【二乃視点】
「ゆ、雪兎くん!?」
目の前で起きたことに、頭が追い付かずただ茫然と立ち尽くす。雪兎は危険を逸早く気付き、二乃を庇い攻撃に巻き込まれ激しい土煙共に姿を消してしまった。
土煙が舞う瞬間、雪兎の「かんにんや」の呟きと困ったような泣いている様なそんな表情を浮かべていたのを見逃さなかった。手を差し伸ばそうともそれが、届く事は無く空を切る様にダラリと落ちる。
「な、なんで、、、?雪兎くん、、ヒック、、ヒック、、」
立っている気力も無く地面に座り込み、顔を伏せる。
(どうしてよ?そこまで出来るの?)
ーーわからないーー
(まだ私たち出会って日が浅いのよ?? 何でそんなことするの?)
ーーわからないーー
(自分の身を危険に晒して、ましてや身代わりの様に自分の命を差し出すの?)
ーー分からなわよ....雪兎くんーー
その問い掛けに誰も応える者も無く、ただただ目の前の現実が二乃を否応無く襲い掛かる。顔を半分失ったインペリアルドラモンが、こっちを睨み付ける。まるで【次はお前だ】と言っているかの様に....。そして、案の定次の標的にされる二乃は襲い掛かる捕食者を茫然と光を失った虚な瞳で見上げる。
(雪兎くん......ごめんなさい。私1人じゃ駄目みたい。せっかく助けてくれたのに、いま、、いく、、ね?... みんな、ごめんね...)
迫り来る運命【インペリアルドラモン】に抗う事を諦めそれを受け入れ静かに瞼を閉じる。思い出すのは、さっきまで一緒にいた彼の数日間の顔。驚いた顔、困った顔、笑った顔、怒った顔、そして、最後に見た泣きそう顔と姉妹の顔だった。迫り来る衝撃を待つ....
(...あ、、れ?、、、!)
けれど、幾ら待っても何の衝撃はやって来なかった。不思議に思い眼を開けると、そこには【さっきまであった気配】と【大きな朱い布】が風で靡いてるのが虚の瞳に映り込むのだった。
その正体は....
《デュークモン!!!》
さっきインペリアルドラモンに消滅させられた騎士【デュークモン】が復活して、二乃を庇う様にインペリアルドラモンと二乃の間に入り攻撃を防いでくれていた。視界を覆う朱い布は騎士のマントだったのだ。ただ、今でも感じるこの既視感を感じさせる後ろ姿とこの気配は一体....
(そんなことってあり得るの? だって彼はアレに巻き込まれて..)
この言いようの無い感情は...その後ろ姿がさっきまで居た【彼】に酷似しているのは...
(アレに巻き込まれて...生きてるはずが...)
それでも希望を捨てきれず【彼の名前】を呼んでしまった。
「...ユ、ユ、、キ、ト、ク、ン?」
その声は小さな呟きだった。到底聞こえるはずがない、それぐらいの小さい呟きだ。だけど、目の前の騎士【デュークモン】はこちらを一瞬見て、コクリと頷いた。
「あ、、あ、、」
それからというもの、光を失い虚になった瞳が輝きを取り戻す。気が付いたら頃には、瞳から雫が溢れて頬を濡らしていた。それは哀愁からではなく歓喜の涙...
姿がどうであれ、【彼】が再び自分の元に帰って来てくれた事に喜び、また、【彼】の名前を万感な思いで呼ぶ
「雪兎くん!!」
騎士【デュークモン】【雪兎】のつぶらな瞳は慈愛に満ちた優しい眼差しを向けてくれた。
☆☆☆☆☆☆☆
【雪兎視点】
時間をほんの少し戻して、雪兎がインペリアルドラモンの攻撃に巻き込まれた直後...
(ああ、アカン、、オレ、、ここで、死ぬんかいな?、、もう身体が動かんや...)
