怖いウマ娘じゃないよ……多分   作:但野ミラクル

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長らくお待たせしました。いや本当にすいません。


ウマチューバーデゼスプワール

「ということで今回はマリアカートをやっていきたいと思います」

 私は今私の部屋でマリアカートというゲームをしていた。マリアカートは名の通りカーレースをするゲームである。元々はマリアシスターズというゲームが元でありその派生であり、マリアシスターズのキャラクターでアイテムを使ったりしてレースで一位を目指すことを目的としたものだ。……前世でもこんな名前のゲームがあったことを考えると、あのゲームを作った人がこの世界では何らかの影響で製作者がマリアというキャラクターでゲームを作ろうと思ったのだろう。まあ前世ではやったことなかったから憶測なのだが。

 このゲームは認知度、ゲーム人口ともに高いゲームでゲーム実況にはもってこいのためこのゲームで実況を行うことにした。やっぱりビッグタイトルは強い。まあ、その分他の人もやっているから視聴者の奪い合いみたいになってしまう一面もあるから、一概にどれがいいともいえないのだが。

 まあ、それはともかくこのマリアカートをプレイしているのだが――

「え、デゼスプワールさん。なんでこんなに壁にぶつかるんですか?」

「……なんででしょう?」

 スタッフの人とレースをしていたのだが、十戦中全敗した。ハンデとかは負ってもらっているのにそれですら負ける。何故かコーナーですごく壁にぶつかる。

「まあ、練習したら何とかなりますよ、多分」

「……頑張ります」

 その日私は30戦レースを行った。 

 全敗した。

 

 

 

 

「うぐぐぐ」

「悔しがりすぎだよ? デゼスさん」

「でもライスさん、全敗ですよ? 全敗。いくらなんでも弱すぎじゃないですか。私」

「いや、最初は皆そうだよ、デゼスさんも少しずつ強くなれるよ」

「ライスさん……。ありがとうございます。私頑張ってみます」

「……でも弱いデゼスさんも見ていて安心するけどね」

「……どうしてです?」

「だって、デゼスさん完璧にすぎるところがあるからちょっと苦手なことがあるってわかったらちょっと親近感が湧いてくるというか、私と同じところがあるんだなあって実感できるの」

「……私はそんなに強い訳ではないですよ」

「知ってるよ」

 ライスさんは私を見て静かに笑った。

「だって、それも見てきたもん。でもそれはそれとしてもっと見たいな。だってデゼスさんは隠しちゃうから、弱味とか無茶を」

「……う」

「もっと頼ってよ、ライスはもらってばかりだよ? 少しは返させてよ」

「え? いやいやもう十分もらっていますよ? むしろ返すのは私のほうじゃないですか?」

「……そういうところだよ」

 ライスさんはため息を吐いた。

 

 

スタッフ視点

 

「なんでデゼスさんはこんなに弱いのでしょうか?」

「さあ? なんでだろうね、レースとかで判断能力は培われているだろうから本当に不思議なんだよね」

 編集の作業をする部屋でアグネスタキオンさんと私は話をしていた。本来ならエリート中のエリートであるアグネスタキオンさんと話す機会などないはずなのだが最近色々あって会話するようになっていた。……デゼスプワールさんやアグネスデジタルさんと話していた時点で今更感はあるが。

「単純にゲームに慣れていないのかもねえ」

「……慣れてないですか?」

「ああ、デゼス君は孤児院出身らしくてね。……ああ、本人も隠していないから聞いても大丈夫さ。本人からも許可はもらっている。それに別に言いふらさないだろう?」

「それはそうですけど……」

 それでも個人の過去というのは容易に踏み込んでいいものではないから抵抗はある。

「まあ、そこまで困窮していた孤児院ではないみたいだけどゲームは置いてなかったらしい。だからゲームを触るのにはちょっと不慣れみたいだ」

「だからですか」

「みたいだね。その代わりゲームの操作に関係ないゲームなら強いよ」

「……どんなゲームですか?」

「色々さ、H&B、ポーカー、将棋どれも強かった、私は何回も負けた」

「え」

 私は呆然とアグネスタキオンさんを見る。アグネスタキオンさんとはその手のゲームを暇潰しにしたことはあったがめちゃくちゃその手のゲームが強かったはずだ。少なくとも私は全敗した。

「いやあ、自信はあったんだがねえ。かなりぼこぼこにされてしまったよ。悔しくて悔しくて鍛え直したぐらいね」

「ええ……」

「今度皆でポーカーでもしてみようか。罰ゲームとかの要素を入れたら動画になると思うよ」

「なるほど、皆さんに提案はしてみてもいいかもしれませんね」

「……ちなみにだが私も参加していいかい」

「え? ……いやむしろこちらからお願いしたいくらいですけど、いいんですか?」

「ふふ、リターンマッチもできるしデゼス君の手伝いが両方できるからね。効率的だろう?」

 アグネスタキオンさんは口元を手で隠しながら笑った。

 

 

 

 

 

 

 

「……」

「……」

 ここまで差が出るものなのか。私はそう思った。

 スタッフ二人と特別出演のアグネスタキオンさん、デゼスプワールさんの四人でポーカーをしてみた結果、アグネスタキオンさんとデゼスプワールさんが全体の9割のチップ(もちろんおもちゃだ)を所有することとなった。……いやここまで露骨に差が出るものなのか。完全に二人の対決になってしまっている。

 アグネスタキオンさんもデゼスさんもめちゃくちゃ本気だ。アグネスタキオンさんは口元は緩んでいるけど目は全く笑ってないし、デゼスさんは無表情でアグネスタキオンさんを見ているし非常に怖い。

 特にデゼスさんの触れ幅は大きすぎる。得意なものと苦手なものの差がとんでもない。

「フルハウス」

「フォーカード」

「……負けか」

「タキオンさんの相手は怖すぎますよ、どんな手が来るか予想できませんから」

「……君がそれを言うかい?」

 どっちもどっちである、とは言えないが、私たちスタッフでは力不足である。ある意味役不足ともいえるが。

 どちらも強すぎる。アグネスタキオンさんがロイヤルストレートフラッシュを出したときなんて目を疑った。まさか生きているうちに目の前でそんな手を見ることになるとは思わなかった。嘘でしょと言いそうになった。

 

 

 

 

 なおその後めちゃくちゃ嬉しそうな顔をしたタキオンさんとこれは無理とでも言わんばかりにデゼスさんか笑っているところが撮れた。こんなのファン垂涎の動画である。許可をもらえたら今回の動画のサムネイルにしようと思う。

 

 

 

 ……余談だが、H&Bをスタッフやタキオンさんたちとした場合一番強いのはデジタルさんだった。何でも相手の顔を見ればなんとなく選んだ数字が分かるらしい。流石にタキオンさん、デゼスさんでも一発で当てられては対処のしようがなかったようである。それでも二人とも1H2Bまでは一発でもいけることがある辺り本当に敵わないが。……ここのメンバー、超人、いや超ウマ娘が多くないだろうか?

 




作品コソコソ噂話
自分で名前付けたのに登場人物の名前を素で間違える作者がいるらしい。
……皆は覚えやすい名前を登場人物に付けようね。冗談抜きで苦労するから。

あとデジタルは何故か書いていく内にこんな超ウマ娘になってしまった。なんでだろうなあ?
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