ポケットモンスター~とこしえの森~   作:くるみもち

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今回は全員+新キャラ登場しますよー


4 森の管理人は神様だった!?

「くあ……」

 

眩しい朝日が差し込み私はあくびをしながら目を開ける。

瞳に入ってきたのは昨日となんら変わらない森の風景。

 

「夢ではなかったか……」

 

一夜を過ごし、改めてこれが現実ということを知る。

今日から本当に一日中ここで過ごすのか……。

パッと見殺風景な森の中のために、いったいみんな何をして過ごしているのだろうか。

 

「あれ……」

 

私は昨日一緒に睡眠をとったフローゼルがいないことに気づく。

ツリーハウスを見上げて覗いてみるが、そこで寝ていたミライくんもいなくなっていた。

寝過ぎたか……。

私は身体を起こしみんながいるであろう大広場へと向かう。

その途中に……。

 

「きゃっ」

「おわっ!」

 

木から突然出てきた女の子にぶつかってしまう。

確かこの子は……スズムラアヤノちゃんか。

私は体格が大きいため平気だったが、アヤノちゃんは華奢な体躯故に尻餅をついてしまった。

私は相手が人間ということもあってかやはりアヤノちゃんを直視することが出来なかった。

しかし、ぶつかってしまったことは申し訳ない。

なんとかアヤノちゃんを見つつ謝罪をする。

 

「す、すまない。大丈夫か?」

「いえ、私の方こそ不注意でした……。すみません……」

 

アヤノちゃんはぶつかった拍子に落としてしまったのであろう本を拾いながらそう言う。

その時私は気づいた。

 

(彼女も私を見ようとしない……?)

 

よく見ると常にうつむき表情であり、まるで私だけじゃなく他の者たちとも合わせていない気がした。

 

「おーい、アヤノー」

 

誰かがアヤノちゃんを呼ぶ声がした。

その声の主は……。

 

「あ、レントラー……」

 

アヤノちゃんは微笑みながら走ってくるレントラーを見る。

うつむいてた顔も少し前を向いた。

私と全然対応が違うな……。

やはり目を合わせないのは私だけなのだろうか……?

 

「アヤノ、本は面白いか?」

「うん、とてもユニークな内容……」

「それは良かった。……で、ウインディと何かあったのか?」

 

レントラーは親しげにアヤノちゃんと話したのち、私に目を配ってからそう聞いた。

 

「ううん、別の本取りに行こうとしたらぶつかっちゃっただけ……」

「そうか、なら良かった。アヤノ、朝食ができたから食べに行ってくれ。俺は後から行く」

「うん、わかった……」

 

アヤノちゃんはそう言われ大広場へと向かう。

そして、私とレントラーの2人っきりとなった。

何を話せばいいのだろうか……。

そう悩んでいたら、先にレントラーが話を振ってきた。

 

「少し挨拶が遅れたが、おはよう」

「あ、ああ、おはよう……」

「そう緊張するな。……まあ、来たばかりだから仕方がないか」

 

レントラーはそう言ってから、私の身体をなめまわすように見てきた。

 

「……私の身体に何かついてるか?」

「いや、そういうわけじゃないんだ」

 

レントラーはそう言うとなぜか「はぁ……」とため息を漏らす。

 

「羨ましいな……」

「え?」

「いや、なんでもない。それより、アヤノの奴、少し無愛想じゃなかったか?」

「え、まあ……。いや、でも、私の方もちゃんと目を見て話せなかったし……」

「……まさか、人間が苦手とかか?」

「まあ、そういうものだ」

「なるほど、お前はそのパターンとして来たのか……」

「そのパターン……?」

「ま、そのうちわかるさ。昨日フローゼルと一緒にいたみたいだから聞いてると思うが、俺達はまだここに来てそう時間が経っていない。だから、人見知りのアヤノはまだ俺以外とは上手く話せないんだ。気にするな」

「そうなのか……。でも、なぜ君とだけ?」

「それはな……あー、これも話せないのか。新参者のお前には話せないことが多いな」

「管理人、という者に会っていたいからか?」

「それも聞いていたか。ま、そういうことだ。近いうちに話せる日が来るよ。さ、お前も朝食を食べに来い」

「ああ、ありがとう」

 

レントラーは私を誘導してくれるように歩いてくれる。

最初は彼のことも無愛想な印象を受けていたが、結構優しいのだな……。

 

 

