼き色をつく。設定せれた時間がもう間も無くと言った感じだ。そして...
チーン!
「焼けたわね」
「せやな」
オーブンを開けると、芳ばしい香りが部屋を包み込む、焼き加減も上出来で、美味しそうだ。匂いに釣られてきたのか…
「二乃ぉ〜お腹が空きましたぁ〜」
「五月?」
自室に居たはずの五月が、キッチンに顔を出す。それに続くかのように..
「良い匂い♪ あれ?二乃とユキト君一緒に料理していたんだね♫」
「一花センパイ」
「クンクン 美味しそうな匂いがします!」
「四葉」
「二乃..私のジャージどこ?」
「三玖センパイ」
「..お前らいい加減勉強を..」
「…あいつ」
「全員集合やな?」
気がつけば、全員がキッチンに来ていた。広いキッチンだったが、7人もいれば窮屈になってしまう。ギュウギュウとはいかないが、結構圧迫感がある
「みんな!リビングに行って!邪魔よ!?」
二乃の一声でみんながリビングに移動した。
☆☆☆☆☆
【風太郎視点】
リビングにて
「よし!これで、全員集まったな! まずは、実力を見せてもらいたから、小テストをしょう!」
風太郎の自信満々な声が聞こえてくが、周りは…
「「「「「「いただきまーす!!!!」」」」」」
お菓子を囲む6人の姿があった。いつの間にか雪兎もそちら側になっていた。
「!ッ これ美味しい!」
一花がクッキーを一枚を取り口に運ぶと、そのクッキー出来が良かったようで満悦した表情を浮かべる。
「どれどれ私も」
続く姉妹たちは、次々クッキーを口に運んで行く。
「!!美味しい!!」
他の姉妹にも好評のようだ。
「二乃が作るお菓子はいつも美味しいけど..今日のはそれ以上に美味しいよ!?」
「…それは..雪兎くんのお陰かな?//」
二乃が照れながらも雪兎の顔をチラリと見る。
「ほほほ?」
一花がからかった表情で二乃を見る
「二乃なんで私のジャージ着てるの」
「ちょっ! 三玖!危ないじゃない!料理してるんだも汚れるに決まってでしょ?」
三玖が二乃の着ていた上着を引っ張る。
「返して」
元々、三玖のを無断で借りてるから二乃が悪いね。うん。
「上杉さん!ご心配なく私はもう始めてます!」
四葉が自信満々に言うが…
「名前しか書いてない..だと..?」
小テストを始めたものの自分の名前しか書いてない。しかも、【よつば】とご丁寧に平仮名で…..
「クッキー嫌い?」
二乃が近づいて来る
「い、いや、そう言う気分じゃ…」
「大丈夫よ、クッキーに薬なんて入ってなから…なんなら雪兎くんもいるし聞いてみたら?
今回のはかなりの自信作なの、食べてくれたら勉強しても良いわよ?」
「わ、分かった」
クッキーをすすめて来るので仕方なく一枚を手に取り口に運ぶ
(これも勉強してもらうためだ!)
「あ、あれ? うまい?」
「でしょ!でじょ!」
意外にも美味しかったクッキーをモリモリ食べてしまう
「あれ?そんなに美味しかった? 嬉しいなぁ♫…………
ところで、パパとどんな約束したの??」
「!!…特に何も」
やけに、痛いとこを突く
「ぶっちゃけ家庭教師なんていらないんだよね〜」
悪魔的な笑みを浮かべる二乃
「…..。なんってね。はい、お水」
「お、おう。サンキュー、、、ゴクゴク」
二乃から水を受け取り乾いた喉に流し込む
(5人を卒業させるしか俺には道は無い!諦めねぇぞ!? )
「バイバーイ」
「え?」
そこで俺は意識を失った。
☆☆☆☆☆
【雪兎視点】
「ん?」
スマホを弄っていた雪兎は何か、違和感を感じ顔を上げるとそこには…
「…は!?」
グラスを片手で掴みテーブルに突っ伏してる風太郎の姿がそこにはあった。
「お、おいおい。センパイ?なに寝てん? 家庭教師すんやないのか?」
席を立ち風太郎の左隣まで行き、肩をゆさゆさと揺らすが……。
「zzzz」
「…ダメだこりゃ」
全然起きる気配がしなかった。起こすのを諦め、風太郎の右隣に座る二乃を問い詰める
「はぁ、二乃センパイ? 何盛ったや?…いや【何飲ました?】んや?」
雪兎が、呆れた様に、二乃に尋ねる。その声が、さっきまでの楽しかったのと打って変わって、所々に怒気を孕みながら…
「!な、なにもしてないわ! こ、こいつが勝手に寝ただけよ…」
「嘘やな」
「!ッ」
二乃の言葉に間髪入れずに反論する雪兎。
「さっきまで、普通に起きていた人間がいきなり眠り込みなんて、あり得へん不自然過ぎる。毒か薬か盛らない限り...何を飲ました?」
