【カオ転三次】地方神ガチ勢と化した俺たちの話 作:一般俺たち
どうも、稲荷神じゃ。気軽にお狐様と呼んでもよい。
……わらわは誰に自己紹介しておるのだ? まあいいか。
「む、もう日が昇る時間か」
悪魔の朝は早い。そもそも悪魔は睡眠も食事も必要とせんから、別に早いも遅いも無いが。
悪魔にとってそういった生物的行為は自身の快楽のためにやるものじゃ。わらわも昼まで爆睡したり、スイーツをドカ食いするのが気持ちいいからよく分かるぞ。
「よしよし、よく寝ておるのーお前は」
氏子の頭を一撫でして起き上がる。朝の支度をしなくては。
夜はずっとこいつの寝顔を見ておった。たまに寝言でわらわの名前を呟いたりして、見てて全然飽きないんじゃよな。もっと眺めていたかったというのに、まったくアマテラス様も無粋な事をなさる。どっかに永遠に夜の異界とか無いものかのう。
「えーと、今日の献立は……」
「れいぞうこ」なる物を覗き込んで食材を確認する。最近の家電というものはマジで便利じゃのー。パないわ。こんなもん昔は使っておらんかったぞ。まったく便利な世の中になったものじゃ。
賞味期限に味、その他諸々を鑑みて今日は豆腐の味噌汁とタラの照り焼きに決定。あいつは結構朝から食うタイプじゃからな。朝からちょっとボリューミーに行くのじゃ。
「アブラカタブラじゃ」
包丁やまな板に魔法をかけると、調理器具たちがひとりでに動いてネギを切ったり米を研ぎ始める。まあいわゆる生活魔法というやつじゃな。わらわは玉藻の前とも縁があるからのう、このような生活を便利にする魔法が非常に得意なのじゃ。ほぼ権能と化しておるな。わらわを台所の神として崇め奉ってもよいぞ。
ふう、朝食と弁当についてはこれで良し。
後はもう一度氏子の寝所へ戻って寝顔を眺めに行くか。
今日は気分が良いし、わらわの夢を見せてやるのも面白いかもしれんのう。
不敬にもわらわと結婚して家庭を築いた時の夢じゃ。しょせん現世では叶わぬ夢よ、泣いて喜ぶであろうなぁ……。それは刷り込みではないかと以前近所のシキガミに言われたが、まあこれは事実無根の言いがかりなので無視してよいな。
「よし、では行くか」
ウキウキして寝所へ足を運んだその時、そう言えば今日は用事があった事を思い出した。
「いかん、今日はシキガミを引き取りにいく日じゃった」
シキガミ。あの怪物じみた神主が作り上げた、わらわが見てもその秘術の全貌が分からぬ恐るべき使い魔。我が氏子がこの先強くなるためには絶対に欠かせぬ存在よ。
それが完成したという事で、今日は朝から工場に受け取りに行く予定じゃった。
「ふふふ……あいつがわらわの慈悲深さに咽び泣く姿が目に映るようじゃ……」
今から取りに行く式神はただの式神ではない。
なんと、このわらわが分霊を込めた特別製のシキガミよ。これは号泣間違い無しじゃな! わらわの深い思いやりに惚れ直す事請け合いよ。
全く、これ以上好きになられても困ってしまうのう……。愛されるというのも罪作りなものじゃ。やれやれ。やれやれ。やれやれやれやれ。本当にやれやれじゃのう。
シキガミという物に関して、わらわはそのコンセプトを聞いた時から不満に思っていることが一つあった。目的の【本霊】から超劣化させた【スダマ】や【スライム】などの木っ端分霊を使っておるという事じゃ。
スダマやスライムというのは、いわば名のある神の僅かな切れ端よ。その様などこの馬の骨とも取れぬ神の欠片が、我が氏子の傍で戦うじゃと? 冗談も休み休み言え。
しかも近所のシキガミ(わらわはご近所付き合いも天才的じゃ) から聞いたところによると、本霊通信という形でシキガミが本霊から干渉を受ける事もあるとか。
もしあいつのシキガミが【女神】とか【地母神】に繋がったらと思うと恐ろしい。あいつら本当に頭がおかしいからのう。生粋の恋愛脳かつヤンデレで、全く話が通じんのじゃ。
同じ神としてああはなりたくないのう。
ともかくそんな奴がわらわの氏子の傍で戦うじゃろ?
