五等分の花嫁 ~紅蓮の聖騎士~   作:野良猫h

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前の話で書き忘れたこと!

この物語に登場するデジヴァイスは『デジモンゴーストゲーム』仕様に統一なっています。デジモンの技や進化も同じ仕様です。※一部例外あり


6話 絶望

 

上空を悠然と飛ぶドラゴンは紅色の眼光を雪兎たちに向け威嚇する。ただでさえ、居るだけで、身の毛が弥立つ恐ろしさがあると言うのに…。威嚇され身体を強張る雪兎たちは、震えながら、眼前のドラゴンを睨む

 

 

(ッチ! なんや、アイツは!さっきよりまた、プレッシャーが上ってんや!)

 

震える掌を誤魔化す様に固く拳を握り締める雪兎だが……………

 

 

「え?」

 

突然、その拳を温もりが包み込んだ。何故そんな事が起こったのか分からずにそちらに、視線を向けると……

 

「せ、センパイ?」

 

そう、二乃が雪兎の拳を両手で包み込んでいたのだ。ただその掌は恐怖で震え顔も強張っている、明らかに無理をしている事が分かるが……

 

「ゆ、雪兎くん!諦めちゃダメよ! 止まってちゃダメだわ!」

 

雪兎を鼓舞する声、恐怖が支配する中でも、懸命に生きる事を諦めてはいけないと言う強い意志が雪兎を動かす。

 

「せや、な、まだ諦めるには早いな」

 

地面に倒れ込んだ身体を起こし立ち上がるがよろめく

 

「ッウ!」

 

「雪兎くん!」

 

二乃が咄嗟に雪兎を支え倒れず済んだ。

 

「二乃センパイ……」

 

「大丈夫……?」

 

その瞳は心配そうに雪兎の顔を覗き込む。

 

 

(これ以上心配させちゃアカン…気張らんと)

 

 

「いけるやセンパイ」

 

不敵にニヤっと笑って見せる雪兎は眼前のドラゴンを睨み付けるが、ドラゴンは大きく咆哮を上げると背中のキャノン砲が怪しく禍々しく光出す。天の裁き、絶対的な神の裁きの如く無慈悲な脅威……暴力が支配する。

 

 

「ゆ、雪兎くん。あ、、あ、れ、、、」

 

二乃も気が付いたように顔を強張せる。

 

「センパイ、、逃げるや!」

 

あれは、危険だと本能が理解したのかは定かでは無いが、此処にいては間違いなく【死ぬ】と言う事だけは分かった雪兎は、呆然としている二乃を正気に戻し肩を借りながらこの場を離れる。

 

禍々しい光が徐々に強くなり始める。

 

(あれはアカン!早く出来るだけ遠くへ逃げやんと巻き込まれる!)

 

 

 

 

ドラゴンは再び大きく咆哮と共にそれは放たれた。【判決を下す】と言わんばかり、その力を降り注ぐ、そして……背中のキャノン砲がこれが神の裁きだと言う事なのだろう、発射音と共に撃ち放たれた。神の鉄槌の如く余りにも無慈悲で暴力の塊りが雪兎たちを呑み込もうとする。

 

ズドオォォォ!!!!!!!

 

 

「キャャァァ!!!!!」

 

 

「チクチョォォォ!!!!」

 

 

絶望が迫る。

 

 

(チクショォォ!!此処までなのか!?オレはぁぁ!!!誰も守れないのか!!)

 

 

心の中でこの不条理、理不尽さを嘆いた時、それを否定し、まだ、諦めるには早いと言う意思表示かは、不明だが雪兎の想いに呼応するかの様に【別の場所】から【声と共に光】が撃ち放たれた。

 

 

『ファイナル・エリシオン!!!!』

 

 

ズドオォォォ!!!!!!!

 

 

夜陰の中、二つの相反するエネルギー破がぶつかり合い激しい爆発と破壊音、強烈な光が辺り包み込んでいった。雪兎は咄嗟に隣にいる二乃を背中から地面に付く様押し倒し、庇う様に自身の身体を上に覆い被さようにしゃがみ込む。衝撃が、光が止むまで必死で耐える雪兎だったが、耐え切れず爆風共に吹き飛ばされ意識を失うのだった。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

【二乃視点】

 

 

 

 

それから、どれぐら時間が経っただろう?数秒か数分か数時間か・・・

 