「わ、私何してないわよ!?し、証拠はあるの!!?」
叫び上げる二乃
「ど、どうしたの?!….二乃? ユキト君まで…」
静観していた一花が二乃と雪兎の間に割って入る
「はぁ…二乃センパイが上杉センパイに薬を盛ったんや」
「!? え! ホントなの!二乃??」
「ち、違うわよ!?ゆ、雪兎くんが勝手に言ってるだけよ!」
「….って言っているけどユキト君?」
疑念が籠った眼で見てくる一花
「証拠ねぇ?」
「そ、そうよ!? 証拠が無いのに勝手なこと言わないで頂戴!!」
大声を出しながら立ち上がる二乃を何とも詰まらない物を見る様な眼で見返す雪兎。
「「ど、どうしてんですか!? 二乃!雨宮君!(さん!)」」
四葉と五月も参戦する
「雪兎くんがデタラメなこと言ってんのよ!」
「デタラメってえげつないこと言いますな? 証拠ありますよ?」
「….証拠ってなに?ユキト…」
「!..三玖センパイ?」
離れていたとこに居た三玖が雪兎の側まで来て問い詰める
「…小瓶か、錠剤、カプセルが入っていたゴミがあるはずや…まぁ大方 二乃センパイのジャージのポケットにあると思いやすよ」
「ふ、ふざけたこと言わないで!!」
「じゃぁ、何でジャージを三玖センパイに返さないや? 料理をするために借りたのに、まだ着ているのもおかしい話やない?」
「…確かおかしいかも..二乃 ジャージ脱いで」
「い、いやよ!」
「はぁ、、、。オレが言うのもアレやけど..四葉センパイ、五月センパイ。二乃センパイのこと押せえて下さい」
ギロリと四葉と五月を睨み付ける
「「!は、はいぃ!?」」
恐怖を感じたのか2人は二乃を押さえる。
「ちょっ! 四葉!五月!あんたたち!」
「…一花センパイ 。今のうちポケットの中にある物を回収して下さい。 オレがやると訴えられちゃうんで」
一花に視線を向ける
「!ッ分かったから睨まないの..怖いよ」
一花が二乃に近付きジャージのポケットに手を入れる
「い、一花あんたまで..」
「ごめんね?二乃 ユキト君怖いから...大人しくしててね?」
一花が抑えられている二乃に近付き、ポケットを漁る。
「ちょ、ちょっと! 一花!? 変なとこ触らないで!?」
一花がふざけた様に戯れ付くよ弄る。
「...ふざけな。センパイ? シバからたいんかいか?」
握り拳をつくり、前に突き出す雪兎。淡々とだが怒りが込み上げているが、いつの間にか表情が消え能面へと変わっていた雪兎。
「ッヒ! ま、真面目にヤリマス!」
完全にビビる一花。先輩としての立場が脆くも崩れ去っている。
しばらくして、
「う〜ん? っあ! これなに!?」
「ッ!!」
一花が見付けたのは【小さな小瓶】だった。中にはカプセル状の薬が入っていた。
「...。あったね 証拠」
「...せやな」
淡々と事実を述べる三玖だが、その手は小刻み震え怯えていた。その隣で興醒めた顔をした雪兎
「そんで? どうする? どっちがデタラメ言ってたか、白黒付いたやけど?」
「「「「「ッヒ!!」」」」」
五つ子、全員の顔を見ながら問う。全員が恐怖で怯えた顔していた。
「ご、ごめんなさい!! わ、私が悪かったわ!?」
二乃が恐怖で涙をを流しながら許しを請おうと懇願する。その声は悲鳴に近い叫びだった。
「...。認めるやな? 二乃センパイ?」
「!、え、えぇ 認めるわ..ヒッ! 認めます!」
ギロリと睨んできたため、反射的に敬語になる二乃。
「...。そうかいな。 じゃあ、四葉センパイに五月センパイ。もう離してええよ」
「「ヒっ! わ、分かりました!!」」
二乃の拘束を解く様に指示出す雪兎。
「ひっく、、、ひっく、、、ひっく、、、」
拘束を解かれ床にへたり込み嗚咽する二乃を横眼で見る雪兎は、もう一度でも五つ子の顔見渡し、ぱんぱんと手を叩き
「はーい! 注目! 二乃センパイ? 許して欲しいやろ?」
「!ひっく、、は、はい、、ゆ、許して下さい!、、ひっく、、お、お願いします、、」
泣きながら許しを請うとする二乃
「ここで、センパイ方に条件だす!」
「! じょ、条件ってなに? ユキト...。」
怯えながら三玖が聞いてくる。
「...。別にそこまで怯えなくてええよ?三玖センパイ...」
「だ、だってユキトが怖いから..」
ブルブルと震えながら三玖が言う
「さいですか...まぁ、条件なんでが四つあるや」
雪兎が言った四つの条件とは....