ーー右腕と左脚がいつの間にかぶっ飛んどる。ーーー
ーー腸えぐられてえらいこっちゃ。ーー
ーー血が止まらん、もうアカンなぁ死ぬんかいな。ーー
自分の死を悟った雪兎はこれ迄のことが走馬灯のように流れてきた。
幼い頃に経験した、母親の死、そんな自分を不憫に思い、引き取り育ててくれた祖母の死。もう、辛いのは悲しいのは、もう、嫌だと、親しい人を失うのは懲り懲りだと半ば心を閉ざしたい。叔母の千尋や従姉妹の咲が支えくれたお陰で腐らず済んだが、それでも、心の内ではずっと泣いていた。
そんな、時だった。二乃と出会ったのは、赤信号に変わったことに気が付かず横断歩道を渡る二乃目掛けて、猛スピードで突っ込んでくる車から助けたのがきっかけだ。 赤の他人とはいえ、誰かを目の前で失くすのはもう嫌だと、失くすくらいなら、自分を糧にしようと厭わない、それだけでだった。
たったそれだけだったのに、二乃には、何か自分には無い物を感じ興味が湧いた。いつの間にか閉ざしかけていた心の扉が徐々にだが開いて行くのが手に取るように分かった。それで、今回これだ、自分にとって二乃は大切な人何だと実感が湧いた。この人はどんな事をしてでも護る。
(汝、力が欲するなら我が問いに応えよう)
声が聞こえてきた。もう、死んだと思ってたのに何処からとも無く、
ーーなんやなん?誰やねん?。ーー
(汝、力が欲するなら我が問いに応えよう)
ーーなんや?しこいなぁ。ーー
(我が問いに応えよう)
ーーー力??なんや?貸してくれんかいな??。ーーー
(応え次第だ)
ーーなんや?ケチくさ。ーー
(要らんのか??)
ーー・・・・。---
(要らんのか??)
ーーいる、よこせや。ーー
(良かろう、汝は何故、力を求む?)
ーーんなもん、二乃センパイを守りたいから、目の前のアイツをぶっ飛ばしたいからや!。ーー
(..フン! 良かろう 我が力存分に使え!)
ーーそうさせて貰うや!。ーー
(我がな名はデュークモン! 【イグドラシル】を守護する【ロイヤルナイツ】の1人!そして、【デジタルモンスター】だ)
ーー【イグドラシル】??【ロイヤルナイツ】?【デジタルモンスター】?なんやね??ーー
(今はそれで、構わない、時が来れば自ずと分かる今は【インペリアルドラモン】を倒すぞ)
ーー ……。せやな。なら早よ貸せ。ーー
(我が力使ってみせろ、雨宮雪兎)
光に包まれ、失った右腕と左脚、傷の数々が治っていた。
ーーな、なんや!?腕が!脚が!元に戻ってる!?傷も……。ーー
(何をしている?早く【それ】を手に取れ)
ーーな、なんやなんや??。ーー
雪兎の目の前にSDカードのような形をした物が現れた。手に取ると、重さは無いが形がSDカードより少し大きめぐらいだろう?色はシルバーになって中央に彫刻が彫られ右に槍、左に盾となっている。
(それを【デジヴァイス】に差し込め)
ーー【デジヴァイス】?。ーー
突然、左手首に巻かれている腕時計の様な物が光出す。
ーーこれかいな?ーー
カードを差し込むと、デジヴァイスの画面にGallantmonと書かれる。雪兎の正面にカードに彫られている槍と盾の彫刻が、紋章となって現れる。
(それを潜れ、差すれば力を得られる、そして、我が名を叫べ!)
紋章を潜るそして...
《デュークモン!!!》
☆☆☆☆☆
【デュークモン(雪兎)視点】
《はああぁぁ!!》
復活を遂げたデュークモン(雪兎)は左手の聖盾【イージス】でインペリアルドラモンの攻撃を受け止め二乃を安全なとこに逃した。
(今だ!攻撃を仕掛けろ!)
ーー了解や!。ーー
右手を聖槍【グラム】へと姿を変え、インペリアルドラモンに攻撃を仕掛けた。
(脚を開け!)
(重心を低く!)
(腰を捻り強力な一撃を...)
(放て!!)
《喰らえぇ!!!》
聖槍【グラム】がインペリアルドラモンの脇腹に突き刺さる。悲鳴を上げる苦しむインペリアルドラモン。
(追い討ちを掛ける!)
《はあぁぁ!!》
上中下と三段突きを放ち最後に薙ぎ払のコンボを決める。だか、ただやられているだけじゃないインペリアルドラモンは透かさず残っている片腕の爪が襲い掛かる
(来るぞ!回避!!)
《!っと! 》
ステップで攻撃を避け反撃を仕掛けるが...
(!後ろだ!?)
《え?.....ぐあぁ!?》
爪の攻撃を回避したものの、背中に追撃のとばかり強靭な尻尾を鞭のようにして攻撃してきたのだ。反応が遅れモロに喰らいうつ伏せに倒れるてしまう、更に追い打ちで鋭い爪で背中を何度も引っ掻きダメージ与えてくる。
(く!このままではマズイぞ!?)