実際には数秒の出来事にしか過ぎないが【得体の知れない恐怖】が数秒を数分、数時間、数日・・・・そう続くかの様に錯覚を起こすのだろう。光が止み周囲には再び暗闇と静寂が訪れていた。爆風に巻き込まれ気を失っていた二乃は目を覚ましたが茫然した様子で焦点が合ってない眼で辺りを見渡すと・・・

 

「あ、れ、?、、!!!」

 

見るも無惨な物に変わっていた。余りの出来事に意識が半ば無理矢理、覚醒され驚愕を禁じ得なかった。遊具は破壊されて、建物は崩れ、樹々は倒れある意味で地獄に等しい状態だろう。そんな、地獄の中でさっきまで一緒に居て身を挺して守ってくれた少年が、居ない事に疑問を感じ辺りをキョロキョロする。土煙が舞い視界がとても悪く、肉眼で見つけるのは至難の業と言って良いぐらいだ。二乃は、上着の袖で口元を覆い視界の悪い中、少年を探す。

 

「雪兎くん!どご!?返事して!!」

 

 

二乃の声だけが、響き渡る。瓦礫の山を歩き、辺りを360度見渡しても其れらしい人影が見つかる事もなく、不安や恐怖、絶望が募り続ける。

 

 

 

「雪兎くんンンン!!!!」

 

喉が潰れるじゃないかと思うくらい大声叫んだ。届いて欲しいと、無事でいて欲しいと、願い込めて..。

 

「雪兎くん....返事..して..よ」

 

いつしか、頬は濡れ止まる事を知らず、流れる続ける涙はアイラインを落とし黒い雫へと変わっていた。もう駄目だ、見つからないと、途方に暮れていると....

 

 

 

ピコン、ピコン、ピコン

 

 

 

「!!な、なに?」

 

 

突然何処から音が聴こえてきた。一瞬気のせいかと思ったが、その音は確かに聴こえ、今も鳴り続けていた。その音を頼りに歩くと一つの瓦礫の山に到着するが、そこには少年の影さえ見えなかった。だが、音はその瓦礫の中で鳴っていて今も尚鳴り続けて、【此処だよ】と暗示させてるように....。蜘蛛の糸を手繰るように心細いけど決して諦めない様に無我夢中で瓦礫を退かす二乃。ご自慢の爪のネイルが剥がれ落ち綺麗な手が傷だらけになることも厭わず瓦礫を退かし続けると……

 

 

「、、、、」

 

「!ゆ、雪兎くん!?」

 

想いが通じたのか、漸く探したていた少年を瓦礫の中から発見する事が出来た。ただ、頭から血を流し意識もはっきりしていない危うい状態なのは、まず間違いない。邪魔な瓦礫を退かし救出すると、パッと見でも分かるくらいの傷が幾つもあるのが確認出来き、はっきり言って見ている方が痛々しく目線をそらしたいくらいだ。パーカーやズボンから血が滲んでいて、早く手当しないと命にかかわるレベルだ..。

二乃はポケットから未使用の清潔なハンカチを取り出し、頭部の止血を試みる。

 

「、、、」

 

「雪兎くん!ねぇ雪兎くん!起きないよ……」

 

必死に呼び掛ける二乃

 

「ゔゔ?、、、せ、センパイ?」

 

「雪兎くん!? 気が付いたの?」

 

何とか雪兎は意識を取り戻しぼんやりとした眼で二乃を見つめそれから状況の確認をしようと辺り見渡す。すると一陣の風が吹いた。その風が周りの土煙を吹き飛ばし綺麗に消えていく。視界がクリアになると、2人の正面に【朱い大きな布の様なも】のが靡いていた。

 

「「!!」」

ただ、2人その姿に驚愕した。パッと見で人間の様な姿形をしているが、その大きさは人間を軽く超えている長身で、白と言うより銀色をした西洋鎧……聖騎士の様な姿。ただ、胴回り驚く程細く2本の朱いベルトが巻かれている。両肩には朱いアーマが飾れており縁には金色をしているそして、右手には騎士が持っている槍、左手に円卓の盾を持っている。そして、首元にはトレードマークの朱いマント、後頭部には白くて長い髷が風で揺れている後ろ姿だった。

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

【???視点】

 

 

 

朱いマントを靡かせ土煙を払い除け、眼前の敵(デジモン)を日差し避け越しからでも分かるぐらい殺気を込め睨み付ける。

 

 

(なんとか間に合ったか!? 咄嗟に技を放って打ち消したが....)