一つ、明日、全員で風太郎に謝罪すること。誠意を込めて頭を下げること。
二つ、最低でも家庭教師を5回は受けること。その後は自由で良い【家庭教師の日は雪兎も同伴すること】
三つ、家庭教師としての授業の妨害行為をしないこと【妨害行為があった場合、雪兎が仲裁に入る。逆もまた然り、風太郎が五つ子に対して暴行行為、セクハラ、ワセツな行為があったら雪兎が仲裁に入る】
四つ、家庭教師の日、誰が出席で誰が欠席か、風太郎もしくは、雪兎に事前に知らせること。【バイトや部活、友人との遊びは要相談】
の四つだある
「以上や分かったかいな?」
もう一度五つ子の顔を見ながら言うと
「「「「「わ、分かりました!!!」」」」」
叫びながら返事をする五つ子たち
「よし...んで、知らせる連絡係やなんだけど...
二乃センパイお願いしてええか?」
「わ、私!?」
「せや。 まぁ、上杉センパイに連絡ってのも気が引けるやろうし、オレでええよ?センパイ」
「わ、分かりました」
「よし! 他に何かあるかいな?」
周りを見渡し異論がないことを確かめて、寝ている風太郎に視線を向ける。さすがにこのまま寝かせておく訳にもいかず、送る方法を思考する。
「家族の人が心配するやろうし送って行かんとな...一花センパイ。タクシー呼んでもらってええ? あ、代金はそちはさん持ちでお願いや」
「任せて!」
「次に四葉センパイと五月センパイなんやけど...」
「「はい!」」
元気よく返事をする2人
「….良い返事やな。 んで、四葉センパイは上杉センパイを下まで運ぶの手伝ってください。オレ1人やとしんどいで」
(まぁ、余裕なんだけどねぇ)
「了解です!?」
「五月センパイは代表として、オレと一緒に上杉センパイの付き添いや
ことの顛末。 その説明をしてもらうわ、まぁ仲介役でオレも入るや」
「分かりました!」
「最後に、二乃センパイ、三玖センパイなんやけど...」
「「はい!」」
「2人には部屋の後片付けをしてもらうや」
食い散らかしたテーブルの上やその周りの掃除を頼む
「任せて」「分かった」
「っとその前に、二乃センパイLINEの交換しようや忘れないうちに」
未だにしゃがみ込んでいる二乃の元に行き、同じ目線になる様にしゃがむと泣きすぎて、赤く充血した眼でこっちを見つめてくる。雪兎はズボンからスマホを取り出し二乃に向ける。
「ほいな。センパイ頼むわ」
スカートのポケットからウサギのスマホカバーを付けたスマホを取り出す二乃
「ちょっと待ってて...え、っと..はい! 出来たわ」
ピロン!