ーー分かっとる!?。ーー
《ヴウ! い、いい加減にしろ!!》
うつ伏せの状態から一気に寝返り、右手の聖槍【グラム】で反撃する。反撃を予想していなかったインペリアルドラモンは、驚いたのか攻撃の手を緩めてしまった。すかさずその隙を見逃さず追撃を与え脱出に成功する。
《はぁ、、、はあぁ、、、け、けっこしんどいな、、》
何とか体勢を整えたものの消耗が激しいデュークモンは肩で息をしている。
(気を抜かな?まだ終わってない。)
ーーせやな、油断は命取りやな。ーー
息を整え、構え直るデュークモンは真っ直ぐインペリアルドラモンを一切の油断がない様に観察する。消耗が激しいのか全身にノイズ走り苦しそうにもがくが、そらでも此方に紅く狂暴な眼で睨んでくる。
突然、インペリアルドラモンは高く飛び上がり咆哮を上げ、ドス黒く禍々しいオーラを放つと、背中のキャノン砲が黒く光出す
(!! 最後の一撃で決めるつもりだ!左手の聖盾【イージス】に意識を集中しろ!)
ーー!? 確かにアレはヤバイな!。ーー
左手の聖盾【イージス】を前に構え照準をインペリアルドラモンに向け聖盾【イージス】が輝き、盾中央の模様を囲む様に8個の三角模様が時計回りに紅く輝き出す。残り三角模様が半分に差し掛かったあたりでインペリアルドラモンが先に充填が終わり発射体勢に入る
『メガデス!!』
超高密度の暗黒物質が放たれた!着弾すればこの街が一瞬にして消滅してしまう恐ろしさを孕んだ物がデュークモンに襲い掛かる。ちょうどそのタイミングで最後の三角模様が溜まる。
(今だ放て!)
《ファイナル・エリシオン!!!》
二つの強力なエネルギー波ぶつかり凄まじい衝撃波を起こす。
《ハアァァ!!!》
エネルギー波は拮抗し地面を抉る。だがそれも長くは続かず負けたのは
....。インペリアルドラモンだった。
『ファイナル・エリシオン』がインペリアルドラモンを呑み込み跡形も無く消滅させた。
《はぁ、、はぁ、、か、勝ったのか?》
(その様だな、お見事)
呆気に取られる雪兎はインペリアルドラモンが居た場所を眺めていた。
「雪兎くん!!」
隠れていた二乃が駆け寄り見上げてきた。瞳を潤ませ、泣き出すのを必死に堪えて、雪兎の安否を最優先にする二乃。すると突然デュークモンの全身が光だし消滅する。
「ゆ、雪兎くん!?」
二乃はデュークモンが立っていた場所まで駆け付けると...
「ゆ、雪兎、、く、ん?」
雪兎は血を吐き地面に倒れ意識を失っていた。
☆☆☆☆☆
病室
「んん? んんん? ここは?」
目を覚ました雪兎は、見慣れない天井を見つめ戸惑いを隠し切れずに辺りをキョロキョロと視線を彷徨わせていた。
「?消毒の匂い? 病院??」
消毒の独特の匂いで此処が何処かの病院で、そのベッドに寝かされていると推測する。いつの間にか点滴の管が刺さっているを眺める頭や腕に包帯が巻かれてる様だ。
「なんで??」
思考が追い付かず取り敢えず身体を起こそうすると、腹に違和感を感じて視線を向ける
「なんや?」
そこには...
「くぅ〜、、くぅ〜」
「二乃、、センパイ?」
二乃が腹の上で突っ伏して寝息を立てていたのだ。穏やかで規則正しい呼吸で、今感じていた疑問がどうでも良くなり、管に繋がってない腕でそっと二乃の頭に手を乗せ綺麗に手入れされている髪を優しく撫で、眠りにつくのだった。
投稿出来ました!取り敢えず、この回で取り敢えずオリジナル回が終了して原作通りに進みます。5人で100点、屋上での告白と言った感じです。
キャラクターのセリフ表記で、「」を人間 『』をデジモン 《》をデュークモンモードとします。
デュークモンモードにて、デュークモンがSDカードの様な物に姿を変えデジヴァイスに挿入。
デジヴァイスの画面にGallantmonと書かれ、正面に槍と盾の紋章が現れ、それを潜り抜けるとデュークモンへと姿を変えるです。
お付き合いありがとうございます。 面白いかったらお気に入り登録、高評価、コメントおまちしております。