広場に行くとそこには昨日見た全員の住民がそろって話し合いながら朝食を食べていた。

私はまだ話せていない者の元へ行こうと思ったが……やはりまだ緊張しているのか、気づけばスイクンの近くに寄っていた。

スイクンはそれに気が付くと微笑みながら挨拶をしてくれた。

 

「あ、おはようございます。昨日はよく眠れましたか?」

「ああ、おはよう。おかげさまでよく眠れたよ」

「ふふ、それは良かったです。さぁ、これをどうぞ」

「ありがとう」

 

スイクンはベールを器用に扱って皿に乗った木の実の料理を差し出してくれた。

ここで、私は昨日は気づかなかったある一つの問題に気づいた。

 

「なあ、スイクン。この皿ってどこにあったんだ?まるで人間が作ったような物だが……」

「ああ、それですか。今は秘密ですが、そのうちわかりますよ」

「また管理人の許可というものか?」

「ええ。その通りです。疑問は多いと思いますが、今はあまり気にしないでください」

「ところで、なぜその管理人という者の許可が必要なのだ?普通に住む分なら特に問題はなさそうだが……」

「はい、確かにその通りですね。まあ、それは『普通に住む』場合の話ですがね」

「え?」

 

スイクンはなぜか意味深な感じでそう言ってきた。

 

「それは一体どういう……」

「まだ詳しくは言えませんが、言えるとしたら『この森の住民は全員普通の生き方をしなかった』ということですね」

「……?」

 

ますますよくわからなかった。

確かに私は家族を奪われたという点では普通ではないかもしれないが……。

 

「まあ、管理人さんが来たらみんなきっと話してくれると思いますので、すぐにわかりますよ。もちろん、私も例外ではありません。今は少しでも早くこの森に慣れてくださいね」

「あ、ああ。ありがとう……」

 

まだまだ疑問は多かったが、とりあえず今はスイクンの言うとおりにしておいた。

 

 

 

そして、数日後。

ついにその時が来た。

 

「ウインディさん、おはよーございまーす!」

 

朝、デデンネが私を起こしに来てくれた。

まだ、完全に森に慣れたというわけではないが、とりあえず住民全員と一度は話すことはできた。

特にデデンネはまだ幼いという事もあってか、すぐに親しむことが出来た。

 

「くあ……。ああ、おはよう。今日も起こしに来てくれありがとう」

「えへへ、今日はなんだかいつもより楽しいことが起こりそうだね!」

「……?」

 

なんだか、デデンネの言うことがいつもと違った気がする。

今日は何か特別な日なのだろうか。

しかし、悩んでも検討が付かないため、子供の勘ということにしておいた。

 

「さ、私の頭においで」

「わーい!今日もたかーい風景が見られるなー♪」

 

デデンネはいつも通りの様子で私の頭まで登ってきた。

ふふ、やっぱり子供は可愛いな――

 

 

「……ロリコン」

 

 

「なっ!?」

 

いきなり誰かにそんなことを言われて驚いてしまう。

いや、発言者は考えなくともわかる。

 

「ば、バクフーン……。おはよう。今日も朝から辛辣だな……」

「別に、思ったことを口にしただけだ」

「ねーねー、ウインディさーん。ろりこんってなぁに?」

「そ、それはだな……。す、少なくとも私のことではないっ!そういうことだ!」

「えー、どーいうことー?」

 

デデンネ相手には説明しがたかったため、ただ慌てて弁解だけはしておいた。

バクフーンはその様子を見てニヤニヤしていた。

なぜ私は彼にこんなにも嫌われているのだろうか……。

私はもやもやした気持ちになりながらも大広場へと向かった。

 

「あ、オオタチさーん、チェリムちゃーん!おはよー!」

 

デデンネは木陰にいたオオタチ、チェリムを見つけるなり私の頭からぴょんと飛び降りた。

 

「デデンネ、おはよう。今日もいい天気ね」

「そうだね、オオタチさん!チェリムちゃんも日に当たってお花咲かせればいーのに!」

「い、いえ!私なんかが日に当たったら大変なことになっちゃう……」

 

チェリムはそういうとより木陰に寄って行った。思えば私がここに来て以来彼女はずっと木陰にいた。

確か、チェリムは日に当たると今のネガフォルムからポジフォルムにチェンジするのだが……。何か不都合なことでもあるのだろうか?