生命を懸けた戦闘の中で絆を育むじゃろ?
いつしかそのシキガミへの想いはわらわへのそれを超え、そして……!!
あ゛あ゛あ゛~~~~~~~~~!!!寝取られじゃあ゛~~~~~~!!!!
わらわNTRはマジで無理なのじゃ……! うう……想像だけで脳が破壊される……!
まあともかく、そんな訳で最初はシキガミを動物型とか武器型にさせるつもりじゃった。勿論【変化】スキルは絶対に取らせないようにしてな。
しかし、どうも最近は装備とかの兼ね合いで人型式神の方が強いようなのじゃ。氏子の事を思えば、当然人型を用意してやりたい。
この二律背反に苦しみながら、ついに天才のわらわは閃いたのじゃ。
「そうじゃ、わらわの分霊を入れればよい」とな。
そうすればわらわは妙な心配をする必要が無くなるし、アイツも辛い異界攻略にわらわが一緒にいてくれてWIN-WINじゃ。
いやー、最近まで分霊なんて作れぬ雑魚狐じゃったからのう。わらわも神だから分霊作れるじゃんと言う当たり前の事に気づくまで時間がかかってしまった。
まあそんな訳で、わらわの分霊+氏子の血肉(快く提供してくれた。ディアで治ると言って内臓まで摘出しようとした際にはちょっと引いたのじゃ。貰ったけど)で出来たスーパー式神が今日できる予定なのじゃ。
アイツにはわらわの分霊を入れていることや、今日出来上がる事は伝えてないからな。サプライズプレゼントという訳じゃ。楽しみじゃのう。
……あ、ちなみに神主には死ぬほど許可取ったのじゃ。誓約書何枚も書かされたのう……あれは良くない思い出じゃ……。
「頼もう! 予約していた稲荷神じゃが、シキガミは出来ておるか」
ええい忘れろ忘れろ。あの傍にいた性格最悪のネコマタの事も気にするでない。なんじゃアイツ、わらわの事を煽り倒しよって。
過去を振り切るように扉を開くと、顔を顰めるような異臭がわらわを出迎えた。
臭い。汚い。
なんじゃここは……地獄か? 作業員らしき人間たちが死んだ目で金属を叩いたり紙を捏ねたりしておる。あれが地獄の亡者か?
あまりの光景に圧倒されておると、奥から亡者の親玉のような男がのっそりと進み出てきた。
「どうも、お話は聞いていますよ……。【狐憑き】さんと契約されている悪魔の方ですね……? こちらがご注文のシキガミになります……。サプライズにしたいという事でしたので、停止状態にして梱包してあります……」
「お、おう……お気遣い感謝するのじゃ……。その、コイツらは大丈夫なのか? 地獄の亡者かと思ったぞ」
「いえいえ、ご心配なく……。実はここに居る者たち全員、本来シフトに入ってないんですよ。どうしても自分の理想のシキガミが作りたいと言って、わざわざここの設備を借りて制作してるんですね。いわば趣味でやっておりますので、安心してください……」
「うむ、そうか……趣味とは恐ろしいのう……」
聞けば「アリアケ」なる海で行われる祭典でも、そこに本を出すために地獄を見る者が何人もおるとか。趣味に命を削るのは人間の性なのかもしれんのう……。
ちなみに後々コイツらにおにぎりとお味噌汁を差し入れたら泣いて喜ばれた。もう少し日常生活を省みるのじゃ!