 

 

咄嗟に技を放ち、打ち消したのは良いがそれでも、其れ相応の被害を出してまった。チラリと視線を背後にいる1組の男女に向ける。男性の方は爆発に巻き込まれたのか、全身傷だらけで血を流し女性に手当てされている。どの道、眼前の敵...天変地異級のを払い除けるしか無い。

 

『暴走する本能に、意識を持っていかれたか!!インペリアルドラモン!! この、デュークモンが相手になろう!』

 

高々に宣言し、右手に聖槍【グラム】を前に、左手に聖盾【イージス】を後ろに構え疾って行く。上空のドラゴンこと【インペリアルドラモン】もこっちを敵と認識したのか、咆哮と共に鋭い爪が刃の様に襲ってくる。迫り来る刃を寸前のとこで左へ大きくサイドステップして、インペリアルドラモンの左肩目掛けて聖槍【グラム】を一突き、怯んだとこに更に脇腹に連続で二突き入れ、一旦距離を取り後ろにバックステップし待ち構える。インペリアルドラモンは大きく咆哮を上げると眼をより一層紅くそして、ドス黒く光らせる。全てを燃やし尽くさんと言っているかのように...

全身から発せられるオーラが色濃くなりそのまま強力な殺気に生まれ変わる。重苦しいプレッシャーを発せながら突進してくるインペリアルドラモン。本来なら直ぐに躱せる攻撃だかプレッシャー呑み込まれ反応が遅れ、聖盾【イージス】で防御体勢にはいるデュークモン

 

 

『グア! 何と言うパワー!? 押し切られる!!』

 

威力を増した突進に耐え切れず、防御体勢のまま後方に吹き飛ばされ周辺の建物を破壊する。幾つかの建物を破壊して、一つの雑居ビルに背中からめり込形でようやく停止するが、その瞬間全身にノイズが走る。追い討ちと言わんばかり強靭な尻尾が目の前まで迫り、聖盾【イージス】で咄嗟に防ぐが何度も何度も何度も何度も何度も執着に叩きつけられ、そのまま雑居ビルごと後ろに吹き飛ばされてしまう……。空中でどうにか体勢を整えて着地するが全身にまた先程より激しいノイズが走り思わず片膝を付くデュークモン

 

『グウ!? これ以上喰らうとマズイな……』

 

表情を歪め、悪態をつくが右手の聖槍【グラム】を地面に突き刺し杖替わりにして、立ち上がるデュークモンは空中のインペリアルドラモンを睨み付ける

 

『一気に畳み掛けさせて貰う!!喰らえ!ロイヤルセイバー!!』

右手の聖槍【グラム】を前に突き出すように構えると聖槍【グラム】が光始める。その光が矛先に集中するこで、強烈なエネルギー破を撃ち放たれ、上空のインペリアルドラモンに命中する。大爆発が起き辺りには煙が巻き起こる。

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

【雪兎視点】

 

 

二乃に膝枕され、途切れそうな意識を繋ぎ止めている雪兎は今起きている事に衝撃を受け茫然と空を見上げていた。

 

 

(あんや、あいつらは???突然現れて、大暴れしやがって...)

 

 

辛うじて右手の拳をぎゅっと握り締める。

 

「雪兎くん...」

 

二乃も困惑して表情で、こちらを見下ろす感じに覗いてくる。凛とした眉も下を向き、瞳には不安や恐怖、焦りが支配していた。綺麗にメイクされた顔も埃を被り見る影を無くす。

 

 

ドオォォォ!!と凄まじい爆発音が上空から聞こえ、そちらに視線を向けるとドラゴンが飛んでいた場所がら煙がたちこめていた....。

 

 

煙が晴れそこに居たのは...

 

 

 

顔の右半分と右の前脚と脚を失くしたドラゴンの姿だった。激しい損失にも関わらず、失ってない左眼はまだ死んですらないと【お前を喰らうまで死なない】と言っているかの様だった。対して撃ち放った騎士の方は.....

全身が薄れて、反対側が透けて見える程になっていた。

 

上空のドラゴンはそのまま猛スピードで騎士に突進して行き、ガラスが割れた様な音と共に騎士は跡形も無く消滅し粒子が飛び交っていた。

そして、ドラゴンはこちらに標的を変え襲い掛かってきた。雪兎は今出せるギリギリの力で、トンっと右手で二乃を軽く後ろに押し倒す様に突き飛ばし、そのままドラゴンの攻撃に巻き込まれる。一瞬だけ二乃と視線が重なり一言【かんにんや】と呟き、姿を消すのだった。

 




何とか形になった! 上手く纏まらないから遅くなりました(|||_|||)ガビーン

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お付き合いありがとうございました。次回もお願いします。
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