結局、少し4人で雑談したが、チェリムの秘密はわからなかった。

私は別のところへ場所を移そうとしたら、ちょうどミライ君とフローゼルがやってきた。

 

「ウインディ、まるでハーレム状態ですねぇ!」

「み、ミライ君。私は別にそういうつもりだったわけでは……」

「あはは、わかってるって。ところで、今日はいよいよやってくるよー」

「やってくる?」

 

私は首を傾げると、フローゼルが説明してくれた。

 

「か、管理人!管理人さんがくるよ!」

「え?どうしてわかるんだい?」

「そ、それは……」

「それは、僕と管理人さんが一心同体だからです!」

「……ん?」

 

ミライ君よくわからないことを口にした。フローゼルはその言葉を聞くなり慌てて口をふさごうとぴょんぴょんしていた。

 

「だ、ダメだよミライ!まだ、ちょっと早いって!」

「あはは、ごめんごめん。でも、もう決まったようなもんだし」

「そ、それはそうかもしれないけど……。で、でも今はダメ!俺が怒られちゃうから……」

「あ、そうだったねー。じゃ、この話はここでおしまい!」

 

ミライ君たちは一通り話し合いを終えるとこちらに向きなおした。

 

「管理人はあっちからやってくるからついてきてー」

 

私はミライ君に言われるがままについていく。

行った先にはボーマンダが待っていた。

 

「お、ウインディ来たな!おはよう!今日はいよいよ管理人とのご対面だ!楽しみだろぉ?」

「あ、ああ、おはよう。そうだな、楽しみ……かな」

 

朝から元気なボーマンダに若干気圧されつつもなんとか返答する。

私が来たすぐに他の住民も集まってきた。

そして、数分後……。

 

「あ、来ます……」

 

アヤノちゃんがそう口に出す。

来る……とは、どこから来るのだろうか。

私はそう疑問に思っていると、突然空から眩しい光が降り注いだ。

藍色の光と桃色の光。

その光の中から大きな陰が2つ出てきた。

大きさは……かなり巨大。

高さでも私の2、3倍はありそうだった。

光が消えるとともに陰が消え、姿が露わとなる。

その姿を見て……私は唖然とする。

世間に疎いと言われがちな私でも知っている、その者達を……。

私は目を疑うように見ていた。これは夢なのかと思ってしまうくらいだ。

しかし、彼らはまるで現実に引き戻すかのような威厳のある声で喋りだした。

 

「待たせたな、ウインディ。……ああ、今回も間違えではなかったみたいだな」

「ふ、さすが俺ら、というべきだな」

「あ……あ……」

 

驚きのあまり、彼らの声に上手く答えられなかった。

もしかしたら、ミライ君たちが喋れるという事実を知った時よりも驚愕しているかもしれない。

彼らはその様子を見て、やはりか、というような表情をした。

 

「まあ、驚くのも無理はないか……。その様子だと私たちのことは知っているようだが、一応自己紹介をしている。私はディアルガ、この森の管理人だ」

「同じくこの森の管理人のパルキアだ。よろしく」

 

重々しい声が森に響き渡る。

ほ、本当にこの森はただの森ではないのだな……。

私の緊張した姿を見かねてか、時の神・ディアルガが再びしゃべりだす。

 

「今の様子だと私たちが何を話しても頭に入らないな……。少しリラックスしてくれ」

 

私は言われた通り、深呼吸をする。

そして、なんとか現実を受け入れ、まともに喋れるくらいにはなった。

 

「す、すみません。取り乱してしまって……」

「いや、問題ない。さて、早速だが……」

 

ディアルガは1泊おいて。

 

 

「森の住民であることを許可する」

 

 

「……え?」

 

いきなりそう告げられた。え、管理人の承諾というものはこんなに軽いものなのか?

周りを見渡すと、みんなだろうなと言ったように頷いていた。

 

「というか、お前がここに来ていた時点ですでに決定していた」

「そ、そんなに軽いものなのですか……」

「当然だ。俺らは神。間違いなんてしない」

 

この2人だと説得力あるな……。

とりあえず、あっけなく私はこの森の住民であることを認められた。

 

「さて……君の頭の中にある疑問をすべて私が聞こう。どれ、言ってみろ」

「い、いいのですか?」

「ああ。私たちはそう長くここにいない。できるだけコミュニケーションをとっておきたいと言う意味でも話したいんだ」

「わ、わかりました。では……」

 

私はここに来てから今日までの約1週間の疑問を1つずつぶつけた。

そして、わかったことは……。

 