友達登録が完了する
「オーキニ..あ、センパイ? 連絡係って言っても別にそれ以外でもええからな? 愚痴でも相談でも、しょうもない事でも構わへん、から気軽に送ってくれへん?オレもそうするんで」
「え?....いいの? 分かったわ」
意外そうな顔をする二乃だがすぐに笑顔に変わる。
「まぁ、ただセンパイにもう一個 お仕置きを受けてもらわんとな」
ジト眼で睨む雪兎
「お、お仕置きって...?」
笑顔から一転青く引きつった顔に変わる二乃
「なんで、最後までオレを頼らなかったん?そんな危ない薬を使わへんでええのに! オレが守ってみせるわ!みくびんなや!」
「っヒ!?」
最後まで自分を信じて貰えなかった事に対して怒りをぶつける雪兎。驚きと不安と申し訳無さが入り混じった二乃の顔を見て
「だからお仕置きなんや」
左手で二乃の前髪をかきあがる。白く綺麗なおでこが現れ、そこに右手をゆっくり近付け...べしっ!と デコピンが爆裂した。
「いった!」
悲鳴を上げる恨めしそうに見てくるが
「お仕置きやと言うたやないんか?」
口元に笑み溢す。赤く腫れたおでこをポンポンと撫でる。
「雪兎くんって優しいのか、意地悪なのか分からないわ////」ボソ
頬を赤く染め文句を言われるのであった。
「タクシー来たよ!...あ、あらら?お邪魔だったかな?」ニヤニヤ
いつの間にか、一花が戻って来てニヤニヤと笑みを浮かべていた。
と言うか、他の姉妹も普通にいることを完全に忘れ2人の世界に旅立っていた二乃と雪兎だった。 恥ずい
☆☆☆☆☆
風太郎をタクシーに乗せて上杉宅に向かう中、雪兎がふと五月にあることを言い出した。
「あ、センパイ。 センパイも後でお仕置きな」
「え?!」
いきなりの死刑宣告だった。
「な、なぜ!」
「いや、なぜって..上杉センパイあん時、謝ろうとしたんやで?食堂で言ったことを 一切聞く耳持たないは無しや。最低でも相手の言い分くらい聞いてやんな?許す、許さないは別としても」
「ゔ!」
「二乃センパイのやらかし程じゃないにしても...
ちょっといただけないね。自分がされたら嫌やろ?謝罪さえ聞いてくれないのは...」
「わ、分かりました。」
渋々ながらも納得した五月は後で、雪兎からデコピンを喰らうのだった。タクシーは進む上杉宅へ辿り着く。雪兎は隣に眠り込んでいる風太郎を起こすための肩を揺らす
「起きろやセンパイ。着いたで」ユサユサ
「zzzう’’ん? ふあ?」
「気がついたや?」
「あ、雨宮??」
「せや。 あ、運転手さん 代金なんぼや?」
「運賃4800円になります」
「え!? 金!?タクシー高! そんな大金…..」
「だ、そうやセンパイ。頼みますせ?」
「ええ、約束ですから任せて下さい。カードで」
助手席に座る五月がカードで支払う
「オーキニ。センパイ」
「い、五月まで!?な、何で…..」
「…..。雨宮君との約束です」
「あ、雨宮との約束って…」
「上杉センパイは二乃センパイに薬を盛られたんや」
「あ、アイツが!?」
「せや。まぁ、オレの方で、お説教して絶賛反省中や 」
「は、反省ってほ、本当か?」
「ええ。本当です。もといい私たちも反省中です…
すいませんでした..」
これまでの経緯を風太郎に説明し、深々と頭を下げる五月。それを横目で、視線を外に向ける雪兎は上杉宅のドアが開き誰かが出てきたのを目撃する
「ん? 上杉センパイ 誰か来たで?」
「え?」
風太郎も外に視線を向けると
「あ!やっぱりお兄ちゃんだ!?」
小学生くらいの女の子がヒョコンと顔覗かせる
「ら、らいは!」
「ん??お兄ちゃんって….。妹さんかいな??」
「ああ。そうだ」
風太郎と一緒に車を降りる雪兎は、目の前の少女と同じ視線になる様にしゃがみ込む。
「こんばんは。お嬢ちゃん。 お兄ちゃんのお出迎えかいな?」
「はい! わたし 上杉らいはって言います! お兄さんは生徒の人なんですか!」
「偉いやな…オレは雨宮雪兎って言うてな残念ながら生徒じゃないんや 生徒さんは助手席にいるお姉ちゃんや…..
五月センパイも出てきたら?」
車にいる五月に視線を向け出て来る様に催促そる
「わ、分かりました。私が生徒の中野五月です」ぺこり
ぺこりとお辞儀する五月
「そうなんですか!? あ、あの!雪兎さんと五月さん! 良かったらご飯食べていきませんか?」
らいはが提案してくるが
「お姉さんたちも忙しいから….」
風太郎が止めに入る
「だめ、、、ですか…..?」
破壊力抜群な泣き落としで落ちるが…..
ピロン♫
「ん? オレのかいな」
雪兎のスマホが鳴る どうやらLINEの通知のようだ。
「え〜と? 二乃センパイからか…」
LINEの返事を返すと
「悪い五月センパイ先帰るわ センパイは一緒に食べてきな」
そう言い残しタクシーに乗り込む雪兎
「すいません。運転手さん、さっきのマンションまでお願いや」
「分かりました。」
タクシーは雪兎を乗せマンションに向かうのだった。
終わったぁ! やっと投稿できた!
長々とお付き合いいただきありがとうございます!
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