「ふう、到着到着。シキガミ、稼働してない状態だと嵩張るのう」
紙で出来てるから軽いんじゃけど、なにぶんデカくて運び辛かったわ。
梱包をといて中身を見てみると、わらわを幼くしたような黒髪の少女が目を閉じて立っていた。
★式神 『狐巫女』 Lv.1
物理耐性 火炎耐性 呪殺無効
【スラッシュ】*1【かばう】【タルンダ】【ドルミナー】
おお、なかなか優秀なステータス。氏子の肉体とマッカを大盤振る舞いした甲斐があったのう。後衛を守れるように、前衛タンク+バフデバフがこいつのコンセプトじゃ。
容姿も注文通りじゃな。まだ神格を得てない頃のわらわじゃ。あいつと初めて出会った時の姿でもある。
霊能も何もない奴が見れば、ちょっと大人びた小学生くらいに見えるかのう。
「よーしよし、後はアイツが異界から帰ってきたらドドンとサプライズよ」
わらわはこういう派手な事が大好きなのじゃ。フラッシュモブの動画とかよく見るからのう。アイツもそういうのが好きなのは分かっておるし、気まずくなる心配も無い。ふふふ、まさに完璧よ。
その後、わらわはアイツを起こして共に朝食を摂る。
今日もアイツは「美味い美味い」と間抜け面をして喜んでおる。感謝から生まれるMAGが流れ込んでくるから、本心で言っていることがよく分かって少しこそばゆいのう。
途中「お狐様、さっきまで何処かに行っていました?」と聞かれた時はマジでビビったのじゃ。確実に寝ておったはずなのに、無意識レベルでわらわの存在を探知しておる。
生物にとって最も無防備な睡眠中でも、わらわが傍を離れたら気付くのか……うむ、探知系の素養もあるようじゃのう! わらわの加護で【獣の直感】とか渡しても面白いかもしれん。
そして氏子は異界に出発。
わらわは箒とか掃除機に魔法をかけて、洗濯や掃除を行う。
こういう魔法を消費ゼロで使えるのもこの土地の強みじゃのう。土地に流れるMAGが尋常ではない。
「ふんふーん、ふふーん♪」
鼻歌を歌いながらパタパタと棚の埃を落としていく。わらわはJASRACに配慮できる悪魔じゃ、歌詞は口に出さんぞ。
家事を手早く済ませると、自分の尻尾から毛を何本か引き抜いてMAGを込める。
ボワンという音と煙と共に、わらわの分身が数体現れた。初歩的な分身の術じゃの。簡単な命令をこなすだけの分霊以下モドキじゃ。
「狐Aは呪符の作成、狐Bは畑仕事、狐Cは
分身たちはコクリと無言で頷くと、それぞれの持ち場へ向かって行った。最低限の思考能力しか持たせてないからの。自我も無いし、放っておけば永遠に仕事をこなし続ける。
……ただ、あまりにも放っておくと自我が芽生えてきて滅茶苦茶困る事になるがの。安全を取って一日ごとに作り直さないといけないのが面倒なところよ。
ちなみに畑仕事というのは、ガイア連合から購入した霊地で【プチソウルトマト】とかを育てて売る事じゃ。わらわは豊穣神としての側面もあるからのう。
というか稲荷神が習合されすぎて権能が滅茶苦茶なのじゃ。豊穣神だったり商業神だったり天照の遣いだったり妲己の分霊だったり九尾狐の劣化だったりダキニ天の部下だったり……。日本神話は他宗教を取り込みすぎて闇鍋と化しておるのじゃ。
さて。家事も済ませたし、内職も畑仕事も問題なしじゃ。わらわは掲示板で情報収集するとするかの。
このガイア連合が作った掲示板には、知らないと絶対損するであろう情報が大量に溢れておるからのう。優秀なスキルカードとか、今後のガイア連合の方針とか、割のいい依頼とか……。人間たちの雑多な欲望がぶちまけられたカオスから使える物を見つけるのには苦労するが、まあこれももはや仕事の一種じゃ。
「ふむふむ。やはりわらわが予測した通り今後シキガミは人型の方が強くなっていきそうじゃの。装備の充実度が段違いじゃ」