「最初に睡眠をとった時に聞こえた声はディアルガの声で……。ミライ君とアヤノちゃんがポケモンと喋れるのは貴方たちがポケモンとしてのエネルギーを分け与えているからで……。そして、ここの森の住民はみんな過去にひどいことをされた経験がある者たちということですか……」

「ああ、そうだ。その過去に経験というのはそれぞれに聞いてくれ」

 

かなりあっさり答えてくれた。さすが、神。心の広さも宇宙レベルだ……。

スイクンが言っていた普通じゃないとはこのことだったのか。確かに、フローゼルが話してくれた過去も惨劇だったな……。できれば、あまり聞きたくないことだが……。

 

「他にまだあるか?」

「……あ、そうだ。ここで使っている食器がまるで人間が作ったかのような物なのですが……」

「ああ……。それは、錬金釜で作ったからだ」

「錬金釜?」

「ほら、君だけ立ち入り禁止の場所があっただろう?そこの奥に錬金釜があるのだ」

「あ……」

 

そう、私は実は通せんぼされている道があったのだ。また、管理人関係なのだろうと思いすぐにあきらめていたが、そんな物があるとは……。

 

「ところで、錬金釜とは……」

「それはだな……。説明するより実際に見た方が良い……が、今は時間がないからあとで、みんなから見せてもらってくれ」

「わかりました。あ、聞きたいことは以上です」

「そうか。スッキリしたか?」

「おかげさまで」

「それは良かった……」

 

ディアルガはそういうと少し微笑む。最初は緊張したが、いざ話してみると本当に優しくて安心した。

神とはこういう者なのだな……。

 

「最後に俺から話しておきたいことがある」

 

今度はパルキアが前に出てきた。パルキアは、一人称が『俺』のためか、より親しく感じるな。

 

「はい、なんでしょうか」

「薄々感づいてはいたかもしれんが、この森からは抜け出せないようになっている」

「ああ、そういえば……。もしかして、あなた方が力を?」

「察しが良いな。その通りだ。この空間は俺とディアルガ、それに今はいないがギラティナの3人で作り出した独立空間だ。ここから勝手に部外者が入ったり、逆に誰かが出るようなことも出来ない」

 

本当に私はとんでもないところに来てしまったのだな……。

そういえば、私はなぜここに……?

 

「あっ!」

「どうした?まだ何か聞きたいことがあったか?」

「は、はい。その、なぜ私はここに来たのでしょうか……」

「それはだな……。ああ、すまない。もう時間が来てまったようだ。残念だが……説明してる暇はないようだ」

「そうですか、すみません……」

 

少し腑に落ちなかったがそういう事なら仕方ない。

もう私もこの森の住民として認められたようだし、後で他の住民に聞いておこう。

 

「この森の住民はこれで完成ではない……。数日後、また新たな仲間を連れてくる予定だ。全員が招集したらまた来ようと思う」

「わかりました」

「ふ、物わかりが早くて嬉しいぞ……」

 

ディアルガがそういうと、再び空から光が差し込む。

 

「私たちは戻るとする。さっき言った通り、また近いうちに来るからみんな仲良くしていてくれ……」

「ウインディ、今日はせっかく来たのに詳しいことを話せなくてすまんな。他に気になることがあったら仲間に聞いてくれ」

「はい。今日はありがとうございました」

 

私は彼らに頭を下げる。

彼らはその様子を見て、「では、またな」と言い、光の中へと飛び込む。

光が消えると同時に彼らも消えていった……。

森が一瞬静まり返ったらと思ったら、フローゼルが「う、ウインディ!」と声をかけてくる。

 

「管理人さんは、どうだったかな?」

「ああ……。すごく驚いたよ。でも、優しい方々で安心したよ」

「そっか、良かった……。あ、じゃあ、今まで通れなかった錬金窯のところへ行こうか。あ、えーと、ほ、他のみんなは解散してください!」

 

フローゼルそう言うとみんな「はーい」といった具合に散らばっていった。

……と思ったら、オオタチとアヤノちゃんが私の元へやってきた。

 

「私も行きますよ。錬金窯の扱いは慣れてますし。それに、フローゼル1人じゃ不安ですからね」

「あう……。ご、ごめん……」

「うふふ、いいのよ。さて、いきましょうか」

「私も行きます……。私か十時くんがいなきゃ意味がないので……」

「ええ、お願いしますね」

 

こうして、私たちは4人で錬金釜あるという場所へ向かった。




これ、タイトルで管理人ネタバレだ!
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