WHITE WITCH(ホワイト ウィッチ)   作:木村仁一

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4話 クリーナー

 日が傾き出した頃。

 とあるキャバクラ店に、3人の外国人の男が入って行った。

 人はショートの金髪の白人で、もう1人は大柄なスキンヘッドの黒人、もう1人はリーゼント頭のアジア系だ。

 しかし妙だ。

 店のドアには「本日休業」の札が掲げられている。本来なら入店できるはずはない。

 男たちが入ると、店内は薄暗く静かだ。

 すると、奥の席に1人の男が座っていた。

 黒富士(くろふじ)だ。

 黒富士の両脇には1人ずつ黒服の組員が立っている。

 

「座ってくれ」

 

 黒富士の指示に従い、外国人3人組は黒富士の向かいの席に座った。

 

「知っているとは思うが、長峰(ながみね)は死んだ。そこでだが、長峰に代わって自分がキミたちを雇う。問題無いな?」

 

 そう、この外国人は鬼柳(きりゅう)を殺す為に、本来長峰が雇うはずだった国際暗殺チーム、通称「クリーナー」だった。

 プロの殺し屋である鬼柳に対抗して、プロの暗殺チームを呼んだわけだ。

 しかし、黒富士の提案にクリーナーの3人は首を縦に振ることは無かった。

 すると、白人の男が口を開く。

 

「Mr黒富士、ワタシタチワ、マネーヲ先ニモラウ、ソレカラ、仕事スタートデスネ」

 

 片言の日本語で話す白人の男。多少の日本語は話せるようだ。

 話には聞いていたが、やはり前金を払わないといけないようだ。

 

「金額は?」

 

 白人の男が一枚のメモを黒富士に渡した。

 そこに書かれていたのは「3000.0000」の数字。

 

「随分な金額だな?」

「Mr長峰ワ、ソレデOKダシタ。NOナラ、殺シ(オソウジ)、シナイ」

 

 3千万円という大金。

 本来は書類を売って手に入れた金で彼らを雇うはずだったが、その金はホワイトウィッチたちに奪われてしまった。とても雇うことはできないだろう。

 クリーナーたちもそう考えていた。

 すると、黒富士が黒服の男の1人に向けて頷くと、足元に置かれていた大きなケースを持ってクリーナーたちの前に置いた。

 白人の男がケースを開けると、そこには札束が幾つもある。3千万円は下らないだろう。

 一瞬クリーナーたちの目が点に変わった。まさかお金が用意されているとは思わなかったようだ。

 

「これで問題無いな?」

 

 黒人の男がスマートフォンのライトでケースの中を照らすと、白人の男が札束を調べる。

 ランダムにいくつかの札束の中身を確認するが、白紙などは混ぜられていないようだ。

 白人の男は頷き、ケースを閉じる。シ

 

Excellent(エクセレント)殺シ(オソウジ)、ヤリマスゥ」

「よろしい。消して欲しいのは――」

「――Noproblem(ノープロブレム)。Mr長峰カラ、掃除相手、聞キマシタ。Mr鬼柳、デOKデスカ?」

 

 黒富士は頷いた。

 

「鬼柳を知っているのか?」

「先二、掃除相手、調ベル。ソレハオ金無シデ、ヤリマス」

「そうか。どのくらいで消せる?」

「明日ニハ、デキマス」

「そうか。それで頼むよ」

「OK」

 

 交渉が成立し、黒富士と白人の男は握手を交わした。

 そして、クリーナーたちがケースを持って出て行き、それを見送る黒富士と組員たち。

 

「総長。本当に3千万も良かったんですか?」

「問題無い。鬼柳が終われば、次は魔法使い2人。それが終われば後は消えてもらう。クリーナー(あいつら)の首を欲しがっている奴らが、首にかけている。賞金が手に入ればお釣りがくるんだ、安いもんだよ」

 

 世界をまたにかける暗殺チームであるクリーナーたちには、当然敵も多くいる。

 中には高額な懸賞金をかけてクリーナーの殺害を望む者も少なくない。

 それを知っていたために、黒富士は長峰にクリーナーを雇うことを許可したのだ。

 それを聞いた組員も納得したが、何処か生返事だった。

 クリーナーはプロだ。本当にそう簡単に上手くいくのか、と。

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