「む、新しい【ガチャ】か……わらわ【運】のステータスは高い方じゃが、格差に繋がるとして神主側でそういうの排除してるっぽいんじゃよなぁ。今回はパスじゃパス」
「現金とマッカのレートがまた上がっておる! もう今後現金は即マッカに変えた方が賢いかもしれんのう。ちょっと困ったら
「【管狐】……? わらわと属性が被っておるコイツ……! 許さぬ……!」
「【氏子に愛され過ぎてるけど何か質問ある?】っと。ふふふ、たまにはこうやって息抜きせねばのう」
「『妄想乙』『おばあちゃんご飯はもう食べたでしょ』『創作板でやれ』………なんじゃコイツら! なんじゃ! わらわが大人しくしてたらつけ上がりおって……!」
「『悪いがわらわの氏子って超イケメンじゃから! 今朝も一緒に朝ごはん食べたから! はい論破!論破!』」
……ふう。途中少し脱線したかもしれんが、まあ
「稲荷神の権能にレスバが追加される日も近いかもしれんな。インターネットの神として崇められるのじゃ」
いくら八百万の神とはいえど、まさかレスバを司る神などおらぬじゃろう。
その空位、いつでもわらわが狙っておるからな……。
わらわの新たな啓蒙活動に熱中していると、もうそろそろ夕飯の支度をせねばならぬ時刻になっていた。
この夕食ばかりは分身や魔法の力を借りず、わらわ一人で作る事にしている。異界攻略で消耗した我が氏子を少しでも労ってやりたいという、神としての心遣いよ。朝食と弁当を作る時間はアイツを眺める時間に使いたいが、夕食を作る時にはアイツ居ないからのう。
「今日はちょっと挑戦してみるかのう。ハンバーグにチャレンジじゃ」
和食は完璧に極めておるわらわじゃが、洋食にはトンと疎い。
だが今後氏子が食べるものは全てわらわが作った物になる訳じゃし、少しはレパートリーも増やさんとな。いつか中華も極めて見せるぞ。中華の鉄人……鉄狐となるのじゃ。
「滅茶苦茶上手く行ってしまった……ふふ、やはりわらわは台所の神となる器のようじゃな」
見ろこのハンバーグを、まるで光り輝くようじゃ。食材の声が聞こえていたかもしれん。食運が向いてきたようじゃな……お前はトリコ?
グルメ細胞が活性化しそうな逸品に保温魔法をかけ、テーブルに並べておく。これで準備完了じゃな。
「ふむ……少し時間が空いてしまったな」
アイツが帰ってくるまでに、少しシキガミのチェックでもしておくか。あの神主の仕事じゃ、まさか間違いなど無いとは思うが、一応わらわの眼でも確認しておかなくては。
押し入れからシキガミを引っ張り出し、幼い頃のわらわの姿をしたシキガミをまじまじと眺める。うーむ、見事な造形美よ……。朝に出会ったあの亡者たちも技術だけで見れば超一流じゃのう。それ以外の全てを投げ捨てておったが。
このシキガミはわらわの分霊が宿っており、起動時はわらわの意識を宿した分身となる予定じゃ。わらわは稲荷神として過ごしながら、シキガミとしても戦う事になる訳じゃな。人間では少々自己同一性を損ないそうじゃが、神霊にとってはどちらも自分じゃ。
む、閃いたぞ。もうわらわの意識を入れておいて、アイツが帰ってきたら二人で出迎えてやろう。ふふふ、アイツの喜ぶ姿が目に浮かぶようじゃのう。
さて、魂魄を意識して……わらわの分霊に移して……。
む?
なんじゃこれ。
なんか固くないか?
え? マジで入らないんじゃが。誰じゃここに荷物置いたの。
ちゃんと片付けておけってわらわ言ったじゃろう。
あれ?
これ、こいつ。
こいつもしかして、もう自我がある感じか?
「止めておいた方がいいですよ、母上。神主の術式はどうせ破れませんから」
「!?!?!?!?!?!?!?」
キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!
「という訳で、お前に娘が出来た」
「よろしくお願いしますね、父上?」
「どういう事です!?!?」
わらわにも分からぬわ!!
突然喋り始めたシキガミから、詳しい事情を聴いたところ。
【転生者の肉体】+【本人と深く結びついた神の分霊】という今までにない組み合わせにより、式神に自我が発生するのが異常に早かったらしい。
……多分じゃけど、『神霊にシキガミの構造を詳しく分析されたくない』という神主の思惑も合わさっている気がするのう。神懸けてわらわにそんな気は無かった(あの化物相手にそんなこと出来るか)が、まあ懸念自体は理解できる。あれほど契約書を書いたというのに、あの神主の心配性ぶりは徹底しておるのう。身内に悪魔の被害者でもおったのか?
ともかく、わらわの分霊を込めた式神は既に自我が確立されておった。
そしてその式神本人はわらわ達二人の娘を自称しておる。
……ここが一番よく分からんがな。
「私の身体は父の血肉と母の霊格によってできています。いわば私は、二人の遺伝子を継いで生まれた子供なので。ちゃんと認知してくれないと困ります」
「可愛い~~~~!!!! なるほどね~~~~~!!! 俺の娘超かわいい~~~~!!!」
氏子は即座に隣に座っていた式神の頭を撫で始めた。
こいつ理解が早すぎるのじゃ!
「お前、流石に受け入れるのが早すぎんか!? よく考えろ! やっている事はほぼ娘を名乗る不審者じゃぞ!」
「え、でもこの子から確かにお狐様の霊格を感じますし……そんな子の事をそう簡単に無下には出来ないというか……」
もう駄目じゃコイツは。わらわの事を好きすぎるがあまり脳がバグっておる。
無から生えてきた娘を受け入れる速度が異常すぎるわ。
わらわはそう簡単に受け入れたりせんぞ。
何じゃ娘って! それではその、わらわと氏子がもう結婚しているみたいではないか! 気が早い……じゃなくて、不敬であろう! わらわはお前を血族として受け入れるつもりは無いぞ。
小生意気な面をしおって……わらわと氏子の聖域に踏み込んできた不届き物が……!
しかも頭を撫でるじゃと……!? そんな事、わらわもされた事が無いのに……!
「でもお狐様が嫌な思いをするようでしたら、残念ですがこの子は……」
「父上、母上の頭を撫でてあげてください」
「え?」
「いいですから、早く。母上が羨ましがっています。早く抱きしめて頭を優しく撫でるのです」
なんじゃと? 小娘が、妙な事を抜かしおって。わらわがそのような事思っているはずも無かろう。好きでもない男に頭を撫でられるなど……少女漫画を真に受けた勘違い男のような真似をされて嬉しいはずがない。
ああっ、でも何か唐突に腰が痛いのう! いかんなあ、今日家事を頑張りすぎたかもしれぬ。原因不明の激痛で何故か一歩も動けぬわ。くう……これでは氏子に抱きしめられても抵抗できぬではないか……!
「ええと……じゃあお狐様、嫌だったら避けてくださいね?」
そのまま氏子に優しく抱擁されてしまう。ぐう……不愉快じゃ……っ! 意外とたくましい腕の筋肉とか、壊れ物を扱うような丁寧な手つきとかを強制的に意識させられておる……!
……しかし、氏子の腕の中はいい匂いがするのう。こうして近づくと、奴のMAGがよく感じられる。わらわへの愛情に満ちた、優しいMAGじゃ。こいつは本当にわらわの事が好きなんじゃなと、何故か安心させられる。
……………。
ふう。
この式神、わらわの娘だった気がしてきたな……。わらわの娘じゃないか?
親への気遣いを欠かさない、素晴らしい娘じゃな。わらわは最初からお前の事を出来る奴じゃと信じておったぞ。今日から晴れて血族認定じゃ。
「……ふむ、良かろう。お前をわらわの娘として認めてやろうではないか。これからは我が氏子の傍でよく働くように」
「抱きしめられながら言っても格好ついてませんよ」
「やかましい!」
★式神『狐巫女』が 仲間に なった!
おかしいな……当初お狐様は美しくも妖しい悪女として描く予定だったんだが……